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『菜なれ花なれ』2話感想。実はむちゃくちゃ愉快なキャラだった詩音がかわいい。けど監視してる涼葉の姿は完全にアウトだった(ネタバレあり)

文:米澤崇史

公開日時:

 TVアニメ『菜なれ花なれ』2話“って感じで…”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『菜なれ花なれ』第2話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。 [IMAGE]

後輩想いでツンデレな生天目華がいい先輩すぎる【菜なれ花なれ】


 第1話では、過去の失敗から所属するチア部と距離をおいていたかなた。2話冒頭のチア部の先輩たちとの会話を聞く限り、かなたが自分の意思でチアから離れたわけではなく、ドクターストップが掛かって部活動への参加が禁止されていたようです。大きな怪我をしたわけではなさそうなので、メンタル的な部分に問題があるという診断をされたような感じなんでしょうか。

 ただそのかなた、マイペースっぷりが想定していた以上にすごい。効率主義者らしい涼葉からするとかなたの行動ってただでさえ理解しがたいと思うんですが、凄まじい大ジャンプをしてまで追いかけてきた理由を訪ねたら、いきなりかなたが大喜びし始めて、事情を知らない涼葉の頭に「?」が浮かび上がってそうでした(だからこそその後に5人の集まりに興味をもったのかもとも思いますが)。


 そして個人的に2話で株が爆上がりしたのは、かなたのチア部の先輩でもある華。

 体育館でのやり取りだけだと、かなたの才能に嫉妬してる嫌な先輩に見えかねないんですけど、冒頭で周りから贔屓していると言われるくらい惚れ込んでいて、しかも後輩想いという情報が明かされていたので、こうでもしないとかなたが無理をすると思って、敢えて嫌われ役を買って出たんだろうなと。

 すごいプライド高そうなお嬢様っぽい外見なのに、中身がめちゃくちゃ仲間想いのいい子で素直になれないというギャップも最高で、個人的に今の最推しキャラになっています。

実はめちゃ面白いキャラクターだったと判明した詩音と涼葉【菜なれ花なれ】


 学校がバラバラの6人が、どういう風にグループを作っていくんだろう、というのが1話を見た時の疑問だったんですが、杏那の動画撮影を手伝う集まりという方向性も、2話で大分見えてきました。

 メンバーがそれぞれいろんな才能の片鱗を見せる中で、誰よりも印象が変わったのが詩音。

 1話では、誰にでも優しく品行方正、新体操部のエースとして活躍して学校中の憧れの存在と、まさに非の打ち所がないお嬢様って感じでしたが、実は夢がシンガーソングライターで、肝心の歌の才能はからっきしという意外性の塊。流れ的に歌もきっと上手いんだろうな……と思っていたので、一声目を聞いた時は衝撃的で、涼葉が木から転げ落ちるのも納得でした。


 自分が本当にやりたいことをひた隠しにして、優等生として仮面を被って振る舞っているというのはすごく人間味があっていいなと思いましたし、なんとかごにょごにょごまかして歌おうとしたり、自分の行動を後悔してベッドで悶絶している姿はめちゃくちゃかわいかった……! 公式Xで公開されている、『ハッピーバースデー』を歌う詩音も超かわいいので必聴です。

 頑なに「笑わない?」と確認していたあたり、多分自分でも音痴といいうことは自覚してそうなのにも関わらず、シンガーソングライターを目指すのは何がきっかけになっているのかも気になるところです。


 また結構意外だったのが、涼葉が想像以上に面白いキャラクターだったということ。かなたに言われたことが気になって、詩音の後をつけるところまではギリギリ分かるんですけど、新体操部の活動中の詩音の様子を壁をよじ登って窓から様子を伺うのは、やっていることも絵面も普通にいろいろアウトと言わざるを得ません。

 しかも、その監視シーンの直後が、よりにもよって詩音のシャワーシーンだったので、「まさかシャワーの覗き見まで……!?」とちょっと早とちりしてしまいました。いや、シャワー室の出口で気配を殺して体育座りしているのも相当にヤバいんですが……ちょっとストーカーの素養の片鱗が見え隠れしている気がします。


 1話のラストでは見事なジャンプを見せていたかなたですが、まだチアができるほどには心の傷は癒えていない様子。1話の時は、かなたが自分からチアと距離を取ったと思ったんですが、名門校で1年からAチームに入るには、それくらいの情熱がないとやっていけないですよね。ただ、早く復帰したいという想いが強すぎて、いろいろ空回りしているように見えます。

 そんな失敗したかたなに、「よく頑張ったな」と言える部長の苺、高校生とは思えないくらい人間ができてますよね。まだかなたには来年以降もあるから焦る必要はないというのも、万全ではない人間が参加しても周囲を危険に晒すだけという指摘も、もうぐうの音も出ないほどに正しい。華といい、かなたはめちゃくちゃ先輩に恵まれているなと思います。

 1話では分からなかった作品としての方向性や、各キャラクターの魅力を感じ取れた第2話。杏那や穏花など、まだ掘り下げられていないキャラクターも多いので、どんな個性が隠されているのかも楽しみです。

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米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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