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『LUNAR リマスターコレクション』から不朽の名作『ルナ シルバースターストーリー』をレビュー。序盤から感動の連続でアレスとルーナの旅を見届けるしかない!

文:滑川けいと

公開日時:

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 4月18日発売の『LUNAR リマスターコレクション』に収録される『LUNAR シルバースターストーリー』のレビューをお届けします。

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 『LUNAR リマスターコレクション』は、ガンホー・オンライン・エンターテイメントのグループ会社であるガンホー・オンライン・エンターテイメント・アメリカから、PS4(PS5互換)、Xbox One(Xbox Series X|S互換)、Nintendo Switch、およびSteam向けに発売されます。

 ゲームアーツが原作を手がけた名作RPG『LUNAR シルバースターストーリー』と『LUNAR 2 エターナルブルー』の2本が現代向けにリマスターして収録。当時のRPGとして名作と名高い『LUNAR』シリーズが、時を超え令和の時代に発売されます。

 今回は収録タイトルから『LUNAR シルバースターストーリー』を紹介。1992年にメガCD用ソフトとして登場した『LUNAR ザ・シルバースター』のリメイクで、多くのRPGファンの心をつかみました。本稿ではその魅力やリマスターによる変化などをレポートしていきます。

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『LUNAR リマスターコレクション』から、不朽の名作『LUNAR シルバースターストーリー』をレビュー

少年の夢と冒険を描いた王道ストーリー

 物語の舞台は、ドラゴンマスターと呼ばれる英雄が存在し、世界を救ったという伝説が語り継がれる魔法世界“ルナ”。主人公の少年“アレス”は英雄に憧れ、いつか自分も広大な世界を冒険し、ドラゴンマスターになることを夢見ています。

 幼なじみのルーナや友人たちと平穏な日々を送っていたアレスでしたが、ある日“白竜”に出会ったことで抱いていた夢は現実のものへとなっていくのでした。

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 本作は主人公のアレスが“ドラゴンマスターになるために冒険をする”ストーリーが描かれます。アレスがドラゴンマスターになるために降りかかる試練や多くの仲間たちとの出会いなど、実に王道! これぞJRPGといえるストーリーは、どんな人も楽しめる内容になっています。

 また、ストーリーひとつひとつの演出が丁寧に作られているので、感情移入がとてもしやすいのもポイント。ネタバレになってしまうのでストーリーに関してあまり多くは言えませんが、個人的に好きなのは序盤のとあるシーン。

 これ以上一緒に旅を続けるべきかどうか悩むルーナにアレスが手を差し伸べて、ルーナが一緒に行く決意をするシーンがあるんですよ。この演出が実によくてですね……!

 ここまで胸を熱くさせるのかと! あんな場面を見せられたら、もうアレスとルーナの旅を見届けるしかないだろうと! このゲームを完走する理由を持つに十分な演出となっています。

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 また、随所に挿入されるアニメーションシーンも物語を盛り上げてくれる演出のひとつ。キャラクターのボイスには石田彰さんや氷上恭子さんなどを起用し、物語により臨場感を与えてくれます。​リマスター版ではそれらの映像が高解像度になり、キャラクターたちの繊細な表情や仕草がより鮮明に描かれているんです。​

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▲主人公のアレス。
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▲ヒロインのルーナ。
 アレスは幼なじみのルーナだけでなく、冒険の途中で多くの仲間と出会うことになります。それぞれのキャラクターが個性豊かで、目的や葛藤などしっかりと描かれるのが特徴です。そのため、物語を重視したい人はきっと満足していただけるでしょう。

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▲冒険の途中で出会う、魔法ギルド3年生のナッシュ。
 そんな本作をさらに彩ってくれるのはプレイ中に流れる音楽です。楽曲は岩垂徳行氏が担当しており、ゲームの雰囲気に見事にマッチ。特に本作のヒロインであるルーナが歌う『風のノクターン』は、名曲と言っても過言ではありません! ぜひ一度聴いてみてください。

距離の概念を取り入れた戦略性のあるターン制バトル

 冒険で入ることになるダンジョンではモンスターが徘徊しており、触れると戦闘が発生します。戦闘はターン制のコマンドバトルで、シンプルなスタイル。戦闘中はキャラクターがちょこまか動いて戦いを繰り広げてくれるため、見ているだけでも楽しめるようになっています。

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▲ダンジョンにはモンスターがうろうろ。
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▲ダンジョンでは敵の注意をこちらに向けて道を拓くといった仕掛けもあります。シンボルエンカウントならではですね。
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▲こちらが戦闘画面。自動で戦ってくれるオートバトルも用意されています。
 そんな戦闘に戦略性を生み出してくれているのが、“距離”の概念です。味方や敵が使う特殊能力・魔法のなかには範囲攻撃もあり、これにキャラクターたちの距離感の要素が加わることで、適度な戦略性が生まれています。

 敵の密集地帯に範囲攻撃をたたき込めば多くの敵にダメージを与えられますし、HPの高いキャラクターを前に出して敵のターゲットをできるだけひとりに集中させるなど、戦闘が単調にならないような工夫がされています。

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▲戦闘開始時の陣形をあらかじめ設定しておくことも可能ですが、戦闘中防御コマンドを選択することで変えられます。
 通常戦闘の難易度はそこまで高くはないものの、ボス戦は難易度がグッと上がる印象。ボスがどんな行動をしてくるのか把握し、キャラクターの配置を考えることでレベルがある程度低くても勝てるようになっています。

 ちょっと勝てない……という方はキャラクターの位置関係を見直してみると、意外にあっさり勝てるかもしれません。筆者はそうでした。

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▲通常はオートに任せ、やられたら手動でキャラクターの位置を考えて戦ってみる、こういうスタイルで筆者はやっています。
 さらにリマスター版では、戦闘時のスピードを調整できる機能も搭載。当時のスピードは比較的ゆったりしていて、正直一回の戦闘に時間がかかる印象でしたが、バトルスピードを上げることでストレスフリーに遊べるようになります。当時のプレイヤーで久しぶりに本作に触れてみようという方も、快適に遊べるようになっていますよ。

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▲バトルスピードはいつでも変更可能。
 ちなみに、本作はオートセーブではなく、手動でセーブを行う必要があります。とはいえ、フィールドでも街中でもダンジョンでも、どこでもセーブ可能なのはうれしいポイント。ですが何も考えずにプレイしていて全滅してしまった場合、直前のセーブまで戻ってしまうのでセーブはこまめに行っておきましょう。

時代を超えて愛される名作をぜひ一度その手で!

 リマスター版になってバトルスピードの実装をはじめ細かな手を加えられていますが、個人的にうれしいのはクラシック版とリマスター版のセーブデータの共有です。同じセーブデータでそれぞれ続きをプレイできるため、その日の気分で気軽にクラシック版とリマスター版を選んでプレイできます。

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▲こちらがクラシック版。同じ場面を進めて、クラシック版とリマスター版の違いを楽しむのもよいでしょう。
 さまざまなキャラクターの想いが交差する、深いストーリーを楽しめる本作。リマスター版では美しいアニメーションにも磨きがかかり、より魅力が増しています。昔からのファンの方はもちろん、正統派のRPGを楽しみたいという方にもおすすめですよ!

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