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『デイヴ・ザ・ダイバー』や『Eternights』の開発者も登壇。ゲームクリエイターのための祭典“Coreblazer Game Fest 2024”レポート

文:電撃オンライン

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 『アークナイツ』を手掛けるHypergryphが立ち上げたゲーム開発支援ブランド“Coreblazer”が、中国の上海にて“Coreblazer Game Fest 2024”を8月3日~4日にかけて開催しました。

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 この記事では、イベントの様子をレポートします。

※本記事はCoreblazerの提供でお送りします。

開発者のトークやゲームの試遊、大学生開発コンテストなど2日間開催された“Coreblazer Game Fest 2024”をレポート

1日目:国内外の開発者によるトークイベントを実施


 中国上海市にて開催された“Coreblazer Game Fest 2024”。1日目のメインステージでは、国内外の開発者によるトークイベントが行われました。

 まずはHypergryphのCo-Founderの海猫氏より、過去1年間における投資事業ブランド“Coreblazer”について、去年の“Coreblazer Game Fest”の成果と成長について振り返りました。

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 海猫氏は、昨年の“Coreblazer Game Fest”について、大学生ゲームクリエイターチームを対象に、合計で102件の応募作品を受け取り、7つの受賞作品を選出、これらの作品は若いクリエイターたちの革新と情熱を示していると称賛。

 また、今年のCoreblazerは複数の国際的に著名なパートナーと協力して、ゲームクリエイターにためのイベント“Coreblazer Game Fest 2024”を立ち上げ、国内外から多くの有名なゲームクリエイターや業界関係者を招くことができたとしたうえで、ゲーム制作の道のりにおいて「皆さんと一緒に、誇りを持ち、認められる作品を作り、遊びたいと思うゲームを作り上げたい」と述べました。

 海猫氏の挨拶のあとは、MINTROCKETスタジオが制作したシミュレーション経営ゲーム『Dave the Diver(デイヴ・ザ・ダイバー)』について、ゲームディレクターのJaeho Hwang氏がその制作背景と、ユーザーフィードバックを通じてどのようにゲームを最適化してきたかを講演で詳しく紹介しました。

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 Jaeho Hwang氏によると、Steamでの露出度を高め、販売を促進するためには二つの方法があるといいます。

 まず一つは、アルゴリズムの活用です。Steamのアルゴリズムは、プレイヤーの好みに基づいてゲームを推薦し、人気のあるゲームがさらに成功を収める仕組みになっています。

 この仕組みを活かすためには、特定のジャンルでトップの人気ゲームの一つになることが必要です。

 次に、選抜プログラムです。Valveは時折、ゲームの管理状況に基づいて特定のゲームをプロモーションし、これによりゲームはより幅広いユーザーに紹介され、新たなユーザーを引き付けることができます。

 『デイヴ・ザ・ダイバー』がリリースされた際には、プレイヤーコミュニティの管理方法が評価され、Steamから非常に効果的なプロモーションリソースを得ることができたといいます。

 Jaeho Hwang氏は『デイヴ・ザ・ダイバー』のゲームデザイン理念についても紹介しました。

 ゲーム開発には多くの挑戦が伴い、これらの困難を克服するために、チームは「直感的で理解しやすいゲームデザイン」という理念を選んだそう。

 このデザインが重要である理由は次の通りだといいます。まず、人々は新しいものを好みますが、見慣れた要素をより好む傾向があります。

 次に、大多数のユーザーは文章を読むことを好まないこと。最後に、第一印象が非常に重要であることです。このデザイン理念を検証するために、ゲームはほぼ3カ月ごとにテストを行い、フィードバックに基づいて何度も修正を行なったとのこと。

 ゲームの前期デザインが整った後は、プレイヤー向けにリリースされ、プレイヤーと共に改良が進められました。

 チームはデモ版の公開からコミュニティを立ち上げ、開発者がプレイヤーと直接コミュニケーションを取り、毎日異なるプラットフォームからのユーザーフィードバックを整理し、改良可能な部分やバグについて話し合い、その結果をプレイヤーに対して率直にフィードバックしました。

 早期アクセス段階では、チームは次の3点を重視したとのこと。質は量よりも重要であること、プレイヤーコミュニティと継続的にコミュニケーションを取ること、そして新しいコンテンツの追加よりも利便性とバランスの改善に集中することです。

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 このため、チームは8カ月間で新しいコンテンツを追加せず、合計25回の利便性改善とバグ修正の更新を行い、プレイヤーとのコミュニケーションに注力し、フィードバックを収集して更新内容を共有しました。

 この早期アクセスを通じて、積極的なコミュニティを築き、ゲームの質と人気を向上させることができたといいます。

 早期アクセスには一定のリスクが伴いますが、Jaeho Hwang氏は、自分たちのような「普通の」開発者にとって最も安全な方法は、複数の検証段階を設けることだと考えているそう。

 まず、「何が面白いゲームか」という仮説を立て、その方向性を設定します。次に、内部テストで仮説を検証し、さらにデモ版や早期アクセス版を通じて外部の検証を行います。そして、十分な準備が整った段階でリリースを行うことが最も安全だと述べました。

 ほかにも、集英社ゲームズの鈴木達也氏、『Eternights』のディレクターのJae Hyun Yoo氏、ParadoxのプロジェクトディレクターのFarida氏、ChillyRoom GamesのCEOである李泽阳氏、Project MoonのディレクターのYumi Lee氏が登壇し、ゲーム開発についてや制作しているゲームについてのトークが展開されました。

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2日目:大学生ゲーム開発コンテストの受賞式を開催


 2日目は大学生ゲーム開発コンテストの決勝作品の展示や授賞式が開催されました。

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 500を超える応募作品のなかから、40の決勝作品が選ばれ、そのなかから最優秀ゲーム賞など各賞を授賞する作品が選出されました。

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【授賞作品一覧】
1. Most Popular Game
『致命ドーパミン』

2. EXCELLENCE IN VISUAL
『ネズミの大冒険』

3. EXCELLENCE IN AUDIO
『致命ドーパミン』

4. MOST SURPRISING GAME
『多元ウィンドウ』

5. EXCELLENCE IN GAME DESIGN
『ソードアリーナ』

6. BEST STRATEGY GAME
『夢語りの牌譜』

7. BEST ACTION GAME
『狂怒の伝説:Rebirth』

8. BEST PUZZLE GAME
『右クリックで翻訳機を起動』

9. EXCELLENCE IN NARRATIVE
『彼方の彼女-Aliya』

10. BEST MULTIPLAYER GAME
『ロンロン強』

11. MOST PROMISING GAME
『Be My Guest 〜食を共に〜』

12. PARADOX AWARD
『ランダム軍団』

メインステージ以外では試遊エリアなどのブースも!


 メインステージ以外では、両日ともにインディーゲームの試遊エリアやパートナーブース、事業紹介ブースなど多数のブースが展開されていました。

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 特に試遊エリアでは、多くの来場者が気になるゲームをプレイしていました。中国のインディーゲーム連合組織のセレクトしたゲームや、GameJam Booom入賞タイトル、Coreblazerが投資したタイトルなど、数多くのゲームが試遊できました。

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“Coreblazer Game Fest 2024”は大盛況で幕を閉じる


 8月3日~4日の2日間にかけて開催された“Coreblazer Game Fest 2024”。

 今年は毎年行われていた大学生ゲーム開発コンテストのほか、国内外の開発者を招いたトーク、試遊エリアを含めた各種ブースが展開され、大盛況のうちに幕を閉じました。

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 “Coreblazer”はHypergryphが立ち上げたゲーム開発支援ブランドということで、インディーゲームの開発が今後より活発になって今年よりもさらに盛況なイベントが行われることを期待したいですね!

Coreblazerについて


 “Coreblazer”は、Hypergryphが立ち上げたゲーム開発支援ブランドで、優秀なスタジオや個人開発者への支援を目的としています。

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①資金サポート
 ゲーム開発に専念できる、また長期的かつ安定的な成長を実現できるよう、“Coreblazer”は資金面の支援を提供しています。

 それぞれ独特性のある発想の実現を助け、プレイヤーたちにさらなる面白いゲームをもたらすことを目指しています。

②インキュベーション
 “Coreblazer”参加の“Dynabox”は、新しく立ち上げられたゲーム開発スタジオが独立して持続的に事業を展開できるよう、開発資金、オフィス(上海現地)、研修イベント・世界範囲のゲーム業界リソース・財務および法務のコンサルティングなどの包括的なインキュベーションサービスを提供します。

③リソースシェアリング
 より効率的なゲーム開発と有効的な宣伝を実現できるよう、“Coreblazer”はサウンド・音声・アートのアウトソーシング、パブリッシング、PRマーケティングなどの多様なリソースを開発者に提供しています。

④イベント
 “Coreblazer”はGameJam、開発者交流会などのイベントを定期的に開催し、自分の作品や才能を披露できる場を設け、開発者同士とじっくり話し合うこともできます。

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