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『NIKKE THE STAGE』レポート。舞台化された『勝利の女神:NIKKE』は物語&ビジュアルの再現度もアングルも想像以上にスゴかった!

文:スズタク

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 Level Infiniteが、SHIFT UPと手を組んで制作したiOS/Android向けガンガールRPG『勝利の女神:NIKKE(メガニケ)』。その舞台版となる“NIKKE THE STAGE”のゲネプロレポートを掲載します。

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 “背中で魅せるガンガールRPG”と謳われ、2022年11月にリリースされた『NIKKE』。本作が舞台化されると聞いて、驚きと戸惑いを感じた指揮官(プレイヤー)は少なくなかったでしょう。

 「どこまでのストーリーを描くのか?」、「戦闘シーンはどうなる?」、「そもそも『NIKKE』ってお胸やお尻がアレだけど、そこらへんどうなっちゃうの!?」などなど、気になる部分は山ほどあると思います。

 6月5日(水)、東京都・こくみん共済coopホール/スペース・ゼロにて本公演のゲネプロ(本番同様の流れで進行する最後の通し稽古)を鑑賞することができたので、リリース以来ほぼ毎日『NIKKE』をプレイしているライターの目線でレポートをお届けしていきます!

※本記事には公演のネタバレが多く含まれますので、未鑑賞の方はご注意ください。



神アングルの舞台でチャプター7までの物語を再現!【舞台 NIKKE THE STAGE レポート】


 最初に言わせてください。『NIKKE THE STAGE』、正直言って
めちゃくちゃおもしろかったです

 昨今、ゲームの舞台化は盛んに行われていますが、自分自身はこの手の舞台を観たことがなく、鑑賞前は期待より不安が勝っているような心境でした。「どう頑張っても原作(ゲーム)にはかなわないだろう」という気持ちとでも言いますか……。

 ですが、キャストの熱演と完成度の高い衣装がもたらすキャラの再現度、音と映像と動きを駆使した物語表現は文字どおり目をクギ付けにするもので、あっという間の2時間でした。正直、ここまで引き込まれるとは自分でも思わず。

 ほかの舞台作品を観たことがないので比較はできませんが、少なくとも『NIKKE』の舞台は「これは十分アリ」と納得させられるクオリティを十二分に感じました。ゲームやアニメの舞台化に関して、色眼鏡で見ていた自分が恥ずかしい……!

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 と、軽く懺悔したところでレポートに移りましょう。『NIKKE THE STAGE』のお話は、ゲーム『勝利の女神:NIKKE』のチャプター0からチャプター7までのストーリーを中心に構成されています。

 謎の侵略者“ラプチャー”によって蹂躙された人類。敗北を喫した人類は地下施設“アーク”に移り住み、対ラプチャー用決戦人型兵器“ニケ”を生み出してラプチャーに立ち向かっていく――。

 ゲーム版と同じこのような世界観をもとに、指揮官とマリアンの運命的な出会いから舞台はスタート。その後、ラピやアニスたちも合流し、さまざまな仲間との出会いや任務を経て、北部での出来事にひと区切りつけるまでが物語の大まかな流れとなります。

 なお、基本的にはゲーム版の展開やセリフを忠実に再現していますが、不自然にならない範囲で少し改変もされていました(チャプター4にあたる部分で“アブソルート”部隊の登場が省略されているなど)。

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 本公演は一般的な舞台の形ではなく、会場中央に1.5mほどのステージがあって、それをぐるりと囲うように観客席が置かれているのが特徴。舞台と観客席の距離は近めで、席からステージを眺めると自然に見上げるような目線となります。

 この絶妙な配置によって、観る側は否が応でもキャストの太ももやお尻に目がいくアングルに。この意図に気づいた瞬間、確信しました。『NIKKE THE STAGE』の舞台設計を考えた人は
天才であると。

 決していやらしい意味ではなく(強調)、『NIKKE』といえば太ももやお尻も魅力的なので、そのよさを舞台でも表現するならこの手法は限りなく正解に近いと思いました。『NIKKE』に対する解像度が高くないとこの発想は生まれないので、舞台化スタッフの愛が感じられましたね。

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 マリアンの「ここです。ここです。ここです」やシュエンのクソガキぶりなど、原作で衝撃を受けたシーンもしっかり描かれており、全編通してプレイヤーが期待するポイントは全部押さえている印象。

 また、ニケたちの衣装もクオリティが高く、没入感の後押しにひと役買っています。髪型や衣服だけでなく、銃器もリアルに作られており、公演中は各ニケから目が離せませんでした。

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▲アニスの左ソックスにはちゃんと“弾”の文字も! 個人的にうれしかった部分です。


舞台版“カウンターズ”の指揮官は女性キャストが担当!【舞台 NIKKE THE STAGE レポート】


 『NIKKE』の主人公である“指揮官”は、舞台版では女性キャストの中野郁海さんが演じています。ゲーム版の指揮官はあくまでプレイヤーの分身でボイスはなく、明確な容姿も描かれていないので、舞台上で生き生きと動く指揮官を見るのはなんだか不思議な気分でした。

 ただ、ゲーム内でも指揮官の漠然としたキャラ像は出ており、髪型や衣装などは思い描いていた姿とピッタリ。男装の麗人風のキャラにしたのも、『NIKKE』の性質を考えたらナイス配役だったと思います。

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 中野さん演じる指揮官と“カウンターズ”部隊(ラピ・アニス・ネオン)の会話は見どころで、コミカルなやり取りがゲーム版と変わらず愉快です。

 ゲームでは収録されたボイスをセリフごとに再生するため、どうしてもブツ切り感のある会話になってしまいますが、生の人間が演じる舞台ではそれがありません。この点は舞台化の明確なメリットで、キャストの動きも加わることでやり取りがより魅力的になっていました。

 また、キャストがゲーム版のボイスにかなり寄せて演じていたのもポイント。どのキャストも素晴らしかったですが、とくにモダニア役の真島なおみさんと、アニス役の青山ひかるさんの演技力には驚かされました。

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戦闘シーンも迫力満点! ジェットコースターのように流れる濃密な2時間【舞台 NIKKE THE STAGE レポート】


 『NIKKE』といえばラプチャーとの戦いですが、舞台版でも戦闘シーンはバッチリ描かれます。ラプチャーに扮したアンサンブルと遮蔽物に見立てた小道具で、舞台ならではの迫力ある銃撃戦を演出していました。

 ここでも目立っていたのが、指揮官の存在。ゲームの戦闘では指揮官を意識することはまずありませんが、舞台上では指揮官の指示のもとニケたちが動き回り、部隊を率いて戦う様子が如実に伝わってきます。

 「(敵が)座標○○へ移動!」、「2時の方向へ掃射!」といった指揮官の指示が飛び交うのを聞くと、『NIKKE』でもこんな風に戦っているのだろうなと想像がふくらみます。舞台を観たおかげで、今後ゲームをプレイする際の没入感がさらに増しそうです。

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 ブラックスミスやトーカティブなどボス級ラプチャーとの戦いでは、スクリーンに映像が映し出されることでより臨場感がアップ。サウンドも重厚で、緊迫感あふれる銃撃戦を目と耳で存分に満喫することができました!

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 約2時間の公演は休憩なしのぶっ続けで行われ、終わったときにはジェットコースターに乗ったような余韻が押し寄せました。先述のとおり自分は舞台化作品を観たのは初めてでしたが、満足感はとても高かったです。

 『NIKKE』を遊んでいる人ならまず間違いなく楽しめる完成度ですし、観たあとはきっとゲームを起動してメインストーリーをもう一度見直したくなるはずです。

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 公演自体はすでに終了していますが、舞台のマルチアングル映像が後日有料配信されるので、未鑑賞の方はぜひ。自分のように舞台化作品を観たことがない人に、とくにオススメしたいです!


スズタク:RPGとアクションをこよなく愛するライター。近年、シミュレーションRPGのおもしろさに気づき始める。

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    勝利の女神:NIKKE

    • メーカー:SHIFT UP
    • 対応機種:Steam・PC
    • ジャンル:RPG
    • 発売日:2023年02月15日
    • 希望小売価格:基本プレイ無料(アイテム課金あり)