電撃オンライン

『喧嘩番長 乙女 ダブルパック』インタビュー。Switch版はある意味逆輸入!? 日本でも海外でも人気のキャラクターは、やはり“彼”

文:電撃オンライン

公開日時:

最終更新:

 スパイク・チュンソフトより2025年1月16日に発売されるNintendo Switch用恋愛アドベンチャー『喧嘩番長 乙女 ダブルパック』のアソシエイトプロデューサー・宮尾知美氏へのインタビューをお届けします。

[IMAGE]

『喧嘩番長 乙女 ダブルパック』開発者インタビュー

──『喧嘩番長 乙女 ダブルパック』はまず、繁体字中部文版としてアジアで先行発売されましたが、そこに至った経緯を教えていただけますでしょうか。また、発売後のアジアでの反応はいかがでしたか?

 『喧嘩番長 乙女 ダブルパック』は、今回開発を担当いただいたJUSTDANさんからアジアに向けて『喧嘩番長 乙女』のローカライズ版を出したいというお話をいただいたところから始まりました。

 先にアジア版の発売が決まっており、開発も当初はアジア版のみの想定で動き出していたのですが、この機会に日本版としても移植が行えないか…というご相談をしたところ、日本版の移植開発もJUSTDANさんに請け負っていただけることとなり、日本版の発売も決まりました。そのため、アジア版がマスターアップしてから日本版の開発に着手するという“逆輸入”のような珍しい流れとなりました。

 アジアのユーザーさんは日本語がわかる方も多いということで、日本版を買ってプレイいただくことも多いようなのですが、やはり全員が全員そうではないので、純粋にアジアに向けてちゃんとローカライズされたものが発売されるということ自体に非常に喜んでいただけたようです。

 また、ストーリーを読むだけの作品がほとんどななかで、本作のようなゲーム性のあるパートを含んでいる乙女ゲームが珍しく、新規の乙女ゲームファンにも興味を持っていただくきっかけとなりました。

──いわゆる“日本のヤンキー文化”は、アジア圏ではどのように受け止められているでしょうか?

 近年、ヤンキーを題材にしたアニメなども多くなってきており、ACG界隈(アニメ、マンガ、ゲームを中心としたコンテンツのファン層)ではおなじみの日本文化のひとつとして認識されてきているようです。

 ただ、“友情”、“絆”、“熱血”といった、泥臭さのあるイメージを強く持たれているため、それが乙女ゲームになるとどうなるのか? といった部分が本作へのフックとなりました。実際にプレイいただいた方々からは、ストーリーが面白く、親しみやすいキャラクター達のおかげで、“ヤンキー=怖い”のイメージがまったくなく、楽しく遊べた、というお声を多くいただきました。

[IMAGE]
──日本と海外ではキャラクター人気に違いは感じますか?

 キャラクター人気については大きな違いはなく、全員好き! と言ってくださる方も多いのですが、1人挙げるなら日本でも海外でも“箕輪斗々丸”の人気が高い印象です。また、サブキャラクターではありますが“坂口春生”も人気がありまして、坂口のストーリーも見たい! というお声も日本と海外問わずいただいています。

──相手に対してタンカを切る“タンカバトル”には、指定されたセリフ以外に裏タンカがあります。裏タンカの、ことわざや元号の語呂合わせなどはどのように翻訳したのでしょうか?

 こちらの翻訳は苦労しました。同じ意味のことわざでしたらもちろん問題はないのですが、日本特有のことわざとなると、そのまま翻訳しても中国語ユーザーには伝わらないため、日本語に沿って翻訳するか、耳慣れたことわざに変更するか、そこの判断が難しかったです。

 アジア圏出身のスタッフの意見も取り入れつつ、翻訳の方向性を決めました。日本語に沿って翻訳すると伝わりにくいと感じたものに関しては、中国語の似ていることわざに調整したり、勉強系の内容はアジアで馴染みのある内容に変更したりしています。

──アジア版発表の時点で、日本版を待ち望む声も多かったと思います。日本発表時のユーザーの反響はいかがでしたか?

 とても良い反響をいただいたと感じました。公式Xから発信した発売決定のポストも高いインプレッション数となり、発売を喜んでいただいているコメントやお祝いイラストなどを沢山拝見しました。

[IMAGE]
──現行機に移植するにあたって、こだわった点や、苦労した点があれば教えて下さい。

 一番こだわったのは、立ち絵の高解像度化の対応です。今回Nintendo Switchへ移植され、モニターに出力してプレイすることが可能になりました。大きな画面でキャラクターを見られるのを楽しみにしていただいているであろうと考えておりましたので、立ち絵等については可能な限りブラッシュアップし、快適にプレイいただけるように意識しました。

[IMAGE]
──『喧嘩番長 乙女』にも『喧嘩番長 乙女〜完全無欠のマイハニー〜』で実装されたシーンバック機能やシステムボイスのランダム設定等が追加されていますが、それ以外に何か仕様の変更はありますか?

 基本的にはベタ移植となっておりますので、挙げていただいたような細かい部分での調整は行っておりますが、それ以外には特に仕様の変更はございません。その代わりに、前述の通り性能面でのブラッシュアップに努めました。

──開発スタッフの皆さんの中では“友情ルート”と“恋愛ルート”どちらが好評でしょうか?

 キャラクターにもよりますが、全体的には“恋愛ルート”の方が好評でした。普段は喧嘩っ早くて不器用なヤンキー達が恋に落ちた時のギャップを感じられるのが、やはり“恋愛ルート”ですので、皆さんもそのギャップのある姿にキュンキュンしていただけること間違いなしです。

──『喧嘩番長 乙女 2nd Rumble !!』以来、ファンとしては約6年近く経ってキャラクターと再会した訳ですが、改めて他にはない魅力を感じ、キュンキュンする事が出来ました。もっと獅子吼(ししく)学園の皆とわちゃわちゃしたい! という気持ちなのですが、この流れで『喧嘩番長 乙女 2nd Rumble !!』の移植や、シリーズの続編や新作の予定はありますか?

 現時点ではっきりとしたことがお伝えできず申し訳ないのですが、移植の件も含めて、今後も『喧嘩番長 乙女』シリーズの展開を考えていきたいと思っています。

──パッケージ版の予約特典には、書き下ろしのショートストーリーがつきますが、こちらの見どころや、執筆された際のエピソードなどを教えて下さい。

 今回の書き下ろしショートストーリー“ライブの頂点を極めし者”は、『喧嘩番長 乙女』シリーズお馴染みのわちゃわちゃとした雰囲気を感じられるストーリーとなっています。以前から制作に携わっていただいているライターさんに今回も執筆いただいていますので、獅子吼の面々が繰り広げるやり取りにクスリと笑ってしまったり、かと思ったらふいにキュンとさせられたり、相変わらずの『喧嘩番長 乙女』の世界に浸れるお話となっていますので、予約していただいている方はこちらもお楽しみください。

[IMAGE]
──まだ遊んだ事のないユーザーに、改めて本作の魅力を伝えてください

 『喧嘩番長 乙女』は恋も友情も楽しめる、甘いだけじゃない新感覚の乙女ゲームです。乙女ゲームですのでキュンとするシーンや甘い要素はもちろんあるのですが、わちゃわちゃとした雰囲気の中で感じられる友情の視点でもストーリーを楽しんでいただけると思います。普通の乙女ゲームに飽きてしまった方や、甘すぎる乙女ゲームが苦手な方にも是非手に取っていただきたい作品となっています。

 また、本作はPS Vitaで発売されていた『喧嘩番長 乙女』と、ファンディスクである「喧嘩番長 乙女~完全無欠のマイハニー~」の2タイトルが1本のソフトで遊べるお得なダブルパックとなっています。これまで気にはなっていたけど遊んだことがなかった…という方は、この機会に是非『喧嘩番長 乙女』の世界に浸っていただけたらと思います。

 楽曲もかっこいいので、プレイしながらお気に入りの曲を探してみてください!

──最後に、楽しみにしているファンや読者に向けてのメッセージをお願いします。

 全国の番長の皆さん、大変お待たせいたしました。

 皆様のおかげで、2025年1月16日に「喧嘩番長 乙女 ダブルパック」の発売を迎えることができます。いつも応援ありがとうございます。

 女子力を磨いて愛を育むもよし、拳と漢気でマブダチになるもよしです。皆様各々のプレイスタイルで獅子吼での学園生活を楽しんでいただけたら幸いです。

 公式Xでカウントダウンも実施中です。発売日までもう少しお待たせいたしますが、色々な情報をチェックして、獅子吼入学の時まで気持ちを高めてお待ちいただければと思います。

 今後とも『喧嘩番長 乙女』を応援よろしくお願いいたします。

    本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります