漫画『キングダム』の最新75巻が3月18日に発売されました。今回は読み終えてみての感想記事をお届けします。
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※記事内には『キングダム』のネタバレが含まれています。
索引
『キングダム』75巻感想(ネタバレあり):大都市・南陽を無血開城させ、いよいよ王都・新鄭へ進撃開始! 出撃を見守る民の目には変化が……
李牧(りぼく)率いる趙の軍勢に連敗したこともあり、嬴政(えいせい)が唱える中華統一の夢は大きな岐路を迎えました。この大望を成し遂げるために、次なる“韓”との戦いは絶対に負けられない局面。そんな緊張感のある戦に対し、秦は六大将軍・騰(とう)と李信(りしん)率いる飛信隊を主力とした軍を送り出すことに。その数、およそ16万人……紛れもない大軍勢なのですが、李信は騰に続く副将というポジションということで。我らが主人公もいよいよでっかくなったもんだなぁと、今更ながらに実感しています。
74巻では、韓の要所である“南陽(なんよう)”をあっけなく無血開城させた秦軍。法律を制定し、人ではなく法によって統治するという嬴政の考えのもとに、現地の民との融和を図ろうと、騰や李信たちが奔走することになりました。李信が貫く“正道”の甲斐もあって、韓の人々とも少しずつ互いを理解しあうことができているようですね。
75巻で、韓の王都・新鄭(しんてい)へ向けて秦の軍勢が出撃する際、南陽の人々から李信たちにお守りが渡されたシーンがその証拠。これも前巻で一緒に温かい飯を食ったからなのか……まぁ、あの場では色々ありましたけど、それゆえの相互理解と考えるとなんだか心がぽかぽかします。
侵略ではなく融和──これ、じつはこの先の中華統一において、ひいては『キングダム』という作品の全体の展開すら大きく左右する、めちゃくちゃたいへんな難題だと思っていて。目指すのは単なる勝利ではなく、人々を秦の国民として迎え入れることにあり……これを成さずして国がひとつにまとまるはずもなく。さりとて、軍によって国土を奪われた人々がそう簡単に秦を認めるわけないですからね。原作者である原泰久先生も、この壮大なテーマをじっくり腰を据えて描こうとしている気配を感じています。
秦軍16万を迎え撃つ韓の軍は総勢19万。洛亜完将軍からは只者ではないオーラが……【キングダム 75巻】
いつまでも仲良くご飯を食べてもいられない……ということで、いよいよ王都・新鄭攻めがスタート。新鄭にほど近い英呈(えいてい)平原が決戦の地に選ばれ、秦軍16万と、韓軍19万が相対することとなりました。
じ、19万!? 相手の数が想像以上なんですけど!! 数字だけで軍の強さが測れるなら苦労はないですが、それにしたってすごい数。一応、騰の策でこれでも減ってはいるんですけどね(汗)。
じつのところ韓の国は、現在の中華七雄のなかでは最小規模の国のはず……やっぱ国が滅亡するか否かって局面では、一念発起の規模が違うってことですかね。秦もかつての合従軍との戦いの際は、一般人ですら武器を持って戦ってましたから(汗)。やはり春秋戦国時代はそう簡単には終わりそうもない……。
韓の軍勢を率いる総大将の名は洛亜完(らくあかん)。韓非子(かんぴし)を巡るエピソードで登場し、騰と相対したときから思ってましたが、このお方は名前からしてめっちゃ強そう。第二将である博王谷(はくおうこく)も含め、英雄のオーラを醸し出しています。合従軍にて、韓が成恢(せいかい)ではなくこの洛亜完を送り込んできていたら、秦は滅亡してたんじゃないの??? いや、わかりませんけども(苦笑)。
実際のところ、秦のかつての六大将軍や趙の三大天、魏の魏火龍とタメ張るレベルの猛者な予感がします。開戦初日から巧みな戦術で秦軍を翻弄しているところから、その実力のほどはひしひしと見て取れましたからね。本人の武力も含めて、これを倒すのは骨が折れそう(汗)。
思えば李牧、そして司馬尚(しばしょう)ら青歌軍によってボコボコにされる秦軍をずっと眺めてばかりだったので。個人的に「ここらへんであらためて秦軍、そして李信や飛信隊の圧倒的なチカラを描くのがセオリーだろうなあ……」なんて、タカをくくっていた部分がありました。
そもそも今回の出征は、韓を倒したあとも続く先の長い戦いを見越して、“圧倒的な勝利”が必要と釘を刺されていたこともあり、流石に楽勝なのかも~とミスリードされていた感覚があります。とんでもない勘違いでしたね(笑)。立ちはだかる洛亜完たちを前に、飛信隊も騰の軍隊も結構な量の血を流していて、「おいおい、この先大丈夫?」ってなってます。この落差よ!
李信なんて雑兵たちからの攻撃を受けてすでにボロボロなのに、ここから第二将の博王谷、そして洛亜完が自身の“鉞(まさかり)”と評する豪傑・ヨコヨコと戦わなければならない局面。どんだけ過酷なんだ、中華統一への道は……。読んでいる僕としても、あらためて帯をギュッと締め直さねばと思い知らされた気分。
そんな戦場でのバトルも見どころながら、この75巻ではその外でのやり取りにも興味を引かれました。詳細は伏せますが、先に述べた“融和政策”が、騰の手によって秘密裏に進んでいたことにビックリ。渦中にあるのは、韓の公女である寧(ねい)姫ですからね。騰と寧の秘密の会合、お読みになった皆さんがどんな感想を抱いているかは気になります。今のところは“あんな感じ”ですが、個人的にはロマンスもありえるのでは……という目で眺めていたりもします。どうだろう……。
この会合でのやり取りが更なる悲劇に発展するのか、それとも融和の一助となるのか。はたまたロマンスなど生まれるはずもないものか……マジでどうなることやらってところです。引き続き注目していきたい! 76巻では戦場に更なる動きが出てくることも間違いなさそうですし、ここからさらに見逃せない展開が待っていそう。今からワクワクしつつ、続巻を楽しみに待ちたいところです。それでは、今回はこのへんで!
じ、19万!? 相手の数が想像以上なんですけど!! 数字だけで軍の強さが測れるなら苦労はないですが、それにしたってすごい数。一応、騰の策でこれでも減ってはいるんですけどね(汗)。
じつのところ韓の国は、現在の中華七雄のなかでは最小規模の国のはず……やっぱ国が滅亡するか否かって局面では、一念発起の規模が違うってことですかね。秦もかつての合従軍との戦いの際は、一般人ですら武器を持って戦ってましたから(汗)。やはり春秋戦国時代はそう簡単には終わりそうもない……。
韓の軍勢を率いる総大将の名は洛亜完(らくあかん)。韓非子(かんぴし)を巡るエピソードで登場し、騰と相対したときから思ってましたが、このお方は名前からしてめっちゃ強そう。第二将である博王谷(はくおうこく)も含め、英雄のオーラを醸し出しています。合従軍にて、韓が成恢(せいかい)ではなくこの洛亜完を送り込んできていたら、秦は滅亡してたんじゃないの??? いや、わかりませんけども(苦笑)。
実際のところ、秦のかつての六大将軍や趙の三大天、魏の魏火龍とタメ張るレベルの猛者な予感がします。開戦初日から巧みな戦術で秦軍を翻弄しているところから、その実力のほどはひしひしと見て取れましたからね。本人の武力も含めて、これを倒すのは骨が折れそう(汗)。
思えば李牧、そして司馬尚(しばしょう)ら青歌軍によってボコボコにされる秦軍をずっと眺めてばかりだったので。個人的に「ここらへんであらためて秦軍、そして李信や飛信隊の圧倒的なチカラを描くのがセオリーだろうなあ……」なんて、タカをくくっていた部分がありました。
そもそも今回の出征は、韓を倒したあとも続く先の長い戦いを見越して、“圧倒的な勝利”が必要と釘を刺されていたこともあり、流石に楽勝なのかも~とミスリードされていた感覚があります。とんでもない勘違いでしたね(笑)。立ちはだかる洛亜完たちを前に、飛信隊も騰の軍隊も結構な量の血を流していて、「おいおい、この先大丈夫?」ってなってます。この落差よ!
李信なんて雑兵たちからの攻撃を受けてすでにボロボロなのに、ここから第二将の博王谷、そして洛亜完が自身の“鉞(まさかり)”と評する豪傑・ヨコヨコと戦わなければならない局面。どんだけ過酷なんだ、中華統一への道は……。読んでいる僕としても、あらためて帯をギュッと締め直さねばと思い知らされた気分。
そんな戦場でのバトルも見どころながら、この75巻ではその外でのやり取りにも興味を引かれました。詳細は伏せますが、先に述べた“融和政策”が、騰の手によって秘密裏に進んでいたことにビックリ。渦中にあるのは、韓の公女である寧(ねい)姫ですからね。騰と寧の秘密の会合、お読みになった皆さんがどんな感想を抱いているかは気になります。今のところは“あんな感じ”ですが、個人的にはロマンスもありえるのでは……という目で眺めていたりもします。どうだろう……。
この会合でのやり取りが更なる悲劇に発展するのか、それとも融和の一助となるのか。はたまたロマンスなど生まれるはずもないものか……マジでどうなることやらってところです。引き続き注目していきたい! 76巻では戦場に更なる動きが出てくることも間違いなさそうですし、ここからさらに見逃せない展開が待っていそう。今からワクワクしつつ、続巻を楽しみに待ちたいところです。それでは、今回はこのへんで!