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『英雄伝説 界の軌跡』を先行プレイ。シリーズ20年分の物語の厚みを序盤から感じる…アクションとコマンドのいいとこどりなバトルはより爽快に進化

文:江波戸るく

公開日時:

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 日本ファルコムより9月26日に発売される、『軌跡』シリーズ20周年記念作『英雄伝説 界の軌跡 -Farewell, O Zemuria-(以下、『界の軌跡』)』の先行プレイレビューをお届けします。

[IMAGE]※以下にはストーリーの詳しいネタバレはありませんが、未公開のイベントシーンのスクリーンショットを含みます。予めご了承ください。

20年分の設定の厚みを序盤から感じる…。結末がどうなるのか1リジュも読めないハラハラ感も


 早いもので20周年を迎えた『軌跡』シリーズ。その記念タイトルとして発売される『界の軌跡』ですが、序盤から既に「この物語はどういった結末に着地するのだろう?」と考えてしまいます。本作から新たな人物が登場することもあり、まったく結末が読めません。

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▲執行者である一方、素性を隠して配信者もこなすウルリカ。同じく初登場となる、シメオンとの関わりも見逃せなさそうです。
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▲運び屋エルメスことエミリア少佐。良い表情です。

 オープニングムービーが公開された際、訓練された歴戦のファン(という名の猛者)たちによる考察が行われているところも見かけましたが、その中に正解があるのか、掠めているものがあるのか、どれにも近くない誰にも予想できなかった展開となるのか……。

 20年かけて紡がれてきた設定の糸が収束してきている印象はあれど、それがどういった形になるのか、と思うと、どこか不穏さが漂っているのもあって序盤から妙な緊張感があります。歴代作品を通ってきたプレイヤーならば、似たような感想を抱く人もいるかもしれません。長編シリーズゆえの特性とも言えそうです。

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 『界の軌跡』の物語は、とうとう人類が宇宙へ進出することとなる“スターテイカー計画”がグラムハート大統領により発表され、あらゆる意味で賑わいを見せているカルバード共和国が主な舞台として描かれています。

 首都イーディス内のアニエスの実家があるエリアなど、『英雄伝説 黎の軌跡II』までで自由に探索することができなかった地区にも行くことができるので、タイトル名は変わっていても、そちらの続きのような感覚でプレイすることができました。

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 まだまだヴァンたちについても知りたいことが多いので、彼らの物語が見られるのがありがたいところです。アークライド解決事務所の面子も性格のバランスが良いので、やり取りを見ているだけで楽しいですね。

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▲前作では(あらゆる意味で)心がボコボコになったので、今作はこんな平穏な時間が多く見られるとよいのですが。

 また、本作には『黎の軌跡』~『黎の軌跡II』には登場していなかった歴代タイトルのキャラクターが加わります。

 中でも久々の登場かつ、3Dモデルで描写されるのは初めてとなるケビンは注目している人も多いのではないでしょうか。

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 エステルたちの仲間、または守護騎士として直接、或いは間接的な繋がりがあったため、ヴァンやリィンとも馴染んで会話をしている光景が見られます。密かに再登場を期待していたので嬉しいポイントです。

 ただ、彼曰くアルテリアのほうで何かあったらしく、そばにリースの姿がないのが気になるところですが……。

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 リィン、アルティナ、クロウは『英雄伝説 創の軌跡』以来となりますが、そこから数年経過していることもあり、より大人になっている印象です。

 初登場時のことを思い返すと、大きくなったなぁと思わざるを得ません。今作ではどのように関わっていくのか、目が離せませんね。

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▲カワイイ。

 また、戦いの場には出なくとも、物語を彩るサブキャラクターの掘り下げも引き続き行われています。

 コネクトイベントはポイントに限りがあるので、仲間キャラを優先するか、身近なNPCとの物語を見るか悩むところ。セーブをしてリセットしつつ回収する方もいれば、周回時のお楽しみとして残しておく方もいるのでは。

※筆者はNPCではユメが好きなので真っ先に選びました。心温まるエピソードが見られましたので、ぜひ!

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いいとこどりのバトルは更に進化。新要素でより快適に

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 『黎の軌跡』から採用されている、アクションとコマンド両方を取り入れた戦闘システム。『黎の軌跡II』を経て本作ではより快適にこなせるようになっており、新たな要素として“覚醒”や“ZOC”などが加わっています。

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 使用できるのは一部のキャラクターに限られますが、フィールドバトルで“覚醒”を使用すると攻撃力&スピードが上昇。雑魚敵の集団がいても切り抜けやすく、HPも徐々に回復するので、厄介な敵の群れに遭遇した時はもちろん、ダンジョンの奥から引き返す時にも使えます。

 そのほか、“ZOC”はフィールドで使用すると敵の時間の流れを遅くすることが可能で、こちらの攻撃力が大幅に上がります。

 コマンドの場合は連続で行動することができ、アーツを即時発動させることもできました。状況によってはとても頼りになるシステムです。

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 『英雄伝説 閃の軌跡III』から『創の軌跡』まで登場していた“ブレイブオーダー”に近いシステム“S(シャード)コマンド”もあり、敵側も“アンチSコマンド”を使用してきます。

 タイミングが悪いとマイナスの効果を受けている時に強力な攻撃を受けてしまうことも。こちらの被ダメージが上昇している時にSクラフトを受けるのを避けるべく、アルティナのSクラフトで防御する……といった戦い方もできます。序盤は使いこなせなくとも、仲間やアーツが揃ってくるにつれて戦略を組み立てられるようになってくると思います。

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 ストーリーをサクサク読みたい方向けの難易度VERY EASYやEASYでプレイする場合はそこまで脅威にはならないかもしれませんが、高難易度での攻略に挑戦しようとしている方は注意が必要そうです。今作でもSブレイクでの割り込みがあるため、バトルにスリルを求める方は手ごたえのあるプレイが楽しめます。

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▲『黎の軌跡II』にあった、Sクラフト発動時にキャラクターがカットインのように差し込まれる演出も健在。「顔がいい!」と思わず撮影した筆者の推しは、何故かここでバイクを乗り回していました。好きです。

 バトル中の要素が非常に多いため、ターンが回ってきた際、どうしようかと迷ってしまう方もいるかもしれません。が、引き続き「ブーストのチャンスだよ~」といったボイスも差し込まれるので、何をするか迷ったらそちらに従ってみるのも良さそうです。

 「ガンガンいくぞ!」とよく喋るので地味に焦るときもありますが(笑)、コマンド選択に時間の制限は設けられていないので、不慣れな方でも落ち着いてバトルを進めることができます。アクションが得意な方はフィールドバトルでどんどん敵を倒していくのもアリです。

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 ほか、選択肢によって3種類のステータスが変動するお馴染みの要素“LGCアライメント”もあります。選択に悩むことも多いですが、ヴァンを良い子にするか悪い子にするか、中間にするかはプレイヤー次第です。

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 『英雄伝説 空の軌跡』から始まり、多数の物語を経て20年目に辿り着いた『軌跡』シリーズ。物語は宇宙にまで広がる、ということでシリーズの中でも特にスケールの大きい作品となる『界の軌跡』ですが、ゼムリア大陸に秘められた設定の厚みと、積み重ねた軌跡の重さを感じ取ることができるタイトルになっています。分厚い長編の小説を読むように、じっくりと描かれる物語を堪能してみてください。

 また、電撃オンラインでは後日、本作に関する近藤社長へのネタバレ込みのインタビューを実施します。読者の皆さまからの質問も募集する予定なので、お見逃しなく! 投稿フォームは10月中旬頃に公開予定です。

●概要
タイトル:英雄伝説 界の軌跡 -Farewell, O Zemuria-(フェアウェル オー ゼムリア)
ジャンル:ストーリーRPG
対応機種:PS5/PS4
発売日:2024年9月26日
価格:【通常版】8,000円(税抜) /【Limited Edition】10,500円(税抜)/【DL 通常版】8,000円(税抜)

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