2018年にスクウェア・エニックスよりリリースされたRPG『オクトパストラベラー』。“HD-2D”という新しいビジュアル表現、8人の主人公たちが主軸となって織り成す深みのあるストーリー、斬新なバトルシステムなどで、世界中のプレイヤーを驚かせた本作が、7月13日でめでたくリリース8周年を迎えました!
本シリーズにとって切っても切れない“8”周年の節目にあたり、電撃オンラインではシリーズを長年にわたって支えてきた3名の方々にお集まりいただくインタビュー企画を実施します。
本シリーズにとって切っても切れない“8”周年の節目にあたり、電撃オンラインではシリーズを長年にわたって支えてきた3名の方々にお集まりいただくインタビュー企画を実施します。

お話を聞かせてくださるのは、スクウェア・エニックス「浅野チーム」を率い、『オクトラ』のみならずHD-2Dシリーズの全体を統括している浅野智也さん。『オクトパストラベラー』および『オクトパストラベラーII』のプロデューサーを務めた高橋真志さん。そして『大陸の覇者』初代ディレクター兼2代目プロデューサーを経て『オクトパストラベラー0』をプロデュースした鈴木裕人さんの3人。

前編となる今回は、8周年を振り返っての思い出や、HD-2Dシリーズにおける『オクトラ』の位置づけなどについてお聞きしていきます。
なお、オンラインくじサービス“くじ引き堂”にて、『オクトパストラベラー』シリーズ8周年を記念した展開が行われることが決定! これを記念して、全シリーズを対象にグッズ化してほしいキャラを聞くアンケートと、『オクトパストラベラー(1)』のキャラクター人気投票&アンケートを実施中です。(投票締切は8月2日23:59まで)
なお、オンラインくじサービス“くじ引き堂”にて、『オクトパストラベラー』シリーズ8周年を記念した展開が行われることが決定! これを記念して、全シリーズを対象にグッズ化してほしいキャラを聞くアンケートと、『オクトパストラベラー(1)』のキャラクター人気投票&アンケートを実施中です。(投票締切は8月2日23:59まで)
索引
閉じるまるで昨日のことのよう──8周年を迎えた今、主要スタッフが語る『オクトラ』への想い【オクトパストラベラー】
――2018年にシリーズの第1作目である『オクトパストラベラー』がリリースされ、はや8年が経ちました。新規コンテンツとして産声を上げた『オクトラ』は、たくさんのファンに愛されるシリーズに成長しましたが、皆さんの今の率直なお気持ちをお聞かせいただけますか?
高橋真志氏(以下、高橋)
最初に『オクトパストラベラー』を世にお披露目したのは、2017年のNintendo Switchの発表会でした。もう9年ほど前という計算ですね……まるで昨日のことのようです。おかげさまでシリーズ累計700万本という大きな数字を達成でき、とても光栄に思っています。
浅野智也氏(以下、浅野)
開発開始から数えると、もう10年ほどの時間が経過しているわけですが……月日の早さに驚くと同時に、累計700万本という結果には感謝しかありません。
その一方で、シリーズを黎明期から支えてきた高橋や鈴木も今や立場が変わりまして、見るべき範囲は広くなり、仕事の内容も変わってきたことで、『オクトパストラベラー』のことばかり考えてはいられなくなっている側面があります。そこに対する憂いのような気持ちもありますね。
その一方で、シリーズを黎明期から支えてきた高橋や鈴木も今や立場が変わりまして、見るべき範囲は広くなり、仕事の内容も変わってきたことで、『オクトパストラベラー』のことばかり考えてはいられなくなっている側面があります。そこに対する憂いのような気持ちもありますね。

――皆さん、時間の経過とともに立ち位置も上がっていっておられるでしょうからね……。
浅野
それは本当に誇らしいことではあるんですけど。その一方で、これまでと同じように動きたくても動けないことはどうしても出てきています。
多くの方に『オクトラ』シリーズを遊んでいただき、愛していただけている今の規模感に対し、こちらから提供できているコンテンツの量が少ないことは自覚しているのですが……。そこは素直に申し訳なく思っていますし、8周年を1つの節目として会社としての体制もアップデートして、応援してくださるファンの皆様に十分なコンテンツやサービスを提供できるよう、取り組んでいきたいと決意を新たにしています。
――組織編成の改革は、シリーズがますます広がっていくために必要なアップデートなのかもしれませんね。ではここで、『オクトパストラベラー』が発売された8年前を振り返り、今でも印象に残っている思い出などを聞かせてもらえますか?
多くの方に『オクトラ』シリーズを遊んでいただき、愛していただけている今の規模感に対し、こちらから提供できているコンテンツの量が少ないことは自覚しているのですが……。そこは素直に申し訳なく思っていますし、8周年を1つの節目として会社としての体制もアップデートして、応援してくださるファンの皆様に十分なコンテンツやサービスを提供できるよう、取り組んでいきたいと決意を新たにしています。
――組織編成の改革は、シリーズがますます広がっていくために必要なアップデートなのかもしれませんね。ではここで、『オクトパストラベラー』が発売された8年前を振り返り、今でも印象に残っている思い出などを聞かせてもらえますか?
高橋
少し地味に思われるかもしれませんが、個人的には日本と海外の同時発売を実現できたことが、今でも思い出深いです。
『ブレイブリーデフォルト』シリーズの頃から、浅野チームの作品は“日本版を出してから1年後に海外版をリリースする”という流れが伝統のように繰り返されていたのですが、この『オクトパストラベラー』で初めて、日本のお客様のみならず、海外のお客様も含めて同じタイミングで盛り上がってもらうことができました。これは当時、すごく手ごたえを感じたんですよね。
――本作から生まれた“HD-2D”……いわゆる3Dと2Dのいいとこどりをしたかのようなこの表現方法は、今やRPGジャンルにおいて1つのスタンダードと言える地位を築いたかと思います。そんなHD-2Dの祖である『オクトラ』がゲーム業界に、そしてユーザーに与えた影響はどのように受け止めていますか?
『ブレイブリーデフォルト』シリーズの頃から、浅野チームの作品は“日本版を出してから1年後に海外版をリリースする”という流れが伝統のように繰り返されていたのですが、この『オクトパストラベラー』で初めて、日本のお客様のみならず、海外のお客様も含めて同じタイミングで盛り上がってもらうことができました。これは当時、すごく手ごたえを感じたんですよね。
――本作から生まれた“HD-2D”……いわゆる3Dと2Dのいいとこどりをしたかのようなこの表現方法は、今やRPGジャンルにおいて1つのスタンダードと言える地位を築いたかと思います。そんなHD-2Dの祖である『オクトラ』がゲーム業界に、そしてユーザーに与えた影響はどのように受け止めていますか?
浅野
おかげさまで「定番化された」と感じている部分は我々自身のなかにもあって、受け入れていただけたことへの安堵感は大きいです。一方で、それが定番化してきたことにより、今度は新鮮さが薄れてしまったのではないかという懸念もあるんですよね。
――もしかするとそういう側面はあるのかもしれませんが……。その代わり、好きな人にとっては品質への安心感に繋がっているようにも思います。
――もしかするとそういう側面はあるのかもしれませんが……。その代わり、好きな人にとっては品質への安心感に繋がっているようにも思います。
浅野
我々としても熟考してタイトルを選別し、それをできるだけ丁寧に作ろうと努めてきたので、その積み重ねがユーザーにとっての信頼や安心感に繋がっているとしたら素直にうれしいです。
ただ、社内でも「HD-2Dだから売れるわけではない」という議論はよく交わしますし、実際にどんなゲームでもHD-2Dにするのが最適なわけではありません。
やはり「これだ!」というものをしっかり取捨選択していきたいんですよね。そのうえで、まだ手をつけていないジャンルや方向性もどんどん模索していきたいです。
――常に挑戦的な姿勢は、浅野チームならではの強みな気がします。そもそもHD-2D自体も、最初はチャレンジングな試みだったのでは?
ただ、社内でも「HD-2Dだから売れるわけではない」という議論はよく交わしますし、実際にどんなゲームでもHD-2Dにするのが最適なわけではありません。
やはり「これだ!」というものをしっかり取捨選択していきたいんですよね。そのうえで、まだ手をつけていないジャンルや方向性もどんどん模索していきたいです。
――常に挑戦的な姿勢は、浅野チームならではの強みな気がします。そもそもHD-2D自体も、最初はチャレンジングな試みだったのでは?
高橋
制作中は「正直やりすぎたかな」と感じた瞬間もありましたが……今となってはこのHD-2Dという表現に挑戦してよかったと思っています。
自分自身がドット絵全盛期に育った人間ということもあり、ハードが進化して3Dグラフィックを中心にあらゆる表現が可能になっていくなかで、あえて「ドット絵のゲームって今でも素晴らしいよね!」という想いがずっとありました。
そんななかでのHD-2Dへのチャレンジ……もちろん自信がなかったわけではありませんが、はたして周囲がどう思うのか、興味を持ってもらえるのかは発売まで未知数で、不安だったのも事実です。
――しかし、実際に蓋を開けてみると……。
自分自身がドット絵全盛期に育った人間ということもあり、ハードが進化して3Dグラフィックを中心にあらゆる表現が可能になっていくなかで、あえて「ドット絵のゲームって今でも素晴らしいよね!」という想いがずっとありました。
そんななかでのHD-2Dへのチャレンジ……もちろん自信がなかったわけではありませんが、はたして周囲がどう思うのか、興味を持ってもらえるのかは発売まで未知数で、不安だったのも事実です。
――しかし、実際に蓋を開けてみると……。
高橋
想像以上に「こういうのを待っていた」という声をいただけて、単純にうれしかったですね。ドット絵のゲームが好きだった人たちに受け入れてもらえたことは、大きな自信になりました。
――鈴木さんの現在の心境としてはいかがでしょう。大変だった思い出などはありますか?
――鈴木さんの現在の心境としてはいかがでしょう。大変だった思い出などはありますか?
鈴木裕人氏(以下、鈴木)
僕は『オクトパストラベラー 大陸の覇者』からシリーズに関わったのですが、たとえばダンジョン内の光源処理など、コンソールならではの技術を用いていたこともあって、当時のスマートフォンでは処理が重くなってしまったんですよ。それをなんとか解消するために対策を考えるのが大変だったことを思い出しますね。
“HD-2D”らしさをしっかり踏襲しつつ、それをアプリの表現に落とし込む作業は、苦労しましたが、その分差別化につながったと思います。
“HD-2D”らしさをしっかり踏襲しつつ、それをアプリの表現に落とし込む作業は、苦労しましたが、その分差別化につながったと思います。

――その甲斐あって『大陸の覇者』はしっかりと成功をおさめ、その地盤があったことでコンソール版の『オクトパストラベラーII』や『オクトパストラベラー0』につながった部分もあったのではないかと思っています。
鈴木
『大陸の覇者』の大きなテーマとして“『オクトラ』シリーズを知らない方にこのゲームの面白さを広げていく”ということがありました。その手ごたえはしっかり感じられたので、達成感のようなものはあります。
コンソール版と『大陸の覇者』で合同コラボカフェなども開催できましたし、新規のユーザーさんや、シリーズファンの皆さんにもちゃんと受け入れていただけたことが大きかったと思います。
コンソール版と『大陸の覇者』で合同コラボカフェなども開催できましたし、新規のユーザーさんや、シリーズファンの皆さんにもちゃんと受け入れていただけたことが大きかったと思います。
もはや立派な大黒柱! 浅野チームのなかにおける『オクトラ』シリーズの位置づけ
――様々な作品をコンスタントに世に送り出している浅野チームですが、『オクトパストラベラー』というシリーズは現在どのような位置づけになっているとお考えですか?
浅野
もちろん特別なものだと思っていますよ。HD-2Dというジャンルの基幹のようなものです。ひと括りにHD-2Dと言っても、異なるジャンルが遊べたり、リメイクにあたっても複数のIPを取り上げたりして、棲み分けを考えてはいるんですけどね。
――つい先ごろリリースされた『冒険家エリオットの千年物語』はアクションRPGになっていましたし、『ファイナルファンタジー レゾナンス』で、ついに『ファイナルファンタジー』シリーズもHD-2D化を果たしました。HD-2Dという表現方法はいよいよ熟成してきたと思うのですが、そのベースにあるのが『オクトラ』シリーズということでしょうか。
――つい先ごろリリースされた『冒険家エリオットの千年物語』はアクションRPGになっていましたし、『ファイナルファンタジー レゾナンス』で、ついに『ファイナルファンタジー』シリーズもHD-2D化を果たしました。HD-2Dという表現方法はいよいよ熟成してきたと思うのですが、そのベースにあるのが『オクトラ』シリーズということでしょうか。
浅野
はい。この先もHD-2Dはさまざまな展開を考えていますが、たとえどんな作品をリリースするにしても、『オクトパストラベラー』こそが私たちが作るゲームの“ど真ん中”であるという想いはあります。ファンタジーでスタンダードなRPGといえば『オクトラ』だと思っているので、胸を張って大黒柱だと言えますね。
――個人的には『ライブアライブ』がHD-2Dでリメイクされたことにも震えが走りましたが、あれはどのような流れで実現したのでしょう?
――個人的には『ライブアライブ』がHD-2Dでリメイクされたことにも震えが走りましたが、あれはどのような流れで実現したのでしょう?
浅野
スクエニコンテンツとユーザーアンケートを並べて、勝ち抜き戦のような形で選びました(笑)。
――なんだかそれ自体がゲームみたいですね(笑)。
――なんだかそれ自体がゲームみたいですね(笑)。
浅野
いわゆるコンペのようなものですが……最終的に決勝に残ったのが『ライブアライブ』と『アクトレイザー』だったんですよね。
――そんな経緯が! 『アクトレイザー』も、HD-2Dとは別ベクトルの形の『アクトレイザー・ルネサンス』として、しっかりと現代の技術でリメイクをはたしましたね。
――そんな経緯が! 『アクトレイザー』も、HD-2Dとは別ベクトルの形の『アクトレイザー・ルネサンス』として、しっかりと現代の技術でリメイクをはたしましたね。
高橋
ちなみに『アクトレイザー・ルネサンス』を担当したプロデューサーの中島啓輔が、今度は『ファイナルファンタジー レゾナンス』のプロデューサーも務めています。
――そちらも大いに期待しております!
――そちらも大いに期待しております!
浅野
じつは、最初にHD-2D版の『ライブアライブ』を遊んで「面白い!」と感じてくれた方々が、さかのぼるような形で『オクトパストラベラー』を手に取り、さらにはシリーズ最新作の『0』まで遊んでくださる、なんてこともあるようで……たいへんありがたいんですよね。
HD-2Dシリーズという広い括りとして受け入れられているのは、相乗効果としてすごく良いことなのかもしれません。
――コンソールから始まってアプリへ遊びが広がり、そこから『オクトラ0』に帰結するなど、多角的な展開を行ってきた『オクトラ』シリーズですが。シリーズとして作品を育て上げていくにあたり、浅野さんが全体プロデューサーとして意識的にコントロールした部分、逆にあえて現場に任せた部分はどのあたりでしょうか。
HD-2Dシリーズという広い括りとして受け入れられているのは、相乗効果としてすごく良いことなのかもしれません。
――コンソールから始まってアプリへ遊びが広がり、そこから『オクトラ0』に帰結するなど、多角的な展開を行ってきた『オクトラ』シリーズですが。シリーズとして作品を育て上げていくにあたり、浅野さんが全体プロデューサーとして意識的にコントロールした部分、逆にあえて現場に任せた部分はどのあたりでしょうか。
浅野
自分のやり方として、1作目にはガッツリ入らせてもらうことが多いです。
たとえば『オクトパストラベラー』も『I』はかなり細かいところまで口を出させてもらいました。逆に『II』についてはスタート地点と方向性のすり合わせくらいで、物語のたたみ方などは完全に高橋たち現場スタッフに任せています。
たとえば『オクトパストラベラー』も『I』はかなり細かいところまで口を出させてもらいました。逆に『II』についてはスタート地点と方向性のすり合わせくらいで、物語のたたみ方などは完全に高橋たち現場スタッフに任せています。

高橋
そうは言ってもちゃんとチェックはしてもらっていますけどね。ジャッジを委ねるというより、現場にずっといると見えなくなる部分を浅野に確認してもらっていた感覚です。
「初めて触ってみた時」や「初めて聞いた時」に、うまく伝わらない表現になっていないか客観的に見てもらうためにも、相談はわりと頻繁にしていました。
「初めて触ってみた時」や「初めて聞いた時」に、うまく伝わらない表現になっていないか客観的に見てもらうためにも、相談はわりと頻繁にしていました。
鈴木
『0』の場合も『大陸の覇者』からの初期コンセプトをあらためて浅野、高橋と一緒に詰めたうえで、その後はある程度任せていただけました。
ただ、コンソール版にするにあたって見え方はもちろんユーザー層も変わるため、「何が受け入れられるか」「何が必要な要素なのか」は何度も話し合いながら定義し直しましたね。UIの調整やタイトル名の決定、最終的なプロモーションについてもアドバイスを受けています。
――全体的なところは浅野さんが俯瞰しつつ、細部は専門のチームメンバーたちに委ねる。そのスタンスこそ、HD-2Dがここまで飛躍できた一因なのかもしれませんね。
――インタビュー後編へ続く。
ただ、コンソール版にするにあたって見え方はもちろんユーザー層も変わるため、「何が受け入れられるか」「何が必要な要素なのか」は何度も話し合いながら定義し直しましたね。UIの調整やタイトル名の決定、最終的なプロモーションについてもアドバイスを受けています。
――全体的なところは浅野さんが俯瞰しつつ、細部は専門のチームメンバーたちに委ねる。そのスタンスこそ、HD-2Dがここまで飛躍できた一因なのかもしれませんね。
――インタビュー後編へ続く。
『オクトパストラベラー』“くじ引き堂”オンラインくじ決定! キャラクター人気投票&アンケートも実施中
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これを記念して、全シリーズを対象にグッズ化してほしいキャラを聞くアンケートと、『オクトパストラベラー(1)』のキャラクター人気投票&アンケートも実施中です。
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