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『東方スペルカーニバル』プロデューサーインタビュー。シューティングとタクティクスRPGを組み合わせた新しい弾幕とは?

文:ハチ

公開日時:

 2024年6月6日に発売予定の『東方スペルカーニバル』。本作は『東方Project』のおなじみのキャラクターたちや世界観、シューティング要素を落とし込んだ“弾幕タクティクスRPG”です。本記事では、そのプロデューサーである安井光氏のインタビューをお届けします。

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『東方スペルカーニバル』ファミ通DXパックが予約受付中


 本作に“描き下ろしB2タペストリー”、“オリジナルマイクロファイバークロス”、“オリジナルアクリルスタンドセット(4種)”が同梱したファミ通DXパックが予約受付中。

 3Dクリスタルセットなら、さらに霧雨魔理沙のイラストをクリスタルキューブ内に3D立体レーザー彫刻で再現した“3Dクリスタル「霧雨魔理沙」”も同梱されます。

 通常版、カーニバルエディション、幻想SPにファミ通DXパックが用意。ここでしか手に入らない逸品をぜひその手に!

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キャラクターの選択制はユーザーの納得感のための工夫だった!


──本作の開発コンセプトや目指してきた部分について教えてください。弾幕シューティングとタクティクスRPGを掛け合わせた“弾幕タクティクスRPG”というジャンルはどのようにして生まれたのでしょうか?

安井:もともとは“タクティクスRPG”を作ろうと企画をしていました。どうやってリアルタイムで戦略性のあるものにできるのかと考えていたときに、『超次元ゲイム ネプテューヌ Sisters vs Sisters』で上海アリスちゃんを登場させたことをきっかけに『東方Project』を知ったんです。そこで、作り上げられた世界観やシューティング性が非常にウケているということで、タクティクスRPGと弾幕を掛け合わせたら面白いものになるのではないかと考えました。

 スタッフのなかにも『東方Project』を好きな人も多く、世代によってどんな『東方Project』に触れているかも違っていて面白いなと。そこから『東方Project』さんとのやり取りも含めて、“弾幕タクティクスRPG”というジャンルが生まれました。

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──“弾幕タクティクスRPG”とはどのようなゲームなのでしょうか? 一見するとRTSに近いように思えます。

安井:本作は弾幕を売りにしているので、弾幕・シューティング・タクティクスRPGを組み合わせたものだというのを一目見てわかるように、このような表現をしました。

──『東方Project』の二次創作を制作するにあたって、とくに気を付けた点を聞かせてください。

安井:よりコアなコンシューマーファンの方々にも訴えかけられるように意識して作りました。

──本作ならではの制作中のエピソードがあれば聞かせてください。

安井:弾幕の再現性を意識したことですね。当たり前ですがシューティングの弾幕をそのまま再現してしまうと、どうしても被弾してしまうんです。ただ本作の制作にあたって弾幕は欠かせません。シューティングと相反するタクティクスRPGを組み合わせているので、『東方Project』らしさ遊びやすさのバランスには苦労しましたね。そのおかげで美麗な弾幕を作り上げられたと思うのでぜひ見ていただきたいです。

──先行してプレイしていますが、バリアやグレイズがあるとはいえ弾幕をすべて回避することは難しい印象を受けました。本作は弾幕を完全回避できるつくりなのでしょうか?

安井:弾幕を作り始めたときは、被弾前提ではなかったんです。ですが、タクティクスRPGのバトルの要素を生かすことも考えて、被弾前提でどうやって弾幕を攻略していくのかということに焦点を絞っていきましたね。バリアゲージの高いキャラクターを盾にしたり、ワープをしたり、移動経路を考えたりと、ただ弾幕を放てばいいという作りにならないように考えました。

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──100を超える東方キャラクターのなかから、どのようにして本作の登場キャラクターを選びましたか?

安井:博麗霊夢と霧雨魔理沙は最初から決まっていたのですが「こういうキャラクターを入れたら物語として面白いんじゃないか」というのを考えながら選出していきました。

 まず物語ありきで、そこにしっくり来るキャラクターを順次選んでいった形ですね。

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──キャラクターごとの個性(攻撃範囲や能力の違い)が非常に強い作品だと感じましたが、万人向けで使いやすいキャラクターと、あえてピーキーに調整した特殊なキャラクターなどについて教えてください。

安井:使いやすくしているのは霊夢で、特殊なキャラクターは八雲紫ですね。紫地点から地点へワープしながらバトルできるキャラクターにしているので、考えることが多いので玄人向けかなと。使えると弾幕をすり抜けられるので、ストーリーなどの攻略をしやすくなると思いますよ。

──キャラクター選択による分岐の影響について聞かせてください。遊び方しだいで仲間にならないキャラクターも出てくるのでしょうか?

安井:最終的には仲間になります。では、なぜ分岐を用意したかというとシミュレーションRPGなどで、ストーリーの終盤で仲間になるキャラクターがいることはよくありますよね。そういったキャラクターを育てられる期間が少ないことに個人的に納得がいかないんですよ(笑)。

 ですので、本作では自分のパーティーにはどちらがよいのかを納得する形で選んでいただきたいという想いがありました。東風谷早苗と射命丸文のどちらをより長く育成して活躍させたいか。選択式なので推しが複数いる方には苦渋の決断を求めることもあるかと思いますが、『東方Project』は初見でない方も多いので、なるべく早い段階で好きなキャラクターを手に入れることで長い期間育成していただきかったんです。

──サブストーリーではどのような物語を楽しめるのでしょうか? おすすめのものについて、概要を教えていただけますでしょうか?

安井:メインストーリーは30日間の戦いの物語になっているので、サブストーリーではキャラクターの日常を描き深堀りすることで魅力を伝えられるようにしています。ぜひお気に入りのキャラクターをパーティーに入れて、拠点で話しかけてみてください。

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──『ネプテューヌ』シリーズや『限界凸騎』シリーズなど、コンパイルハート作品はキャラクターのかわいさの追求に余念がないと感じています。本作で東方キャラクターを表現するにあたり、どのような点に気を配りましたか?

安井:いろいろな『東方Project』の作品を見させていただいて、キャラクターに合わせて参考にしつつもコンパイルハートらしさとイラストレーターである平野(平野克之氏)らしさを出していきました。立ち絵ひとつでもしぐさのかわいらしさにはこだわって作っています。必殺技の3Dの演出に関しても、キャラクターの魅力を出せるように意識しました。これまで作ってきた作品のノウハウが生かされていると思いますね。

──サウンド面にもかなり力が入っている印象を受けました。スペシャルパックにはサントラCDがつきますが、注目点があれば教えてください。

安井:原曲を参考にして制作はしているんですが、ただアレンジするだけではなくて今作のオリジナリティを追求しましたね。サントラCDに関しては、岸田教団&THE明星ロケッツさんに、サントラの目玉として収録させてほしいとお願いをしました。キャラクターの個性を出すために1キャラクターごとに1曲作っていますし、ストーリーの重要な場面に合わせても作っているので全部で収録曲は50曲ほど。かなりのボリュームになっています!


──ファミ通DXパックの特典に関する感想を教えてください。

安井:3Dクリスタルセットは平野の魔理沙の可愛さを光の加減で堪能できるので、いいんじゃないかなと思います。

──公式サイトには“上級者向けテクニック”が掲載されていますが、そのなかでも特に大事なテクニックはなんですか?

安井:移動中の行先の変更というのは必要になってくると思います。リアルタイムでのキャラクターの位置取りはかなり重要になってきますね。最終的に一気に攻撃をするために、戦略を組み立てていってほしいです。操作の難しいゲーム性ではあるんですが、アシスト機能があるので、使いこなすと攻略しやすくなると思いますね。

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──対人戦にも応用できそうなゲームシステムですが、そういった可能性もあったのでしょうか?

安井:そうですね、当然考えました(笑)。ゲームシステムが対人戦に向いているとは思っていて、いつか挑戦はしていきたいとは思っていますね! 

──ゲーム本編以外で力を入れた、ぜひ注目してほしい要素やモードがあれば教えてください。

安井:フォトモードですね! 好きなキャラクターを並べて、弾幕を置いたりもできるのでどんどん自分の好きなシーンを作ってほしいなと思います。

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──最後に、本作に期待するファンへのメッセージをお願いします。

安井:これまでにないゲーム性を目指して制作に挑んだので、ぜひ手に取っていただきたいです。

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【製品情報】
タイトル:東方スペルカーニバル
プラットフォーム:PlayStation®4
          PlayStation®5
Nintendo Switch™
ジャンル:弾幕タクティクスRPG
プレイ人数:1人
発売日:2024年6月6日予定
価格:通常版 8,580円(税込)
   カーニバルエディション1 0,780円(税込)
   幻想郷スペシャルパック 14,080円(税込)
   ダウンロード版 8,580円(税込)
   デジタルデラックス版 10,780円(税込)
CERO:「A」(全年齢対象)

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