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ゲームセンターは10年で8000店舗閉店するも売上はコロナ前を超える規模に。その理由は? そして、タイトーの次なる一手デジタル+フィジカルの成功例とは?

文:電撃オンライン

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 タイトーは、新事業を展開するメディア向け説明会を、タイトーステーション 新宿南口ゲームワールド店の地下にある“クラフトビール&ゲームバー EXBAR TOKYO plus”で開催しました。

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 本説明会では、現在のタイトーがどのような事業展開をしているのか、また今後どういった取り組みを行っていくかが紹介されました。その内容とともに、タイトーが行っている新事業について紹介していきます。

タイトーという企業の認知度は世代によって大きく異なる



 最初に登壇されたのは、タイトー・総務管理本部長の児玉晃一さん。まず発表されたのは、外部調査会社を利用してアンケートを実施し、世間におけるタイトーの認知度および、タイトーという企業のイメージについての割合が発表されました。

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 タイトーの企業名やロゴだけを見て知っているかという問いに対しては、全体の半数以上となる57.0%に認知されています。

 その中でも45~49歳の年代が78.5%と多く、逆に10歳代や20歳代の認知度が半数を割る結果です。

 40~50歳代の視点なら『スペースインベーダー』がメジャーであったり、30歳代視点なら『パズルボブル』や『電車でGO!』といったタイトルがヒットしている世代と考えると、妥当な結果に思えます。

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 タイトーの企業イメージについてもアンケートを行ったところ、“ゲームメーカー”が約6割、“ゲームセンター”が約3割、以下、キャラクターグッズを制作するメーカーのイメージがあるとの回答。

 意外なのが、タイトーの売上の半数以上を占めるのがアミューズメント施設事業であり、キャラクターグッズ関連の企画・開発などを行うマーチャンダイジング事業がその次にあたります。

 3番目にゲームタイトルの売上とのことですが、現在でもコンソール向けのタイトルや、アミューズメント向けのタイトルを開発しているとの報告がありました。

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 “タイトー”に対する世代ごとの認知度の違いはあれど、「あらゆる世代の遊びが好きな人たちへ、エンターテインメント体験・空間を通じて笑顔や新たな驚き、人との繋がりを提供していく」というのを、タイトーのミッションとして掲げているとのことです。

今までのゲームセンター事情と、それを踏まえてタイトーが目指すこれからのアミューズメント施設の理想



 続いて登壇されたのは、コーポレート・コミュニケーション課 広報担当の川口健士さん。川口さんからは、タイトーが展開している新業態について紹介がされました。

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 最初に紹介されたのは、ゲームセンターなどのアミューズメント施設の総数と売上についての報告です。

 2010年代、ゲームセンターの総数は年々減少傾向にあり、2011年から2021年の10年間にかけて8000店舗近く閉店しています。しかし、2020年から現在にかけてゲームセンターは微増しているという意外な結果が聞けました。

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 ゲームセンターの減少傾向に反して、売上自体は2015年から復調傾向にありました。2020年のコロナ禍の影響により、2020年は著しく減少したものの、自粛が緩和されることで売上は年々増加。現在ではコロナ前の段階を超える売上に達しているとのこと。

 この好調の理由としては、クレーンといったプライズゲームによるもので、2021年のプライズゲームのみの売上だけでも、過去最高の3,000億円に達しています。

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 プライズ関連がなぜここまで好調なのかを分析したところ、その大きな要因は“推し活”と“インバウンド(訪日外国人旅行)需要”によるものだと紹介。

 実際に“推し”のキャラクターや人物がいるかのアンケートをしてみたところ、10~30歳代の男女で“いる”と答えたのが45%ほどで、若い世代になるほど、その割合は半数以上を占める結果が出ています。

 推し関連のプライズがリリースされたら、ゲームセンターに足を運ぶ人が多く、また海外からの来日客の多さも年々増加傾向にあります。実際に会場の上にあるタイトーステーション 新宿南口ゲームワールド店では、来日客によって売上を大きく伸ばしているようです。

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 タイトーでは、全国のローソン600店舗以上にクレーンゲームを設置する事業展開を行っています。筆者はコンビニでクレーンゲーム筐体を設置しているところを見たことがないのですが、今後はコンビニでクレーンゲームをプレイするといった、今までにない光景が見れるようになるのかもしれません。

 ここで川口さんが語るのは、確かにプライズゲーム自体の人気は凄まじいものがあるのですが、そればかりに頼ることに疑問を持ち始めたとのこと。そこで、タイトーそのものが持つノウハウを使って、新事業や新たな施設を開発・展開をしていくことを開始しました

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 タイトーでは、オフラインで実体験を伴うエンターテインメントを“フィジカルエンターテインメント”としており、2019年度にアーケードゲーム事業を基軸として、フィジカル・エンターテインメント市場でリーディングカンパニーを目指すようになりました。

 そして2021年度【“デジタル”דフィジカル”=新しい価値を提供する】をテーマに、世界中からいつでも遊べて繋がるオンラインと、フィジカルならではの楽しさを追求したリアルとの相乗効果で新しい時代のタイトーを創ることを掲げます。

タイトーが2019年から展開してきた新事業の概要

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 タイトーというと“タイトーステーション”といったゲームセンター事業を思い浮かぶ方が多いと思われますが、2019年をスタート地点とし、2021年あたりからフィジカルエンターテインメントに則った新業態の出店強化。現在にかけてまで、数々のアミューズメント・エンタメ施設を展開しています。このなかでも、大きく分けて6つの施設があるので、各施設のコンセプトやターゲット層を含めて紹介していきます。

あそんで! そだてる! “らくがキッズ”

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 コンセプトは“デジタル×フィジカル”で、2021年より自社で開発した“ラクガキシステム”を応用し、子供向けの新コンテンツを開発。おえかきソフトで自分だけのらくがきを作り、らくがキッズ内のアスレチックや遊具で遊んでらくがきが進化していくという、体感型の施設です。

 コロナ禍でも安心して遊べる施設として、2021年に栃木県のベルモール宇都宮店に初出店。子どもたちの人気も博して、2024年7月の時点で、新事業施設では最も多い全国6店舗出店しています。


地獄のタイトーステーション くらやみ遊園地

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 コンセプトは“ホラー×脱出ゲーム・謎解き”で、10~20歳代の男女を狙いにした施設です。SNSに写真をアップしたくなるような“映え”るデザインと脱出ゲームの要素を織り交ぜることで、SNSを中心としてクチコミで人気は上昇。

 7月には札幌店がオープンされるほか、有名ゲームとのコラボも用意しており、話題性に事欠かない施設となっております。

屋内型スポーツ・アスレチック施設“ノボルト(NOBOLT)”

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 2019年9月に福岡県福岡市西区にオープンし、間もなく5周年を迎えようとする面積約4,000㎡、高さ約20mの国内最大級の屋内型体験施設。コンセプトは“スポーツ・アスレチック×エンターテインメント”で、こちらは学生やファミリー層、カップルだけでなく、アスリートの方も利用されます。
 
  スポーツ・アスレチックコンテンツとエンタメ性あるデジタル技術を含むコンテンツを16種設置し、身体を大きく動かして遊べる・楽しめるのが魅力。スピードクライミングのJr.選手に練習場として提供されており、この施設から2024年世界選手権へユース日本代表選手を輩出されました。


“まるごとパーティースポーツ!”BOOTVERSE

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 コンセプトは“スポーツ×エンタメ”で、10~20歳代の学生グループやファミリー層をターゲットにした施設です。2024年の7月に海老名ビナウォークに出店され、”SNS映え”するさまざまなアトラクションのほか、フォトスポットも設置。

 野球やボクシングなどのスポーツをテーマにし、タイトーのゲームIPを活用したオリジナルコンテンツを含む15のアトラクションを導入しています。


フロアまるごと! 没入体験「X-STATION」

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 ゲームセンターでXR(クロスリアリティ)体験。コンセプトは“デジタル(XR・イマ―シブ)×フィジカル”で、10~20歳代の男女をターゲットにした、VR・ARアトラクションが楽しめる施設です。“フロア丸ごと! 没入体験”をテーマに、VR・ARのシューティングやリズムアクションゲームなどがプレイできます。

クラフトビール&ゲームバー EXBAR TOKYO Plus

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 タイトーステーション 新宿南口ゲームワールド店の地下1階を改装し、2021年からオープンしたゲームバー。コンセプトは“クラフトビール×ゲーム”で、多種あるクラフトビールを堪能しつつ、アーケード、レトロ、アナログゲームを楽しめる大人向けの施設です。

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 ターゲット層はグループで来店の一般層(ダーツ・飲食目的)、インバウンド客、オフィスワーカー等と幅広い。今回の発表会の会場でもあるのですが、普段はイベントやグループでのダーツ利用、日中に立ち寄ってノマドワークも可能です。

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 本施設の最大の魅力は、タイトー独自開発のセルフビアサーバー“Shall we tap?”により、好きなビールを1ml単位から注ぐことが可能です。
 
 やり方は簡単で、専用のプリペイドカードにチャージして、飲みたいビールのビアサーバーの上に設置されたカードリーダーにかざすだけ。あとは注いだ量だけ自動的にチャージしたポイントが消費されます。

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 ビールの種類も豊富で、少量を入れて飲み比べつつ、お気に入りの1杯を見つけたらそれだけを楽しむなんてことも可能です。説明会では6種類ほど飲み比べてから、好きになった1種類を3杯くらい飲むという至福の時を味わうことができました。
 
 新宿駅東南口から徒歩3分という立地なので、気になった方はぜひ足を運んでみてください。

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 新事業の出店戦略として、“くらやみ遊園地”などの若い男女層に向けた施設は、主要都市の人が多く集まる街に出店。“らくがキッズ”といった子供やファミリー層向けの施設は、買い物ついでに足を運べるような商業施設を中心にするといった、ニーズに合わせた新施設を全国に出店しています。

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 タイトーは、長年培ってきたゲームセンター事業のノウハウを活かし、エンターテインメントを基軸に多様な事業を展開。商業施設・ショッピングセンターとの親和性を重要視して、天候・気候に影響されない屋内型施設を出店してきました。普段はゲームセンターに来店することのない新たな層の開拓により、タイトーステーションと新業態の相互送客を目指していきます。

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 これだけにとどまらず、2024年末から2025年にかけて新たな施設を計画中とのことで、今後のタイトーの動向にも注目していきたいと思います。また、別記事では説明会の2部で行われた新事業“タイトーオンラインメダル”のレポートもありますので、そちらもぜひ一読ください。

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