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『ペルソナ3 リロード』レビュー。現代技術で美しく、快適にリメイクされた学園ジュブナイルRPGの金字塔【冬のレビュー祭】

文:電撃オンライン

公開日時:

 アトラスから2024年2月2日に発売されたRPG『ペルソナ3 リロード(P3R)』(Xbox Game Pass/Xbox Series X|S/Xbox One/ Windows/PS5/PS4/Steam)のレビューを届けします。

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 電撃オンラインでは、この冬に遊びたい発売済みの名作や発売前の新作を対象とした特別企画“電撃冬のレビュー祭”を展開中です。

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 なお、PS4/PS5版が2025年1月6日まで、Steam版が2025年1月2日まで、40%オフの5,808円で購入できます。この年末年始にプレイするなら、このセールをお見逃しなく!

現代技術でリメイクされた『P3』を遊べる幸せ【ペルソナ3 リロード レビュー】


 本作は、2006年にPS2向けソフトとして発売された『ペルソナ3(P3)』のリメイク作です。『P3』はシステムを一新し、今の『ペルソナ』シリーズを形づくる原点となった作品。個人的にも思い出深い作品で、リメイク決定の知らせを聞いて大喜びしたことを覚えています。

 これまで『ペルソナ3 フェス(P3F)』や『ペルソナ3 ポータブル』も発売されましたが、今回はオリジナル版がベースになっています。

 とはいいつつも、“コロマルの散歩”、“学生寮の監視カメラ”、“アイギスのコミュ(永劫)”など、『P3F』の一部要素も楽しめ、新規要素も多数追加されたボリューム満点のリメイクです。

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 『P3R』ではグラフィックやUIが刷新され、懐かしさは残しつつも、今遊びやすい作品に仕上がっています。

 キャラクターイラストや3Dモデルは美麗に進化していますが、しっかりオリジナルの魅力を残したまま、思い出のなかのキャラクター像がしっかりと保たれたデザインになっているのがステキなんですよ。

 UIのデザインも1つ1つがおしゃれで、それでいて、ちゃんとわかりやすいんです。「今のペルソナチームがリメイクすると、こうなります!」という気合い、心意気を、プレイしていてひしひしと感じました。

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 プレイスタイルで選べる難易度、手軽にできるセーブ・ロード(1日ごとの行動が大切な本作では、本当に助かります)、マップ移動の便利さなど、操作性も快適です。

 オリジナル版ファンにはもちろん、『P3』未プレイの方や『ペルソナ』シリーズ初心者にも全力でオススメできるリメイクになっています。

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結末を知っていても、何度も遊びたくなる物語【ペルソナ3 リロード レビュー】


 物語は、主人公が港区の人工島ポートアイランドにある月光館学園高等部に編入してくるところからスタート。寮で怪物・シャドウの襲撃を受けた彼は、ペルソナ能力に覚醒します。

 彼は同じ学生寮で生活する特別課外活動部(S.E.E.S.)の仲間と協力して、1日と1日の間にある“影時間”や、そこで出現するシャドウの謎を調べていくことに……。

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 追加要素として敵対するグループ・ストレガのエピソードや、男性キャラクターとのリンクエピソードが見られるようになりました。登場人物たちとの関係性が深掘りされたことで、より1つ1つの出会いと別れが、感慨深いものになっています。

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 私はオリジナル版も含めて何周もしているのですが、いつも新鮮に感情が揺さぶられ、特定のシーンや最終決戦以降は泣いてしまうんですよね。大人になって、涙腺がゆるくなったのもありますけど(笑)。

 王道・青春ジュブナイルの明るく爽やかな学園生活を描きつつも、その奥に内包している重いテーマについて、いろいろと考えさせられるメッセージ性の強い物語。

 発売当時遊んでいたのと、時を重ねた今遊ぶのでは感じ方も大きく変わった部分もあります。ギスギスすることの多かった仲間との関係も、大人になってみると「若者らしくて微笑ましいな」と思えたり……。ちなみにオリジナル版よりも、仲間との関係性はかなりマイルドになっています。

 サブキャラクターを含めて登場人物も層が厚いので、どんな世代の方にも、刺さるエピソードがあると思います。

 結末を知っていても、何度も主人公たちの日々を見守りたくなる本当に大好きな作品です。

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日常生活やタルタロス探索もパワーアップ【ペルソナ3 リロード レビュー】


 カレンダー方式が採用されていて、プレイは1日単位で進んでいきます。行動回数は昼と夜の各1回で、基本的に何をするのもプレイヤーの自由!

 気になる人物とコミュを築いて、友情や愛情を深めたり、バイトや勉強をして自分を磨いたり、充実しすぎている学生生活を送ることができます。

 個人的にオリジナル版は、夜の時間にできることが少なかった印象があります。主人公は学生だし、影時間に出現するタルタロス探索っていう大きな目的があるので、仕方がないんですけどね。

 本作では夜の時間帯、寮にいる仲間と試験勉強をしたり、料理をしたり、交流できるようになっています。一緒に過ごす時間が増えたことで、仲間との一体感が増した感じも嬉しかったです。

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 影時間にのみ出現するダンジョン・タルタロスの探索も、進化しています。グラフィックが美しくなったことで、ダンジョン内の不気味さもいい意味でアップ。

 視点を動かせるようになり、いろいろな場所を見渡すことができるようになりました。強敵が待ち受けているけど、レアなアイテムが手に入る“モナドの扉”の出現、オブジェクトを破壊して素材を手に入れる要素なども追加され、すみずみまでタルタロス内を探索したくなる仕組みになっています。

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 シャドウの弱点を突いてダウンさせ、“1MORE”(再行動)を狙う爽快感満点のバトルもパワーアップしています。行動メンバーを変更する“シフト”が増え、弱点も狙いやすくなりました。

 全員ダウンさせたときに発生する“総攻撃”でフィニッシュすると、1枚絵の特殊演出が登場するように! 全員ぶん見たくて、何回もパーティを調整してしまいました。

 また、ゲージを貯めることで発動できるようになる必殺技“テウルギア”も追加されています。仲間それぞれの演出がとても凝っていて、見ごたえバツグンですよ。

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“Episode Aegis”で描かれるもう1つの結末【ペルソナ3 リロード レビュー】


 本作には、多彩なDLCも用意されています。そのなかの1つ『ペルソナ3 リロード: エクスパンションパス』(税込3,850円)を購入すると、各種BGMや衣装セットに加え、追加シナリオ・ダンジョン“Episode Aegis”が遊べるようになります。

 “Episode Aegis”は、『ペルソナ3 フェス』に追加された後日談エピソードで、仲間の1人・アイギスが主人公です。『P3R』のゲーム体験に合わせる形で、本エピソードもリメイクされました。

 物語の舞台は、閉鎖を明日に控えた学生寮。異変が起こって、S.E.E.S.のメンバーたちは繰り返される3月31日に閉じ込められてしまいます。そんななかアイギスと同じ機械の少女・メティスの襲撃、地下に謎の空間・時の狭間の出現と、さまざまな事態が起こって……。

 なんらかの理由で主人公と同じワイルドの能力に目覚めたアイギスを中心に、S.E.E.S.の新たな戦いが幕を開けます。

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 DLCではありますが、ダンジョンもシナリオも、かなり遊びごたえのあるボリュームになっています。仲間たちの過去など、新たな一面を知ることができるのも見どころです。『ペルソナ3』のストーリーをすべてを見届けたいという方は、ぜひプレイしてみてください。

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