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『ストーカー: レジェンズ・オブ・ザ・ゾーン・トリロジー』レビュー。危険地帯と化したチョルノービリ原発周辺でのサバイバルがたまらなく楽しい! アップデートでより遊びやすくなったのも良ポイント

文:柏又

公開日時:

 好評発売中のPS4/Xbox Oneソフト『S.T.A.L.K.E.R.: Legends of the Zone Trilogy(ストーカー: レジェンズ・オブ・ザ・ゾーン・トリロジー)』(PS4パッケージ版は6月27日発売)。

 本作はウクライナのGSC Game Worldから発売されたFPS『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズ三部作の1作目『S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chornobyl』と、2作目『S.T.A.L.K.E.R.: Clear Sky』、3作目『S.T.A.L.K.E.R.: Call of Prypiat』をPS4向けにリマスターしたものです。

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 これまで『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズは3作品ともPC版のみの発売でしたが、リマスター版が発売されたことでかなり幅広いプレイヤーがシリーズを体験できるようになりました。PC版は基本的に非対応だった日本語ローカライズもされています。

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 ちなみに1作目『Shadow of Chornobyl』と2作目『Clear Sky』は、5月中旬のアップデートでこれまで英語音声のみだったムービーシーンなどにも字幕が追加されてかなり遊びやすくなりました。

 また、リマスターということでグラフィック面も強化され、三部作とも60FPS&4K解像度でプレイ可能。1作目も16:9の画面比率で遊べます。

 今回は、シリーズ三部作の魅力と本作の舞台となるチョルノービリ原発周辺地域、通称“ゾーン”で生き残るための簡単なコツを解説していきます。

※本記事はセガの提供でお送りします。

10年以上もの間、プレイヤーの支持を集める『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズの魅力とは?


 『S.T.A.L.K.E.R.』の1作目『Shadow of Chornobyl』の発売は2007年のこと。家庭用ゲーム機ならPS3やXbox 360が主流の時代ですね。『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズは三部作いずれとも発売から10年以上がたった現在でもプレイヤーから根強い支持を集めていて、今年の9月には待望のナンバリング最新作『S.T.A.L.K.E.R.2: Heart of Chornobyl』の発売が予定されています。しかも三部作はリマスター版発売まで開発元が日本語化対応していないにもかかわらずです。

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 ここでは、リマスター版で三部作をプレイしたライターの視点でシリーズの魅力を紹介していきたいと思います。

荒廃した世界に超常現象要素がミックスした独特の世界観が素晴らしい


 『S.T.A.L.K.E.R.』の世界は現実にもあった1986年の事故に続き2006年にもチョルノービリ原発で爆発事故が発生。周辺は再び放射能に汚染され、地域一帯はウクライナ軍によって封鎖された隔離地域となっています。

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 のちに“ゾーン”と呼称される隔離地域では、放射線で変異した怪物“ミュータント”がうろつき、超常現象が観測される空間“アノマリー”が発生するようになったほか、不思議な力をもつ物質“アーティファクト”が出現。ゾーンで発生する超常現象を調査する科学者に加えて、高値で取引されるアーティファクトを求めてさまざまな人々が流入、派閥を形成する社会が存在しています。

 アーティファクトの収集や危険地帯のスリルに引かれてこの地にやってきた者たちのなかで、組織に属さずに単独もしくは少人数で行動する人を“ストーカー”と呼びます。

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 どの作品においてもプレイヤーは、この複雑な社会のなかでどの派閥にも属さない中立的な存在、ストーカーとして旅をします。枯草が広がる草原と湿地の間に点在する廃墟、といういかにもポストアポカリプスなフィールドに潜む怪奇的存在、というビジュアルもさることながら、主人公の目を通してプレイヤーが独特かつ魅力的な世界を知っていくゲーム構成が、人々を『S.T.A.L.K.E.R.』の世界に引きつけるポイントなのではと筆者は感じました。

オープンワールドRPGのように遊べる探索要素の強いゲーム内容


 『S.T.A.L.K.E.R.』三部作は、いずれもフィールド構成がオープンワールドとなっていてプレイヤーはほとんどの場所へ自由に行動できます。物語はメイン任務を進めると進行しますが、メイン以外にもNPCから請けられるサブ任務が豊富に存在するところもシリーズ共通の魅力です。

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 また、倒した敵などの死体を調べるとアイテムの隠し場所とそのヒントを見つけることも。1作目と2作目ではとくに隠し場所が豊富に存在していて探し当てるのが地味に楽しいですね。

 なお、主人公に経験値やレベルで成長する要素こそありませんが、サブ任務をこなしてよりよい銃器やアーマー、アーティファクトを身に着けることでどんどん自身を強化していくことも可能。

 メインのストーリーをどんどん進めるのはもちろんいいですが、オープンワールドをじっくり探索してお宝探しやサブ任務をこなしていくプレイスタイルでも楽しめる懐の深さもプレイヤーを引きつけてやまないところでしょう。

賢くかつ強力な敵たちと単独で戦う緊張感の高い戦闘バランス


 ゾーンでは、他者から奪うことで生計を立てるバンディットがうろつく無法地帯です。さらに、この地を管理する軍は侵入者を実力で排除する命令を受けているため、三作目を除いて“ミリタリー”と呼ばれるウクライナ軍も敵となります。また、放射能で汚染された地で変異したミュータントは凶暴で不用意に近づくものには容赦しない、とFPSだけあって本作は戦闘に事欠きません。

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 任務によってはNPCの加勢があるものの、基本的に戦闘は主人公1人VS敵集団で行われます。戦闘の難易度はわりと高めで、とくに1作目は一番簡単なルーキーの難易度でも苦戦するかもしれません。そこでものをいうのがプレイヤーの立ち回りだったりします。FPSでの基本である障害物の活用はもちろん、回り込みやスコープを装着しての長距離狙撃など、あらゆる要素を駆使して相手を撃ち倒していく手ごたえのある戦闘に挑戦できます。

 なお、PC版の1作目と2作目は回復アイテムの使用にインベントリ(持ち物)メニューを開かなくてはなりませんでしたが、PS4版では方向キーの左で包帯、右で回復キットを素早く使用できます。

プレイ中の行動がラストに反映されるマルチエンディング


 『S.T.A.L.K.E.R.』1作目の『Shadow of Chornobyl』ではマルチエンディングを採用していて、プレイ中の行動の選択やNPCの生存状況などでラストが変化します。この世界の根幹が明らかにされる真エンドが存在しているのでぜひ挑戦したいところ。

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 いずれの作品もチョルノービリ原発跡地に秘められた謎に迫る内容となっていて、プレイするたびに新たな事実が少しずつ判明していく展開がたまらなくいいですね。1回エンディングを見ても、時間を空けたらもう一度プレイしたい気持ちにさせてくれるストーリーだと思います。

『S.T.A.L.K.E.R.: Legends of the Zone Trilogy』収録作の特徴を紹介


 収録されている各作品は、時系列が前後していて2作目が1作目の前日譚、3作目が1作目の直後の物語になっています。ただし、ストーリーとしては1作目の内容を前提に2作目と3作目が作られている感じなので、制作された順番にプレイするのがおすすめですね。基本的な操作はほぼ統一されているので、1作目で覚えてしまえば残りの2作品でも困ることはないでしょう。

『S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chornobyl』


【ストーリー】
 落雷で炎上した死体運搬のトラックから救出された記憶喪失の人物が主人公です。“マークド・ワン”と名づけられた彼は、唯一の所持品であるPDA(携帯情報端末)に残された“ストレロクを倒せ”というメッセージを手がかりに失われた記憶を取り戻す旅に出ます。

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 記念すべきシリーズ1作目ですが、すでに探索要素やサブ任務などの寄り道要素はしっかり存在していて、じっくり遊ぶことができます。野外ではバンディットや傭兵などの敵兵士、研究所跡のような屋内ではアノマリーや強力なミュータントとの戦闘がウェイトを占めていて、多彩な相手との戦闘が楽しめるでしょう。

『S.T.A.L.K.E.R.: Clear Sky』


【ストーリー】
 主人公はゾーンで傭兵稼業をいとなむ“スカー”。ある科学者集団の護衛に雇われた彼は、任務中に発生した現象“光熱放射”に巻き込まれ、ただ1人生き残り別の科学者集団“クリアスカイ”に助けられます。光熱放射は何者かがゾーンの中央に近づいていることに対する反応ではないか、と予測するクリアスカイから要請を受けた主人公は、その人物の足取りを追う旅路に出かけます。

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 1作目の前日譚に当たりますが、マップは1作目に新しい地域が追加された構成になっていて、プレイしているといろいろと懐かしい気持ちになりますね。フィールド内の各エリアでは2つの派閥が抗争を繰り広げていて、プレイヤーはどちらかに所属して“派閥戦争”を戦うことが可能。マップ内の要所を対立する派閥のメンバーと奪い合う対NPC戦が中心の構成となっています。

『S.T.A.L.K.E.R.: Call of Prypiat』

【ストーリー】

 時系列は1作目のエンディング後。マークド・ワンの行動によってチョルノービル原発周辺の人間を洗脳する装置“ブレイン・スコーチャー”が停止し、多くの者たちにゾーン中心部への道が開かれました。これに対してウクライナ軍は、ヘリボーン部隊を投入した掃討作戦を開始するも、全機が行方不明となってしまいます。軍はストーカーでもある主人公のデグチャレフ少佐を現地に送り込んで原因の究明にあたらせます。

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 3作目はマップが一新されて、よりチョルノービル原発周辺にクローズアップした構成になっているのが特徴です。従来作の主人公は、軍やバンディットなど見つかると即攻撃される派閥がありましたが、今作は軍人だけあってこれまでなら敵対しそうな相手とも中立に振舞える感じです。序盤の敵は、ミュータントやブレイン・スコーチャーに脳を破壊されたストーカー・ゾンビが多めの印象ですね。場所によってはアノマリーをかわしつつ行動する場面もあって、前の2作とはまた異なるプレイ感覚が楽しめます。

これから始める新人ストーカーたちへアドバイス!


 ここからははじめてシリーズをプレイする人向けにアドバイスをいくつか掲載します。今日日のFPSと比べるとやや難しめのバランスなので、ゲーム内容を完全に掌握するまでは難易度設定は“ルーキー”で、エイムアシストもオンにして強度も最大まで上げてプレイするといいでしょう。

攻撃を始めるときは有利に位置からなるべく頭を狙う


 たいていのFPSに共通する事項ですが、本作は武器の命中率が低めでとくに銃にスコープを装着できない序盤では重要です。攻撃を仕掛けるときは相手の側面や背後から狙いをつけましょう。相手に位置がバレたらすぐ隠れられるよう近くの障害物も確認しておきたいですね。相手の不意を突いて弾を頭部に命中させれば強めの敵でもあっさり倒せるでしょう。

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 なお、本作に伏せ姿勢はありませんが、◎ボタンを長押しするとしゃがみより低い姿勢となって射撃が安定します。さらにL2ボタンで照準をのぞき込みながらL1とR1ボタンで上半身を傾けることが可能。障害物の近くで使うと、上半身だけを障害物から出して敵を狙えるので活用したいですね。

出血と放射線障害に注意


 主人公の状態異常でとくに注意したいのが出血と放射線障害です。出血は負傷にともなって発生する可能性があり、治るまで体力が減り続けます。放射線障害は放射能に汚染された場所にいると発生、被ばくした放射線量に応じたダメージを受け続けます。出血は包帯を使うと簡単に治ります。入手機会も多めなので、ケチらずに使いたいですね。放射線障害はウォッカや抗放射線薬を使うと治ります。救急キットは放射線障害の治療効果もあるので体力も回復したい場合はこちらを使いましょう。

アノマリー発生地帯はボルトを投げて進路を確認


 アノマリーはさまざなタイプが存在しますが、たいていは主人公が触れるとダメージを受けます。場合によってはいきなり大ダメージをうけて死んでしまう場合も。前方に怪しいエフェクトが発生したら、L1ボタンで武器をボルトに持ち替えて投げてみましょう。

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 当たった時に反応があれば、そこにアノマリーが発生している証拠なので、避けて歩けばOKです。

アーティファクトを活用しよう


 アーディファクトはアクセサリのように装備可能で自身の体力や耐性などを向上できます。ただし、並行して悪い効果を付与するものもあるので注意したいところ。とくに、放射能にマイナスがあるものはつけているだけで放射線に被ばくし続けるので危険です。重量に対して換金割合がいいものが多いので、使えなさそうなものでも拾っておくとお得です。

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武器とアーマーの耐久力に気を配ろう


 武器やアーマーには、耐久力があって低下するほど命中率や付与される耐性が下がってしまいます。1作目は修理の要素がないので、適当なところで買い換えましょう。とくにメイン任務で遠出するときは買い替え推奨です。買うお金がない場合は、遠出の前にサブ任務などで稼いでからにしたいところです。

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 2作目以降は集団にアーマーの修理や改造を請け負うNPCが存在します。修理や改造にはお金が必要となるので、修理して使い続けるか買い換えるかの判断が悩ましいですね。

昔のゲームだけど今プレイしても楽しめる。今秋発売の『2』の予習にも!


 2007年発売ということで、10年以上も前に開発されたゲームではあるのですが、とくに事前情報なしでプレイした筆者としては、もちろん古さは感じられるものの慣れてくるとかなり楽しめる印象を受けました。当時の名作を最新の環境で遊べるのは、やっぱりいいですね。

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 とくにメインストーリーをどんどん進めるよりも、サブ任務や探索をじっくりと楽しみたい人向けの内容ですね。プレイ時間をかけるほどゾーンを旅する主人公との一体感が得られるような満足感があります。

 また、9月にはナンバリング新作の『S.T.A.L.K.E.R.2: Heart of Chornobyl』が発売されます。10年越しの新作だけあって、過去作の前提知識を持たなくてもしっかりと楽しめる内容になるだろうとは筆者の個人的には思いますが、ゾーンの派閥関係や特徴的な登場人物についてわかっているとおそらくより楽しめることでしょう。

 発売までに過去作を復習してみたい人はプレイしてもいいかもしれませんね。

タイトル概要


商品名
S.T.A.L.K.E.R.: Legends of the Zone Trilogy(ストーカー:レジェンズ・オブ・ザ・ゾーン・トリロジー)

対応機種
PlayStation®4 / Xbox One
※Xbox Oneはデジタル版の販売のみ

発売日
パッケージ版 2024年6月27日(木)発売予定
デジタル版 配信中(2024年3月7日(木)配信)

希望小売価格
パッケージ版:5,980円(税込6,578円)
デジタル版:各デジタルストアにてご確認ください

ジャンル
サバイバルホラーFPS

プレイ人数
1人

メーカー
GSC Game World

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    S.T.A.L.K.E.R.: Legends of the Zone Trilogy

    • メーカー:GSC Game World Global
    • 対応機種:PS4
    • ジャンル:FPS・TPS、アクションシューティング
    • 発売日:2024年03月07日
    • 希望小売価格:5,400 円+税

    S.T.A.L.K.E.R.: Legends of the Zone Trilogy

    • メーカー:GSC Game World Global
    • 対応機種:Xbox One
    • ジャンル:FPS・TPS、アクションシューティング
    • 発売日:2024年03月07日
    • 希望小売価格:5,436 円+税