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ネタバレあり:5月5日は『ガンダムSEED』でオペレーション・スピットブレイクが起きた日。アークエンジェルの窮地を救うフリーダムの登場シーンが胸熱

文:米澤崇史

公開日時:

 5月5日は『機動戦士ガンダムSEED』において、ザフト軍による地球連合軍のアラスカ基地攻略作戦“オペレーション・スピットブレイク”が発令された日でもあります。

 『ガンダムSEED』の中でもとくに戦闘の規模が大きく、物語の大きな分岐点のような位置づけの戦いでもあるので、印象に残っている方も多いのではないでしょうか。

※この記事には『機動戦士ガンダムSEED』のネタバレが含まれています。

クルーゼの暗躍、サイクロプスの起動、フリーダムの登場など様々な出来事が起こった大規模作戦

 オペレーション・スピットブレイクは2段構えの作戦となっており、ザフトは連合に残された唯一のマスドライバーのあるパナマ基地を狙うと見せかけ、急遽連合軍の総司令部があるアラスカ基地に目標を変更しています。そのため、実際の攻撃が開始されたのは数日後とされ、5日は作戦の真の目標がアラスカ基地であると発令された日にあたります。

 これに対し、オペレーション・スピットブレイクの全貌を事前に察知していた連合(戦争の泥沼化を望むクルーゼがリークしたとされています)は、大量破壊兵器サイクロプスを起動。アラスカに残っていたユーラシア連邦を中心とした残存部隊ごとアラスカに集まっていた地上のザフト軍の壊滅を目論みます。

 アークエンジェルも捨て駒との部隊としてアラスカに残っており、あやうくサイクロプスに巻き込まれるところでしたが、ラクス・クラインからフリーダムを託されたキラの介入によって脱出に成功します。

 しかしサイクロプスによって、ザフトはアラスカ攻撃部隊の8割を損失したと言われるほどの打撃を受け、囮として使われ多くの戦力を失ったユーラシア連邦も発言権を失います。

 結果、地球連合内では大西洋連邦に権力が集中し、その背後にいたブルーコスモスの発言力が増し、ムルタ・アズラエルが幅を効かせるようになっていくという、連合・ザフトの箍が互いに外れてしまった『SEED』終盤の展開への布石を作った出来事でもありました。

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 それまで『SEED』は『機動戦士ガンダム』のストーリーの大筋を沿っていて、オペレーション・スピットブレイクは、ホワイトベースがジャブローに到着した前後のエピソードに該当すると思うのですが、ここからアークエンジェルが連合を離反し、独自に平和のための戦いを始めるという、『SEED』ならではの展開に突入するんですよね。

 以降作風もがらっと変わることもあって、『SEED』は前半と後半でどちらが好きかがばっさり意見が二分することも多いですが、この戦いの中で描かれた、アークエンジェルの窮地をフリーダムに乗ったキラが颯爽と救う「舞い降りる剣」のエピソードに関しては、『SEED』シリーズ内において屈指の人気を誇る神回であることは間違いありません。


 この少し前にはニコル、トールが死に、キラとアスランが本気で殺し合うという視聴者にとってメンタル的に辛い回が続いていたので、筆者もここでヒロイックに登場して大暴れするフリーダムは凄まじいカタルシスで、興奮がなかなか収まらなかったことを覚えています。ここで流れる挿入歌の"Meteor-ミーティア-”がまた激アツなんですよね。

 アニメにはないシーンなのですが、コミックボンボンで連載されていた高山瑞穂先生の漫画版では、友軍から見捨てられたことにアークエンジェルのクルーが呆然とする中、サイ・アーガイルが「ナチュラルだとか、コーディネイターだとか、連合だとか、ザフトだとか、正義だとか!大義だとか……こんなものがあるから!」と怒りに任せて連合のワッペンを叩きつけるシーンも印象的でした。

 改めて振り返ると、このオペレーション・スピットブレイクのエピソードから、本当の『SEED』が始まったという感もあります。

 5月17~23日にかけては、これまで大いに盛り上がった劇場版の全国公開も間もついにフィナーレを迎えるとのことなので、最後の上映を楽しむ前に、改めてTVシリーズを見返してみるのも良いのではないでしょうか。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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