電撃オンライン

『ボウと月夜の碧い花』体験版レビュー:狐にてるてる坊主に…虚舟!? 日本民話が題材の新作メトロイドヴァニアの世界観が良すぎた【電撃インディー#671】

文:電撃オンライン

公開日時:

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、Humble GamesよりSteamで2024年7月18日に配信開始予定の『ボウと月夜の碧い花』の体験版プレイレビューをお届けします。

[IMAGE]

 なお、本作のPS5/Nintendo Switch版はSteam版と同日にマーベラスより発売予定です。

 今回プレイした体験版はSteamにて無料でダウンロードできるので、気になった方はぜひ実際にプレイしてみてください。




 なお、電撃オンラインでは尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

幻想的な和風グラフィックの妖怪たちに癒される【ボウと月夜の碧い花】


 本作1番の魅力はやはり美麗で幻想的な和風のグラフィック。筆のような雰囲気も感じられる力強くも柔らかいタッチで描かれるマップやキャラクターを見ているだけで癒されます。

 メトロイドヴァニアというジャンルも、マップの美しさやキャラクターの魅力が際立つジャンルなので相性抜群です。

 小さな狐のような姿の主人公“ボウ”を筆頭に登場するキャラクターがどれも魅力的で、新キャラが出るたびにどんどん『ボウと月夜の碧い花』の世界に引き込まれていきます。

[IMAGE]
▲狐といっても動物の方ではなくお稲荷様や狐面のような見た目です。

 体験版に登場するキャラの中では、ゲームの背景に現れる巨大ながしゃどくろのような影と琵琶を弾くウサギのロヅが個人的に気に入っています。

 がしゃどくろは体験版の時点で直接ボウと出会うわけではありませんが、遠景に描かれる超巨大な姿はかなり迫力がありました。

[IMAGE]
▲超巨大で禍々しいがしゃどくろ。歩くたびに画面が揺れる演出と相まってものすごい迫力でした。

 ロヅは琵琶を弾く和装のウサギという見た目がまず格好いい。さらに喋る内容も意味深で興味を引かれますし、会話を進めるたびにワンフレーズずつ琵琶を弾く演出が良すぎました。

 彼は体験版を最後まで進めると出会えるキャラクターなんですが、体験版のトリを務めるだけはある非常に魅力的なキャラクターです。
 
[IMAGE]
▲シンプルに格好いい。ボウと見た目が少し似ているのもちょっと気になったり。

 そして、実はもう一人超気になるキャラクターが……。

 それがこの方。

[IMAGE]

 縄文土器のような台座の上に鎮座する、謎の乗り物に乗り未知の言語を喋る女性。

 謎が謎を呼ぶ感じのキャラクターですが……このどんぶりを2つ組み合わせたような乗り物は日本古来から伝わるUFO伝説として名高い(?)虚舟では……!?

 日本の民話が題材とはいえ、シブすぎるネタのチョイスに驚きつつ、さらに本作の開発チームがタイのインディーゲームスタジオだと知りもう一度全力で驚きました。

 国産ゲームだとしても驚きなのにタイ発のゲームに虚舟……アンテナがすごい。

 縄文土器の意匠など他にもオカルト心がくすぐられる要素がありますが、その辺りまで触れると収集が付かなくなりそうなので割愛します。

 気になる方はぜひ調べてみてください。古代と宇宙はオカルトのキーワードです。

ずっと遊んでいたくなる手触りの良いアクション&システム【ボウと月夜の碧い花】


 ここまで本作のビジュアルや世界観について触れてきましたが、もちろんそれだけではありません。

 見た目や世界観が魅力的なのはうれしい要素ですが、ゲーム自体が面白くないと肩透かしですよね。

 その点『ボウと月夜の碧い花』はぬかりありません。アクション性もシステムも非常に完成度が高く、ずっと触っていたくなるような出来になっていました。

 また、ゲームシステム周りにも和の要素がちりばめられており、世界観との親和性もばっちりです。

[IMAGE]
▲だるまを召喚して一緒に戦う要素なんてものも。

 本作の基本になるアクションはジャンプと攻撃のふたつ。ゲームが進むとここにダッシュなどのアクションも加わりますが、体験版の範囲では基本的にはこの2つがベースになっていました。

 このジャンプと攻撃の関係性が良くできていて、ジャンプ中に敵やオブジェクトに攻撃を当てることで、もう一度ジャンプができるようになります。

 これを繰り返すことで攻撃できる対象さえあればずっと空中で飛び回ることが可能で、慣れると自由自在にマップを飛び回ることができ非常に爽快感がありました。

[IMAGE]
▲足場のない空間も攻撃対象さえあれば縦横無尽に飛び回れます。

 もちろん爽快なだけではなく、敵の配置を把握して移動ルートを考えたり、ボス戦のギミックになっていたりとパズル的な要素としても非常に楽しめました。

[IMAGE]
▲空中攻撃を駆使して戦うてるてる坊主のボス。ほぼずっと空中戦です。

 また、付け替えてキャラクターを強化する装備品のような要素として、“お守り”があったり、体力の回復方法が“お茶を飲んで一服”だったりと、前述した通りシステム面にも和の要素がたっぷり。

[IMAGE]
▲様々な効果を持つ“お守り”。製品版で数が増えたらかなり面白そう。


[IMAGE]
▲お茶を飲む“ボウ”が可愛い!

 ゲーム全体を通して“取ってつけた感”のある要素がなく、非常に綺麗にまとまったゲームだなと感じました。

 “和”を感じるゲームやメトロイドヴァニアが好きな方はもちろん、2Dのジャンプアクションとして非常に完成度が高いのでプラットフォーマー系のゲームが好きな方にもおすすめです。

 あとは、オカルト好きの方にも……?

 体験版は無料でプレイでき、ゲームの面白さを十分に感じることができたので、気になった方はぜひ実際に遊んでみてください。







    本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります