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アニメ【推しの子】14話感想。2期の2.5次元舞台編はこのシーンが観たかった! 感情を爆発させるアビ子と頼子の言い合いは声優陣の迫真の演技が最高!!(ネタバレあり)

文:カワチ

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 TVアニメ【推しの子】の第14話“リライティング”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、【推しの子】第14話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

頼子とアビ子の関係がよかった…【推しの子】


 原作が赤坂アカさん、作画が横槍メンゴさんの人気コミック【推しの子】のアニメ版。第2期は原作コミック第5巻の“2.5次元舞台編”が描かれることになります。

 14話は作品にこだわるあまり他人とのコミュニケーションを疎かにして孤独になってしまうアビ子と、そんな彼女を正しく導く師匠の頼子の話でした。ふたりが言い合いをするシーンは“2.5次元舞台編”屈指の名シーンだと思っているのですが、アニメは声優陣の熱がこもった芝居でとても見応えるのあるものになりましたね。

 “2.5次元舞台編”のキーマンの1人であるアビ子を演じるのは第一線で活躍する佐倉綾音さんですが、頼子も実力派の伊藤静さんが起用されているので、おふたりの織り成す掛け合いシーンはとても見ものでした。


 さて、今回の14話ですが、これまではアクア視点で描かれていたものとは違って、ルビーの視点からスタートしました。ようやく雑誌やテレビ番組の仕事が入るようになって芸能クラスに馴染んできたと思っている彼女ですが、友だちは売れっ子のグラビアアイドルや女優で……。テンションの高いルビーと冷静なクラスメイトたちのやり取りが笑えましたね。

 “2.5次元舞台編”はアクアがメインなのでルビーの貴重な出番でした。ルビーとしてはB小町の活動をしたいのですが、かなが“東京ブレイド”の舞台に出演しているため、活動を休止するしかありません。しかも、その東京ブレイドもアビ子の言葉で稽古が一時中止。いろいろなものが停滞している状況です。

 一方のアクアはあかねの誘いで客席が360度回るステージアラウンドの舞台を観賞。劇場でしか体験できない作りに感動します。このシーンは舞台演劇に偏見を持つアクアの考えが変わることを描くとともに、視聴者にも舞台演劇の良さを伝える役目にもなっているシーンでしたね。

 なお、このステージアラウンドは2024年4月に惜しむらくも閉館しています。実際に赴いて体験するまでその素晴らしさが分からない舞台演劇は、いかに集客するかがカギになっているので、今回の【推しの子】のアニメで興味を持ってくれる人が増えるとうれしいですね。


 このシーンは舞台に感動するアクアはもちろんですが、そんな彼を見てうれしそうにしているあかねの表情も印象的。舞台の素晴らしさ共有できて喜ぶあかねの気持ちは分かりますが、それにしても無邪気すぎて“なにこのかわいい生き物”といった感じでしたね。


 舞台ならではの表現を知ったアクアは、原作者のアビ子でも現状では完成度の高い舞台版の脚本は書けないと判断。アビ子がかつてアシスタントを務めていた頼子のもとを訪れて、脚本家のGOAが手がける舞台のチケットを託すことになります。

 頼子の仕事場のシーンでは、アビ子の漫画から彼女が他者と解り合いたいけどそれが出来ずに苦しんでいる人間だということが分かったという頼子のセリフなどをはじめ、鮫島アビ子がどういう人物なのか解説されました。挫折もせずに売れたアビ子が増長してしまったことを語るシーンでは、身に覚えのある、かなのリアクションが入ったりしてコミカルになっていましたね。


 また、このシーンの途中には回想という形で、原作コミック第47話“職場訪問”の冒頭シーンも導入。“今日は甘口で”の失敗に対してアビ子が頼子に指摘する部分が差し込まれています。頼子にとってのアビ子は、かわいい弟子でありながら、一瞬で自分を追い抜いてしまった嫉妬の対象であることが分かりやすく伝わるようになっていましたね。

 そんななかでも、脚本家のGOAではなく漫画家であるアビ子の立場に回って彼女を守ろうとする頼子の姿がとてもよかった! 師匠の鑑ですよ。本当に……。

 後半は頼子がアビ子の仕事場を訪れるシーン。週間連載でありながらアシスタントをすべて解雇して、自分の求めるクオリティにするべく創作に没頭するアビ子は鬼気迫るものがありました。原作では頼子とアビ子の表情を中心にふたりの会話が進行しましたが、アニメ版はゴミだらけの部屋が映るような構図になっていて、ヒリヒリする感じが伝わってきました。


 1日の睡眠時間が2時間になっているというアビ子に対して、鬱病になってマンガが描けなくなると忠告する頼子。ここはキャリアの長い頼子ならではの説得力もある言葉ですね。限界を迎えていたアビ子は“自分より売れてから言え”という禁断の言葉を発しますが、予想外なのはその後の頼子。アビ子に負けない迫力で彼女に言い返していきます。記事の冒頭にも書きましたが、ここは声優陣の芝居があってこその素晴らしいシーンなので、ぜひアニメで観てみてください!


 今回でアビ子の心の問題は解決しましたが、どうやって彼女が納得する舞台を作っていくのかという現実的な問題も残っています。どのような展開になるのか来週以降も注目していきましょう!

カワチRPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。

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