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12万円のPCでもゲームはできる、じゃあ40万円越えのゲーミングノートPCは何がすごい?【G-Tune H6レビュー】

文:松野 将太

公開日時:

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 昨今、安価なゲーミングPCがちょっとしたブームになっています。BTOメーカー各社からはおおむね12万円前後で購入可能なモデルが相次いで登場しており、売れ行きも好調なようです。

 コンシューマーゲーム機の高価格化の影響もあり、比較対象として安価なゲーミングPCが注目されやすくなっていることが、こうした市場の動きの大きな理由のひとつと言えるでしょう。

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 では、逆に高価なゲーミングPCは何がすごいのでしょうか? 「価格が違うんだからそのぶん性能が良いのは分かるけど、具体的にどう違うのかはよく分からない」なんて人も多いかもしれません。

 この記事では、マウスコンピューターの16インチ液晶搭載ゲーミングノートPC「G-Tune H6-I9G80BK-B」(直販価格43万9700円~)を取り上げ、高価なゲーミングPCの魅力に迫っていきます。

※本記事はマウスコンピューターの提供でお送りします。

高画質設定・高解像度での快適ゲーム体験こそハイスペックゲーミングPCの本領


 10万円台前半で購入できる安価なゲーミングPCは、安く導入可能であるというメリットが大きいことから、PCゲーム入門用の1台としておすすめです。

 一方で、価格を抑えるために最新世代ではないCPUやGPUが採用されている場合がほとんどなので、すべてのゲームを最高設定で快適に遊ぶことは難しい、というデメリットもあります。

 コンシューマーゲーム機と比べた場合も、基本的には同価格帯ならPCよりゲーム専用機のほうが快適にゲームをプレイできるでしょう。

 たとえばセール価格など極端な値引きが入っている場合を除き、12万円台で購入可能なゲーミングPCと、ほぼ実売12万円のPS5 Proで同じゲームをプレイするなら、PS5 Proのほうが映像も滑らか、かつ高解像度で遊べます。

 PCはあくまで様々な用途に使える汎用機なので、同価格帯の専用機に勝つのは難しいです。

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▲G-Tune H6-I9G80BK-B。直販価格は43万9700円~(税込)。
■G-Tune H6-I9G80BK-Bの主なスペック
CPU:インテル Core i9 プロセッサー 14900HX(24コア/ 32スレッド/ 2.20GHz/ TB時最大5.80GHz/ 36MBスマートキャッシュ)
チップセット:Intel HM770 チップセット
GPU:NVIDIA GeForce RTX 4080 Laptop GPU(12GB GDDR6)
メモリ:32GB (DDR5-5600、16GB×2 / デュアルチャネル)
ストレージ:1TB (NVMe Gen4×4)
ディスプレイ:16型 WQXGA(2,560×1,600ドット)ノングレア (LEDバックライト)
OS:Windows 11 Home 64ビット
ネットワーク:有線LAN(2.5GBASE-T)、Wi-Fi 6E(最大2.4Gbps/ IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n) + Bluetooth 5モジュール内蔵
バッテリー駆動時間:動画再生:約 3時間 アイドル状態:約 5.5時間
本体サイズ:358.5×267×28.5mm
重量:約 2.42kg
直販価格:43万9700円~(税込)

 とはいえ、これはあくまで「同価格帯なら」の話。PCは様々なグレードのパーツを採用できるため、高価なCPUやGPUなどを搭載すれば、それだけ価格は上がるものの、ゲーム専用機を容易に超える性能はもちろん、高い汎用性を発揮できます。

 20万円クラスのゲーミングPCならゲーム機にも負けませんし、30万円、40万円と高価になるにつれ、ゲーム機では実現できないような画質設定、高解像度での快適な動作にも対応できるようになっていきます。

 では実売40万円越えのG-Tune H6-I9G80BK-Bはどうでしょうか。PCの頭脳とも言えるCPUには同世代のノートPC向け最上位モデル「Core i9 14900HX」、ゲームのグラフィックス描画に置いて大きな役割を果たすGPUにはハイエンドの代名詞とも言える「GeForce RTX 4080 Laptop GPU」を搭載しており、どちらもゲーミングノートPCとしては最高級のスペックと言っていいでしょう。

 ノートPCは据え置き型のデスクトップPCに比べて設計上の制約が大きく、高いパフォーマンスを出しにくいとされていますが、これだけ高価な製品になってくると、一般的なデスクトップ型のゲーミングPCよりもパワフルです。

 一般的なフルHD解像度でのゲームなら画質設定を最大にしても楽々こなせますし、より高い解像度となるWQHDや4Kでのゲーミングも視野に入ってきます。画質にこだわりたい、ゲーム中に画面がカクつくのは嫌だ、というこだわり派のゲーマーなら、ある程度高価でスペックの高いゲーミングPCを用意するべきでしょう。

 加えて、ゲームをプレイしながらのリアルタイム配信のような負荷がかかる作業に耐えられるのもポイントです。

 ゲーム専用機で凝った配信画面を作るのは難しいですが、PCならソフトさえ操作できればそうした制約はありません。ゲームだけでなくクリエイティブな作業を軽やかにこなせるのも、高価格なPCの特徴と言えます。

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▲シンプルデザインの本体。重量約2.4kg前後とやや重めなので持ち運びにはそれほど向きませんが、デスクトップPC顔負けのパワフルさがあります。
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▲側面にはUSBポートやSDカードスロットを装備。
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▲背面には映像出力端子として使えるThunderbolt 4ポートやHDMIポート、有線LANポートなどを用意しています。

 G-Tune H6-I9G80BK-Bのその他のスペックに関して言えば、メモリーは32GB(DDR5-5600)、ストレージは1TBと、どちらも比較的余裕があります。特に最近のPCゲームは1本あたりの保存容量が100GBを超えることも珍しくないので、ストレージに余裕があるのは嬉しいです。

 ディスプレイはWQXGA(2560×1600ドット)解像度のパネルを採用。画面比率が通常のワイドディスプレーより少し縦に長い16:10で、一般的なフルHDよりも高解像度でありつつ、表示領域がやや広くなっています。

 また、240Hzのハイリフレッシュレートに対応するため、一般的な60Hzディスプレイ(1秒間に画面を60回更新する)よりも滑らかな映像描画が可能です。『フォートナイト』や『Apex Legends』『VALORANT』のようなシューター系タイトルでは特に恩恵を感じやすいでしょう。

 ちなみにゲームは解像度が高くなるほど描画負荷が上がっていきますが、本製品はWQXGAの描画でもそれなりに余裕がある性能なので、別途4K(3840×2160ドット)に対応するディスプレイを用意して本体のHDMIケーブルと接続すれば、4Kでゲームをプレイ可能です。

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▲キーボードはテンキー付きの日本語キー。マルチカラーで発光します。

G-Tune H6-I9G80BK-Bの性能をベンチマークでチェック


 では、G-Tune H6-I9G80BK-Bが実際どれほど快適にゲームを描画できているのか、いくつかのゲームでフレームレートを計測してみましょう。

 今回はゲーム配信プラットフォーム“Steam”で世界の同時接続数トップ100(2024年10月時点)に入っていた人気タイトル『Cyberpunk 2077』『Apex Legends』『エルデンリング』『ホグワーツ・レガシー』『パルワールド』などのタイトルを試してみました。

 なお、計測時の解像度は基本的にディスプレイの最大解像度であるWQXGA(2560×1600ドット)と、よりフルHDに近いWUXGA(1920×1200ドット)で、PC本体の動作モードはすべて最大性能を発揮できるパフォーマンスモードとしています。

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▲『Cyberpunk 2077』の計測結果。

 発売からかなりの時間が経ちましたが、いまだに高負荷な人気タイトルの代名詞とも言える『Cyberpunk 2077』では、ゲーム内ベンチマークモードを利用して平均・最小フレームレートを計測しました。

 画質プリセットは「レイトレーシング:ウルトラ」を適用し、DLSSは「自動」(フレーム生成は無効)としています。

 最上級の設定ですが、WQXGA(2560×1600ドット)解像度では平均68.71fps、最小61.22fpsと、それなりの快適さでゲーム描画が可能です。より軽いWUXGA(1920×1200ドット)解像度では平均フレームレートが88.38fps、最低fpsも77.12fpsと、十分な快適さになります。

 極めて負荷が高い4K解像度でのプレイではもう少しフレームレートが落ちると思われますが、レイトレーシングをオフにする、フレーム生成をオンにするなどの対応で問題なくプレイ可能でしょう。

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▲『Apex Legends」の計測結果。

 人気のシューター系タイトル『Apex Legends』では、すべての描画負荷が最大になるよう設定し、フレームレートの制限を解除。トレーニングモードで一定コースを移動した際の1分間のフレームレートを、「CapFrameX」で計測しています。

 比較的軽量なタイトルということもあって、WUXGA(1920×1200ドット)解像度では平均フレームレートが264.1fps、最低fpsが158.5fps、WQXGA(2560×1600ドット)解像度でも平均236.7fps、最小139.2fpsと、どちらも問題なく滑らかなゲーム描画が可能でした。本体ディスプレイの高いリフレッシュレートも存分に生かせるでしょう。

 この手のシューター系タイトルで解像度を上げてプレイする人は多くないかもしれませんが、当然4Kでも滑らかな描画が期待できます。

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▲『エルデンリング』の計測結果。

 『エルデンリング』では、品質設定を「最高」に設定。ゲーム内で一定コースを移動した際の1分間のフレームレートを、「CapFrameX」で計測しています。

 どちらの解像度でも平均fpsが60fpsで頭打ちになっていますが、これは本作にフレームレートの制限がかかっているため。最小フレームレートも2つの解像度でほぼ変わらないため、高解像度でも問題なくゲームをプレイできます。

 こういった1人でじっくり探索する時間が多いタイプのゲームでは、画質設定を気にせず、なおかつ高解像度で問題なくプレイできるハイスペックPCのパワフルさが魅力的です。

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▲『ホグワーツ・レガシー』の計測結果。

 『ホグワーツ・レガシー』では、画質プリセットを「最高」に設定。ゲーム内の一定コースを移動した際の1分間のフレームレートを、「CapFrameX」で計測しています。

 WUXGA(1920×1200ドット)解像度では平均フレームレートが136.9fps、最低fpsが59.1fps、WQXGA(2560×1600ドット)解像度では平均134.5fps、最小54.6fpsと、こちらも2つの解像度でそれほどフレームレートが変わりません。

 移動コースに扉を開けて屋外に出る場面を含んでおり、そのシーンではフレームレートが60fps前後まで下がりますが、基本的には高いフレームレートで安定してプレイが可能と言えます。

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▲『パルワールド』の計測結果。

 『パルワールド』では、プリセットを「高」に設定しつつ各項目を調整。ゲーム内で一定コースを移動した際の1分間のフレームレートを、「CapFrameX」で計測しています。なお、本作のみ解像度でWUXGAおよびWQXGAが選択できないため、フルHD(1920×1080ドット)、WQHD(2560×1440ドット)での計測としました。

 フルHDでは平均141.5fps、最小73.2fps前後での描画が可能です。WQHDでも平均フレームレートは116.2fpsと悪くなく、最小フレームレートは55.7fpsでわずかに60fpsを割ってしまいますが、基本的には快適と言っていいでしょう。本作はややフレームレートが安定しない場面も多いですが、4K解像度でもプレイは可能でしょう。

リッチな環境でゲームを遊びたいなら、高価なゲーミングPCがオススメ


 ここまで見てきたように、高価なゲーミングPCは、ゲーム機を上回る高い解像度での安定したゲームプレイを可能にしてくれます。

 G-Tune H6-I9G80BK-Bは、高性能なCPUやGPUの能力をしっかりと引き出し、人気の高負荷ゲームタイトルも快適にプレイ可能なゲーミングノートPCです。ゲーミングPCは価格帯によりメリットやデメリットが異なるため、購入を考えているならしっかり吟味してみてはいかがでしょうか。

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