テレビ東京にて2024年4月期より火曜深夜25時から放送中のドラマ『RoOT』について、感想を掲載します。
愛嬌ゼロの先輩探偵×凶運のポジティブ新人の踏み込んだら抜け出せない群像“ヒューマン”ミステリー!
ビッグコミックススペリオールダルパナにて連載中のコミック『RoOT / ルート オブ オッドタクシー』がドラマ化。主人公である2人の探偵による奮闘劇画、オリジナルストーリーで描かれていきます。
探偵事務所で働く玲奈(河合優実)と、経験ゼロのポンコツ新人・佐藤(坂東龍汰)は、退屈な浮気調査のなか、ドブ(三浦誠己)と呼ばれるチンピラの男に調査を妨害されます。
2人は、このとき助けてもらった小料理屋の女将(吉本菜穂子)から、小戸川(篠原篤)というタクシードライバーの私生活を解明してほしいという依頼を受け、汚名挽回とばかりに動き出すのですが……。
やがて2人は、街を牛耳るヤクザ、バズりたい大学生、脳天気な黒服、裏社会の便利屋、地下アイドルなどなど、街の人々が複雑に絡み合う“女子高生失踪事件”へと、書き込まれていくことになります。
『オッドタクシー』の世界観で展開するミステリアスな物語が、ドラマではどのような展開・結末を迎えるのか、その推測なども交えつつ、各エピソードを紹介していきます。
この記事には、ドラマのネタバレが含まれます。
『RoOT/ルート』最終話 感想
事件の真犯人は二階堂ではなく
玲奈たちの調査で、三矢ユキを殺害したのは、二階堂ではなく、和田垣であることが判明。証拠も揃っています。いよいよ事件は本当のクライマックスへと向かいます。
今回の物語は、事件のあと、呑楽と玲奈や所長たちとの会話の場面から始まります。呑楽は事件以来、さまざまな強迫メールを受け取り、いわゆる“炎上”で困っている様子でした。ただ、表現が微妙なものが多く警察も動けないので、その調査を依頼したようです。
そのメールは、呑楽の隠し子を名乗る者からでした。しかし、昔話題になった呑楽の隠し子は男性で、すでに成人しているとのこと。
ここまで、和田垣は自分が呑楽の隠し子だと思っていました。そう思わせる演出もあり、それが動機になったのだと思っていたのですが、どうやらミスリードだったようですね。
そんな和田垣なのですが、なんと今も逃走中。まだ捕まっていないようです。すでに二階堂が捕まっており、警察に追われているわけではないですが、ふらふらと逃げ回っている様子です。
小戸川久しぶりの登場
玲奈は次に小戸川に会いに行きます。久しぶりに出ました。『オッドタクシー』を見ていると、小戸川が主人公というイメージが強くて、久しぶりに見て安心しました(笑)。
『オッドタクシー』を見た人ならご存じのとおり、小戸川はとある理由で人の顔がわかりません。あのとき乗せたのは三矢なのか、和田垣なのか。その証言こそ重要になるのに、覚えていないのです。
玲奈たちはさまざまな証拠を持って警察にも相談しますが、それでも警察は相手にしてくれないのでした。
和田垣の最後の抵抗
呑楽の元に来た強迫メールが和田垣からだと推測した玲奈は、呑楽の協力のもと、一か八かそのメールに返信して和田垣に会おうとします。
約束の場所にまんまと現れた和田垣ですが、玲奈の話は聞く耳持たず、いきなり襲い掛かるのでした。これを庇おうとして佐藤が刺されるという、まさに急展開!
その場を逃走した和田垣は母親に連絡しますが、母親から、本当の父親は呑楽ではないことを聞かされます。ここでハッキリ、呑楽の隠し子は彼女の思い込みであることがわかります。
しかし彼女はいよいよ本格的に壊れてしまったのか、それを信じようとせず、最後には目撃者を消そうと、今度は小戸川を狙い……。
『RoOT/ルート』最終話 総評
小戸川を刺したあとはいきなり後日譚で、あのあと和田垣がどうなったかは想像するしかない演出になっています。タクシー内での大騒ぎから、一転して静かに展開するラストシーン。この演出は、本作らしい雰囲気で良かったです。
引退するつもりだった呑楽は、玲奈が届けてくれた娘のスマホにあった家族へのメッセージを見て、引退を思いとどまります。玲奈は事務所をやめ、そんな呑楽の高座を観覧するのでした。このときかかっていたのは“子はかすがい”。これもいい演出ですね。
また、和田垣の動機は父親である呑楽を独り占めしている本当の娘、三矢へ対する嫉妬心のようなものだと思っていましたが、いったい何が彼女を殺人にまで追い込んだのでしょうか。
母親との電話で、やはり母親にも多少は原因があるのかなと感じました。母親の方はまったく悪気がないようですが。
なお、今回の事件は、『オッドタクシー』で起きた事件を玲奈という探偵の目で追った物語です。『オッドタクシー』の方では、小戸川の目を通じて同じ事件が描かれていますので、興味を持った人はぜひこちらも鑑賞してみてください!