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『鬼滅の刃 柱稽古編』5話感想。炭治郎&伊黒の打ち合いの作画がヤバい。そして不死川はもうちょっと素直に本音を打ち明けてほしい…(ネタバレあり)

文:電撃オンライン

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 2024年6月9日(日)に放送された、『鬼滅の刃 柱稽古編』第5話“鬼を喰ってまで”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『鬼滅の刃 柱稽古編』第5話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。 [IMAGE]

炭治郎が初めてぶつかった、柱稽古の“壁”

 第4話のラストの流れを受けて、第5話は恋柱・甘露寺蜜璃の稽古からスタートしました。最初、冒頭のパンケーキは、食べてすぐ敵襲があった時とか何らかの意味があるのかなと思ったんですが、その後甘露寺が伊黒に送った手紙からして単に炭治郎とお茶したかっただけの様子。

 「久しぶり」という挨拶を交わしていたあたり、おそらく『刀鍛冶の里編』での戦いの後は2人は一度も会っていなかったと思われるので、上弦の鬼を倒したご褒美をあげたいと、あの後ずっと思っていたのかもしれません。

 しかし、その甘露寺の優しさ(?)が裏目に出て、その次の稽古を担当する蛇柱・伊黒小芭内の嫉妬を買ってしまうことに。『柱稽古編』では、伊黒が甘露寺のことを気にしているシーンが度々描かれていて、実は一番人間味を感じる柱なのかもしれません。

 ただ、そんな私情入りまくりの状態で行われた稽古ですが、これまでかなり順調に稽古をこなしてきた炭治郎にとって、初めてぶつかった“壁”とも言える内容になっていました。

 仲間を傷つけることを恐れる炭治郎の優しさは、強さではありますが時に弱点にもなります。伊黒が躊躇いなく刀を振るえるのは、絶対に味方に当てることないという、自分の太刀筋に絶対的な自信をもっているからだと思うんですよね。

 対して炭治郎が攻撃を躊躇うのは、ミスをして仲間に当ててしまうかもしれない恐怖があったから。それを振り切らせて、どんな状況でも自分の太刀筋を見失わないようにする、炭治郎にとってかなり意味のある稽古だったんじゃないかなと。

 最終日の伊黒との打ち合いのシーンはもう作画が凄すぎて、どう考えても木刀での訓練のシーンで出していいクオリティではなく、しばらく開いた口が塞がらない状態になっていました。

 まさにこの辺は、『鬼滅の刃』という超人気作品をufotableが作っているからこそできる贅沢さだなと。『鬼滅の刃』を全く知らない人に、今回の該当シーンを「クライマックスの宿命のライバル同士の決闘」として見せたら、ほぼ騙せるような気がします。

ひたすらすれ違う不死川兄弟。巻き込まれた善逸はちょっとかわいそう

 蛇柱の稽古を終えた後には、不死川の稽古に耐えかねて脱走した善逸が久々に登場。虫のようにカサカサ動くのはちょっと……いや大分気持ち悪かったですが、なんだかんだ見捨てずにわざわざ自分で連れ戻しに来るあたり、不死川の面倒見の良さみたいなところが垣間見えました。

 一方で炭治郎に対しては未だわだかまりがあるようですが、基本的に目上の人間に対して敬意を払う炭治郎が「認めてない」と言い切ってしまうのは非常に珍しい。ただこの2人、最悪の第一印象からロクに共闘の機会もないままここまで来てしまっているので、仕方ない部分もあります。

 その後の玄弥とのやりとりも、不死川(実弥)がなぜあそこまで玄弥を鬼殺隊から辞めさせようとしているのか、結構察している方も多いと思うのですが、その想いは炭治郎たちに伝わらない(行動が過激すぎるのであそこで助けに入ったこと自体は正しいと思いますが)。

 不死川は、もうちょっと心の中で思っていることを口に出せば、めちゃくちゃいい柱として慕われると思うんですよね……。そこもキャラとしての魅力の1つなのだと思いつつ。

 不死川との乱闘シーンでは、唐突に巻き込まれる善逸がいい味を出していました。助ける義理は何もないのに玄弥を逃がすのに協力したのに、不死川の悪口を言ってしまったばかりに殴られるシーンは、かわいそうですが笑ってしまいます。

 おそらくですが、不死川の前で玄弥の悪口を言ったら同じようにブチ切れられるでしょう。なんて面倒くさい兄弟なんだ…。

 結果的に炭治郎の稽古は途中で中止になってしまったものの、ブチ切れている不死川に対して一発いい蹴りを入れられたことを考えると、一応合格ラインには達したとも考えられなくもないのかなと。

 もっとも炭治郎としては、稽古の合格よりも二人に仲直りの方が重要だったんでしょうけど、客観的に見てもどちらの考えも間違ってはいないので、炭治郎の立場でどうにかするのはかなり難しい問題だったと思います。


 伊黒と不死川という、柱の中でもとくに厳しそうな二人の稽古が終わったことになりますが、どんなに炭治郎に私怨があろうと最後まで木刀を使っていたあたり、「緊張感がないから」と真剣を持ち出していた前回の時透のヤバさが、改めて分かったような気がします。

 今回は原作に近いテンポで一気に話が進み、ついに残す稽古は岩柱のみに。柱の中でも最年長で、その実力も最強とされている岩柱が炭治郎にどんな稽古を課すのか、来週も楽しみです。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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