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ドラマ『ウイングマン』2話感想。妄想の設定が現実になるドリムノートが欲しすぎる。外道だけどユニークなイケメン悪役・北倉先生を演じる宮野真守さんのハマりっぷりがすごかった

文:米澤崇史

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 テレビ東京系にて放送中のドラマ『ウイングマン』2話の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『ウイングマン』2話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。 [IMAGE]

完全無欠な設定は作らない、健太のウイングマンへのこだわりを感じた【ウイングマン】


 カッコよくウイングマンに変身したはいいものの、そのままではアオイ以下の戦闘力だったというまさかの展開からスタートした第2話。

 時間稼ぎを頼まれて「世話が焼ける!」と言い捨てながら、どけと言わんばかりにウイングマンを押しのけるアオイが勇ましすぎて、どっちが助けられているのか分からなくなります。

 そこから、咄嗟にドリムノートにクロムレイバーの設定を追加して武器をパワーアップさせる展開は、オタクにとってまさに夢のノートすぎてめちゃくちゃワクワクしました。

 恥ずかしながら自分も昔、オリジナルの小説を書いていた時期があったので、もしその時の自分にドリムノートがあったら、ほぼ間違いなく健太と同じくらい自分の妄想が具現化されることに有頂天になっていたんじゃないかと思います。


 ただ、眼の前の敵に勝つだけなら、もっとぶっとんで強い設定にする手もあったんじゃないかと思うんですが、自身の全エネルギーを消費する今回使用したファイナルビームや、ウイングマンの変身時間に制限を決めていることなども踏まえると、このあたりの設定のバランスは健太の中でこだわりがありそう。

 妄想とはいえウイングマンは健太にとって大事な作品ですから、眼の前を敵を倒すためにイメージを壊すような設定は作りたくないのかもしれません。

 それから現実世界に帰った後には、従兄弟という設定ですっかり広野家に馴染んだアオイの姿が。戦闘だけではなく、人間の記憶を自在に操作できるディメンションパワーの便利さもすごいのですが、いくら健太から事前に知識を得ていたとはいえ、すでに地球の生活を楽しみ始めているアオイの適応力の高さはもっとすごいかも。

 一方でアオイが年頃の女の子だからか、意外にも健太はアオイとの同居には乗り気ではない様子。ただ、最終的には「ヒーローができるならなんでもいい」で終わらせたのには笑いました。

 ここでアオイを無理に追い出すと、ドリムノートを返せとか言われかねないですしね……。

シードマン化した生徒たちのアクションがモブの域を越えてカッコよすぎる【ウイングマン】


 主人公が非日常に巻き込まれたときにそれまでの日常を続けるかどうかは、作品によってばっさりと別れると思うのですが、健太はドリムノートを持って学校に行き、日常を続ける方を選択したようです。アオイは学校に来たときに「健太一人じゃ心配だから」と説明していたものの、多分本当は学校生活が面白そうだと思ったからですよね。

 クラスのアイドル的存在で正統派な美紅に対して、遠慮のない女友達的な関係性でフィアンセまでいるアオイという二人のヒロイン像は対照的で、共にラブコメのヒロインとして登場してもおかしくないキャラ造形です。桂正和先生といえば、自分は『I"s』のイメージが圧倒的に強い世代なんですけど、『ウイングマン』初期の頃からそのエッセンスが含まれていたんだと改めて実感っしました。

 そして後半では、視聴者お待ちかね(?)の宮野真守さん演じる北倉先生がついに登場。

 元々『東京喰種』の月山習や『鬼滅の刃』の童磨、『ワンパンマン』のアマイマスクなどなど、ちょっとナルシスト入ってるようなイケメンのアニメキャラは宮野さんの独壇場というイメージがあったのですが、もう実写でもそれがまったく崩れていないのがすごすぎました。

 一見めちゃくちゃ爽やかでカッコいいんですけど、ちょっと面白く感じてしまう雰囲気もあって(とくに宮野さん自身の人柄を知っていたりするとなおさら)、どこか憎めない悪役である北倉役としてこれ以上ない完璧なキャスティングでした。今後出てくるであろうシードマン形態も含め、どちらも宮野さんが演じられるのもいいですよね。


 一方、この回で北倉がやっていることはなかなかにエゲツない。原作での北倉は給食のシチューの中に事前に仕込みをして生徒をシードマン化させ暴走させており、ドラマ版と起きていることは近いのですが、音楽室からピアノを弾くだけで完結しているため北倉の厄介度がかなり上がっています。

 ただ、今回のラストの騒動、一般の生徒たちを演じているエキストラの方々のアクションがあまりにすごすぎて、違う部分で呆気に取られていました。

 とくに渡り廊下で暴走してしまった女子生徒がすごくて、最初に野球部の部員らしき男子に綺麗に膝を入れつつ、頭を掴んで胴体を起こしたところに追撃で殴るきれいな連携で昏倒させた上、直後にパンチ一発ずつで二人ふっとばしています。見返せる人は是非見返していただきたいところで、完全に素人ではない暴れっぷりを披露していてカッコよすぎました。

 ある程度シードマンとも戦えるくらい強いアオイでも攻撃をさばききれていないほど暴走した生徒たちが、エキストラの域を越えた存在感を発揮しているのは、これまで数え切れないほどのアクションを演出してきた坂本監督だからこそのシーンだなと。

 1話でこれ以上ないほどに良い奴っぷりを見せていた福本までおかしくなってしまったのは結構ショックではあるのですが、次回は宮野さん演じるキータクラーとウイングマンの本格的な戦いになりそうで、さらに楽しみです。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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