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ドラマ『ウイングマン』5話感想。スーツ姿でウイングマンと互角に戦う、ティール(大原優乃さん)のアクションに新しい扉を開かれたかも。いよいよ健太・アオイ・美紅の三角関係が動き始める!?

文:米澤崇史

公開日時:

 テレビ東京系にて放送中のドラマ『ウイングマン』5話の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『ウイングマン』5話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。 [IMAGE]

北倉はなぜ健太に助け舟を出したのか?【ウイングマン】


 4話では、『ギャバン』ショーに二人で出かけることになった健太と美紅でしたが、ショーの最後、お手洗いにいったと思っていた美紅が、なぜかステージ上に現れるというハプニングが発生。

 冒頭から美紅らしからぬ笑みを浮かべたり、キレキレの動きで止めに入ったスタッフを一瞬で倒したり、普段の美紅とのギャップが凄まじすぎて、演じる菊地姫奈さんへの印象も結構変わりました。……個人的に、あのショーのギャバンが本物で助けにくる展開をちょっと期待していたんですが、さすがにそんなことはなかったですね。

 密かに後をつけていたアオイのおかげで、健太の正体もバレず、美紅も襲われた記憶自体がなくなったものの、ここ数日他人の記憶を弄りっぱなしのアオイは、かなり良心が痛んでいる様子。とくに美紅に関しては、前回に続いて健太と二人で過ごした時間をなかったことにしてしまったわけで、友達として美紅のことも好きなアオイにとっては罪悪感が大きいのでしょう。

 なお、この時アオイに記憶を消されたショーの演出家、やけに存在感あるなと思っていたら、なんと原作者の桂正和先生だったそうです。

 観客を避難させるためにショーのステージに立ったことで、また布沢からの疑惑を深めてしまう形となりましたが、なおも追求を続けようとしている布沢をたしなめて、結果的に健太を助けるような行動を北倉がしたのはちょっと意外なところ。

 北倉はドリムノートの成長のためウイングマンに様々な経験を積ませようとしていたので、健太がウイングマンを続けられなくなるような事態は避けたい……ということなのでしょうか。

 また北倉は、教育実習生の坂上について不自然なくらい塩対応をしていましたが、その正体が同じポドリムス人のティールだと一瞬で見抜いていたためでした。美紅に化けてショーで大暴れしたのもティールの仕業で、あの騒動も北倉の想定外だったことも同時に判明。

 となると、『ギャバン』ショーを健太たちに教えたのは、アクション演劇部の顧問として普通に仕事をしただけの善意だったのかもしれません(北倉のことだから、絶対に何か裏があるだろうと思っていたのは自分だけではないはず)。

偽物に本音を明かされ、勢いで告白までやってしまう驚きの展開【ウイングマン】

 一方ティーレは、健太と二人になったタイミングを見計らって美紅へと再び変身。健太を誘惑しようとしますが、タイミングがいいのか悪いのか、本物の美紅がその場を目の当たりにしてしまい、二人の美紅が一同に介するというカオスな展開に。

 おそらくは、ショーで拉致した時に美紅の記憶や深層心理を読み取っていたんじゃないかと思うんですが、ティーレの美紅への理解力があまりにも高い。本人が思ってもいないことを言って健太を困惑させるのではなく、心の奥底で隠している本音を明かすという、嘘はつかないやり方をしているのが面白くて、その場の勢いとはいえ、美紅が健太に「好き」と告白するという結果オーライな流れに繋がっています。

 両想いであることが判明してからの反応で、健太は本物の美紅を見分けることに成功するも、そこから正体を現した偽の美紅の豹変っぷりもすごかった。

 5話の冒頭でも菊地姫奈さんの演技力に触れたんですが、ここのシーンの演技は迫力がありすぎて画面越しにちょっとビビったレベルでした。『ウイングマン』だと正統派ヒロインですが、悪役とかもかなりハマりそうな方だなと。

 また、その後ティールとしてウイングマンと激しいアクションを披露してくれた大原優乃さんの存在感もすごかった。今回、ティールがあえてシードマン形態にならず人間の姿のまま戦ってくれたのが個人的なお気に入りポイントでして、生身のスーツ姿のままウイングマンと互角に戦ってるのが、日常的な服装に対する絵的なギャップとか、強キャラ感みたいなのも漂っていてめちゃくちゃ良かったです。「俺、こういうの好きだったんだ」と新しい扉を開いてもらった感覚もありました。

 それだけ魅力的な悪役だっただけに、その後にキータクラーの手にかかって退場となってしまったのはあまりにも惜しい……。ただ、これでキータクラーはリメルたちと完全に袂を分かつことになりそうで、今後どのように動くのか気になるところです。

 ティールもウイングマンに変身して、ウイングマン同士が戦う驚きの展開もありましたが、あっさりとドリムノートを置いていった上、「あのノートは使い物にならない」と断言するなど、今後の展開に関わりそうな気になる情報もチラホラ。現状、リメルたちよりもキータクラーの方が一手先を読んで動いている印象があります。

 最後には、アオイの記憶操作が失敗したことで、美紅も秘密を共有する仲間になりましたが、保健室で記憶を消されそうになってもずっと寝ているフリを続けていたあたり、美紅はやっぱりいい娘だなと。

 ただ、やっぱり気になるのはアオイの心境と状態。正直、ここ数話はウイングマンよりアオイの方が活躍してるんじゃないかというくらい、ディメンションパワーは役立っていたので、万が一記憶操作が使えなくなったら、今後のウイングマンの活動にかなりの支障をきたすであろうことは間違いありません。

 健太としても、アオイの故郷のことをないがしろにしているわけではないと思うのですが、美紅と両想いになれたことで舞い上がって、"記憶操作に失敗した”という大事な事実を忘れてしまっており、ここでアオイが曇るのは結構納得できる展開。表向きは二人の仲を応援しつつも、心のどこかに嫉妬があるような描写がずっと伏線として描かれてもいましたしね。


 ずっと部外者だった美紅も健太の秘密を知ったことで、ここから本当の意味での三人の三角関係がスタートしそうな予感。もう次回から付き合い始めてもおかしくない雰囲気の健太と美紅ですが、そこにアオイがどう絡んでくるのか、今後も目が離せません。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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