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【ヘブバン感想】3周年イベントは想像以上のどんでん返し。ただ、作品の“最上の、切なさを。”というコンセプトもしっかり守る良質なシナリオだった【ヘブンバーンズレッド日記#184】

文:カワチ

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 iOS/Android/PC用ドラマチックRPG『ヘブンバーンズレッド(ヘブバン)』のプレイ日記をお届けします。

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※本記事内には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。

これも“最上の切なさ”を描くストーリー【ヘブバン感想】


 こんにちは。ライターのカワチです。2月2日より3周年イベント“あの娘ぼくが唯一の光だと言ったらどんな顔するだろう”が開催されました。

 すでに開催から日数が経っているので少しだけネタバレをしてしまいますが、今回のイベントは“物語の序盤でユイナ先輩が31Aに加入していたら……”というIFストーリーであるものの、後半に驚くようなどんでん返しが用意されていました。

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 これまでの『ヘブバン』のイベントストーリーには様式美のようなものがあり、過去の出来事を乗り越えてキャラクターが前に進んでいく内容が基本でした。ただ、今回はそんな展開から大きく外れ、一見すると『ヘブバン』の枠からも外れるような設定の壮大なストーリーを描き、最後は予想できない結末へと向かっていきました。

 正直、戸惑ってしまったユーザーも多いのではないでしょうか。ただ、個人的には作品に新しい刺激があることは大歓迎ですし、その方向性を作品のキーマンである麻枝さんが手がけてくれたことがうれしいです。

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 そのストーリーも“最上の、切なさを。”というテーマに沿ったものになっていますし、“記憶”が大事になっており、きちんと『ヘブバン』らしさが詰まっていたと思います。

 そのなかで、ソーシャルゲームとして生まれた作品のストーリーやキャラクターの魂の在り処をメタ的に解釈する描写もあり、とても興味深かったです。難解な部分もありますが、考えるきっかけを与えてくる素敵なストーリーになっているのでぜひチェックしてみて欲しいですね。

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 今回のイベントは月歌が空を見上げるユイナ先輩を見つけるシーンからスタート。「光を見ていた」と語るユイナは「人差し指と親指のわずか1cmの中にも、138億年前の光の粒子が410個ある」と宇宙のはじまりや生命のはじまりについて語ります。詩的なセリフが続きますが、この序盤の会話が後半の展開につながっていくことになります。

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 会話の最後に「そう…私は白河ユイナだ。」と悲しそうな表情でつぶやくユイナ先輩が印象的ですが、このシーンはイベントをクリアしたあとにもういちど振り返るとより切なさが伝わるシーンになっています。

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 その後は物語が飛び、31A部隊のメンバーが出会った日に。めぐみんが現われて月歌にケンカを売るところで、本来はタマが仲裁に入るはずが、今回はユイナ先輩が登場。『ヘブバン』プレイヤーであれば、このIF展開には驚いたはず。過去が改変されたのか、違う世界線の話なのか、興味深くストーリーを進めることが出来るでしょう。

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 部屋でみんなでUNOをしたりカフェでバイキングを楽しんだりと、古くからの『ヘブバン』プレイヤーにとっては懐かしく感じる序盤のイベントが、ユイナ先輩が加わることによって新鮮に進行。いわゆる“やり直し系”の作品を鑑賞しているような気分でストーリーを楽しめます。

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 また、夕食後のイベントではユイナ先輩が「リセマラなどとっくに終わっているだろう」とメタ的な発言をするシーンも。月歌はユイナ先輩がなにを言っているのか分からなくて不思議がるものの、プレイヤーはニヤリとしてしまうシーンですね。

 ギャグではあるのですが、ガチャで手に入る衣装違いのキャラクターの存在をメタ的に批評するような意味合いにも感じ取ることができ、興味深かったです。

 2日目に関しては、手塚司令官からのセラフやキャンサーの説明についての会話をユイナ先輩が遮って要約して話をしたり、まるでゲームの2周目を体験しているような雰囲気に。

 チームワークを試すという戦闘訓練では、本来はユイナが所属しているはずの30G部隊が登場。歴戦の戦いを繰り広げてきた30G部隊に結成されたばかりの31Aが勝てるわけはありませんが、ユイナの活躍によって簡単に30Gをくだしてしまいます。

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 今回のイベントからストーリーの設定にあわせた固定レベルのパーティを選ぶことができるようになりましたが、ぜひこのパーティを使ってユイナ先輩の強さを実感してみて欲しいですね。

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 その後もメインストーリー第1章の展開をなぞるようにイベントが進行。31C部隊と31Aの称号をかけて勝負することになり、彼女たちとともに新宿ドームのキャンサーを倒しにいきます。

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 強敵であるデスフラッグもユイナ先輩が倒してしまい、不意打ちで襲われたドーム住人の子供もユイナ先輩が救ってしまいます。ここは今までの展開のなかでも、とくにゲームの最速RTAを観ているような怒涛の流れでした。

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 31Cは自分たちの負けを認めますが、彼女たちが31Aの称号にこだわっていた理由を知って意気消沈。守るべきもののために戦っていた31Cメンバーに対し、自分たちはユイナ先輩に頼りきっていたことに悩みます。

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 月歌はなにひとつ自分たちの力で成し遂げられなかったことを打ち明け、自分たちの成長のため、ユイナ先輩に30Gに戻って欲しいと伝えます。その言葉を聴いたユイナ先輩は……?

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 ここから先の展開はサプライズ満載なのでぜひ実際にゲームを遊んで驚いて欲しいです。『ヘブバン』という作品と茅森月歌というキャラクターについて深く考えさせられるので、ぜひじっくりプレイして思いに浸ってくださいね。

 短編として楽しめるシナリオですが、『ヘブバン』全体を批評するような内容でしたし、もしかしたら今後の伏線としてつながるかもしれない意味深な会話なども用意されていて、個人的にはとても興味深く読めました。次のイベントも楽しみです!


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