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『スト6』カプコンカップで起きた奇跡5選。翔JP優勝、15歳のリュウが準優勝、ときど生存ルート、両国国技館でE本田が千秋楽、Good 8 Squad背水の逆転劇【ストリートファイター6】

文:栗田親方

公開日時:

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 2025年3月5日(水)~3月9日(日)の5日間、両国国技館で開催された『スト6』公式の世界大会「カプコンカップ11」のレポート記事をお届けします。

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▲実は今回の「カプコンカップ」が初の日本開催。会場となった両国国技館は、1993年にスーパーファミコン版『スト2ターボ』の全国大会が開催されたメモリアルな場所でもあります。

 「カプコンカップ11」では、最初の4日で個人戦の「カプコンカップ11」、5日目の最終日にチーム戦の決勝大会「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2024」が開催されました。

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▲「カプコンカップ」と一括りになってますが、最終日にはJP・US・EUROPEの3地域で行われている公式チームリーグ戦「ストリートファイターリーグ」のグランドファイナルも開催されました。

カプコンカップ11で起きた奇跡5選【スト6】


 世界中の格闘ゲーマーが大興奮し、特に日本勢は狂喜乱舞するほどの内容&結果だった今回のカプコンカップ。「史上最高におもしろかった!」と言う人が多く、取材ということで現地観戦させていただいた筆者もまったく同感でした。

 ではなぜ今回のカプコンカップがそんなにもおもしろかったのか?

 今回の記事では、その魅力を紐解くべく、特に大きなトピックとなった奇跡的なできごとを5つ抜粋して紹介させていただきます。

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▲JP一本で闘い抜いた翔選手の優勝をはじめ、「うおお!!」と盛り上がれるポイントが多すぎました。

配信アーカイブ&公式ホームページ


 カプコンカップの模様は、ほぼすべてをYouTubeで視聴可能。配信アーカイブ、公式ホームページ、公式X、情報まとめページは下記の通り。

 もしまだこの大会を見てない方がいたら、この記事を参考に奇跡のシーンだけでも要チェックです!!

■【日本語実況】「CAPCOM CUP 11」- Day1「Group Stage Elimination - Day1」

 下記は公式サイトではありませんが、詳細情報までチェックしたい方におすすめの“格ゲーチェッカー”さんのまとめページ。

 大会結果はもちろん、参加した全選手のSNSへのリンクまで、あらゆる情報が完備されております。

⇒「格ゲーチェッカー」さんのまとめページ

【奇跡①】初の日本開催で日本人の翔選手が“JP”で優勝!(奇跡度:★★★)【スト6】


■ミラクルポイント
・初の日本開催で日本人プレイヤーが優勝
・使用キャラは以前より評価が下がっていた“JP”
・決勝戦の組み合わせがラスボスvs元祖主人公

 『ストリートファイター』シリーズは日本で発祥したわけですが、意外にも日本で「カプコンカップ」が開催されたのは今回が初でした。

 そんなメモリアルな大会で、日本人の翔選手(IBUSHIGIN|KAKERU)が見事優勝! しかも、出身国の略称(日本=JP)とまったく同じキャラクター名の“JP”のみを使用して、一度も負けることなくウィナーズのまま勝ち切る力強さを見せつけたのです。

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▲優勝した翔選手は賞金100万ドル(約1.5億円)をゲット。一昨年の“Gamers8”での賞金約5,000万円と合わせて“2億JP”に!

 『スト6』は日本のプレイヤーのレベルが非常に高く、総合力では間違いなく世界一だと思われるため、“奇跡”というのは大げさだと思われるかもしれません。しかし、これまでの大きな大会の個人戦では、アメリカのPunk選手、ドミニカ共和国のMenaRD選手、アラブ首長国連邦のAngryBird選手、中国のXiaohai選手といったマンパワーに優れる個人に負けてしまうシーンが多かったのです。

 そのうえ翔選手の使用キャラは、一時は最強だったものの、バランス調整によってかなりキャラパワーが落ち着いた感のあるJP。「JP(日本)のJP(キャラ名)」はたまたま噛み合ったダジャレだとしても、このキャラ1本ですべて勝ち抜いたこと自体が、かなり難しいことだったと思われます。運よくキャミィやベガといった苦手キャラのエキスパートに当たらなかったという話もありますが、そういった組み合わせ運も含め、なかなかに奇跡的な優勝だったと思われます。

 ちなみに大会から数日後、翔さん優勝のインパクトが大き過ぎたためか、急遽JPの限定カラーを開発するという話にも発展していました。


 また、グランドファイナルの組み合わせが、ストーリー的には本作のラスボスとして君臨しているJPと、『ストリートファイター』シリーズの“顔”にして元祖主人公であるリュウだったというのも、奇跡のマッチングだったといえるでしょう。そして今回はラスボスが勝利!

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▲ラスボスJPを操る翔選手と、元祖主人公リュウを操るBLAZ選手という構図もエモい要素でしたね。
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▲IBUSHIGINのチームメイトであるササモ選手も、かけちゃん(翔選手の愛称)の大活躍を大きな身体全体でよろこんでいました。

【奇跡②】チリから来た15歳の少年BLAZ選手が元祖主人公リュウをメインに使って準優勝!(奇跡度:★★★★★)【スト6】


■ミラクルポイント
・弱冠15歳のプレイヤーが準優勝!
・翔選手以外の世界最高クラスのプレイヤーをほぼ“処理”
・初の日本開催で元祖主人公のリュウが大躍進
・リュウの強さは一般的に非常に評価が低かった
・勝ってもクールな立ち回りはウメハラの再来⁉

 あまりにも衝撃的だったのが、弱冠15歳のプレイヤーBLAZ選手の準優勝。今回のカプコンカップ最大の話題は、この少年の大躍進だったといえるでしょう。

 もちろん優勝した翔選手を最高にほめたたえるべきではあるのですが、「Gamers8」で優勝して約5000万円の賞金を獲得した経験もあるなど、日本勢のなかでも特に大舞台に強く、実力&実績的にはサプライズ度は薄めでした。


 しかし、この少年の準優勝はあまりにもサプライズ度MAX! 予選リーグを無敗の5連勝で勝ち抜いた段階で、その強さの片鱗は見せていたのですが(※予選全勝はBLAZ選手とふ~ど選手のみ)、世界がその強さを目の当たりにしたのは決勝トーナメントでルーザーズに落ちてからでした。

 ウィナーズではいきなり翔選手に敗れたものの、次のShuto選手との死闘を制したあとは、NoahTheProdigy選手→AngryBird選手→Leshar選手という世界最高クラスのプレイヤーを相手に3-0ストレート勝ちを連発。15歳の選手がこのなかの1人に勝つだけでも奇跡と言えるレベルだと思われますが、この少年はそれを複数回、しかも圧勝で実現してみせたのです。

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▲Shuto選手との接戦を制したあたりから、「この少年の強さは“本物”だ!」というムードがグイグイ高まってきました。

 もともと南米東部の公式大会ワールドウォリアーで5大会中4回の優勝という実績はあったのですが、この地域のプレイヤーのレベルを正確に把握できている人は少なく、実力は未知数でした。誰もここまでの快進撃を事前に予想できなかったのではないでしょうか。

 大会当日はBLAZ選手が勝ち進むにつれ、年齢のわりに大舞台でも淡々と自分のプレイに集中しているさまから、“ウメハラの再来”という評価も聞こえてくるほどでした。格闘ゲーム業界において、この評価は最大級の賛辞といえるでしょう。

 なお、これだけでも素晴らしい奇跡なのですが、主な使用キャラがリュウというのが奇跡度をさらに高めています(一部の試合でケンや豪鬼も使用しましたが、終盤はリュウ一本)。

 日本のトッププレイヤーのなかでも「リュウではトーナメントを勝ち抜けない」というのが定評となっており、実際にストリートファイターリーグなどのプロシーンでリュウを使って闘うプレイヤーはいませんでした。今回のBLAZ選手の活躍は、これまでの常識をくつがえすほどの奇跡だったといえるでしょう。

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▲優勝候補の筆頭格だったAngrybird選手を3-0で倒したときは、会場の喧騒が半端なかったですね。勝利後も大きく表情を変えずクールに舞台を降りるさまに、かつてのウメハラ氏の雰囲気を感じた古参プレイヤーも多かったようです。

【奇跡③】ときど選手が予選リーグで絶望的な状況からの生存ルートをチョイス!(奇跡度:★★★★)【スト6】


■ミラクルポイント
・予選2日目を終えて1勝2敗という絶望的な状況からスタート
・自身の試合で“全勝かつ勝ち点をなるべく稼ぐ”ノルマを達成
・他プレイヤーしだいの条件もすべて満たして僅差で2位抜け

 カプコンカップは1~3日目までが予選リーグとなっており、そこまでの勝敗で4日目の決勝トーナメントへ進む16人が決まります。その過程で最もドラマチックだったのが、ときど選手の予選リーグ2位抜けでした。

 2日目を終えた段階で、ときど選手の成績は1勝2敗(勝ち点-2)。決勝トーナメントに進出するには、残る2試合の勝利はもちろん、勝ち点を考慮すると1試合を落とすだけでも通過が難しくなるため、なるべく2-0で勝っておきたい状態です。そのうえ対戦相手には、のちに無敗で優勝を決めることになる翔選手も含まれていました。

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▲死闘をくぐり抜けて決勝トーナメントに進出したときど選手は、やはり“もってる”と言わざるを得ません。

 しかも、ときど選手が無事に勝利できても、この時点で2位のJABHIM選手が1試合でも勝てば2位抜けが確定(=ときど選手が敗退)するなど、ほかの選手の試合も理想的な結果にならなければ、ときど選手の決勝トーナメント進出は果たせません。

 ときど選手のYouTubeチャンネルによると、3日目開始時の“ときど突破条件”は下記の通りでした。これらをすべて満たしたうえで勝ち点(取得セット数の差)も絡んできますので、ほぼ絶望的な状況だったのがよく分かりますね。

▼ときど突破条件
・ときど vs 翔⇒ときどが勝利
・Bolado vs JabhiM⇒Boladoが勝利
・ときど vs GGHalibel⇒ときどが勝利
・Bolado vs Dual Kevin⇒Boladoが勝利
・翔 vs JabhiM⇒翔が勝利


 しかし、ときど選手はすべての条件をクリアして(あるいはクリアしてもらって)決勝トーナメントに残りました。その模様は上記リンク先の“ときどチャンネル”の動画に収められていますので、ぜひチェックしてみてください。ときどさんが試合ごとに応援する選手をコロコロ変えつつも自身の勝利を願うさまは、シビアなトーナメントに挑む1人のプロゲーマーの生き様をヒシヒシと感じられ、胸が熱くなること間違いありません!

 ちなみに、ときど選手の最後の相手となったGGHalibel選手は、かつて大舞台の同じような状況でケンからマノンに変えて起死回生を狙うことがありました。そして今回は、ときど選手が1試合も落とせない状況で突然のガイルピック。しかも、1ラウンド先取された2ラウンド目で瀕死まで追い詰められるピンチを乗り越えての勝利だったので、とてつもない奇跡が重なった感動的なストーリーをさらに彩っていましたね。

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▲翔選手と同じく大舞台に強いときど選手。鍛え上げたボディで画面映えもバッチリです!

【奇跡④】相撲の聖地“両国国技館”でエドモンド本田が土つかずのまま“千秋楽”でフィニッシュ!(奇跡度:★★)【スト6】


■ミラクルポイント
・両国国技館にエドモンド本田が登場
・超必殺技“千秋楽”で画面上に土俵を描いてフィニッシュ
・“相撲の聖地”においてエドモンド本田は無敗

 ほかの出来事に比べるとやや奇跡度は低めですが、両国国技館という“相撲の聖地”で相撲取りのキャラクターであるエドモンド本田が勝利したシーンは、特に会場の桝席で観戦している方にとって大きな感動があったと思われます。


 そもそも今回のカプコンカップには、エドモンド本田をメインキャラクターとして使っているプレイヤーはいませんでした。スーパー頭突きや百貫落としといった必殺技の対応が難しく、初心者プレイヤーにとっては鬼門となる強力なキャラですが、対応が上手い上級者同士の闘いでは、どうしても苦戦しがちな性能だったのです。

 しかし、ベガをメインキャラとするVXVAO選手が、キャミィ使いのBRAVERY選手に対して相性のいいエドモンド本田をチョイス。ベガはキャミィに対して相性がよくないため、いわゆる“キャラかぶせ”としてのキャラ選択でした。

 しかも、内容は2-0ストレートでエドモンド本田の圧勝! 1試合目はギリギリの競り合いから、リーサルで繰り出したクリティカルアーツの“千秋楽”でフィニッシュ。さらに2試合目でもSA3の“千秋楽”で決めるなど、両国国技館で最高の相撲をとりきっていました。

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▲選手応援ボードには、ときど選手のイラストと並んでエドモンド本田選手のイラストも! 先見の明があったのでしょうか。

 ちなみに、VXVAO選手が本田を使ったのはこの試合のみ。つまり、両国国技館ではエドモンド本田の“相撲”は負けなしというわけです。来年もカプコンカップは両国国技館で開催されるため、この“不敗神話”がいつまで続くのかも興味深い限りですね。

 また、今回の大会のイメージキャラクターともいえる日本人キャラクター、リュウ(BLAZ)と本田(VXVAO)の活躍が見られたのも素晴らしい体験でした。

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▲エドモンド本田とリュウのコスプレで来場していた“NOモーション。”の星ノこてつ。さん(左)と矢野ともゆき。さん(右)も、VXVAO選手とBLAZ選手の活躍にご満悦だったことでしょう!
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▲余談ですが、“相撲の聖地”両国だけあり、駅ビルの飲食店街のド真ん中にも土俵がありました。
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▲太陽ホールディングスさんも相撲一本!
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▲相撲博物館に寝間着のジュリちゃんまで飾られる始末⁉(※ふもっふのおみせさんの展示です)

【奇跡⑤】SFLグランドファイナルでGood 8 Squadが背水の逆転劇!(奇跡度:★★★★)【スト6】


■ミラクルポイント
・10 vs 50の超劣勢から1試合も落とさず大逆転
・50 vs 50の大将戦でも0-2から3-2の逆転勝利!
・大将戦の組み合わせがカワノ vs PUNK
・キンバリー×3のジェットストリームアタック

 奇跡の度合いとしては、最終日に開催された「SFLグランドファイナル」の結果も凄まじいものでした。それでも奇跡度が★4なのは、BLAZ選手の活躍があまりにも歴史的偉業だったため、やむなく1つ落としただけです(ときどさんの奇跡度も同様)。

 前日までの4日間だけでも濃厚過ぎて、すでに「カプコンカップ最高!」という気分になっていた方が多かったと思われますが(筆者もその1人)、まさか5日目にさらなる感動を上乗せしてくるとは思いませんでした。

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▲日本最強チーム“Good 8 Squad”の物販コーナーは大盛況!
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▲予選ではEUROPEチーム最強のAngryBird vs USチーム最強のPunkという夢の組み合わせもありました。この試合はAngryBird選手が勝ちましたが、チームとしては獲得ポイント差でEUROPEが敗退。決勝戦はUSチーム vs JPチームとなりました。

 まさに死闘となった決勝戦。USチーム不動の大将Punk選手の圧倒的な強さもあり、2巡目の大将戦の前に獲得ポイント「10 vs 50」まで追いつめられたときは、ほとんどの人が「さすがにキツいだろうな……」と思っていたことでしょう(※70ポイント獲得で勝利のため、大将戦で負けると「10 vs 70」の完敗でした)。

 ちなみに私の計算によると、ここからの“Good 8 Squad”チームの勝率は約2%ほどでした(算出方法は割愛)。Punk選手の撃破を担当していたぷげら選手が、接戦ながらも予選を含めて2連敗していたうえ、このあと最低でもPunk選手を2回は倒さなければならないなど、前述した3日目のときど選手と同じかそれ以上のミッションインポッシブルっぷりだったと思われます。

 しかし、のちに選手たち全員が「声援が力になった」と口にしたように、両国国技館が震えるほどの応援コールが響き渡り、窮地に追い込まれていた“Good 8 Squad”は背水の逆転劇を演じ切りました。

 この試合は長期戦のチーム戦だったこともあり、会場のボルテージは本イベント最高潮に高まっていたと思われます。見てない方はアーカイブ必見ッス!

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▲劇的な優勝を飾った“Good 8 Squad”チームには、賞金8万ドルと、次回のカプコンカップ12への参加権が贈られました。
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▲試合後のインタビューでは、ぷげら選手が観客の“ぷげらコール”に感極まるシーンもあり、会場が歓喜と感動の涙に包まれていました。

 勝利の立役者となったカワノ選手は、インタビューで「集中しすぎて(試合内容を)何も覚えてないです」とも述べていましたが、最終決戦までバトンをつないでくれた仲間たちの想いに対して「ここで勝たなかったらカワノじゃないな」と、気持ちが奮い立ったことは強く覚えていたようです。

 その後の勝利に対しては、「カワノがカワノをやっただけ」という名言を残しつつ、最後はチームリーダーのガチくん選手が「勝ったぞー!」と雄叫びをあげて締めくくりとなりました。

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▲大舞台に臨むカワノ選手の雄姿。普段の配信ではおもしろさが勝りますが、この日は最高にかっこよかったですね!

 結果以外で大きな話題になったトピックとしては、2巡目にキャミィを使ってカワノ選手に敗れたPunk選手が、3巡目のアウェイのターンでキンバリーをチョイス。3人全員がキンバリーという、日本のプロシーンでは絶対に見られない構成のジェットストリームアタック(※分からない人はおじゲーマーに聞いてね!)を敢行したことです。先鋒・中堅・大将に同キャラが並ぶ、その異様なビジュアルを確認した会場は大いに盛り上がりました。

 ちなみに予選で敗退したEUROPE代表のチーム名は“Ninjas in Pyjamas”でしたが、こちらは忍者(キンバリー)おらず。むしろキンバリーだらけのUSチーム“FLYQUEST”のニンジャズに敗れるという逆転現象(?)が発生していました。

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▲最終決戦はカワノ(豪鬼)vs Punk(キンバリー)。日米を代表するプレイヤーによる至高のマッチングとなりました。

 試合後には、言葉を超えた親友であるカワノ選手とPunk選手がじゃれ合うコミカルな画像がPunk選手のXに投稿されました。

 こちらの写真は、最後にフルセット&フルラウンドの末、柔道(※相手がダウンから起き上がるときに投げを決めること)4連発で決着となったラストバトルを模したもの。実はこの2人、同年代かつ『ストリートファイターⅤ』時代から日米それぞれを代表するプレイヤーとして注目される逸材ということで、似た者同士でもありました。この2人が各チーム……ひいては各国を背負う代表としてぶつかり合ったのも1つの奇跡でしたね。

カプコンカップ終了後に発表された情報まとめ


 すべての試合が終わったあと、株式会社カプコンの代表取締役社長である辻本春弘氏から、来シーズンに関する新情報の発表がありました。

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▲ケンのOutfit3っぽさを感じる粋なファッションで登壇した辻本社長。翻訳するタイミングを図るライアン・ハート氏とのやりとりも微笑ましい雰囲気でした。

 主な内容は、サウジアラビアのEWC(Esports World Cup/イースポーツワールドカップ)との連携強化、来シーズンのCPT(カプコンプロツアー)のルール調整、次回カプコンカップの会場が再び両国国技館に決定、という3点。

 今回の大会が最高に盛り上がったこともあり、最後に「(次回カプコンカップは)日本、この地、相撲の聖地、両国国技館で開催します!」という発表があったときは、観客から盛大な拍手&歓声が送られていました。

■カプコンカップ終了後のお知らせ
・EWC(イースポーツワールドカップ)と3年間連携
・CPTにプレミアポイントシステムを導入
・来年もカプコンカップは両国国技館で開催

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▲両国国技館は最高でしたね。立体感のある会場の中央にある巨大な4面モニターの圧たるや!

【その他のトピック】篠原涼子だ! 両国ちゃんこだ! 桝席観戦サイコーだ!!【スト6】


 ここからは、筆者が今回のカプコンカップで印象に残ったトピックをざっくり紹介。ゆるめのコラム的な内容ですので、気が向いたら読んでもらえるとありがたや~!

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▲ちなみにプレス席はこのあたり。桝席ありがとうございました!

■“カプコンカップ11”その他のトピック
・篠原涼子さんの生歌を会場で聞けた!(涙)
・両国で美味いちゃんこを食べた!(涎)
・初の両国国技館にて桝席での観戦が最高!
・選手の控室で裏カプコンカップ(?)が開催!
・MCのライアン・ハートさん大人気!

篠原涼子さんが会場限定で“恋しさと せつなさと 心強さと”を披露!


 カプコンカップ5日目の開幕には、往年の格闘ゲーマーにとってはスーパーメモリアルな楽曲“恋しさと せつなさと 心強さと”を、30年以上の時を超えて篠原涼子さんが両国国技館で歌うという、夢のような企画が実現しました。

 しかも、このコーナーのみ配信なしのため、なんと会場で観戦していた人のみの豪華特典。私も聞かせていただきましたが、まったく衰えない歌唱力+Over50とは思えない美しいビジュアルに感動しきりでした。一生モノの思い出をありがとうございます……!

両国で最高に美味いちゃんこ鍋を食べました!


 “相撲の聖地”ということは、すなわち“ちゃんこの聖地”!……ということで、隙を見ていただいてきました!

 せっかくなので、今回のイベントに協賛しているNTT東日本の影澤潤一(かげっち)氏イチオシの巴潟さんへ。“個人的両国ちゃんこTier”が最高のSクラスだけあり、あまりにも美味すぎました。優勝!!

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▲美しく重ねられたお肉はもはやアート……!

初の両国国技館にて桝席での観戦が最高でした!


 大相撲の観戦でおなじみの桝席は、格闘ゲームの観戦にも最適でした!

 中央の舞台のまわりのアリーナ席も臨場感があって良さそうですが、大型モニターの見やすさはこちらが上。くつろぎ度も高いので、来年もぜひ桝席で見たいですね~。

 次回の会場も国技館という発表を受けて、来年も土日はすぐ満員御礼になりそうですが、平日は埋まっていなかったので有給一閃もありかと!

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▲特に、桝席の最前列かつ中央付近のポジショニングが最強だと思いました。クッション類を持参すれば完璧!

選手の控室で裏カプコンカップ(?)が開催!


 今回のカプコンカップで8位以内に入賞した選手には、サウジアラビアのEsports World Cupへの出場権がもらえました。

 しかし、8位以内に入ったAngryBird選手が、SFLのEUROPE大会の優勝ですでに出場権を持っていたので、1枠が浮いた状態になりました。これにより、9位タイになった4人の選手でトーナメントを行い、勝ち残った1人が出場権を得られるということになったのです。


 莫大な賞金がかかっていることで有名な大会だけあり、プロ選手にとっては是が非でもとりたい出場権なんですが、なんとこの重要なトーナメントが、カプコンカップの控室でシレっと行われるという結果に……。

 下記リンク先のときどさんのYouTubeチャンネルで試合の様子がちょっとだけ見られますが、結果としては韓国のNL選手がルーザーズから勝ち上がり、ウィナーズで待ち構えていたふ~ど選手を打ち破って優勝を決めていました。

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▲予選リーグでは全勝で突破したふ~ど選手でしたが、決勝リーグはLeShar選手→ときど選手に負けて9位タイ。その後、こちらの裏大会でもギリギリで負けるという不運に見舞われていました……無念。

MCのライアン・ハートさん大人気!


 アールさんと並んでMCを務めつつインタビューコーナーでも活躍した、日本語ペラペラのライアン・ハート氏が、長身のスタイリッシュなビジュアル×柔らかい日本語の言い回しで人気沸騰!

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▲お2人ともバキバキにキマってますね!

 かつてはプレイヤーとしてもトップクラスの成績を誇っており(今でも普通に強い)、30年近く前から日本の格闘ゲームコミュニティとの関係が深いので、ライアンを知っている格ゲーマーはたくさんいると思われます。

 私もその1人なわけですが、『スト6』人気とも相まって大活躍している彼の姿を見ると、とってもうれしい気持ちになりますね。今後の活躍にも期待しております!

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▲かつて日本にいる頃は“蒸しパン”というプレイヤーネームを使っていたライアン。一緒に写真も撮ってもらいました!

栗田親方ゲーセン黎明期からゲームにハマり、ハイスコアラー⇒格闘ゲーマーと転身しつつゲーム人生を楽しんでいます。生涯現役。

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