2025年3月4日に配信された『幻想水滸伝』シリーズの公式番組“幻想水滸伝Live”で発表された『幻想水滸伝 STAR LEAP』(以下、『幻水SP』)。こちらはモバイルでリリースされるシリーズ最新作となります。
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主人公や世界観、キャラクターデザインなど断片的でありながら多くの情報が発表され、新作を待ち望んでいたファンから熱い注目を集めています。
そんな話題作について、早速プロデューサーの藤松信也氏、ディレクターの孟山嘉起氏へインタビューを実施。作品に込められた想い、そして公開動画をベースに気になる点をうかがったので、ぜひ動画と見比べながら読み込んでください。
藤松信也:『幻想水滸伝 STAR LEAP』プロデューサー(株式会社コナミデジタルエンタテインメント プロデューサー)
孟山嘉起:『幻想水滸伝 STAR LEAP』ディレクター(ミスリル株式会社代表取締役CEO)
索引
「新しい『幻想水滸伝』のゲームが来た!」と喜んでいただきたい
――新たに発表された『幻水SP』ですが、まずはお2人の経歴と、本作でのかかわり方などをおうかがいできればと思います。
藤松
私は『幻想水滸伝』シリーズに直接携わったことはありませんが、KONAMIにコンシューマーのプログラマーとして入社して以降、プランナー、ディレクター、プロデューサーと役割を変えながらも20年以上制作現場にいます。
モバイルゲームを担当することが多く、今回発表させていただいた『幻想水滸伝 STAR LEAP』でもプロデュースを担当しております。
モバイルゲームを担当することが多く、今回発表させていただいた『幻想水滸伝 STAR LEAP』でもプロデュースを担当しております。
孟山
本作ではディレクターを担当しております。後にまたお伝えするかと思いますが、本作はモバイルゲームでありながら、コンシューマゲームを遊んでいるような体験にするため、ゲームデザインだけでなく、アートワーク、シナリオ、サウンドなど全体にこだわりを持ってディレクションしております。
――モバイルゲームでの新作という展開に驚いたファンも多いと思いますが、この企画はどういった狙いでスタートしたのでしょうか?
――モバイルゲームでの新作という展開に驚いたファンも多いと思いますが、この企画はどういった狙いでスタートしたのでしょうか?
藤松
公式番組“幻想水滸伝Live”でも内藤(塁氏。『幻想水滸伝』シリーズプロデューサー)が話した通り、『幻水SP』はゲームとしての『幻想水滸伝』シリーズを、より多くの人に手軽に触れてもらいたいという狙いがあります。そういう意味でもモバイルという形を選択しました。
『幻水SP』のメインストーリーは“if”や“パラレルワールド”ではなく、ナンバリングの『幻想水滸伝』の世界と歴史の中に入ってきます。『幻想水滸伝』シリーズをそもそも知らないという方にとってはシリーズに触れる入口となるゲームにしたいという想いがあり、シリーズファンの方には「新しい『幻想水滸伝』のゲームが来た!」と喜んでいただけるものを作りたいと思っております。
――孟山さんは今回の企画をKONAMIさんからうかがったとき、どういった想いでしたか?
『幻水SP』のメインストーリーは“if”や“パラレルワールド”ではなく、ナンバリングの『幻想水滸伝』の世界と歴史の中に入ってきます。『幻想水滸伝』シリーズをそもそも知らないという方にとってはシリーズに触れる入口となるゲームにしたいという想いがあり、シリーズファンの方には「新しい『幻想水滸伝』のゲームが来た!」と喜んでいただけるものを作りたいと思っております。
――孟山さんは今回の企画をKONAMIさんからうかがったとき、どういった想いでしたか?
孟山
「ディレクターをやってほしい」と依頼を受けたとき、まだ『幻想水滸伝』をモバイルゲームで作るという部分しか決まっていませんでした。私はもともと『幻想水滸伝』シリーズの大ファンなので、新作に対するファンの期待が高いことも知っていましたし、そこに応える必要があるので相当な重圧がありました。
また、シリーズ自体もナンバリングは『幻想水滸伝V』(2006年)、スピンオフでは『幻想水滸伝ティアクライス』(2008年)、『幻想水滸伝 紡がれし百年の時』(2012年)が発売されてからだいぶ時間が経っています。あらためて新しいユーザーさんにも魅力を知っていただくため、『幻想水滸伝』シリーズのよさをしっかり伝えないといけないと考えました。
『幻想水滸伝』シリーズをモバイルゲームでリリースするならば、しっかりコンソールでの『幻想水滸伝』の楽しさや遊び心地が感じられるモバイルゲームにしたほうが、ファンの方にはきっと喜んでいただけるだろうなと。そうするには、と考えるところから企画が本格的にスタートしました。
――「しっかりストーリーを追いかけるタイプのゲームにしよう」と決めるところから入ったということなんですね。
また、シリーズ自体もナンバリングは『幻想水滸伝V』(2006年)、スピンオフでは『幻想水滸伝ティアクライス』(2008年)、『幻想水滸伝 紡がれし百年の時』(2012年)が発売されてからだいぶ時間が経っています。あらためて新しいユーザーさんにも魅力を知っていただくため、『幻想水滸伝』シリーズのよさをしっかり伝えないといけないと考えました。
『幻想水滸伝』シリーズをモバイルゲームでリリースするならば、しっかりコンソールでの『幻想水滸伝』の楽しさや遊び心地が感じられるモバイルゲームにしたほうが、ファンの方にはきっと喜んでいただけるだろうなと。そうするには、と考えるところから企画が本格的にスタートしました。
――「しっかりストーリーを追いかけるタイプのゲームにしよう」と決めるところから入ったということなんですね。
藤松
そうですね。やはりいままでのナンバリングの世界で、正史の中に入っていくものにするということを考えると、そういう方向性に自然と決まりました。
コンシューマライクにストーリーを追いかけ、そのなかで108星の仲間たちを集めてなにかを成していくという、『幻想水滸伝』シリーズの楽しさでありRPGらしさを、モバイルゲームだからと削るのではなく、しっかり体験できるものをモバイルゲームに持ってこようという考え方でした。
――新キャラクターを立てるというのは、ある意味必然だったと?
コンシューマライクにストーリーを追いかけ、そのなかで108星の仲間たちを集めてなにかを成していくという、『幻想水滸伝』シリーズの楽しさでありRPGらしさを、モバイルゲームだからと削るのではなく、しっかり体験できるものをモバイルゲームに持ってこようという考え方でした。
――新キャラクターを立てるというのは、ある意味必然だったと?
藤松
はい。本作は「新しい主人公で、新しい108星の物語が始まるんだ」と、発表した段階からみなさんに作品が目指す部分を感じていただきたかったので。
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なお、『幻水SP』の時系列はこれまでのシリーズ同様に太陽暦で世界が同じなので、過去作のキャラクターと絡んだり、後日譚が語られたりもします。
とはいえ、あくまで『幻水SP』の主人公と新しい108星がメインで、そこにシリーズキャラクターも登場するという“お楽しみ”がある作品だと思ってください。
――プラットフォームがモバイルなのでそのあたりが少し心配でしたが、ストーリーへの期待が高まりワクワクが止まらないです。
藤松
ありがとうございます。我々もナンバリングを作る気持ちで、制作に挑んでいるところです。
――ちなみに、“STAR LEAP”とサブタイトルが付いていますが、こちらに込められている想いなどを教えてください。
――ちなみに、“STAR LEAP”とサブタイトルが付いていますが、こちらに込められている想いなどを教えてください。
藤松
サブタイトルはかなり悩みました。制作チーム、プロモーションから何百というアイデアを出して決めたのですが、サブタイトルを付けるからにはゲームの内容を少しでも表したいと考えていました。
本作の物語は『幻想水滸伝』シリーズの正史になりますが、いろいろな時代を描くことができる仕掛けが用意されています。
さらに、本作はモバイルゲームとしての楽しみ方として、いろいろなナンバリングのキャラクターたちが入手できて、彼らを編成して遊べるコンテンツもあります。正史ではなくこちらは逆にifになりますが、いわゆる「好きなキャラクターを使ってドリームチームが組めますよ」という遊びですね。
ですので、“STAR LEAP”には“いろいろな時代のキャラクターたちが集まってくる”という意味もあります。
――シリーズファンとしては「なるほど」と納得のサブタイトルですね。孟山さんはサブタイトルの選定にご参加された形ですか?
本作の物語は『幻想水滸伝』シリーズの正史になりますが、いろいろな時代を描くことができる仕掛けが用意されています。
さらに、本作はモバイルゲームとしての楽しみ方として、いろいろなナンバリングのキャラクターたちが入手できて、彼らを編成して遊べるコンテンツもあります。正史ではなくこちらは逆にifになりますが、いわゆる「好きなキャラクターを使ってドリームチームが組めますよ」という遊びですね。
ですので、“STAR LEAP”には“いろいろな時代のキャラクターたちが集まってくる”という意味もあります。
――シリーズファンとしては「なるほど」と納得のサブタイトルですね。孟山さんはサブタイトルの選定にご参加された形ですか?
孟山
私もいくつかアイデアは出しました。最終的には藤松さんが「“STAR LEAP”で!」と強く押されて、それでいきましょう、となった感じです。
――ちなみに、タイトルの略称などは決まっていますか?
――ちなみに、タイトルの略称などは決まっていますか?
藤松
“STAR LEAP”の最初と最後の文字を取って『幻水SP』にしました。
SPにはスマートフォン(SmartPhone)という意味も込めることができるので、みなさんにも「『幻想水滸伝』のモバイルのゲームだな」と覚えていただきやすいんじゃないかなと思いまして。スペシャル(Special)な感じもありますし。
――なるほど。略称にも意味があると聞くと、あらためてすごく深みのあるタイトルですね。
SPにはスマートフォン(SmartPhone)という意味も込めることができるので、みなさんにも「『幻想水滸伝』のモバイルのゲームだな」と覚えていただきやすいんじゃないかなと思いまして。スペシャル(Special)な感じもありますし。
――なるほど。略称にも意味があると聞くと、あらためてすごく深みのあるタイトルですね。
新たな108星を手掛けるのは人気イラストレーターのもりょ氏
――本作のキャラクターデザインはもりょさんが担当されているとの発表がありました。今回お願いされた経緯などをうかがえますでしょうか?
藤松
もりょさんの描くイラストやキャラクターデザインは、ファンタジー世界や物語を感じさせてくれるタッチで、『幻水SP』の世界観ととてもマッチしていると感じ、今回お願いする流れとなりました。
配信番組では主人公を含め5人を公開しましたが、今後の配信で他のキャラクターたちもお見せしていく予定です。
配信番組では主人公を含め5人を公開しましたが、今後の配信で他のキャラクターたちもお見せしていく予定です。
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――108人ものキャラクターをデザインすることになったわけですが、もりょさんとのやり取りはいかがでしたか?
藤松
厳密には、108星のキャラクターすべてをご自身でゼロからご担当されたわけではありませんが、実際に多くのキャラクターをデザイン、清書していただいております。
ただ、108星キャラや、本作で登場する新規の敵はすべてご監修いただいています。
――デザインをご依頼される流れはどういったものなのでしょうか?
ただ、108星キャラや、本作で登場する新規の敵はすべてご監修いただいています。
――デザインをご依頼される流れはどういったものなのでしょうか?
孟山
シナリオやキャラクターの設定をもりょさんにお伝えし、いっしょに考えながらキャラクターにマッチしたデザインを出していただきましたので、すべてのキャラクターに命を吹き込んでいただいたと思っています。もりょさんのデザインのおかげで、私自身もインスピレーションが湧いて、キャラクターの奥行きや物語性が生まれた部分も多くありました。
一緒にお仕事をさせていただく中で、もりょさんのエネルギーをすごく感じましたし、真摯に取り組んでいただいて感謝しております。もりょさんご自身も、この作品をすごく愛してくださっているんじゃないかなと。
――シリーズはナンバリングが5作品あり、スピンオフなども含めるとものすごい数のキャラクターがいるので、デザインがかぶらないようにすることは本当に大変だったのではないでしょうか。あまりの物量でご苦労されたのではないかなと(苦笑)。
一緒にお仕事をさせていただく中で、もりょさんのエネルギーをすごく感じましたし、真摯に取り組んでいただいて感謝しております。もりょさんご自身も、この作品をすごく愛してくださっているんじゃないかなと。
――シリーズはナンバリングが5作品あり、スピンオフなども含めるとものすごい数のキャラクターがいるので、デザインがかぶらないようにすることは本当に大変だったのではないでしょうか。あまりの物量でご苦労されたのではないかなと(苦笑)。
藤松
そうですね、過去作だけでなく、本作の108星の中だけでも被りを避けるのはなかなか大変です。
また、過去シリーズに登場したキャラクターについては、様々なイラストレーターさんにリデザインして描いていただくということも行っておりますので、そちらも楽しみにしていただければと思います。
また、過去シリーズに登場したキャラクターについては、様々なイラストレーターさんにリデザインして描いていただくということも行っておりますので、そちらも楽しみにしていただければと思います。
孟山
名前を付けるのも大変です(笑)同じ名前の被りを避けるのは当然ですが、近い名前や語感が似ている名前も避ける必要がありますので。意図的に似せているキャラクターもいたりもしますが。
ビジュアルもそうですし、制約はありますが"制約は想像の母"だと考えていますので、ある意味そこからいいキャラクターたちが生まれたと感じています。
ビジュアルもそうですし、制約はありますが"制約は想像の母"だと考えていますので、ある意味そこからいいキャラクターたちが生まれたと感じています。
『幻想水滸伝』シリーズらしいイベントや演出を考えてドットの表現を選択
――いまの時代で主流である3D表現ではなく2D表現のドットを採用しているのは、もうすぐ発売される『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』を意識してのことでしょうか?
藤松
そうですね。『幻想水滸伝』シリーズと聞かれると、『幻想水滸伝I』『幻想水滸伝II』をイメージする方が多いと思っています。
個人的に、ドットによる表現はあまり古い表現ではなくなってきていると感じています。私はそういった感覚を持っているRPGファンを、“オーセンティック(伝統的な)RPGファン”と呼んでいまして。
『幻想水滸伝I』『幻想水滸伝II』が発売された当時の王道本格RPGが好きだった多くの方は、そういった感覚を持ちながら最新のビジュアルでハイクオリティなドット、サウンド、物語といったものを求めていて、楽しんでいらっしゃるのではと思っています。ゆえに、その層が求める部分をしっかり押されば心に響くのではと考え、このような表現スタイルを選択しました。
たとえば背景はキャラクター同様にドットで作られているわけですが、3Dで制作した上で手描きのドットをテクスチャーで貼っています。かなり手が込んだ表現手法と言えると思います。
これは『幻想水滸伝I』『幻想水滸伝II』が発売された当時、技術的にできなかったことでしたが今は可能になり、時代に合ったクオリティで出せるようになりました。古い、レトロというよりも新しい表現として捉えていただけるのかなと。
個人的に、ドットによる表現はあまり古い表現ではなくなってきていると感じています。私はそういった感覚を持っているRPGファンを、“オーセンティック(伝統的な)RPGファン”と呼んでいまして。
『幻想水滸伝I』『幻想水滸伝II』が発売された当時の王道本格RPGが好きだった多くの方は、そういった感覚を持ちながら最新のビジュアルでハイクオリティなドット、サウンド、物語といったものを求めていて、楽しんでいらっしゃるのではと思っています。ゆえに、その層が求める部分をしっかり押されば心に響くのではと考え、このような表現スタイルを選択しました。
たとえば背景はキャラクター同様にドットで作られているわけですが、3Dで制作した上で手描きのドットをテクスチャーで貼っています。かなり手が込んだ表現手法と言えると思います。
これは『幻想水滸伝I』『幻想水滸伝II』が発売された当時、技術的にできなかったことでしたが今は可能になり、時代に合ったクオリティで出せるようになりました。古い、レトロというよりも新しい表現として捉えていただけるのかなと。
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孟山
背景は3Dですが、キャラクターはすべて2Dドットで制作しました。『幻想水滸伝 I&II』では、バトルテンポのよさとシナリオ中でのコミカルな動きなどが本当に素晴らしかったと思っています。あのテンポ感や楽しい演出を再現するには動きの省略が可能なドットという表現ははずせないな、と。
たとえば『幻想水滸伝II』で主人公とひさびさに再会したナナミが、主人公を地面にたたきつけるシーンがあります。が、あのような動きをリッチな3Dキャラで表現すると、暴力的に見えすぎてしまったり、逆に過剰なギャグシーンになりすぎてしまう懸念があります。本来あのシーンで表現したいのは、ナナミのキャラ性である活発さや、主人公のことをどれだけ心配してたかという心情だと思います。ドット表現だからこそ、絶妙な塩梅でそれが演出できているのだと感じました。
『幻想水滸伝』のさまざまな良さをドット表現の長所を最大限に用いて、新たにファンになってもらえる方たちにも伝えたいと企画のスタート時から考えていました。
たとえば『幻想水滸伝II』で主人公とひさびさに再会したナナミが、主人公を地面にたたきつけるシーンがあります。が、あのような動きをリッチな3Dキャラで表現すると、暴力的に見えすぎてしまったり、逆に過剰なギャグシーンになりすぎてしまう懸念があります。本来あのシーンで表現したいのは、ナナミのキャラ性である活発さや、主人公のことをどれだけ心配してたかという心情だと思います。ドット表現だからこそ、絶妙な塩梅でそれが演出できているのだと感じました。
『幻想水滸伝』のさまざまな良さをドット表現の長所を最大限に用いて、新たにファンになってもらえる方たちにも伝えたいと企画のスタート時から考えていました。
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――(実機を見せていただきながら)たしかに背景は3Dですが、まったく違和感がありません。画面に奥行きもあるので街の広がりも感じます。住人の数がものすごいですね。
孟山
400人くらいですね。
――店舗周りのガヤガヤ感といいますか、賑わいが伝わってきます。
――店舗周りのガヤガヤ感といいますか、賑わいが伝わってきます。
孟山
そういった意味でも、やはりドットのキャラクターにしたメリットだと思います。
――緻密な部分が描けますよね。藤棚もすごく美しいです。カメラワークもイベントシーンにあわせて変わる感じでしょうか?
――緻密な部分が描けますよね。藤棚もすごく美しいです。カメラワークもイベントシーンにあわせて変わる感じでしょうか?
藤松
はい、バトルではカメラがグルっと回転するような演出もあります。
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――けっこう簡単に3Dで表現しているようなお話しぶりですが、このクオリティのグラフィックとなると、制作するうえでは大変な部分があったのではないでしょうか?
孟山
だいぶ慣れて量産できるようになってきましたが、街をひとつ作るのにそうとう時間がかかっています。配置物もかなり数が多いので。
――バトルは『幻想水滸伝I』『幻想水滸伝II』のような斜め見下ろし型で、「これだよ、これ」と納得されているファンも多いと思います。こちらはコマンド入力のターン制バトルになるのでしょうか?
――バトルは『幻想水滸伝I』『幻想水滸伝II』のような斜め見下ろし型で、「これだよ、これ」と納得されているファンも多いと思います。こちらはコマンド入力のターン制バトルになるのでしょうか?
孟山
そうなります。通常攻撃や紋章を使った攻撃、連携攻撃、奥義と呼ばれるキャラクター固有の必殺技などコマンドを選んで使う形です。
オートバトルも用意していますし、コマンドバトルとはいえテンポよくプレイできることを意識して作っています。やはり、『幻想水滸伝』シリーズといえばおまかせを選んで戦闘を自動で遊んでいた人も多かったのではないでしょうか。本作でもオートにしておくと、そういった感覚が楽しめると思います。
オートバトルも用意していますし、コマンドバトルとはいえテンポよくプレイできることを意識して作っています。やはり、『幻想水滸伝』シリーズといえばおまかせを選んで戦闘を自動で遊んでいた人も多かったのではないでしょうか。本作でもオートにしておくと、そういった感覚が楽しめると思います。
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――あとは『幻想水滸伝II』にあった、戦争イベントのシミュレーションパートのようなカットも確認できました。こちらはどんなオリジナル版を踏襲しているのでしょうか?
藤松
いえ、『幻水SP』で戦争を表現する場合にどうすべきか……と考えて作ったので、まったく新しい遊び方になっています。
戦争というのは『幻想水滸伝』シリーズの中でも大きなテーマで、どういった機能を持たせるかなどは現在詰めているところです。
――ちなみに、この手のシミュレーション的な遊びが苦手な方もいると思いますが、難易度的なバランスはどうなりそうですか?
戦争というのは『幻想水滸伝』シリーズの中でも大きなテーマで、どういった機能を持たせるかなどは現在詰めているところです。
――ちなみに、この手のシミュレーション的な遊びが苦手な方もいると思いますが、難易度的なバランスはどうなりそうですか?
孟山
メインストーリー上で体験する戦争は、そこまで難しくはしない想定です。メインストーリー以外でもこのモードを使う遊びを検討していますので、手ごたえを求める方はそちらで触れていただければ。
――いわゆるチャレンジモードでしょうか?
――いわゆるチャレンジモードでしょうか?
藤松
はい、メインストーリーとは別のバトルコンテンツになります。
メインストーリーで挑む戦争は、どうやっても勝てなくて進めません、というようなバランスにはしていません。とはいえ、ある程度遊びごたえを感じていただけるようにはしています。
――「このキャラクターが手に入らないから戦争に勝てない……」なんてことは起きないんですね。少し安心しました(笑)。お話をうかがうと、『幻水SP』からシリーズに触れても問題ない仕掛けがいろいろ用意されているんですね。
メインストーリーで挑む戦争は、どうやっても勝てなくて進めません、というようなバランスにはしていません。とはいえ、ある程度遊びごたえを感じていただけるようにはしています。
――「このキャラクターが手に入らないから戦争に勝てない……」なんてことは起きないんですね。少し安心しました(笑)。お話をうかがうと、『幻水SP』からシリーズに触れても問題ない仕掛けがいろいろ用意されているんですね。
藤松
そこがプロジェクトを立ち上げた目標であり、テーマのひとつでした。より多くの方に『幻想水滸伝』シリーズの世界を楽しんでいただきたいから、今回はモバイルをハードに選びましたので。『幻想水滸伝』シリーズを知らないと楽しめないことは絶対にありませんので、本作がシリーズに触れるきっかけになれば幸いです。
また、シリーズのファンの方には過去のキャラクターや場所などが登場するなど、プレイして「おっ!」と感じていただける要素を用意しているので、新しい部分と懐かしい部分でおもしろさを感じて頂ける形になっています。この両立にはかなり悩んでおり大変な部分ではありますが、達成したいと考えて日々制作を進めています。
――活動拠点となる本拠地は、どのような形で手に入れるのでしょうか?
また、シリーズのファンの方には過去のキャラクターや場所などが登場するなど、プレイして「おっ!」と感じていただける要素を用意しているので、新しい部分と懐かしい部分でおもしろさを感じて頂ける形になっています。この両立にはかなり悩んでおり大変な部分ではありますが、達成したいと考えて日々制作を進めています。
――活動拠点となる本拠地は、どのような形で手に入れるのでしょうか?
藤松
物語は主人公が住む里が襲撃されるところからスタートします。そこを復興させることが最初の大きな目的で、発展させることで本拠地になる流れです。
広い里なのでいろいろなキャラクターたちが集まってきます。特定の仲間が増えると施設が解放されるなど、過去シリーズの本拠地と近い部分もあります。
広い里なのでいろいろなキャラクターたちが集まってきます。特定の仲間が増えると施設が解放されるなど、過去シリーズの本拠地と近い部分もあります。
孟山
本拠地ではさまざまミニゲームなども楽しめますし、発展していくとBGMにも変化があったり、従来通りのお楽しみ要素があります。
――ファン目線でいえば、お約束となっている本拠地でのお風呂イベントなど気になりますが?
――ファン目線でいえば、お約束となっている本拠地でのお風呂イベントなど気になりますが?
孟山
リリース時点ではありませんが、そこは期待していただければ(笑)。
藤松
本作は皆さんに長く楽しんでいただけるように、随時さまざまな機能が追加されていく予定です。もちろん最初から遊べるものもたくさんあります。
――あとはモバイルゲームですと、たとえばほかのユーザーのキャラクターを借りたり、ギルドに入ったり……といった要素があるイメージですが、本作ではオンラインでのつながりを感じる仕掛けはありますか?
――あとはモバイルゲームですと、たとえばほかのユーザーのキャラクターを借りたり、ギルドに入ったり……といった要素があるイメージですが、本作ではオンラインでのつながりを感じる仕掛けはありますか?
藤松
そこはまだ検討中のところで、基本的には1人でも楽しめるタイトルにすることを軸にしています。ただ、モバイルタイトルではあるので、そういったオンラインでの絡みも検討中です。
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メインストーリーは太陽暦の中で繰り広げられる『幻想水滸伝』シリーズの正史となる
――本作はモバイルでの展開となりますが、ファンはストーリーがどう進むのか、本作での108星がどう集まるのかなどが気になっていると思います。とくに108星はこれまでの作品では、プレイヤーが任意に行動して仲間になるキャラクターもいましたので、お話できる範囲で教えてください。
藤松
メインストーリーは『幻想水滸伝』シリーズの太陽暦の中で動いていきます。そのため、メインストーリーを進める過程で、新たな108星の仲間たちと出会い加入していくことになります。コンシューマ版のように、物語を進めていくことで仲間にしていくタイプですね。
一方、モバイルの運営タイトルになりますので、イベントやガチャ等では過去シリーズのキャラクターを中心に獲得できる仕組みを考えています。
――となると、「このキャラクターが仲間にできないから物語が進められない」というような状況は起こらないと?
一方、モバイルの運営タイトルになりますので、イベントやガチャ等では過去シリーズのキャラクターを中心に獲得できる仕組みを考えています。
――となると、「このキャラクターが仲間にできないから物語が進められない」というような状況は起こらないと?
藤松
そこはご安心ください。
孟山
補足をすると、108星もストーリーを進めることで仲間になるキャラクターと、これまでの過去シリーズ同様に、プレイヤーが何かをするサブ要素をこなすことで仲間になるキャラクターがいます。
――モバイルゲームということで、ストーリーは配信型で、順次展開していくような形ですか?
――モバイルゲームということで、ストーリーは配信型で、順次展開していくような形ですか?
孟山
はい、いわゆる長期連載の漫画を楽しんでいただくような感覚です。
藤松
ちなみに、今の手ごたえだとリリース時点でも結構な時間遊べるボリュームになりそうです。
――それは楽しみです!(笑)。あとは動画に27の真の紋章“変化の紋章”という言葉が出てきていますが、この紋章はシンダル族が継承していると伝わっていました。いよいよその持ち主と、効果が明かされるのでしょうか?
――それは楽しみです!(笑)。あとは動画に27の真の紋章“変化の紋章”という言葉が出てきていますが、この紋章はシンダル族が継承していると伝わっていました。いよいよその持ち主と、効果が明かされるのでしょうか?
藤松
ストーリーの根幹にかかわるのでお話できない部分ですが、いまは“変化の紋章”がキーとなること、シンダル族という存在が絡んでくるくらい……と思っておいていただければ。
――これまで明かされなくて、ずっと気になっていたファンの気持ちにちゃんと応える展開になると。
――これまで明かされなくて、ずっと気になっていたファンの気持ちにちゃんと応える展開になると。
藤松
そこは「はい」とお答えできます。
孟山
これまで『幻想水滸伝』シリーズの太陽暦の歴史に名前だけ出ていたものにもフォーカスし、シリーズとシリーズの間の描かれてなかったいわゆるミッシングリンクな部分を繋ぐ役割も担うことになっています。そういった部分はKONAMIのIP監修チームと密に連携して進めています。お話を聞く中で、私も驚く事実や設定がいっぱいありました。そういったところをファンの方には楽しんでいただけるかなと。
ただ、これまでシリーズを一度もプレイしたことがない方も、問題なくこの世界に飛び込めるように作っていますので、そこはご安心ください。
――先ほど、いろいろな時代を描く仕掛けが用意されているというようなお話がありましたが、核となる年代を中心に本拠地を構えて、そこを軸にいろいろな時代に飛んで戻って……というような遊び方になるのでしょうか?
ただ、これまでシリーズを一度もプレイしたことがない方も、問題なくこの世界に飛び込めるように作っていますので、そこはご安心ください。
――先ほど、いろいろな時代を描く仕掛けが用意されているというようなお話がありましたが、核となる年代を中心に本拠地を構えて、そこを軸にいろいろな時代に飛んで戻って……というような遊び方になるのでしょうか?
孟山
いえ、そういった時間軸を行ったり来たりするというジャンルとは異なります。過去を改変するようなものではないですよ。
藤松
『幻水SP』は『幻想水滸伝I』の数年前から、『幻想水滸伝V』の少し後の時代からスタートします。ですので、最初は『幻想水滸伝I』の前日譚になりますし、少し進めると『幻想水滸伝II』や『幻想水滸伝III』の前日譚、後日譚が描けるような仕組みを作っています。
――3月6日に『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』が発売されるので、プレイされたファンは印象に残ったシーンの「じつは……」といった裏側のような部分が描かれるとうれしいですね。
――3月6日に『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』が発売されるので、プレイされたファンは印象に残ったシーンの「じつは……」といった裏側のような部分が描かれるとうれしいですね。
藤松
逆に時代のスタートが『幻想水滸伝I』の前になるので、『幻水SP』をプレイしていただいた方は、「これがもっと掘り下げられていたタイトルがあるんだ」とリマスター版に興味を持っていただけるのでは、と期待しています。
――動画ではおなじみのビッキーの姿を確認できました。シリーズで活躍したキャラクターはイベントを通じて登場する、というような感じでしょうか?
――動画ではおなじみのビッキーの姿を確認できました。シリーズで活躍したキャラクターはイベントを通じて登場する、というような感じでしょうか?
藤松
そういった形で登場するキャラクターもいますし、メインストーリーで該当する時代や場所を描く場合に関わらざるを得ないキャラクターとの出会いもあります。
――たしかにロックランド、グレッグミンスターなど過去シリーズに登場したエリアを確認できましたね。
――たしかにロックランド、グレッグミンスターなど過去シリーズに登場したエリアを確認できましたね。
孟山
過去作に登場した場所だけでなく、本作で初めて登場する場所もあります。『幻想水滸伝』シリーズの中で、もっとも広い地域を冒険することになるのではないでしょうか(笑)。
――過去作の主人公たちも登場することを期待してしまいますが、本作の主人公との絡むシーンはあるのでしょうか?
――過去作の主人公たちも登場することを期待してしまいますが、本作の主人公との絡むシーンはあるのでしょうか?
藤松
そこの詳細はまだ伏せさせてください。
孟山
ちなみに、過去作の主人公たちの名前は自分で入力することができます。デフォルトでは一応名前は入っていますが、ぜひかつて自分がプレイしたときの名前を入れて楽しんでほしいです。
――それはシリーズのファンにはうれしい仕様ですね。
――それはシリーズのファンにはうれしい仕様ですね。
孟山
私もシリーズのファンなので、自分が遊んだ思い出の中にいる主人公と違う名前が付けられていたら、ちょっと寂しいなと。応援してくださっているファンがそうなってしまうことは、極力入れないというポリシーです。
オーケストラによる生音にこだわり、150曲近いリッチなサウンドを提供
――配信イベントではオーケストラによる生演奏が披露され、あらためて『幻想水滸伝』シリーズのサウンドに魅了されたファンも多いと思います。サウンド面についてはいかがでしょうか?
藤松
サウンドにはとてもこだわっています。過去作に登場した街の印象的な音楽を、オーケストラアレンジして入れたりしています。
もちろん『幻水SP』のために作曲した曲も多数ありますし、かなりの曲が楽器の生音で収録しています。
――それはメチャクチャ豪華ですね!
もちろん『幻水SP』のために作曲した曲も多数ありますし、かなりの曲が楽器の生音で収録しています。
――それはメチャクチャ豪華ですね!
藤松
100曲以上あって、打ち込みの曲も数えるとトータルで150曲は超えそうです(笑)。
『幻想水滸伝』の世界はいろいろな文化を持つ国が登場しますので、使用している楽器も三味線や雅楽で使うような楽器まで、バリエーション豊かになりました。みなさんの期待に応えられるようがんばっています。
――動画では中村佳穂さんが歌う“カンパニュラ”が主題歌として流れていましたが、こちらはどういった経緯で制作されたのでしょうか?
『幻想水滸伝』の世界はいろいろな文化を持つ国が登場しますので、使用している楽器も三味線や雅楽で使うような楽器まで、バリエーション豊かになりました。みなさんの期待に応えられるようがんばっています。
――動画では中村佳穂さんが歌う“カンパニュラ”が主題歌として流れていましたが、こちらはどういった経緯で制作されたのでしょうか?
藤松
先ほどの多数の生音収録のBGMも、こだわりでありチャレンジなのですが、『幻水SP』のサウンドにまつわるチャレンジの一つとして、テーマ曲となる主題歌を作ろうと考えました。
『幻想水滸伝』の世界を表現できて、かつ『幻水SP』の物語を感じていたける曲を作りたく思い、中村さんに作詞作曲、歌唱までお願いした形です。
――この楽曲が重要なシーンなどで流れるわけですね。モバイルゲームを遊ぶときはあまりヘッドフォンでなくスピーカーから聴くことが多いのですが、かなりリッチな音作りなので遊ぶときはヘッドフォンが必須ですね。
『幻想水滸伝』の世界を表現できて、かつ『幻水SP』の物語を感じていたける曲を作りたく思い、中村さんに作詞作曲、歌唱までお願いした形です。
――この楽曲が重要なシーンなどで流れるわけですね。モバイルゲームを遊ぶときはあまりヘッドフォンでなくスピーカーから聴くことが多いのですが、かなりリッチな音作りなので遊ぶときはヘッドフォンが必須ですね。
藤松
そうしていただけるとうれしいです。
――最後に配信での発表を見て、リリースを楽しみに待っているファンの方に向けてメッセージをお願いします。
――最後に配信での発表を見て、リリースを楽しみに待っているファンの方に向けてメッセージをお願いします。
藤松
シリーズでは初めてモバイルという形を選びましたが、我々はコンシューマのナンバリングにも負けないものをという意気込みで鋭意制作中です。いままで『幻想水滸伝』シリーズのファンだった方には、「新しい『幻想水滸伝』のゲームが遊べるんだ!」と、期待していただけるものを目指しています。
そして、まだシリーズを知らない方、触れたことがない方、RPGが好きだという方にもしっかり楽しんでもらえる作品を目指しています。『幻想水滸伝』シリーズの世界に入る第一歩になればと考えていますので、ぜひ『幻水SP』にご期待と応援をしていただけるとうれしいです。
そして、まだシリーズを知らない方、触れたことがない方、RPGが好きだという方にもしっかり楽しんでもらえる作品を目指しています。『幻想水滸伝』シリーズの世界に入る第一歩になればと考えていますので、ぜひ『幻水SP』にご期待と応援をしていただけるとうれしいです。
孟山
『幻想水滸伝』シリーズという世界的にも評価の高い素晴らしいシリーズを、ファンの方、そして新規層にひとりでも多く届けられるように、開発スタッフは現在日々本気で取り組んでいます。ぜひ、一度まずは遊んでいただけると大変ありがたいです。
そしてたくさんの魅力的なキャラクターから、お気に入りを見つけていただけたら、なおうれしいです。何卒よろしくお願いいたします。
――ありがとうございました。
そしてたくさんの魅力的なキャラクターから、お気に入りを見つけていただけたら、なおうれしいです。何卒よろしくお願いいたします。
――ありがとうございました。
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