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ホラーゲーム『クルーエルティ』開発者インタビューで家庭版移植が明らかに! 続編も2026年夏までに発売予定【電撃インディー#788】

文:sexy隊長

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、PC向け和製スプラッターホラー『クルーエルティ(CRUELTY)』の開発者インタビューをお届けします。

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 本作は、事故に遭い記憶を失った主人公が目を覚ますと、地獄のような悪夢の世界に迷い込んでいたところから始まる。舞台は狂気が支配する屠殺場、異形の者たちの目を逃れながら、数々の謎を解き明かし、脱出を目指し進んでいくという内容になっています。

 過激なゴア表現や恐怖演出によって狂気と悪夢の世界を表現。フルボイスで映画のようなムービーシーンがあるなど、グラフィックにも定評がある作品で、臨場感たっぷりの恐怖体験が味わえる作品です。

 本記事では、そんな作品をたった独りで開発している、ホラーゲーム開発者の838S MANIACS氏にお話を伺いました。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

『クルーエルティ』開発者・838sManiacsインタビュー:ホラーゲームの魅力は老若男女楽しむことができるメジャーなエンタメ


――『クルーエルティ』の制作期間と制作の環境やゲームエンジンを教えてください。

 約1.5年です。開発人数は1名で、ゲームエンジンはUnreal Engine5.3です。

 当初は2023年内にリリースを予定していましたが、自身のUE5の習熟度が低く、機能を把握しきれていなかったことや、日中はゲーム会社でフルタイムで勤務していた為、スケジュールに遅れが生じました。

――本作は、事故に遭い意識を失った主人公が目を覚ますと屠殺場だったという衝撃的な始まりをしますが、この設定で始めようと思ったきっかけを教えてください。

 個人的には多くを語らないストーリーが好きな為、このような始まりと致しました。

 明確に決まった設定が無い部分もありますが、それによってユーザーが自由に解釈できる余地を残したストーリーを目指しており、「こう解釈することもできる」といった考察が楽しめるような作りにしています。

 たとえば、「農夫の娘がO型Rh+の血液を含んだ内臓を好む」というメモは彼女が現実世界の病院で輸血をしていることを暗喩しているのではないか、という鋭い考察をしてくれたユーザー様がいらっしゃったように、ユーザー自身で設定を補完することでストーリーが完成するものと考えています。

 しかしながら、もう少し考察の幅が広がるような深みのある伏線を作るなど、次回作からは改善をしていきたいと考えています。

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――ゲームタイトルにこめた想いを教えてください。

 元々、ゴア表現・グロ表現を追求した作品を作りたいという思いがありましたが、以前は技術力不足で実現することが叶いませんでした。

 前作『猟奇の日本』ではユーザーの皆様の期待に十分に応えられない部分があったと感じております。その反省を踏まえ、今回は技術力を向上させ、洗練された品質の高い作品をお届けする決意を致しました。

 そう言った背景を鑑みて、ホラーゲームメーカーとして方針転換をする機会であると同時に、日本語で“残酷”、“残虐”を意味する『クルーエルティ』の名前に恥じないようなゲームを作るという想いを込めております。

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――本作の開発において影響を受けた作品があれば教えてください。また好きなホラー作品を教えてください。

 ゲームであれば、『サイコブレイク』『SILENT HILL』『OUTLAST』『Dead Space』『Manhunt』『Dead by Daylight』『SIREN: New Translation』『Left 4 Dead』『F.E.A.R.』。

 映画であれば、『Saw』『Hostel』『テリファー』『Candyman』『13日の金曜日』が好きな為、本作の参考にしました。これらの作品は『クルーエルティ』の雰囲気作りや、即死攻撃シーンを作るにあたって大変参考になりました。

――ホラーゲームの魅力とはなんでしょうか?

 恐怖というのはお化け屋敷が代表的なように、老若男女楽しむことができるメジャーなエンタメのひとつだと考えています。お化け屋敷さながらの恐怖をいつでも気軽に自宅で体験できるのが、ホラーゲームの魅力だと考えています。

 また、実際に自分で遊んでも楽しいですが、人が怖がっているところを観ても楽しいという配信映えする点も魅力的だと考えています。

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2026年の夏までに『クルーエルティ2』が配信!? 家庭用への移植開発中!


――このクオリティで800円という価格はかなり安く感じますが、どのような狙いでこの価格設定となったのでしょうか?

 より多くの方に遊んで頂きたい事や、パブリッシャーを通さず、PC版の開発リソースを効率的に配分した結果、今回の価格が適切と判断致しました。

 プレイ時間は1時間前後と短めですが、その分、濃密で集中できるゲーム体験を提供しています。リプレイ性が少ない点については今後の課題と捉え、次回作ではより充実した内容を目指しつつも、ユーザーの皆様にご納得頂ける価格でご提供したいと考えております。

――発売後の反響の中で、印象的だったものはありますか?

 近年では和風ホラーゲームがトレンドとなっておりますが、それと逆行するような直球のスプラッターホラーを待っていたというコメントを頂けたことや、ゲーム名に違わない残虐さ、グロテスクさであるとゲームの品質を評価頂けた点です。

 ゲームのテンポが良く、飽きることが無かったのに加えて、ゲームの景色の一つ一つが作り込まれて綺麗だったというお声を頂いた時は、血痕などステージの細部まで作り込んだ甲斐があったと感じました。

 その他に、YouTubeのコメント欄で家庭用ゲーム機でのリリースを望む声や、Google検索のサジェストにも“クルーエルティ PS5”と表示されるなどクルーエルティの家庭用ゲーム機への移植を望む声を数多く頂いたことです。

 反省点としましては、一部のゲーム実況者様やメディア様から、グロ表現やゴア表現により広告が付けられなかったというご指摘をいただきました。次回作では、ストリーマーモードを導入し、表現規制の切り替えができるオプションを提供したいと考えています。

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――ゲームの開発に携わることになったきっかけについて教えてください。

 大学生の頃、YouTubeでチラズアートさんが制作したホラーゲーム『赤マント』の実況動画を見て、個人でもゲームを作り、販売できることを知りました。

 当時、大学の授業でプログラミングを学んでいたこともあり、すぐにUnityをインストールして、見よう見まねで『愛莉澄』というホラーゲームの開発に挑戦しました。

 しかし、独学では限界があり、品質を高めるにはもっと深い知識と経験が必要だと感じました。

 そのため、その後はゲーム会社に就職し、専門的な技術と経験を積む修業期間を得て、『クルーエルティ』のリリースに至りました。現在は別の業種で働いていますが、そこでの経験もゲーム開発に役立てており、引き続き新しい挑戦を続けていきたいと考えています。

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――今後、実現したい野望などありますでしょうか?

 直近ですと、『クルーエルティ』の家庭用ゲーム機への移植です。現在、移植開発について“株式会社クリーク・アンド・リバー社”様と話し合いを進めている状況になります。

 中長期に渡っての展望としては『クルーエルティ』のナンバリングタイトル化を考えております。2026年の夏までに『クルーエルティ2』のリリースをしたいと考えております。

 今後も残虐性、ゴア表現にさらに磨きをかけていきたいと考えており、一緒に『クルーエルティ』を開発してくれるプログラマー、アニメーター、3Dモデラーなど様々な職種の方を募集しております。

 また、『クルーエルティ』のさらなる発展のため、資金調達や開発、販売面でご協力いただけるパートナー企業様を募集しております。

 少しでもご興味がございましたら、是非お気軽にお声がけ頂けますと幸いです。

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――最後にユーザーに一言お願いします。

 今後もユーザーの皆様のご期待に応えることができるような、品質の高いゲームをお届けできるよう一層努力して参りますので、何卒よろしくお願い致します。

 X, TikTok, YouTubeなどの各種SNSで随時セール情報や、『クルーエルティ2』など次回作の開発情報を公開して参りますので、フォロー、チャンネル登録を頂けますと今後の励みになります!

――ありがとうございました!



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