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ドラマ『ウイングマン』3話感想。シビれるアクションに健太への感情の変化、ヒーロー・ヒロインの両面でアオイの魅力がたっぷり。原作と異なる形で登場した布沢久美子の動向も気になる

文:米澤崇史

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 テレビ東京系にて放送中のドラマ『ウイングマン』3話の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『ウイングマン』3話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。 [IMAGE]

ドラマオリジナルの必殺技の元ネタは、まさかのあの作品!?【ウイングマン】


 北倉先生ことキータクラーの策略によって、シードマンと化して暴れまわる生徒たち。2話から引き続いて、エキストラの生徒たちのアクションがカッコよすぎるんですが、それと互角に戦ってる時のアオイ役・加藤小夏さんのアクションもめちゃくちゃすごい。

 健太は生徒たちに対してはウイングマンの力は最後まで使わなかったので、3話で暴れる生徒たちと戦ってるのってほぼアオイ1人っぽいですよね。

 学校のいたるところに大勢の生徒たちが気を失って倒れていましたが、あれもアオイがほとんど1人でやったんじゃないかと考えると、今回のアオイの仕事っぷりは間違いなくMVP級ではないかと思います(生徒同士の同士討ちみたいなのもあったかもしれませんが)。


 そんなアオイの苦労を知ってか知らずか、体育倉庫で青春していた健太と美紅。

 自分が冷静を保っている理由として健太が口にした「学校が襲われる可能性をいつもイメージしていた」というのは、ウイングマンであることを悟られないための建前ではあると思いますが、健太なら絶対本当に日頃からやっていただろうなという確信もあります。きっと男子なら誰でも一度はそれ系の妄想やったことありますよね。校内にゾンビウイルスが蔓延するとか……。

 その後のキータクラーが召喚したシードモンスターとの戦いは、強化フォームであるガーターシルエットが早くも登場して驚き。

 健太も自虐していた通り、強化フォームはお約束ではあるものの、2回目の戦闘で強化フォームに変わるというのはかなりのスピード感です。もう最初の戦闘の時点で最後の切り札的な必殺技を使っての辛勝だったので、早く強化が必要だと健太が考えたのはもっともですが。


 その後、シードモンスターの合体・巨大化にも度肝を抜かれつつ、巨大化したシードモンスターを一撃で倒したセイバーストレイズは超カッコよかったです。

 後のシーンで、『仮面ライダーBLACK RX』のリボルケインを参考にしたという台詞も出てきてニヤっとしたのですが、『ウイングマン』は1983~1985年に連載、『RX』は1988年放送された作品。『ウイングマン』の完結後に『RX』が放送されているので、原作の健太は『RX』を知らないんですよね。

 舞台が現代に変わったドラマ版の健太だからこそ生み出せた必殺技が、オリジナル展開として出てくるのがアツかったです。

スマホを使って健太の正体を知る、布沢久美子のアレンジに納得【ウイングマン】

 
 終盤では辛くもシードモンスターを倒したものの、同時に変身の時間切れを迎えてしまい、3話にして早くも“正体バレ”してしまうスピード展開に。

 こちらもヒーローもののお約束展開とはいえ、さすがに早いと思っていたら、アオイの記憶改ざんで一旦は事なきを得たようです。いろいろと便利すぎるぞディメンションパワー。


 唯一、別の場所にいて改ざんを逃れていた美紅の記憶も、結局はアオイに書き換えられていましたが……このシーン、なんかいろいろと邪推してしまいますよね。アオイが言っていた「あんなこと覚えてたらかわいそう」という意見は正論でもっともなのですが、健太と美紅が仲良くなっていくことに心の片隅で嫉妬していたんじゃないかなと。

 健太の追求を聞こえないフリをして去っていくところとかめちゃかわいくて、カッコいい活躍だけではなく、ヒロインとしてのアオイの魅力も順調に高まってきている感があります。

 そして最後に改めて存在感を見せてくれた宮野真守さん演じる北倉先生。見た目も声もめちゃ爽やかなのに、なんでこんなに胡散臭さMAXなのかが本当に不思議なんですが、いきなりホモ・サピエンスの話を始めて健太を困惑させていたのは笑いました。

 健太も相当にぶっとんだ部類のキャラクターですが、意味深な言葉を残して満足気に去っていく北倉先生の背中を「なんなんだこの人……」みたいな表情で見送っているラストシーンは、エンディングが流れるタイミングも合わさって面白すぎます。


 あと今回とくに良いなと思ったのが、布沢久美子に焦点を当てた展開を作っていたこと。

 原作の久美子はもう少し後に登場し、ドラマ版と同じようにウイングマンの正体を早めに知ることになるキャラクターの1人なんですが、ドラマ版はスマホという現代的なガジェットを活かして正体を知る展開になっていて、現代のドラマとして自然な納得感がありました。

 ウイングマンの正体を知った久美子が今後どう動くのか。場合によっては、原作とまったく違うポジションになる可能性もあり、個人的に今動向が一番気になっているキャラクターになっています。

 そして何より度肝を抜かれたのが、次回予告に登場した『宇宙刑事ギャバン』と思わしき存在。予告だけだとどういった形で登場するのか不明ですが、4話もまた見逃せないエピソードになりそうです。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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