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『プロミス・マスコットエージェンシー』レビュー。伝説のヤクザが相棒をロケット砲で発射しまくるおバカなノリが最高に楽しい【電撃インディー#964】

文:米澤崇史

公開日時:

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、Kaizen Game Worksが販売するPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam、Epic Games Store)向け事務所経営アドベンチャーゲーム『プロミス・マスコットエージェンシー』のレビューをお届けします。

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 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

黒田崇矢さん演じる元・伝説のヤクザが、マスコット派遣事務所を経営【プロミス・マスコットエージェンシー】


 ゆるキャラのようなマスコットたちの事務所を、元・伝説のヤクザが経営するというユニークな世界観と、その主人公・ミチ(菅原道真)の声優を黒田崇矢さんが担当しているということが大きく話題を集めた『プロミス・マスコットエージェンシー』。

 筆者は黒田さんが主人公を演じる某有名シリーズのファンなのもあって、発表時からかなり気になっていたタイトルでした。

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 簡単なあらすじを説明すると、主人公のミチ(菅原道真)は、“シマヅ一家”というヤクザの一門で若頭をしていたのですが、ある大きな仕事の最中、対立する別の組に120億という大金を奪われてしまいます。

 ミチはケジメとして、多くのヤクザたちが祟りで命を落とすと噂される呪われた街“過疎街”へと送られ、組を存続させるための資金を稼ぐため、プロミス・マスコット事務所を経営することになります。

 その後は、ミチの愛車である軽トラで街の中を走り回り、各地にいるマスコットたちを事務所にスカウトし、街中で発生した依頼(ジョブ)に派遣して、報酬を得て事務所を大きくしていく……というのが主なゲームの流れになっています。

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人件費を削るか、パフォーマンスを重視するか……。マスコットの雇用条件に頭を悩ませる


 本作の世界には、マスコットたちが着ぐるみではなく人間と同じような存在として暮らしています。

 事務所の副支配人で、ミチのパートナーとなるピンキーもマスコットの一人。パッと見の雰囲気こそゆるキャラっぽくてかわいいものの、実はモチーフが人間の親指だったり、めちゃくちゃ血の気が多くて周囲に喧嘩を売りまくる性格だったりと、かなりアクの強いマスコットたちがそろっています。

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 そんなマスコットたちを従業員として雇い、町中で発生した"ジョブ”という名の依頼に派遣してお金を稼がせるわけですが、マスコットたちはタダでは働いてくれません。一定期間ごとに給料を支払う必要があります。

 スカウトする際には、そのマスコットが自分があげた売上の内、何割を報酬としてもらえるのか、ボーナスは出るのか、昇給や休暇はあるのかなどの条件を提示して雇うことになります。良い条件で雇うほど高いパフォーマンスを発揮してくれるのですが、当然そのその後は高い人件費が必要になります。

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 この雇った時の条件は後から変更できないので、誰も彼も良い条件で迎え入れてしまうと、「事務所の評判も良いし人も増えているけど、事務所の利益があまり上がらない」という事態に陥ってしまいかねず、経営者としてシビアな判断が求められる場面も出てきます。

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 人件費以外にも、事務所を大きくしたり、街の施設を改装したりと、何かとまとまったお金が必用となるので、マスコット達に給料が支払われるタイミングの前にお金を使っていると、一気に赤字に転落してしまうことも。

 あくまでもプレイヤーが管理しているのは、自分ではなく事務所のお金であることを念頭においた上で、より事務所の規模を広げるための使い道を考えていく必要があります。

トラブルが発生した際には、ヒーローカードでトラブルの原因を破壊


 重要な事務所の収入源である依頼は、マスコットたちを派遣した後、一定時間が経過すると達成されるのですが、その最中にトラブルが発生することも。このトラブルにどう対応するかで、依頼が成功するか失敗するかが決まります。

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 トラブルが発生した際に重要になるのが、マスコットを助けてくれるサポートヒーローと呼ばれるNPCと、サポートヒーローたちを模したヒーローカードの存在。

 トラブルが発生した際には、このヒーローカードを用いた簡易的なバトルのようなものが発生するようになっており、トラブルの元凶のHPを0にして破壊することで窮地を脱することができます。個々のヒーローカードは5種類のパラメータが設定されていて、トラブルの種類に応じて参照されるパラメータとダメージが変わります。

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 例えば、機械系のトラブルが発生した場合、機械系を得意とする整備士のホセのヒーローカードがあれば、トラブルの原因を解決しやすくなります。ヒーローカードが充実すればするほど、依頼の成功率も上がるので、どんどんカードを集めたくなるところがイイ!

街の中を軽トラで走り回れる。探索要素も充実


 マスコットや依頼を得るためには、過疎街の中を軽トラで走り回る必要がありますが、この探索の楽しさというのも大きなポイント。なお、移動はすべて軽トラに乗った状態で行い、降りることはできません。

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 街の中に放置されている古びた看板やゴミを撤去したり、神社を掃除したりするなど、良い行動を取ると事務所の評判が上がってファンが増え、新しい依頼やマスコットが加入するなど、メリットが大きいです。

 事務所の評判以外にも、町中を逃げっている狐を捕まえると、ミチの愛車である軽トラがどんどん改造されていき、移動を始めとしたゲームプレイの快適さも向上します。

 とくにおもしろかったのは、ピンキーをロケットランチャーで撃ち出して発射する機能(ピンキー☆ランチャー)で、それまで軽トラで轢く必要があった看板やゴミを走りながらピンキーで破壊できるようになるので、ゲームプレイが快適かつ爽快になりました。

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 なぜか(?)弾として発射したピンキーは即回収され何度でも使えるので、走りながら何かを見つける度にピンキーを発射しまくるという、シュールな光景が繰り広げられます。こういうちょっとおバカなノリが好きなプレイヤーにはたまらないゲームになっています。

 それ以外にも、事務所の改善計画書を集めて事務所をアップグレートしてマスコットたちの労働環境を改善したり、街の各所にスタンプラリーがあったり、インディーゲームではあるのですが、収集要素の豊富さに関してはかなりの物量が用意されており、やりこみ要素も充実。

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 街の中を走り回る度に着実に何かが積み上がっていく実感を得られますし、“町中を探索→その間にマスコットたちの依頼が終わる→再度マスコットたちを派遣して、待ち時間に探索”といった流れがループするサイクルにもなっているので、つい止め時を失ってプレイし続けてしまう中毒性があります。

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 ユニークな世界観だけではなく、ゲームとしてもしっかりと遊べる作りになっている本作。筆者のように前から気になっていたという方はもちろん、初めて本作を知った人にもおすすめできるタイトルなので、是非ともプレイしてみてはいかがでしょうか。



電撃インディー大賞2025が開催中! Amazonギフトカードが3,000円分が当たる


 2025年4月13日(日)23:59までインディーゲームの中から最高のタイトルを決める“電撃インディー大賞2025”を実施中です。

 今年の対象タイトルは2024年4月1日から2025年3月31日までに発売したタイトル(早期アクセス版を含む)となっています。

 投票結果は後日、電撃オンラインの番組・記事で発表します(2025年5月下旬予定)。

 また、抽選で3名様にAmazonギフトカード3,000円分が当たるので、ぜひ皆さんのイチオシタイトルを教えてください!

“電撃インディー大賞2025”概要
投票締切:2025年4月13日(日)23:59まで
対象タイトル:2024年4月1日から2025年3月31日までに発売したタイトル(早期アクセス版を含む)
投票方法:かならず注意事項を確認のうえ、“電撃インディー大賞2025”投票フォームより応募してください(投票は1人1回までとなります。複数回の投票は集計・抽選の対象外となります)。
プレゼント:Amazonギフトカード(Eメールタイプ)3,000円分(抽選で3名様)
当選発表:当選者へのみ、メールの送信(2025年6月予定)をもって代えさせていただきます(送信先は日本国内に限ります)。
※メールは「dengekionline-present@ml.kadokawa.jp(PCメール)」からお送りします。あらかじめメールの受信ができるよう設定してください。


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