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アニメ【推しの子】15話感想。超ノリノリなGOAとアビ子の姿に見ている側も楽しく! アイの死の回想は吾郎が禍々しくてブルッときた(ネタバレあり)

文:カワチ

公開日時:

 TVアニメ【推しの子】の第15話“感情演技”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、【推しの子】第15話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

説明台詞は舞台に必要なのか?【推しの子】


 原作が赤坂アカさん、作画が横槍メンゴさんの人気コミック【推しの子】のアニメ版。第2期は原作コミック第5巻の“2.5次元舞台編”が描かれることになります。


 今回の第15話は、GOAが脚本を手掛けるステージアラウンドの作品を観賞に来たアビ子と、“東京ブレイド”の2.5次元舞台を企画したプロデューサー・雷田澄彰の会話シーンから。最初は原作者であるアビ子にゴマを擦っていた雷田ではあるものの、アクアの「どうにか出来るのは雷田さんだけですよ」という言葉を思い出し、アビ子を説得することに。

 雷田が意識を変革させるシーンは原作と違ってゆっくりと顔を上げる演出となっており、よりドラマティックに描かれていました。自分が弱い立場であることを正直に伝えつつ、GOAの仕事を信じて欲しいと訴える彼はよかったです。

 前回、他人に歩み寄ることの大切さと、メディアミックスは他人との共同制作であることを教えられたアビ子は、雷田の要求を受けつつ、ひとつの条件を提示。それはクラウド上でGOAと脚本を共有しながら書き換えていくものでした。

 キャラクターの柱を大事にしてくれればそれでいいというアビ子の考えが分かり、イメージがしやすくなったGOAは脚本を修正。また、GOAの書いた脚本の舞台を気に入ったアビ子は“東京ブレイド”の舞台も同じように作って欲しいとも頼みます。意気投合したふたりは脚本の説明台詞を次々にカットし、舞台効果や役者の演技で内容を表現する内容に変えていきます。

 原作でもふたりは楽しそうでしたが、アニメ版はリアルタイムで次々にセリフが消えていくアニメーションや楽しそうな表情・声から、ふたりがノリノリになっていることがより伝わってきましたね。ワガママなイメージもあったアビ子ですが、ピュアでかわいらしく憎めないところも伝わってきました。


 ただ、原作者と脚本家が直接やり取りするということは、監修者がコントロールできない状態。役者の演技に丸投げする“キラーパス脚本”が生まれてしまいました。その後、役者たちが演技指導を受けるシーンに移りますが、コミックではセリフ無しの1ページで表現されていたものが、よりこまかく描かれることになりましたね。アニメならではの演出でおもしろかったです。

 さて、役者の演技に丸投げされ、アクアも大きな影響を受けることに。原作通りの芝居しかできず、観客に感情を伝える“感情演技”ができていない彼は壁にぶち当たってしまいます。

 そんなアクアに、かなは目の前の物を大切なものと思い込んで泣く手法を伝授。しかし、その例えに出した言葉は「もし母親が死んだらどうする?」というアクアにとって禁忌のようなものでした。


 続いて、今回の芝居はよろこびに包まれているシーンなので、うれしかったことを思い出すように伝えるかな。アクアはアドバイスに従ってこれまでの楽しかった思い出を振り返り自然と笑顔になりますが、その背後には前世である雨宮吾郎の影が。「お前は救えなかった」と辛辣な言葉を投げかけます。

 原作を読んだときも、笑顔になったアクアのコマからページをめくると後ろに吾郎が立っているシーンになるは衝撃的でしたが、アニメでは吾郎が全体的に黒く、人ならざる悪意のイメージになっていてビジュアル的にも怖かったですね。


 具合が悪くなってしまったアクアはあかねに連れられて五反田泰志の家へ。妹には心配をかけさせたくないからと家に戻ることを拒否したアクアですが、頼る先が泰志だったのは意外だったものの、納得する部分も。彼は面倒見がいいですもんね。

 また、このシーンは泰志にアクアの彼女かどうか聴かれたあかねが戸惑いつつも、はっきりとうなずくシーンがかわいかったです。


 その後、泰志からかつて起こった悲劇を断片的に聞いたあかねがアクアがアイの隠し子だと推理するところに関しては、原作では文字だけだったところが映像付きで分かりやすく。目覚めたアクアを優しく抱き、自分は味方であると伝えるシーンは石見舞菜香さんの渾身の芝居もあり、とても感動的になっていましたね。


 はたして、アクアたち役者陣はハードルの高い今回の舞台を成功させることができるのか。原作ではストーリーがどんどん盛り上がっていく部分なので次回以降も楽しみです!

カワチRPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。

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