開催中の東京ゲームショウ2024のスクウェア・エニックスブースステージで開催された、12月5日発売のPS5/PS4/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Steam用RPG『FANTASIAN Neo Dimension』の、坂口博信さんと植松伸夫さんによるスペシャルトークステージの模様をお届けします。
初孫が生まれた坂口さんが「おじいちゃん」コールで登場【『FANTASIAN』トークステージ】
このステージで司会を務めたのは、『FF14』でおなじみの吉田直樹さん。『FANTASIAN Neo Dimension』をパブリッシングするにあたりいろいろ協力しているとのことで、司会をすることになったそうです。
そしてステージに登場したのは、『FANTASIAN Neo Dimension』のプロデューサーで『ファイナルファンタジー』の生みの親・坂口博信さんと、『FANTASIAN Neo Dimension』で作曲を担当し、『FF』シリーズでも数多くの楽曲を手がけている植松伸夫さんです。
坂口さんは初孫が生まれたばかりとのことで、吉田さんの計らいで会場のファンから「おじいちゃん」コールでステージに登場。坂口さんは「9日前に生まれた」と嬉しそうに笑顔で応えていました。
12月5日発売の『FANTASIAN Neo Dimension』を紹介。坂口さんはボイスにはこだわりがなかった?
トークはまず『FANTASIAN Neo Dimension』のプラットフォームの話題に。
もともとはApple Arcade用の作品として制作された『FANTASIAN』ですが、PS5/PS4/Switch/Xbox Series X|S/Steamと多くのプラットフォームで展開することになりました。
坂口さんは、メインプログラマのスタッフが、やりますよと軽く言ってくれて見事に各プラットフォームへの対応をこなしてくれたとコメントしていましたが、吉田さんは1年足らずでの対応に「驚きのマスターアップ速度」とびっくりした様子でした。
植松さんも、また本作に日の光が当てられることがわくわくするとコメントしていました。
Apple Arcade版からの大きな変化として、豪華声優陣によるキャラクターボイスが入ったことを紹介した吉田さん。
これに関して坂口さんは、ボイスはいいものだという認識はあるけれど自身はあまりこだわりがないとのこと。しかし植松さんからは、『FF10』の時にボイスを入れることに意見していたという裏話が。
ファミコンから始まった流れで、ゲームは想像力をかきたてるものという考えがあるためそう思っていたそうですが、実際に本作にボイスがついたのを見て「すごくいいじゃん!」と思ったそうです。
植松さんは『FANTASIAN Neo Dimension』でゲームをフルで作曲するのは最後にしようと思っていた
続いて植松さんが全曲作曲をした楽曲の話題に。植松さんは、坂口さんから本作の話を受けた時点で、1つのゲームをフルで作曲するのは今回を最後にしようと思っていたそう。なので、悔いがないように全力投球したとのことで、『FANTASIAN』の楽曲が自分が作ったゲーム音楽の中で一番好きだとコメントしていました。
トーク中、植松さんが過去に『FANTASIAN』の楽曲について語ったショートインタビュー映像も紹介されました。
ジオラマから作成する独特な映像作り。坂口さんはジオラマを爆破したかった!?【『FANTASIAN』トークステージ】
本作の特徴と言えるのが、実際に作ったジオラマから作った、ジオラマとCGが融合した美しいフィールドです。実際のジオラマづくりの様子などが紹介されました。
ゲーム内に登場する乗り物・豪華客船“ウズラ号”についても、しっかりと中の骨組みまで作ってあるとのこと。ウズラ号のジオラマは、TGS2024会場に飾られています。
坂口さん曰く、本当はウズラ号をジオラマごと爆破したかったとのこと。植松さんから「なんで爆破しようと!?」と聞かれ、「かっこよかったから」と答えていましたが、シナリオ的にもそんなシーンがなかったのであきらめたそうです。
なお、坂口さんから植松さん、吉田さんへのサプライズプレゼントとして、ジオラマで実際に使った小物が贈られました。
“ディメンジョンバトル”は坂口さんがエンカウントが嫌で考えたもの【『FANTASIAN』トークステージ】
本作はバトルもターン制のバトルから特徴を加えたものになっています。スキルの軌道を調整することで、より多くの敵を巻き込み効率的に戦えます。
もう1つ特徴的なシステムが、エンカウントした敵を一時的に異次元にストックし、あとで一気に戦うことができる“ディメンジョンバトル”です。このバトルだけのギミックも用意されています。
吉田さんはこのシステムについて、スマホの作品だったので例えば遊ぶ時間があまり取れない移動中などはストックしておいて、あとでゆっくり戦えるようにするためのシステムなのかなと思っていたそうです。
しかし坂口さんがこのシステムを考えたきっかけは、美しいジオラマの世界を探索しているときに、エンカウントが邪魔だったからという理由。これには吉田さんもびっくりした様子でした。
坂口さんのゲームはたくさんのバトル曲が要求される! 『FF』プレリュードの誕生秘話も!?【『FANTASIAN』トークステージ】
植松さんはバトルの楽曲について、坂口さんのゲームはたくさんのバトル曲を要求されるので、絵に合わせてというよりバリエーションを多く考えて作曲したそうです。
坂口さんは植松さんとは長年の信頼関係があるため、イメージなどをあまり伝えすぎないようにして作曲してもらっているそう。
そして作曲が終わりに近づきラクになってくると、あと何曲かお願い……と言ってくるのが定番らしく、植松さんから実は『ファイナルファンタジー』のメインテーマとして、シリーズ作でも必ず使われている『プレリュード』も、あとからお願いされて作ったものだと制作秘話が明かされました。
『FF』で『プレリュード』が流れるシーンが最初は無音だったため、坂口さんからここに入れる曲を作って! と言われて追加した曲だそうです。
まさか、『プレリュード』がそんな経緯でできたものだとは、会場のファンや配信を視聴していたユーザーからも驚きの声があがっていました。
【新情報公開】『FANTASIAN Neo Dimension』と『FF』シリーズの楽曲がコラボ!
ここで初公開となる情報が公開されました。『FANTASIAN Neo Dimension』と『ファイナルファンタジー』シリーズのBGMコラボが決定! バトル中のBGMとして『FF』シリーズの楽曲が選べるようになっています。
収録されるシリーズは以下の通りです。
・『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』
・『FINAL FANTASY VII REMAKE』
・『FINAL FANTASY VII REBIRTH』
・『FINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレ』
・『FINAL FANTASY XIV:黄金のレガシー』
・『FINAL FANTASY XVI』
このコラボのきっかけとして、坂口さん自身が現在『FF14』をプレイしており、『暁月のフィナーレ』で『FF4』の楽曲がバトルで流れることがすごくよかったとのこと。なので、これを『FANTASIAN』でもやりたいと考えたようです。
また、“ディメンジョンバトル”で『ビッグブリッヂの死闘』を流したいと語っていました。
坂口さんは植松さんのメロディだし、『FANTASIAN』に違和感がないと力説。これに植松さんも、遊びの発想でおもしろいからいいなとコメントしていました。
『FANTASIAN Neo Dimension』スペシャルトークステージのアーカイブ動画が公開中
トークはほかにも、坂口さんのオフィスにとあるVIPが訪れた話や、植松さんの作曲部屋についての話、ウズラ号のジオラマの行き先など、さまざまなお話が聞けました。
ファンにはたまらないお話ばかりだったので、気になる方は公開中のアーカイブ動画をぜひ見てみてください。
“東京ゲームショウ2024”開催概要
会場:千葉県・幕張メッセ(展示ホール1~11、国際会議場、イベントホール)
日時
2024年9月26日(木):ビジネスデイ10:00~17:00
2024年9月27日(金):ビジネスデイ10:00~17:00
2024年9月28日(土):一般公開日10:00~17:00
2024年9月29日(日):一般公開日9:30~16:30
※一般公開日は、状況により開場時間が30分早まる場合があります。