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ネタバレあり感想:『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』2話。変形・合体シーンがお披露目!『シンカリオン』らしさを押さえつつ、近未来感のある演出や武器がカッコいい

文:電撃オンライン

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 2024年4月14日(日)に放送された、『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』第2話“運転士 大成タイセイ”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』2話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。[IMAGE]

タイセイの乗るE5はやぶさがついに発車!


 第1話では、姉との約束を守るために、シンカリオンに乗って戦うことを決意したタイセイ。さっそく出撃かと思いきや、ナビゲートAIのビーナが反対したのはちょっと意外でした。

 個人的にビーナは、第1作のシャショット、『Z』のスマットにあたるポジションのキャラだと思っているのですが、どちらもシンカリオン側のAIだったので、基本主人公に戦いの決意をうながす方の立場だったんですよね。対してビーナはシンカリオンとは何の繋がりもない(イナが何か仕込んでいる可能性もありそうですが)ので、完全にタイセイのことだけを考えた発言をしているのが新鮮に感じました。

 なお出撃前にタイセイたちが口にしていた“マスコン”は“マスターコントローラー”の略称で、車両の速度を制御するスイッチを指し、レバー型の形状をしていることが多いようです。普通の人は知らない単語だと思いますが、鉄オタであるタイセイにとっては常識だったんでしょうね。用語がすでに頭に入っているのは、今後運転を覚える上での強みになりそうです。

 そして発車後には、お待ちかねのシンカリオンの変形シーン! ビークルから人型巨大ロボットへの変形バンクは、『勇者』シリーズ直撃世代としてはもう何回見てもテンションが上がるのですが、従来のシリーズのE5はやぶさと変形ギミックが変わっていて、受ける印象も結構違いました。

 個人的なお気に入りは、両腕が合体したあとの内部パーツが回転して接続されるシーン(腕パーツを胴体に固定する瞬間でしょうか?)で、最後に頭部がデジタルっぽく現れるシーンも含め、『CW』では近未来感を強めた演出を意識しているように感じられました。

 とはいえ、ほとんど喧嘩もしたことがないタイセイにとって戦いは未知の世界であり、苦戦を強いられますが、新幹線を運ぶためのトレーラーである“エルダトレーラー”との合体で一気に形成は逆転。合体ロボは結構たくさん見てきましたが、肩アーマーが一度外れて追加パーツが内部に入り、その上に再度肩アーマーが装着されるという合体ギミックはあまり見ないパターンです。

 またE5はやぶさの伝統として、やはり今回も必殺武器は剣のようですが、ビームのようなエネルギーを纏っているのが新鮮でした(このあたりも未来っぽさを意識しているのかも)。必殺技を決めた後の、着地しながらローラーで地面を滑っていく決めカットが、足に車輪がついているデザインも演出に生かされていて超カッコ良かったです。

失敗を怖がるタイセイを勇気付けたのは、やはり姉の言葉

初戦を無事勝利し、医務室へと運ばれたタイセイでしたが、思い出の歩道橋を守れなかった悔しさから漏れた言葉が、シンカリオンに乗りたくても乗れないリョータを傷つけてしまうことに。

 ただこのシーン、普通なら自分の感情をむき出しにしてタイセイに八つ当たりしてしまいそうなところ、本音を漏らしかけたのはほんの一瞬で、すぐにタイセイに労いの言葉を掛けているあたり、やっぱりリョータは人間が出来ているなぁと。タイセイやマイも含め、年相応の幼さみたいな一面は所々にあるんですが、それ以上に中学生とは思えないくらい皆大人びていますよね。

 タイセイの家庭環境が垣間見えるシーンもあり、両親との家族仲は決して悪くはなさそうではあるんですけど、従来の『シンカリオン』シリーズとはちょっと印象が違いました。タイセイの回想や写真に映っているのは姉のイナばかりなので、母が仕事で家を空けている時の親代わりみたいな存在でもあったんだろうなというのはなんとなく想像がつきます。

 冒頭でシンカリオンに乗っていたもう一人の運転士であるフォールデン・アカネも初登場。

 タイセイに親近感を覚えて声をかけたようですが、姉を誰よりも尊敬しているタイセイに対して、アカネの兄に対する感情はネガティブなものが強いように感じられましたし、似た境遇でも中身には結構差がありそう。

 アカネ自身もその差を感じ取ったからこそ、捨て台詞じみたものを吐いて去っていったんだと思いますけど、元々はクラスから浮きそうなタイセイに気を使って声をかけていて、励ましの内容も的外れな訳ではない(タイセイが姉に対する気持ちに嘘がつけないのでこじれましたが)ので、決して悪い奴ではなさそうです。

 その後のカドミチとの会話では、イナがかつてエルダの職員であり、エンジニアとしてシンカリオンに関わっていたことも判明。ただ、行方不明になった理由は未だに不明で、アンノウンと関連があるにしても、アンノウンが出現したのは10年振りで、イナが行方不明になった2年前とはタイミングが合いません。

 自分が1話の感想記事で書いた、「10年前のシンカリオンの運転士がイナだった」説は外れていた形ですが、それなら10年前は誰が運転士だったんだろうという新しい疑問も湧いてきますし、まだまだわからない点は多いですね。

 イナのことがあってもタイセイがエルダに入ることを一度躊躇したのは、リョータのことを言い訳にしつつも、一番は今回の歩道橋のように失敗するのが怖かったからなんじゃないかなと。そこから姉の「失敗するのは恥ずかしいことじゃない」という言葉を思い出し、自分の失敗から逃げず、「次こそは上手くやる」というポジティブな思考に持っていく。1話でできなかった、恥ずかしがらずに声を掛けて席を譲ることができるようになったのも含め、第2話にしてタイセイの精神的な成長を実感できました。

 ラストのリョータに対する言葉も、自分の失敗を謝るのではなく、失敗を認めつつも自分のやったことを肯定するような内容になっているのも面白かったです。実際、今回はタイセイにほぼ非はなく、あの場面で「君を傷つけてごめん」なんて台詞を口にしていたら、さらにリョータのプライドを傷つけるだけだったでしょうから、ベストな言葉選びをしたんじゃないかと思います。

 予告のタイトルから察するに、次回はそのリョータに焦点を当てたエピソードになりそうな予感。一気にストーリーが動き始めた『シンカリオンCW』、次回の放送も待ち遠しいです。

米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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