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『GINKA』紺野アスタさんインタビュー。神隠しにあった幼馴染との切ない恋愛はどうして生まれた? 最近のノベルゲーム人気について思うことは?

文:sexy隊長

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 フロントウイングが贈る最新作『GINKA』。本作の企画・シナリオを手掛けた紺野アスタ氏へのインタビューをお届けします。

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 本作は、神隠しにあった幼馴染との切ない恋愛を描いたストーリー、どこか懐かしさを感じる離島を舞台に描かれる美しいグラフィックなどが堪能できるビジュアルノベルゲームになります。

 昨年の2023年10月26日にPC用ダウンロードソフトとして発売され、今なお高い人気を誇る作品ですが、2024年9月19日にはNintendo Switch版(発売元:ブシロード)・PCパッケージ版(発売元:フロントウイング)が発売されます。

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 今回は紺野アスタ氏へ、物語の発想、各主要キャラクターの魅力といった『GINKA』に関する内容から、近年の美少女系ノベルゲームの印象、制作するうえで大事にしていることなど、さまざまなことを伺っています。

神隠しから着想を得たストーリー。OP曲の歌詞はストーリー性を重視しようと意識【GINKA】

――『GINKA』の物語は、どのようなことから思いつかれたのでしょうか?

 神隠しという現象が昔から好きで、いつか題材にしてみたいと思っていました。そこから着想して、失ったはずの初恋の相手が、時を経てあの頃の姿のまま帰ってくる、というこの設定ならではの恋愛ストーリーにしていきました。

 ギンカは純真無垢な初恋の想いしか覚えておらず、流星は初恋を引きずりつつも成長してしまっている。神隠しによって生まれたふたりのギャップが、恋愛模様を複雑に面白くしてくれるんじゃないかと考えました。

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――『ATRI』に続いて『GINKA』でもイラストレーターのゆさの氏、音楽の松本文紀氏と制作を行ったわけですが、ゆさの氏、松本文紀氏への魅力を教えてください。

 ヒロインの名前がタイトルになっているゲームで、そのヒロインに魅力がなければ作品自体が成り立たたなくなります。ゆさのさんの描くキャラなら、その心配がありません。絶対、魅力的なキャラにしてくれるので。

 あと、グラフィックチーフも兼任されてるんですが、とくに光の表現が美しく、『GINKA』のような幻想的な作品にとてもマッチしてると思います。

 松本さんの音楽は雰囲気があって、シナリオライター的にとてもありがたい存在です。とくに泣きのシーンで、その威力を発揮してくれます。ほんとに助けられています。

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――本作のOP曲『Star Trail』で作詞を担当していますが、作詞するうえで大切にしたことや、意識したことはなんでしょうか?

 メロディに乗った時の、音としての言葉の響きを大切にしてます。

 いつもサビのフレーズから考えて、そこへつながるようにAメロ、Bメロと作っていくんですが、そのやり方がシナリオの構成を考えるのと同じなんですよね。シナリオライターが作詞をするのだから、ストーリー性を重視しようと意識してます。

紺野アスタ氏によるキャラクター解説【GINKA】

――主要キャラクターの特徴やチャームポイントを教えてください。

・青羽 流星
 主人公とヒロインはいつも対で考えるんですが、流星はおりこうさんのギンカを引っぱり回す役目として作っていきました。変な奴ですが実はちゃんと理由があって、ギンカのためならなんだってできてしまう強さと危うさが魅力かなと。

・ギンカ
 純真無垢な初恋そのものの少女。流星の悪ふざけに振り回されつつも、それを楽しんでくれるところが可愛いんじゃないかと。タイトルにもなっているので、「こんな娘、好きにならないわけないだろう!」というヒロインを目指しました。

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・謎の少女
 ギンカと対になる存在で、謎多き美少女。普段キャラデザにほとんど口を出さないのですが、「ポニテにしてください」と強めに要望を出しました。

・海野 ひまわり
 主人公とバカな掛け合いができるキャラがいるといいなと思って登場させました。セリフを書いててとにかく楽しかったです。

・涼代 リン
 小さい頃は男の子みたいだったのが、そのまま大きくなっちゃったら健康美溢れるお姉ちゃんになってた、という感じの人です。

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・荒羅伎 なずな
 優しくて面倒見のいい小学校の先生。でもちゃんと叱ってくれる。こんな先生が担任だったらよかったな、と思いながら書きました。

・七守 草二
 流星の事を嫌ってる。でも、公平でルールは曲げない超生真面目な奴なので、嫌いな流星相手でも、褒めたりかばったりするのが彼の魅力かなと。

・ゴン太
 でっかい猫。ひまわりには甘く、ギンカには厳しい。

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ノベルゲームは没入感が高く、深い感動が得られやすい【GINKA】

――ここ最近、美少女系ノベルゲームの人気が高まっていると思うのですが、どのような印象を感じていますか?

 美少女系ノベルゲームと言いますか、ジャンルや媒体に関係なく【面白いストーリー】を求める人が増えてる印象です。一時期、そういった需要が減っていたところへ、マンガやアニメ、ゲームなどで新しい作品がヒットして、「もっと面白いストーリーが見たい」という欲求が、ジャンルを超えて広まったように感じていました。

 ノベルゲームはアニメやマンガなどに比べても没入感が高く、深い感動が得られやすいです。そういった特徴が、ヒロインとの関係性をじっくり楽しみたいという美少女ゲームと相性がいいです。

 とはいえ、大ボリュームのゲームは手が出しにくい。『ATRI-My Dear Moments-』は遊びやすいボリュームで、手に取りやすい価格だったのもあって、沢山の人に遊んでもらえたんじゃないかと思ってます。『GINKA』もそれに続けるといいなと思って企画しました。

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――ノベルゲームを制作するうえで、意識していることや大事にしていることはありますか?
 アニメやマンガ、VTuberなど沢山の娯楽がある中で、あえてノベルゲームをプレイしようという人は、他では得られない特別な体験を求めているんじゃないかと思います。なので、手に取ってもらうには「このゲームは名作かもしれない」と感じさせる事が必要で、深く心に刺さるような特別な体験を提供するんだ、という気持ちで制作しています。

――最後にパッケージ版『GINKA』を楽しみしている読者にメッセージをお願いします。
 初めてプレイする方へ。ギンカとすごす特別な夏休みを、ぜひ楽しんでください。

 すでにプレイ済みの方へ。帰ろう、ギンカがいる夏へ。

パッケージ版には抱き枕が付いてくる!?

 9月19日にNintendo Switch版・PCパッケージ版が発売される本作ですが、パッケージ版には通常版の他に特装版と抱き枕カバー付き特装版の2種類が存在。ゲーム本編に加えて、ビジュアルブック、サウンドトラックCD、B2タペストリー、アクリルキーホルダーがついてきます!

 さらに抱き枕カバー付き特装版にはこれらの特典に加え、ギンカが描かれた抱き枕カバーと添い寝ボイスCDもセットになっている超豪華版になっています!

 初回生産限定特典や各種店舗特典もあるので、詳しくは
公式サイトをチェックしてみてください。

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