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『らんま1/2』大発表会レポート。「いつかリメイクされるなら、おじじとおばばを…」なんて話もありつつ「やっぱり、乱馬役は譲りたくない」。山口勝平さん、林原めぐみさん、日髙のり子さんらが熱い想いを語る!

文:米澤崇史

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最終更新:

 2024年10月5日より日本テレビ系にて放送開始する完全新作的アニメ『らんま1/2』。ここでは、2024年7月17日に行われ、キャスト陣も登壇した『らんま1/2』大発表会の模様をレポートします。

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3人のメインキャスト陣と宇田監督が登壇【らんま1/2大発表会】


 『週刊少年サンデー』1987年36号~1996年12号で連載されていた、高橋留美子先生の大ヒット漫画を原作とするTVアニメ『らんま1/2』。

 大発表会では、最初にPV第1弾の公開が行われ、TVアニメの放送が10月5日より日本テレビ系でスタートすること、アニメーションの制作を『呪術廻戦』や『チェンソーマン』で知られるMAPPAが手掛けること、そしてメインキャスト陣が一部を除き1989年に放送されていたTVアニメ版から続投となることなどが発表されていました。




 大発表会には、そのキャスト陣の中から山口勝平さん(早乙女乱馬役)、林原めぐみさん(らんま役)、日髙のり子さん(天道あかね役)の3人と、監督を務める宇田鋼之介さんが登壇。

 最初に山口さんが「この日が来るのを待ち望んでいました。また乱馬ができるということで、僕自身もすごく興奮しています」と語れば、日髙さんも「天道あかね役として、めぐ(林原さん)や勝平君と、このステージに立っていることが嬉しくて嬉しくてたまりません」と興奮気味に挨拶し、喜びを爆発させます。

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山口勝平さん
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日髙のり子さん

 一方の林原さんは、「すいません、こういうこと(キャスト陣続投)になっております」とコメントして笑いを誘いつつ、「業界の中でも一つの奇跡なんじゃないかなと。今、精一杯アフレコも皆で頑張っています」と心境を明かしていました。

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林原めぐみさん

 出演が決まった際の話題では、山口さんが「最初にボイステストを受けたのが一昨年の12月の暮れ頃で、その結果が出たのが去年の1月末なんですよ。なのでもう1年半近く黙ってなくちゃいけなくて」と、かなり前から出演が決まっており、ずっとそれを黙っているのが大変だった様子。

 林原さんは、そのボイステストの話を最初に聞いた時、「勝平が(乱馬を)やるならやるけど、勝平じゃないなら私じゃないし」とテストを受けるか迷ったそうで、すぐに山口さんに電話して乱馬をやるのか確認をとったのだとか。

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 一方、並々ならぬ気合を入れてボイステストに臨んでいたと話していたのが日髙さん。

 「『らんま』って私にとっての青春で、『タッチ』の時は緊張感のあるアフレコをずっとさせていただいてたんですけど、『らんま』はとにかく楽しくて。なので今回、"絶対にやりたい!”と意気込んでいたら、当日急に緊張しちゃって、LINEで勝平君に“大丈夫かな”と連絡したんです。そしたら、私がテストを受ける時間帯に来てくれて」と裏話を披露。山口さんによると「今回は、個人戦じゃなくチーム戦で行きたい」という考えがあったようで、キャスト陣の絆の深さを象徴するエピソードが次々と語られていきます。

 また、新アニメ版の監督を務める宇田さんは、監督の打診を受けた際の心境について「自分が学生の時に非常に熱中した高橋先生の作品だったので、それを自分がやることになるんだなという驚きと、いろんなものが入り交じって。とにかくびっくりしたっていうのが、最初の素直な印象ですね」と明かしていました。

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宇田鋼之介監督

昔の演技を再現するのではなく、今の自分たちが作る『らんま』に【らんま1/2大発表会】


 第1話の収録では多くのキャストが緊張していたようで、林原さんは、「なんか現実な気がしなくて。当時、私もデビューではないなりに新人だったんですけど、その頃の緊張ともまた違う、自分で自分の影を追いすぎないようにしなきゃっていう、また別の苦労がありました」と『らんま』だからこその苦労を振り返ります。

 その一方で、「時間を経ていく内に、今の僕らが作る『らんま』でもいいのかなと考えが変わってきた」と山口さんが話すと、林原さんも「そう、私たちも覚悟を決めたんで、見る方も覚悟して楽しんでいただきたいです」とファンに伝える一幕も。

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 また、声優としての初主演作でもある山口さんにとって『らんま』は特別思い入れが深い作品でもあるようで、「いつかリメイクされるだろうと思っていたら、意外と早くて(笑)。リメイクでは“おじじ、おばばをやりたいね”みたいな話はしてたんですけど、やっぱり僕のルーツにあたる作品なので、心のどこかで“いや、乱馬は譲りたくない”みたいな気持ちはありましたね」と、早乙女乱馬という役への熱い想いを告白。

 89年版の放送終了から32年の月日が経過したことについて話題が及ぶと、「私たちの年齢がちょっと中途半端だったんですよね。絶対に続投で行くでしょうってほどではないけど、なんとなく出来そうな気もするしって、きっと皆さんもそう思われてたんじゃないかなって」と、自身の心境を包み隠さず語る日髙さん。キャスト陣の間でも「もし後数年遅かったら……」「ギリギリのタイミング」といった話題が出たこともあったそうです。

 一方で林原さんは、「すごいのは、『らんま』のメンバーって、探偵やってたり国民の顔になってみたり(笑)、それぞれの場所でそれぞれ花を咲かせてるんですよ。それでまたここに戻ってこれるのって、ほんとに素敵なことだと思う」としみじみと語り、山口さんと日髙さんも、アフレコが終わってからこのメンバーで「また来週」と言って別れられることの喜びに言及していました。

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 なお、89年当時の裏話として、女らんま役の林原さんは「勝平君を盗むように」というディレクションを受け、山口さんの演技を強く意識して演じていたのだとか。

 そこから現在では、山口さんの方も林原さんの演技を盗むという相乗効果が生まれており、山口さん自身も「林原さんが女らんまになった時の突き抜けた感の再現は、前回(89年版)の時にやりきれなかったかなという部分で。もしかしたら今ならできるかもしれないと思って、色々フィードバックしながら、今の乱馬を作れればと思っています」と、今だからこそできる新しい乱馬の姿を模索していることを明かしていました。

 「当時の自分の演技をどれくらい意識したのか?」という質問には、「最初は昔を意識していた」と口を揃えるキャスト陣。

 その上で日髙さんが「次第に画面の中のキャラクターに心を寄せられるようになったというか、反射神経みたいなもので演じられるようになっていって、アフレコが進むにつれ、過去の自分のことは忘れていきました」と語れば、林原さんも「クラス会でばったり集まった時とか、昔嫌いだった先生の話で盛り上がったり、間にあった10年、20年がぱって飛んじゃう関係や空間ってあるじゃないですか。今回はそれにすごく近くて、みんなの顔と声を聞いてから、どんどん肩の力が抜けていきました」とそれに同意します。

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 山口さんも「どんどん芝居が脊髄反射になっていって、その場その場のやり取りの中で考えるみたいなことが増えてきて。けど、自分たちがそういう楽しみ方もできるようになったんだなと思いました」と、役者としての成長を改めて実感した様子。

 あまりにもキャスト陣の仲が良すぎて常に誰かが喋っているため、スタジオがなかなか静かにならず、「そろそろ始めますよ」と宇田監督に合図を出されることもしばしばあったと、登壇者が盛り上がる一幕もありました。

乱馬の父・早乙女玄馬と、オープニングテーマを担当するanoさんも登場【らんま1/2大発表会】


 さらに発表会には、乱馬の父・早乙女玄馬(パンダ)と、オープニングテーマを担当するanoさんも駆けつけました。

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 anoさんはオープニングテーマを担当するにあたり「長年すごく愛されてる作品だと思うので、そのオープニングを担当できるっていうのはとても光栄で嬉しかったです」と喜びを語ります。

 山口さんから「呪いの温泉で変身するなら何の動物かいいか?」という質問が飛ぶと、「猫が好きなので、ネズミになって追いかけられたい」と、“ano節”全開の回答を披露し会場を沸かせていました。

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anoさん

 さらに発表会では、高橋留美子先生から再アニメ化を祝う直筆の描き下ろし色紙も登場し、乱馬と女らんま、あかねという本来はありえない3人が並ぶ貴重なスリーショットに、キャスト陣も大興奮していた様子でした。

 最後には、登壇した5人からファンに向けてのメッセージが送られる形で幕を閉じた今回のイベント。10月の放送開始に向けて、さらなる続報に要注目です。

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登壇者メッセージ

anoさん:
原作を読んだことないっていう若い子だけじゃなく、どの年代にも、今回のアニメがきっかけでもっともっと(『らんま』の)面白さをいっぱい知ってもらいたいなって思います。僕もすごく大好きなので、これから皆さまのところに届いていくのをすごく楽しみにしています。

宇田監督:
とにかく楽しい作品にしたくて、スタッフ一同苦しみながらも楽しんで作ってくれています。見てくださる方々も、苦しみながら楽しんでいただければと(笑)。

日髙のり子さん:
和気あいあいとしたスタジオながらも、宇田監督から「もうちょっと可愛く」みたいな感じで、日髙の中から出てくるまで諦めずにやってくださっていて(笑)、皆さんのところに届く時には、きっと完成された形のあかねちゃんを聞いていただけるんじゃないかと思っています。anoちゃんにも令和の風を吹き込んでいただいて、私達もますます元気をもらって、アフレコ頑張りたいなと思っています。

林原めぐみさん:
昭和、平成、令和を駆け抜けて、世の中ではAIなんて言葉もちらほらと耳に聞こえてくるようになりましたけれども、本作は人間の底力というか、“人間力”に溢れていて、その中にあるドキドキだったり、キュンキュンだったり、笑いだったりと、誰とでも共有できるような面白いものが今巡ってきたことにも、きっと意味があるんじゃないかなと。是非気軽な気持ちで楽しんでもらえたらと思います。

山口勝平さん:
皆、待っててくれてどうもありがとう。さあ、延長戦だぜ! ……ということで、よろしくお願いします。

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