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ドラマ『ウイングマン』6話感想。前回に引き続きドリムノート奪われすぎ問題。颯爽と現れた第2のヒーロー(?)からどこかで覚えのあるイケボが聞こえてくる

文:米澤崇史

公開日時:

 テレビ東京系にて放送中のドラマ『ウイングマン』6話の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『ウイングマン』6話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。 [IMAGE]

健太と美紅が仲良くなっていく傍ら、少しずつ表情を曇らせていくアオイ【ウイングマン】


 第6話では、健太と美紅が順調に互いの距離を詰めていく一方、少しずつ異変が起き始めるアオイの姿が描かれました。

 もっと強くなるためにウイングマンの強化やトレーニングを始める健太に一瞬喜びかけたものの、それが「美紅を守るため」だったと告げられた時、一体どう感じていたのか。表向きには美紅のためにやる気を出している健太を応援していましたが、普段のアオイとは違う、どこか寂しげな雰囲気が漂っていました。


 ドリムノートを美紅に見せるシーンのやり取りでは、今まであまり見せなかった健太の弱音に近い部分がチラリと見えました。普段は能天気で、ウイングマンも喜んでやっている印象がありますが、内心では自分が皆を守らないといけない責任感と戦っていたことが明らかに。「自前のスーツは軽かった」という言葉も、今の自分が背負っているものの重さを感じているからこそ漏れたのでしょう。

 一方5話で撮影していたPVがお披露目され、そのアクションやカメラアングルが完全に素人の域を越えていて驚き。この映像を高校生が作ったとなるとかなりの話題になりそうなレベルで、実は撮影を仕切っていた福本が天才監督だった説が出てきました。

 健太にいては珍しく「映画を撮らない」という選択を取りそうになっていましたが、今はウイングマンとして強くなることに専念しないといけないという、使命感みたいなものがあったんでしょうね。美紅の後押しもあり、結局は映画を撮ることになり、美紅の健太への理解度が凄まじいスピードで上がっている感があります。

 そしてニヤリとさせられたのが、健太が初代『仮面ライダー』の主役・本郷猛にそっくりな衣装であの変身ポーズをとっていたこと。1話の感想でも触れましたが、健太を演じる藤岡真威人さんのお父さんは、本郷猛を演じた藤岡弘、さんその人。ポーズがめちゃくちゃ様になっていますし、変身シーンにはあのSEまでしっかりと入っていて、東映ビデオ制作ならではの強みが存分に生かされていたシーンでした。


 また美紅がつけた『夢戦士ウイングマン』は、1985年放送のTVアニメ版『ウイングマン』のタイトルだったりと、いろいろとネタが細かい。ただアオイが一瞬美紅に対して皮肉めいた発言をしたのは、今まで自分1人が担っていた健太の理解者であり相棒という立ち位置を、美紅に取られるんじゃないかと感じたからなのかなと思いました。

颯爽と現れた新ヒーロー……だけど、ちょっとスーツの手作り感が漂う【ウイングマン】


 Bパートで、一行は『スーパー戦隊シリーズ』を始めとする様々な特撮作品の聖地でもある栃木県・岩船山へ。

 作中では健太がナパーム爆破を生で味わえることに感動していましたが、実際の岩船山でもナパーム爆破を体験できる“岩船山爆破体験ツアー”が開催されていて、我々みたいな一般人も同じように撮影できるらしいんですよね。特撮のもう一つの聖地として有名な首都圏外郭放水路と並んで、一度行ってみたい場所です。


 撮影は無事終わったものの、今回から入部していた黒津によってドリムノートが奪われてしまうことに。ドリムノートが奪われたのは5話から連続で、やはりただ健太が持っているだけでは、大分セキュリティ面に問題があるような気がします。

 黒津の正体であるザシーバの手によってノートの中身が消されてしまうも、その後にノート自体をあっさりと美紅に返したのが気になるところ。ザシーバは今回の作戦について「手間が掛かる」「理解に苦しむ」と発言しているあたり、ノートを返すのもリメルの指示がありそうで、その目的も“ウイングマンを変身不能にして倒す”という単純なものではなさそうな予感。

 今のままのノートでは役に立たないことが5話で分かったので、リメルたちもまた今までと違う作戦を取って来ているのかもしれません。


 ウイングマンへの変身が不可能になる過去最大の窮地を救ったのは、正体不明の謎のヒーローでした。2号ライダーならぬ2号ヒーローも特撮のお約束ではありますが、膝のアーマーっぽい部分が装甲じゃなくただの刺繍になっていたり、下地のインナーがダボダボだったりと、健太の自作ウイングマンスーツ同様の手作り感が若干漂っています。

 一体何者なんだ……と言いたくなるところですが、スーツ越しに発せられる声があまりにも聞き覚えのあるイケボすぎて、9割以上の視聴者は察しがついてそうな気が。もし"あの人”が正体だとするなら、なぜ『ギャバン』ショーの存在を知って健太たちに教えたのかとか、いろいろ合点がいきます。

 6話のBパートは、崖から落下するダイナミックなシーンや、ザシーバの攻撃の爆発でもナパームを使っていたり、岩船山が舞台ロケ地なのを活かしたシチュエーションが豊富に見受けられたのも面白かったポイント。CGもかなり進歩しましたが、やっぱり本物の爆破がひと味もふた味も違うな……と改めて感じましたね。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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