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ドラマ『ウイングマン』9話感想。最初から最後までキータクラー(宮野真守さん)の存在感がすごすぎた回。地球人を使ってウイングマンを捕まえようとするリメルの作戦がエゲつない(ネタバレあり)

文:米澤崇史

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 テレビ東京系にて放送中のドラマ『ウイングマン』9話の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『ウイングマン』9話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。 [IMAGE]

そろそろ健太にも気付いて欲しい北倉先生の正体【ウイングマン】


 ナァスからアオイを取り戻すことに成功した一方で、布沢がウイングマンの正体を世間に公表してしまうというショッキングなラストから続く形となった第9話。

 ナァスのおかげで一度失われかけていたアオイのディメンションパワーは復活したものの、アオイが苦しんでいる姿を見たくないという理由から、記憶操作という手段を行わずに事態の収拾を図ります。とはいえ、今までとは記憶の操作が必要な規模が違いすぎるので、仮にアオイの力を使うにしても対応は難しかったでしょうね。


 暗躍を続ける北倉先生ことキータクラーの真意も気になるところで、ここ最近は健太の前では、割といい教師っぽく振る舞っていましたが、今回は久々に北倉オンステージとでもいうべき意味深ポエムを連発。

 ポドムリス人が地球人のフリをできることは健太ももう知っているわけですから、ここまでの胡散臭い言動から、そろそろ健太も何者なのか正体を疑ってもいいような気もします。ただ、健太の視点から見ると、北倉先生って特撮ヒーローが好きな自分を肯定してくれた(おそらく)唯一の大人なんですよね。しかも、アクション演劇部で仲間たちができたきっかけを作ってくれた人物でもありますし、健太としては恩みたいなものを感じていて、疑いたくないという気持ちが強かったのかもしれません(キータクラーとしてはそんなつもりはなかったんでしょうけど)。


 個人的には、アクション演劇部の面々に詰められたときにもうすべての事情を明かしてしまい、力を借りるという行動を取るべきだったんじゃないかと思うんですが、健太は危険に巻き込みたくないという気持ちの方がまだ強かったようです。相談してくれなかったことに対して怒りを覚えていた福本は、本当に健太のことを大切な友達だと思っていたことが改めて分かって、さらに株が上がりましたね。

 そしてこの騒動の黒幕とも言えるリメルもついに健太たちの前に姿を現します。今まで一切その強さを見せていなかったリメルですが、たった一撃でウイングマンの変身を解除するほどのダメージを与えてくるあたり、これまで戦ってきた敵の中でも最強の存在であることは間違いなさそうです。

 キータクラーの救援によってなんとか難を逃れることには成功したものの、またまたドリムノートを奪われてしまうことに。ウイングマンの戦闘力よりも、ドリムノートのセキュリティを強化することの方が優先度高いんじゃないかと思うくらいの頻度でノートが奪われている気がします。

掌の上で踊らされていたことにショックを受けつつも、戦いの決意を固める健太【ウイングマン】


 その後はキータクラーの口から様々な情報が明かされ、実は今までの健太たちの戦いは、小さな願いを叶えさせてノートを成長させるためにリメルたちが仕組んでいたことが判明。キータクラーの正体が北倉先生、そして何度も助けてくれた謎のヒーローだったことも含め、健太とアオイはかなりショックを受けていたようですが、個人的にはキータクラーがリメルたちを裏切ったのが、ただ純粋に健太の存在に魅了されたからだったということの方がインパクトがありました。

 キータクラーの健太のへの執着っぷりを見ていると、なまじ声が宮野さんなだけに、「僕のだぞッッッ!」と所有権を主張し始めないかちょっと心配になったものの、この手の病んでる感じのイケメンを演じると、宮野さんの右に出る者はいないと改めて感じるハマりっぷりです。

 今までの戦いが、すべてリメルの掌の上で踊らされていたことを承知の上で、その計画の誤算として、健太が啖呵を切ってウイングマンに変身するシーンは激アツでしたね……!。


 ただ、これが最終決戦でなければ、きっとこの勝ちフラグの勢いのままウイングマンが大勝利していたんじゃないかと思いますが、リメルは地球人に健太を差し出させようとする、かなりエゲツない作戦を実行し、再び事態は一変します。

 アクション演劇部のシーンでは、健太が追われる立場になった原因を作った布沢に対し、福本が激怒して美紅に静止される一幕もありましたが、正直福本の怒りは至極真っ当なものだと感じました。真実を追い求めたい布沢の気持ちも分かりますが、その事実が公開されることで、健太の身に何が起きるかの想像力が足りていなかったように思えます。

 もっとも、リメルはウイングマンの正体を前から知っている上、総理大臣すら簡単に操れることを考えると、地球人を利用してウイングマンを追い詰める作戦は、布沢の記事があろうがなかろうが遅かれ早かれ決行されていそうではあります。


 これでついに残すは最終話のみとなった『ウイングマン』。今回のキータクラーのおかげで判明したことも多いですが、リメルはドリムノートで何をやろうとしているのか、キータクラー自身はどう動くのか、ドリムノートが手元になく能力の強化ができない今、健太たちはどう立ち向かうのか、地球の人々はウイングマンを差し出すのかなど、まだケリがついていない問題も多いので、最終回も見どころ満載の内容となりそう。

 個人的には、健太がアオイと美紅のどちらを取るのかというヒロインレースの行方も気になりつつも、健太たちの戦いを最後まで見届けたいと思います。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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