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巨大生物の背中で街を作るシム『The Wandering Village』レビュー。街を発展させつつ、巨大生物のお世話もこなす、忙しいけど楽しすぎるシミュレーションゲーム【電撃インディー#1078】

文:米澤崇史

公開日時:

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、Stray Fawn StudioがPS5/PS4/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam)向けに配信中の『The Wandering Village~さまよえる村』のレビューをお届けします。

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 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!


限られたスペースの中で街を発展させていく【The Wandering Village】


 『The Wandering Village~さまよえる村』は、世界中を彷徨う巨大生物“オンブ”の背に乗って、集落のリーダーとして集落を発展させていくシミュレーションゲーム。

 PC(Steam)向けには2022年から早期アクセスがスタートしていましたが、7月17日の正式リリースに伴い、コンソール版も発売されました。

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 プレイヤーはキャラクターを直接操作するのではなく、作業を行ってくれる住人たちが効率よく働けるよう、様々な施設や道を整備する、いわゆる“シム系”と呼ばれるジャンルのゲームです。

 前述した巨大生物“オンブ”の上に街を作っていくことになるのが本作の特徴。世界観などビジュアル面は、どことなくとある有名なアニメを彷彿とさせます。

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 “オンブ”の背中には木や岩、粘土状の土といったさまざまな地形が存在しており、住人たちに収穫の指示を出すか、対応した施設を範囲内に設置すると自動で素材を集めてくれます。

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 その素材を活用して研究を行い、より良い施設や食料を開発して、街をどんどん発展させていくというのが主な流れ。

 ただ、施設には住人の中から作業員を配置する必要があります。当然ながら住人の数には限りがあるので、今優先すべき作業は何なのかを考えて、人員を割り振っていくことになります。

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 幸福度のパラメータも存在していて、幸福度が低くなりすぎると貴重な働き手である住人が街を去ってしまいます。

 さらに、高い幸福度を維持しているとどんどん新しい住人が移住してくるメリットもあるので、ただ働かせるだけではなく、施設を豪華にしたり、装飾を凝ったり、イベントを行ったりと、福利厚生も考えないといけません。

 ストーリーを進めると“オンブ教団”という宗教団体も登場してきて、住人を“オンブ”の餌にするというヤバそうな機械も作れます。

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 注意しなくてはならないのが、施設を配置できるのはオンブの背中の上という限られたエリアであること。

 生い茂っている木々を伐採することで、施設を配置できる平地を広げていくことはできるのですが、エリアそのものが広がっていくわけではないので、いずれ拡張にも限界がきます。

 なので、考えなしになんでも配置しまくるのではなく、できるだけスペースを無駄なく活用するように工夫する必要があるのが面白いポイントでした。

 このジャンルのゲームに共通することですが、そろそろやめようと思っても「この建物を作ったら終わりにするか」が延々とループしていき、気づいたら1、2時間経ってた……みたいなのがザラで、やめ時がなくなる中毒性がありますね。

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世界を旅する“オンブ”のお世話も大事な仕事【The Wandering Village】


 他のシム系ゲームとの大きな違いといえるのが、“オンブ”が世界をつねに移動し続けるという点です。

 旅をすればするほど“オンブ”も疲れていき、定期的に睡眠や食事を取る必要もあります。病気になることもあり、オンブが死んでしまうとゲームオーバーなので、餌をあげたり治療をしたり、街の発展と並行して“オンブ”のお世話も進めなくてはなりません。

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▲時には、オンブの背中にカビが生えてしまうことも。

 街が発展するとこのあたりも自動化できるようになっていくんですが、そうなると“オンブ”の信頼を損なうことにも繋がったり、必ずしも街の発展と“オンブ”と共生することがイコールではないのも独特で面白いところです。

 また、“オンブ”は砂漠や海の上といった様々な地形を通って移動するので、その度に街を取り巻く周辺環境(バイオーム)も切り替わります。

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 とくに砂漠だと、それまで比較的簡単に確保できていた水が作りづらくなったり、農場で育てられる作物がかなり少なくなったりするなど、一気に過酷な生活になることも……。

 つねに街が移動しているからこその環境変化にも適応していかなければなりません。

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 基本的に“オンブ”は自動でワールドマップを進みますが、分かれ道に差し掛かった際にはプレイヤーが方向を指示したり(ただし言うことを聞いてくれるかは信頼度次第)、指定の場所で休ませたりもできます。

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 止まっている時も“オンブ”の外には出られないのですが、代わりに遠征隊を派遣することで、ワールドマップ上に存在する“オンブ”の上では手に入らない貴重な素材も入手可能。遠征隊でしか手に入らないものもあるので、定期的に周辺に何があるかを確認しながらプレイする必要があるので、プレイもなかなか一筋縄ではいかないところも楽しいです!

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 ゲームモードはストーリー、チャレンジ、サンドボックスの3つが用意されています。

 中でもストーリーモードでは古代の建造物の謎を解明していくメインクエストが存在しているので、何をすればいいのか迷うこともないですし、難易度もチュートリアル・ノーマル・ハードと3種類用意されています。

 さらに、しっかりとしたガイドもあるので、シム系ゲームをほとんどやったことがない方にもわかりやすく遊びやすいゲームになっていると思いますので、気になっている人はぜひプレイしてみてほしいタイトルです。

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