アニプレックスから4月25日発売予定のNintendo Switch用ゲームソフト『鬼滅の刃 目指せ!最強隊士』の先行体験レポートをお届けします。
本作は『鬼滅の刃』を題材にしたデジタルボードゲームです。最大4人まで遊べる仕様で、ボードのマスごとに発生するさまざまなイベントやミニゲームを経て、昇格ポイントで順位を競って勝負します。
ゲームのルールは、指定されたターン数を終えた後に昇格ポイントをもっとも多く集めていた人の勝利。シンプルでわかりやすいルールでありながら、後述するさまざまなイベントやミニゲームによって飽きることなく何度も楽しめる作りになっています。また、随所に盛り込まれた『鬼滅の刃』ファンならニヤリとしてしまうこだわりを感じさせる部分も見どころです!
『鬼滅の刃』の世界をボードゲームで再現
まずプレイヤーは自分の操作するキャラクターを選択。選べるキャラクターは、竈門炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助の3人に加え、鬼殺隊の柱全員です。
キャラクターによって大きく性能が異なることはありませんが、唯一異なるのが“隊士さいころ”と呼ばれる特別なサイコロです。
プレイヤーは普通のサイコロ以外にも、数回だけ特別なサイコロを振ることができるのですが、その目の内容がキャラクターによって異なります。目がすべて6より大きいものだったり、お金(隊貨)がもらえるものだったり、10以上の目があったり、タイミングによってはゲームの状況を大きく変えてしまうような、ドキドキ感のあるものばかりとなっていました。
勝敗とは直接影響はありませんが、道中で出会うキャラクターたちの会話も選択したキャラクターによってわずかに変化。例えば、柱を選ぶと鬼殺隊の隠が丁寧な言葉使いをしてくれます。しかし、例えば善逸とかだと結構ぞんざいな言葉遣いだったり(笑)。今回はテストプレイとして2時間ほど遊んだだけですが、それだけでも制作側のこだわりを感じられるようになっていました。
ボードはアニメで炭治郎たちが訪れた場所が題材となっており、マスではその場所に沿ったイベントが起こります。
わかりやすい例として、肆ノ舞台の「遊郭編」のボードでは夜になると屋根の上に新たな道が生まれてショートカットができます。伍ノ舞台の「刀鍛冶の里編」のボードでは縁壱零式との特別な訓練で昇格ポイントをもらうことができます。このように、ステージごとに異なるイベントがプレイヤーを待ち受けます。
作中のエピソードに沿ったイベントがマップごとに起きるので、『鬼滅の刃』の物語を追っている人であれば「そうそう、こんなシーンあったな~」とその場面の思い出に浸りながらゲームを楽しめます。それが演出だけでなく、ポイント獲得の契機としてしっかりゲームシステムに組み込まれている点に本作の作り込みを感じました。
マスを進む上での目標は大きくわけて2つ。最初は昼間に“鎹鴉が示した目的地”のあるマスにたどり付くこと。そうするとステージが夜に変わり、鬼が潜むマスを目指してゲームが進んでいきます。
昼夜を問わず、目的地に一番乗りした人には昇格ポイントが与えられます。昼と夜が変わったりする中で、ゲーム開始時に設定した数のターンが終了した時の合計昇格ポイントを競う……というのがこのゲームの流れです。
ゲーム中にはお金(隊貨)もあり、これを消費して便利なアイテムを購入できます。このアイテムの中にはゲームをひっくり返す強力な効果を持つものもあるので、周りのプレイヤーにリードされていても隊貨の使い方次第では逆転のチャンスがあります。
このルールを見ると、サイコロの出目が大きくて早く目的地についた人が勝ってしまうように見えますが、しっかり逆転要素も用意されているのでご安心を。道中のイベントでも昇格ポイントを獲得できるうえ、さまざまアシスト機能もあります。
昼が終わった段階で最下位の人には禰豆子が手助けしてくれたり、最後の結果発表ではお館様こと産屋敷耀哉からランダムな基準でボーナスポイントをもらえたりと、逆転のチャンスは至るところにあり。途中結果が振るわなくても最後まで諦めてはいけません。
また、鬼のマスに辿りついたとしても標的である鬼と戦えるかはルーレット次第。一番乗りについたのにルーレットをに失敗して、別のプレイヤーの眼の前に鬼が移動してしまって横取りされる……というケースもあります。せっかく着いたのに討伐のチャンスを逃した際には、思わず「逃げるな! 卑怯者ッ!」と叫びたくなってしまいますね……。
多彩なミニゲームで盛り上がり間違いなし
全プレイヤーが行動を終えると、ミニゲームがスタート。ミニゲームには、個人で戦うものとチームで戦うものがあり、順位に応じてお金(隊貨)が貰えます。
ミニゲームは複数ありますが、中でも印象的だったものを幾つかご紹介します。
こそこそ刀叩き
“こそこそ刀叩き”は鋼鐵塚さんにバレないように伊之助が剣を刃こぼれさせるゲーム。鋼鐵塚さんが見ていないときにどれだけボタンを連打できるかを競うのですが、時間が経つにつれて監視の目が厳しくなるので、チキンレースのようなゲーム性が面白いです。
ムキムキねずみの刀運
“ムキムキねずみの刀運”はチーム戦方式の剣を運ぶゲーム。力の動きを意識しながらうまく方向転換をして剣を運んでいきます。ペアになった相手とのコンビネーションが大事なので、声掛けをしながらミニゲームを楽しめます。
善子の猛演奏
見た目が最もシュールで印象的だったのは“善子の猛演奏”。流れてくるボタンをタイミング良く押すリズムゲームですが、真ん中で険しい顔をしている善子(善逸)についつい目が入ってしまいます。
他にも、射的ゲーム、釣りゲーム、チーム形式の神経衰弱などさまざまなミニゲームが用意されています。面白かったゲームは、メニューから直接遊ぶこともできるので、皆で集まってミニゲームを遊びまくるという楽しみ方もできます。
Joy-Conで迫力の鬼退治
鬼とのバトルは特別なミニゲームになっており、SwitchのJoy-Conを使い、実際に身体を動かして遊ぶことができます。やることはシンプルで、指定された方向にコントローラーを振ったり、タイミングよくコントローラーを振ったりするだけなのですが、この振り方が豊富でタイミングもシビア。見た目以上に熱が入るゲーム性です。
慣れてくると、身体を動かして遊ぶSwitchのゲームならではのアクションが癖になります。コントローラーを振っている最中の動きはまさに剣士。複数人で遊んでいれば、盛り上がること間違いなしです。
『鬼滅の刃』のテイストを盛り込みつつ、“誰でも遊べる”ボードゲームとして丁寧な作品
ゲームの性質上、どうしても運に左右される部分はありますが、逆に子どもから大人まで一緒に楽しめるので、家族で遊ぶゲームを探している人にはうってつけかなと思いました。これから始まるゴールデンウィークや、その後に続く夏休みやお盆など、人が多く集まる機会にワイワイ遊ぶのにピッタリ。題材が『鬼滅の刃』という社会現象になるほどの超メジャー作品で、多くの人が知っているという点でもハードルは低め。ゲームの遊び方もちょっとプレイすれば理解できるものなので、本当に“誰でも遊べる”ゲームになっています。
今回は試遊で短時間のプレイでしたが、プレイ中はミニゲームやマスのイベント1つ1つに大盛り上がり。原作コミックやアニメを知っている人であれば、ゲームを遊んだ後にそれらを見たくなってしまうかも。ゲームでワイワイ遊んだ後に、みんなでアニメ鑑賞なんてコンボもいいかもしれませんね。