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『AWAKEN: Astral Blade』レビュー:簡単操作でテンポよく遊べるメトロイドヴァニアの入門編。不思議な雰囲気を持つ世界観が妙にクセになる【電撃インディー#831】

文:GO

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、ESDigital Gamesより10月22日に発売されたメトロイドヴァニア風の2Dアクション『AWAKEN: Astral Blade』のレビューをお届けします。

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 本作は、荒廃した世界で古い遺跡を探索していく2Dの横スクロールアクションで、いわゆるメトロイドヴァニアと呼ばれるジャンルの作品になります。

 主人公は、謎めいた力を持つ少女タニア。世界が荒廃した原因や、彼女自身の秘密に迫っていくことになります。

 本記事では、そんな不思議な雰囲気満載のアクションをレビューします。なお、ゲームはPS5とPC用があり、今回のプレイはPS5版で行いました。

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 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

スピーディな攻撃で敵をなぎ倒すハイテンポアクション!!


 『AWAKEN: Astral Blade』は、ちょっとレトロな雰囲気のする2D横スクロールアクションです。サイドビューのマップを探索しながら敵を倒し、マップのギミックを解いたり、ボスを倒したりしながら先のステージへと進んでいく、“メトロイドヴァニア”と呼ばれるゲームです。

 ちなみにこの“メトロイドヴァニア”とは、文字通り『メトロイド』と『キャッスルバニア(悪魔城ドラキュラ)』を合わせた造語で、その2本を合わせたようなゲームを指します。近年できたジャンルですが、今ではすっかり人気ジャンルとして定着しています。

 本作はその定義から大きく外れることはなく、シンプルかつ分かりやすいシステムになっていますので、このタイプのゲームが好きなら、確実に楽しめるかと思います。

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不思議な雰囲気を持つ世界観が妙にクセになる!


 本作の大きな特徴となるのが、やはりその独特な世界観。メトロイドヴァニアといえばおどろおどろしい世界観になっていることが多いですが、本作はそんな中でもかなり異質。

 舞台はホーレス諸島と呼ばれる熱帯雨林地帯なのですが、そこでは“カーパス”と呼ばれるエネルギーにより、動植物が危険なミュータントへと変貌しています。

 あまり説明がないゲームで、プレイヤーはどういう状況かは不明なまま、主人公のタニスを操作するのですが、その彼女の素性もまた、最初は何も分からない状態で始まります。

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 その“よく分からない”状態が、なんともいえない不安感と緊張感を生み出しています。物語の展開も抽象的で、すぐに理解ことは難しいのですが、部分的に明かされていく展開が上手くて、とても想像を掻き立てます。

 実際にステージを攻略して展開していく物語とは別に、マップ上にある壁画などを調査することで、世界観を補完するさまざまな情報を得ることができます。こうした情報を集め、この世界について考察していくこともまた楽しい!

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 個人的にこういう楽しみ方は大好きで、全体的な雰囲気もかなり好み。キャラクターも魅力的で、とくに主人公のタニアは、さまざまなコスチュームを選択可能となっており、その麗しい姿を堪能できます!

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マップの探索はとても遊びやすい!


 独特な世界観を構築するマップは、同じメトロイドヴァニア系ゲームと比べると、かなりわかりやすいと感じました。マップに表示される目的地に向けて進んでいけばいいので、あまり迷うことはありません。

 マップに自分でマークを付けられるのも、どこに何があったか覚えられない自分にとっては嬉しい機能です。

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 総じて初心者でも遊びやすくなっていますが、マップのギミックやアスレチック部分は、しっかりした手応えを感じさせてくれます。ただ、よくある“落下して即死”は少なく、リトライもしやすいので、かなり快適に遊ぶことができました。

バトルは簡単操作でスピーディに展開!


 2Dアクションゲームなのでアクションについても触れておきますと、操作はシンプルで攻撃はボタン2つのみ。□を押すと攻撃で、連続で押すとコンボになります。そしてその途中で△を押すことで、派生技が出せます。

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 使う武器や□を押した数、さらには地上か空中かでも技が変化するので、操作はわかりやすく、かなり派手に動き回ることができます。また、R1ボタンで回避が可能で、ジャスト回避できれば一方的に攻撃できるといったシステムも搭載。

 序盤のうちは、ガチャプレイでもなんとかなりますし、それだけでかなりスタイリッシュな動きも可能です。これはアクションが苦手な自分には有難かったです。なんだか自分が上手くなったような気分になり、気持ちいいのです。

 もちろんボス戦ではそれなりに考えた動きをしないと勝てないですが、理不尽な難しさではないので、やりがいを感じられます。

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 そして個人的に一番嬉しかったのが、“ルーキーソウル”システム。これは初心者救済システムの1つで、リトライするごとに最大HPと攻撃力が20%増加していくというもの。

 しかもこれが無限に積み重ねられるので、いつかは必ずクリアできるようになっているのです(もちろん通常はオフになっています)。

 もはや過保護といってもいいくらいですが、この初心者を絶対見捨てない姿勢は嬉しい限り。アクション苦手という人も、絶対安心ですよ!

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メトロイドヴァニア初心者でも楽しめる!


 アクションや探索のほか、武器や主人公の成長・カスタマイズ要素も多く、しっかりやり込みもできるボリューム感を持った作品です。

 探索、アクション、成長と、この手のゲームの3本柱といえる要素を、かなりバランス良く実現したゲームとなっています。全体的なゲームの流れは“メトロイドヴァニア”の典型ともいえるものなので、入門編としても最適。

 もしこのジャンルに興味があるなら、本作でメトロイドヴァニアデビューしてみることをオススメします!



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