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『この世界は不完全すぎる』石川界人さん&矢野妃菜喜さんインタビュー。第1話の衝撃展開をキャスト陣はどう受け止めたのか? 極限状況での人間ドラマを描いた本作の魅力を語る

文:米澤崇史

公開日時:

 2024年7月より毎週金曜日“アニメイズムB2”枠にて放送がスタートしたTVアニメ『この世界は不完全すぎる』。第1話の衝撃的なラストで視聴者の度肝を抜いたことも記憶に新しい本作について、ハガ役・石川界人さんとニコラ役・矢野妃菜喜さんにインタビューを実施。本作の魅力や第1話の振り返りを中心に、さまざまなお話を伺いました。

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 また、記事後半では先行上映イベントのトークパートの模様も少しだけお届けします。
【注意】本インタビューでは、アニメ『この世界は不完全すぎる』の第1話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

“デバッグ”を主題にしたからこそ描けた、本作ならではのヒューマンドラマ

――最初に、本作に対する印象からお聞かせください。

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▲石川界人さん(画像左)と矢野妃菜喜さん(画像右)
石川
 もう皆さんには この作品がデバッグをしていく作品だということが伝わっていることかと思いますが、最初はちょっと地味そうだなという印象ではありました(笑)。

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 現実世界でもそうですけど、やっぱりデバッグっていう仕事自体がかなり地道な作業の積み重ねなわけですし、そこからどういうドラマが生まれるのかというのは、少し未知数だなと思ったのが最初に読み始めた時の印象だったんです。ただ、デバッグってやっぱり1人でやるわけではなくて、いろんな人がいて、いろんなデバッグの仕方があって。

 それにプラスしてVRMMO的なゲーム世界に入り込む形なので、そうなった時に人間の精神状況ってどうなるんだろう?という目の付けどころがおもしろいなと。単にファンタジー世界を楽しむのではなく、現実世界にある職業と、その職業の人達がこういう状況に置かれたらどうなるかという部分に着目しているのがすごいなと感じました。そんなわけで、第一印象こそ「ちょっと地味そう」というものだったんですが、読み進めるに連れて、すごく新鮮な作品、と思うようになっていきましたね。

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矢野
 1話を見てくださった皆さんも感じられたんじゃないかと思うんですけど、すごく衝撃的な展開が多い作品だなって。あとは私も、デバッグ自体の意味は知っていたんですけど、デバッグが地味な作業の積み重ねだっていうのは、この作品を通してようやく実感できた部分もありました。そう思うと、やっぱりハガさんってある意味ちょっと普通じゃない人だったんだなって。

 舞台が現実の世界ではないお話ではありつつも、現実的なお話もあり、冒険はしているんだけど、純粋な冒険者でもなくて。普通の異世界ものとはちょっと中心となるものが違うというか……さっき石川さんも仰っていましたけど、そこがすごく新鮮で、この作品ならではのストーリーなんだなっていうのが感じられました。

――それぞれのキャラクターを演じられる上で、大事にされている部分を教えてください。

石川
 僕がハガを演じる上で大事にしているのは、基本的に真面目であったり倫理的であったりする部分です。NPCだからといってその命を無下にしない倫理観と、現状ほぼ必要なくなっているにも関わらずその業務に従事して、報酬が支払われる可能性があるなら、そこに対してきちんと向き合っていく真面目さ。この2本の柱を大事にしながら演じさせてもらっています。

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 それこそ現実世界でもハガは人形みたいな無機物でも大事にするタイプだと思うんです。そうした共感性の高い部分とともに、ゲーム内の存在であることもしっかり理解しているから、自分の業務を害するなら消さないといけないと考えられる冷酷さ、ドライさも持ち合わせているなと。そういう部分をしっかりと感じてもらえるようにと思いながら演じています。

 現実の社会でも近しいところがあるんじゃないかと思っていて、プライベートな感情を「仕事だから仕方ない」という割り切ることは、社会人の方々は経験されていると思うんです。時に残酷になり、時に人間らしさもあり、切り替えができるのは、ハガがしっかりと人としての判断基準を持っているからだという点は大事にしています。

――今のお話でもあった通り、結構ハガって共感しやすい面も多いキャラクターだと思うんですが、石川さん自身がハガに共感した部分はありましたか?

石川
 どんな仕事にも通じることですが、この仕事も、やっていると理不尽なこともあります(笑)。受けてしまったからにはやるしかない!みたいな状況もなかったわけではありませんので、仕事をするうえでの共感みたいなものはありました。

――ニコラについて、矢野さんはいかがでしょうか?

矢野
 ニコラはハガさんとは全然違って、自分の村のことぐらいしか知らない田舎育ちの女の子とでも言うべき存在ですね。いろんなことに興味津々で、ある意味感情の向け方はシンプルなんですけど、だからこそ、それをハガさんに全部ぶつけるくらいの勢いで演じようという思いがありました。

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 それとニコラはNPCなので、“デバッグ”をはじめとした現実世界の用語を理解してはいないんですよね。なのでそういう会話は聞かないようにというか、ニコラ的には言葉のままを受け入れつつ、よく理解できない部分はシャットダウンして“そういうもの”としてそのまま飲み込んでしまうみたいなところも意識しつつ演じさせていただきました。

――ネタバレになってしまうので詳しくは触れられないのですが、実は矢野さんは、もう1人とあるキャラクターを演じておられますよね。

矢野
 “彼女”のことですよね。そうですね、彼女については……自分にできる範囲で“おばあちゃん感”を盛り込んでみたりとか、ニコラとは逆にいろんなものを知っていることを意識しつつ、どこかポップさみたいなのも出せればいいなと思いながら演じていました。食べるシーンも多かったりするので、決して超越的な存在ではなく、身近に感じてもらえる部分はあるんですけど。

――ニコラはニコラで、NPCなんだけど普通の女の子っぽいというか、ハガとは違う方向性で結構共感しやすいキャラクターだと思っているのですが、矢野さんとしてはいかがでしたか?

矢野
 そうですね。たぶんニコラって、知らない世界に行くことを楽しいと感じられるタイプで、私自身も結構、いろんなところに行ったりするのが好きなので、「初めて見るものが全部新鮮で楽しい!」みたいな感覚は、演技にも生かせたかなと思います。

――石川さんから見たニコラ、矢野さんから見たハガの魅力というのはどんな部分でしょうか?

石川
 ニコラは本当に一生懸命で真っ直ぐで素直で……めちゃめちゃ可愛いですよね。なんというか、女の子として可愛いっていうよりは、人としてすごく愛嬌があるというか。

 多分、これは視聴者の皆さんも見ていく中で気づかれることだと思うんですが、基本的にあらゆるゲームのNPCって、急にジョブが変わったりしないと思うんです。本作でもそれは明言されているのですが、彼女は自分本来のジョブとは違うところに可能性を見いだせるというか、自分の持っている素質以上のことができるんだって思える素直さを持っているのですが、それがすごいことだなと。

 ニコラの場合、無知だからできてしまうっていうのもあるんですが、それでも「自分も大きな何かになれるんだ」と思いながら前に進んでいる人は純粋に応援できますし、すごく尊敬できるキャラクターだと思っています。

矢野
 ハガさんは超のつくほどの真面目さが一番の魅力ですよね。とにかく一生懸命なのはニコラともリンクしている部分があるのかなと。それで2人で変な通じ合い方をしていることで楽しく冒険できている面があって、2人そろっていいコンビだなって思います。

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 あとハガさんは何かにつけてびっくりしたり、親しみすいポイントが多いんですけど、今でもデバックを真面目にやっているからこその、頼れる存在みたいな一面もありますね。だからこそニコラも「この人について行きたい」「この人はこんなにすごいんだ」と尊敬できるんだろうなと感じましたね。

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衝撃展開の第1話。原作を読んだ石川さんは涙も……

――改めて、お2人が考える本作の魅力についてお聞かせください。

石川
 やっぱり人間って、極限状況になった時にその人の思想や思考が色濃く出ると思うんです。先日公開されたPVを見てもお分かりいただけると思うのですが、いろんな会社の人間がデバッグ作業に従事していて、いろんな限界の迎え方をしているという状況の中で、それぞれの思想がぶつかり合うことでヒューマンドラマが生まれてくるのが面白いなと。

 さきほどハガが倫理観と社会人ならではの社会性をあわせ持っているといった話をしたと思うんですが、人の形をした生物ではない存在に共感できるのも大事なポイントになっていて、見る人が自身の倫理観についても考えさせられるような作品になっていると思います。

 とは言いつつも、バトルみたいなわかりやすい要素もありますし、ライトにもヘビーにも楽しめる点も魅力のひとつだと思っています。

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――NPCにどこまで思い入れを持つかというのは、ハガのキャラクター性の特徴でもあり、物語としても重要なポイントだと思うんですけど、もし石川さんがハガの立場だったら、NPCに思い入れを持たれると思いますか?

石川
 僕はまったく持たないと思います(一同笑)。そこはハガとは少し違っているところで、基本的には躊躇せず、自分の目的のために動くと思いますね。実際、普段ゲームとかで遊んでいても「このNPCに攻撃したらどうなるかな」とか考えて、ついつい実行しちゃうタイプなので(笑)。

――(笑)。確かに、そこはゲーマーとしてわかる気がします。矢野さんはどんな点を魅力だと感じましたか?

矢野
 さっき石川さんもおっしゃっていた、極限状況になった時に豹変する人間がこんなにいるんだっていうところですね。だからこそ、ハガさんのキャラクターが際立つんだなって。

 あそこまでひとつのことに没頭できるからこそ自分を保っていられるというか……逆に言うと人間って、何か没頭できることがないと生きていけないんだろうなとも感じさせられた作品でもあります。

 その結果、悪い方向に行ってしまう人たちの気持ちもわかってしまうというか、これは私もニコラもたぶん同じだと思っているんですけど、もしも私がハガの立場だったら、好奇心に負けてデバッグモードを使っちゃうと思うんですよね。そういったいろんな考えのキャラクターがいるのもおもしろいですし、異世界だからこそのお話が展開されているのも魅力的なポイントだと思っています。

――第1話では衝撃的な展開が待ち受けていますが、最初にご覧になられた時はいかがでしたか?

石川
 オーディションを受けるにあたって原作を読ませていただいたんですが……僕は泣いちゃいましたね。「デバッガーなんです」って告白するところで、改めてそこまでの描写が腑に落ちたというか。あのシーンに至るまでは違和感の積み重ねみたいなのを感じていたので、そういうことだったのかともう1回読み返したり。

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 このオチだけでももっと深堀りしてエピソードを広げられそうだなっていうところを、1巻だけで消費しているのもすごいなと思いましたし、いわゆるドラマの作り方として、じゃあこの先はどうなるんだ!? みたいなヒキの強さもあって、すごく興味をそそられる展開だったなと思います。

――個人的に1話で印象的だったのが、ドラゴンが再び村を襲撃した際に、ハガが必要以上に取り乱しているシーンです。最初は単に臆病なだけかと思っていたんですけど、オチを知った上で見返すとまったく意味が変わってくることに気付かされました。そういった隠された感情のようなものも踏まえて演じられたのでしょうか。

石川
 はい。そのシーンを実際にアフレコする際にも、ハガの意識は村人たちとは違っていて、それまでの自分の検証と違うことが起きていることに驚いているリアクションにしてほしいというディレクションも受けていました。そもそもの話として、ハガとNPCは発声の仕方からして違うというディレクションもあったり、意識して演じた部分でしたね。

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――矢野さんはいかがでしたか?

矢野
 私もオーディションを受ける段階で原作読ませていただいたんですけど、ニコラを受けるという前提だったので「あ、死んじゃった……」みたいな衝撃が一番強かったです(笑)。

 なのでこの先どうなるんだろう? というのはすごく気になりましたし、もうちょっと話が進むと分かる部分なんですけど、戻ってこられたのもなんでなんだろう? と疑問に思いました。いろいろ衝撃が強かったですね。第1話でニコラが死んじゃうシーンを演じるにあたっては、どこまで声を入れるんだろうとかも考えたりしていました。実際のアフレコでは、ニコラが燃えている時の悲鳴を入れるとあまりにも痛々しくなりすぎるから入れないことになりました。

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ハガとは反対に、石川さんと矢野さんは「なんとかなるか」マインドで行動している!?

――ハガがドラゴンの襲撃に備えて入念な準備をするシーンもありましたが、お2人は何かをやる前に入念に準備されるタイプですか?

石川
 昔はあらゆる状況に備えて、かなり準備していました。旅行の時とかは、必ず必要以上に充電器とか持っていったりしていたんですが、実は想定外のことって大抵起きないということに気付いてからは「行ったらなんとかなるでしょ」くらいの気持ちで動くようになりました。

 実際、僕はよく一人旅をするんですが、予定はある程度バッファを取って組むんですが、持ち物については「現地調達でいいか。店がなければ我慢するだけだし」みたいな感じに、いつしかメンタリティーが変わってきたように思います。

――実際にトラブルが起こったことはありましたか?

石川
 僕、基本的に替えの下着を持っていかないんですよ(笑)。今はコンビニで買えるので。だから安いものを履いていって向こうで捨てて、替えは現地調達するみたいなことをやっていたんですが、地域によってはコンビニって夜にしまっていることもあるじゃないですか。それでかなり汗をかくほど歩いた日の下着を替えられなくて。

 けど、お風呂上りにそれを身に着けるのも嫌じゃないですか。だからといってさすがに下着なしで外出するのはあんまり…ですし(笑)、朝早く起きて買いにいって、それからお風呂に入ったなんて思い出はあります。イヤ~な一夜を過ごしましたね。

矢野
 私も、心配になって色々準備しようと思う時期もあったんですけど、実際にはそんなにちゃんと準備しないというか。「なんとかなるやろ」って思って、ギリギリに「あ、あれもこれもやってなかった」みたいなのが結構多いです(笑)。

 毎回反省はしているんですけど、実際なんとかなっちゃってるんでなかなか治らず……。そんな経験があるから、次も「なんとかなるやろ」精神で、あんまり必要以上には準備しないですね。

――自分は逆にめちゃくちゃ準備するタイプで、その後が不安で楽しめなくなるのを防ぐための意味でやっているんですけど、お2人とも不安になったりしませんか?

石川
 その不安が楽しいんですよ! 僕の場合は、的中しなかった時も楽しいし、不安が的中して「やっぱダメだったか」となっても、その予測ができていた自分はちゃんと先見の明があったっていうことなので、別にいいかって感じになっちゃうんです。

矢野
 すごい! さすがに私はその域まではいけてないですね(笑)。

――矢野さんはやはり後悔されることも?

矢野
 しますします! それで「次はちゃんとしよう」とその時は思うんですけど……結局はやらないっていう(一同笑)。

――本作はVRMMOの中に閉じ込められてしまう作品ですが、閉じ込められるならどんなゲーム、どんな世界が良いですか?

石川
 やっぱり『VRChat(VRChat Inc.)』じゃないですか? 閉じ込められている時に何が一番必要かって、余暇の潰し方だと思うんです。ハガの場合はデバッグがありますけど、僕らは別にデバッガーじゃないですし、『VRChat』なら世界中のいろんな人がいて、いろんな遊びがありますから。

 それに何より、人間相手にコミュニケーションをとっていないと多分精神的にどうにかなっちゃうと思うんですよね。この作品のNPCでも人間みたいに会話ができますけど、今のゲーム内ではまだ難しいと思うので、リアルの人間とコミュニケーションが取れるゲームがいいですね。

矢野
 私は魔法を使えるゲームがいいですね。デバッグモードで空を飛んでる人たちもいましたけど、それは危険なので、デバッグを使わなくても空を飛べるような作品がいいです。

石川
 『ホグワーツ・レガシー』(WB Games)みたいなね。

矢野
 確かに! まさに『ホグワーツ・レガシー』がいいかもしれないです(笑)。大魔法を使っていろいろ満喫したくて、とくに空を飛んだり、瞬間移動とかの魔法は使ってみたいですね。

――先ほど矢野さんがデバッグモードの話をされていましたが、石川さんはいかがですか? もしもゲームに閉じ込められてしまって、デバッグモードを使えるとしたら……。

石川
 使いますね! 使って、少なくともどんな状況があったとしても対応できるように能力をカンストさせておくと思います。それでもしスリルを味わいたいな……なんて思った時にはわざとレベルを下げてみてもいいし、終わったシナリオを元に戻したりして、助けが来るまで過ごそうと思います。

――ありがとうございます。最後に、毎週の放送を楽しみにしているファンの皆さんへのメッセージをいただければと思います。

矢野
 第1話は衝撃的な展開だった思うんですが、この先も結構衝撃的な展開の数々が待っています。きっと皆さんもネタバレPVを見てくださったと思うんですけれど、いい人もいれば、なかなかに「やばい!」って人たちも出てきます。PVの最後に入っていたニコラらしからぬ台詞についての真相とかも、楽しみにしていただければと思います。

石川
 第1話では主に作品の世界観についてご理解いただけたかと思うのですが、今後はそこにどういうキャラクターがどんな風に関わってくるか、というところは楽しみにしていてほしいですね。さまざまな価値観の人物がさまざまな形で出てきますし、そのプレイヤーが現実世界で本当は女の子なのか、それとも男の子なのか問題とかもあったりします。ゲーム内という設定をフルに活かしつつ、しっかりとしたヒューマンドラマを描いているところに注目していただければなと。とくに最終話は、本当に衝撃的な展開が待っているので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。

『この世界は不完全すぎる』先行上映会ミニレポート

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 じつはこちらのインタビュー、6月22日に開催されたイベント“『この世界は不完全すぎる』第1話~第3話先行上映会~この上映会は不完全すぎる~”の実施直前にお答えいただいたものとなります。インタビューの後、取材班も先行上映会をそのまま見させていただきました。

 本編の先行上映終了後には、石川界人さん、矢野妃菜喜さんに加えて本作の監督を務める馬引 圭さんが登壇されました。(MCは森 遥香さん)

 トークイベントでは、後述する“とある事情”で声優陣が非常に苦労していたことが伝わってきました。他にも3話までで印象に残っているシーンは? というテーマでは、ニコラが出てくるシーンが話題に。素直でひたむきに努力するところや、けなげな部分が非常に魅力的だと盛り上がっていました。

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 そんなニコラについて、演じている矢野さんは1話でニコラが「お共させてください!!」と目をキラキラさせてハガに同行を願い出るシーンと、その後の展開が「切なくも印象的で……」と話してくれました。

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 馬引監督もニコラの純朴さや素直さをしっかり表現できていたことを評価して、オーディションの結果矢野さんがニコラ役に決まったと話していました。

 そこで石川さんが、自身がハガ役を勝ち取った理由を聞くと馬引監督は「なんとなく……」と回答。会場が笑いに包まれる中、「いやあ“なんとなく”ってある意味で一番うれしいですね!」と返し、さらに会場を盛り上げていました。

 また、先述のニコラの「お共させてください!!」からのギャグ的な演出と、直後のシリアスな展開についての話に戻ると、馬引監督は「急にシリアスになったりギャグになったりというテンポの激しさは原作を読んだときに印象的だったので、アニメでもしっかりと表現しようと思ったポイントです」とコメントしてくれました。

 加えて、原作のモデルとなったゲームを馬引監督がたまたまクリアしていたことから、監督自らそのゲームをプレイしてゲーム内でロケハンを行っていたことや、実際にデバッグをしている人たちにインタビューをして制作に活かしていったことなどが明かされました。

ネタバレ厳禁!? でいろいろなところで声優陣も苦労していた


 本作の第1話をご覧になればわかるように、本作は“ゲームの中の話である”ことが1話の大きなオチとして用意されていました。そんな事情もあって、石川さんや矢野さんはこれまでのイベントなどでうっかりネタバレしてしまわないかヒヤヒヤしていたことを明かしてくれました。

 そんな中で、シークレットゲストとしてアマノ役・川島零士さんが登場! 主な出番が4話以降である川島さんは、これからの見どころについて話を振られたりしますが、この日の上映イベントは3話までだったこともあって見どころをあまり話せず、放送前の石川さんや矢野さんのようにネタバレしないよう苦慮することに。

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 石川さんは、ハガとニコラのやり取りで何か足りないところがあり、そこをアマノが補ってくれると内容をうまくボカしながら紹介。「4話、5話の川島零士はガチですごいです!」というコメントで、これから先の期待をあおっていました。

 最後の挨拶では、川島さんは「仕掛けがある作品だから言えないことも多いですが、ぜひアマノもよろしくお願いします」とコメント。

 矢野さんは「ひとつだけネタバレするなら……」と会場をドキッとさせた後で「ニコラはずっとかわいいです!」とほっこり&ホっとするコメントをしてくれました。

 そして石川さんは「限界状態になった人間たちの思想や思考が色濃く出る、ドラマ性の強い作品です。人間とそうでないものの扱い方など、考えさせられることも多いです。今後もどうぞよろしくお願いします」と作品の魅力を交えた挨拶を披露。

 最後に馬引監督は「『この世界は不完全すぎる』という作品を多くの方に知ってもらいたいと思いながら、一生懸命作りました。現場も47歳の私が最年長の、若いスタッフが作ったフレッシュな作品です。たくさんの人に見ていただきたいです」と挨拶し、この日の上映会を締めくくりました。

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アニメ『この世界は不完全すぎる』概要


【放送情報】
2024年7月5日(金)よりアニメイズムB2にて放送開始

TBS:毎週金曜26:23~
MBS:毎週金曜26:23~
BS-TBS:毎週金曜27:00~
AT-X:2024年7月7日(日)より毎週日曜22:30~
※リピート放送
7月11日より毎週木曜28:30~
7月14日より毎週日曜7:30~

【配信情報】
2024年7月5日(金)26:53よりABEMAにて見逃し無料放送・独占見放題配信開始!

【スタッフ】※敬称略
原作:左藤真通『この世界は不完全すぎる』
(講談社「コミックDAYS」連載)
監督:馬引 圭
シリーズ構成・脚本:ヤスカワショウゴ
キャラクターデザイン:赤堀重雄
美術監督:田尻健一(ムクオスタジオ)
色彩設計:鈴木咲絵(FINE COLORS)
撮影監督:大槻綾子(アニモキャラメル)
編集:小野寺絵美
音響監督:高寺たけし
音楽:岩橋星実(Elements Garden)、笠井雄太(Elements Garden)、堀川大翼(Elements Garden)
アニメーション制作:100studio×studioぱれっと
製作:『この世界は不完全すぎる』製作委員会
オープニング主題歌:『No Complete』Liyuu
エンディング主題歌:『LOOP』NACHERRY

【出演声優】※敬称略
ハガ:石川界人
ニコラ:矢野妃菜喜
アマノ:川島零士
アキラ:高橋李依
ジン:小野大輔
スズキ:岡本信彦
ナミコ:村上奈津実
クロちゃん:熊谷健太郎
社長:伊藤健太郎
サカイ:谷山紀章
スミダ:松田健一郎
カナ:田中ちえ美

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