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【スパロボY参戦作品紹介1】機動戦士ガンダム 水星の魔女:他の『ガンダム』シリーズとどう関係するか、学園要素をどう落とし込むかに注目【スーパーロボット大戦Y】

文:米澤崇史

公開日時:

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 『スーパーロボット大戦Y(スパロボY)』に参戦する作品を紹介。連載第1回は、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』について語ります。

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 2025年8月28日にバンダイナムコエンターテインメントから発売予定の、シミュレーションRPG『スーパーロボット大戦』シリーズ最新作となる『スーパーロボット大戦Y』。4月20日に行われた配信にて、ついにすべての参戦作品が明らかになりました。


 『スーパーロボット大戦30』から数えると(間にDLCや追加ストーリーはありましたが)、4年弱ぶりのコンシューマ向け『スパロボ』ということで、久しぶりにワクワクしているシリーズファンも多いのではないでしょうか(もちろん筆者もその一人)。

 『スパロボ』でまったく知らない作品に触れる……というのも、勿論立派な楽しみ方の一つではあるんですが、ある程度作品の知識があったり、原作を見たことがあれば、「こんなクロスオーバーを仕込んできたか」みたいな感動を得られたりするのも、『スパロボ』ならではの魅力。

 そこで今回は、『スパロボY』に向けての予習・復習を兼ねて、参戦作品についての大まかなあらすじや、『スパロボ』での注目ポイントを紹介していきます。

 なお、核心に触れるようなものは避けますが、
ある程度の作品のネタバレを含む内容となっているので、未視聴の場合はご注意ください。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』概要・ストーリー【スパロボY参戦作品紹介】


 まず第1回目の作品として紹介するのが、初報のPVで参戦が明らかになり話題を呼んだ、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。今回が新規参戦となる作品です。

 アニメは2022年にシーズン1、2023年にシーズン2が放送。『ガンダム』のTVシリーズ作品としては初の女性主人公となるスレッタ・マーキュリーが登場、主な舞台が学園となること、シリーズ構成を『コードギアス 反逆のルルーシュ』の大河内一楼さんが担当することなど、発表時から大きな注目を集めていました。

 放送時も毎回大きな話題を呼び、本作をきっかけに初めて『ガンダム』に触れた方も多かったのではないかと思います。


 そんな『水星の魔女』の舞台となるのは、民間企業が強い力を持ち、宇宙を中心とした強大な経済圏を構築してる、A.S.(アズ・ステラ)122年において、経済圏の中心であるベネリットグループが運営する教育機関・アスティカシア高等専門学園。

 遠く離れた水星で暮らしていたスレッタは、母に託されたモビルスーツ・エアリアルと共に地球へとやってきて、アスティカシアに入学することになります。

 アスティカシアでは、モビルスーツ同士で模擬戦を行い、敗者は勝者に従わなければならないという“決闘”のルールがあり、その最優秀者であるホルダーには、ベネリットグループ総裁のデリング・レンブランの一人娘であるミオリネ・レンブランの婚約者になれる権利が与えられていました。

 ただミオリネ自身はロフィーのような扱いに憤慨し、何度も学園を抜け出そうとしては失敗を繰り返していましたが、そんな時に出会ったのがスレッタでした。

 現在のホルダーでミオリネの婚約者だったグエル・ジェタークの傍若無人な振る舞いに憤ったスレッタは彼に決闘を挑み、勝利したことで学園最強の称号であるホルダー兼、新しいミオリネの婚約者として、学園生活を送っていくことになります。


 なお。スレッタが搭乗するエアリアルは、人道的観点から封印された“GUNDフォーマット”と呼ばれる技術が使われた“ガンダム”であり、禁じられた技術である“GUNDフォーマット”を巡る大人たちの思惑も入り混じながら、『水星の魔女』の物語は展開していきます。

■『機動戦士ガンダム 水星の魔女』を見る

相性の良さそうな『Gガンダム』に対し、『Z』や『逆シャア』はどう絡んでいくの?【スパロボY参戦作品紹介】


 ついに『スパロボ』初参戦を果たした『水星の魔女』について、個人的に気になっているのが、世界観をどのようにまとめるのかということ。

 地球と宇宙の対立構造は『機動戦士ガンダム』から受け継がれている構図で、基本的に『ガンダム』では地球側が優位で、宇宙にいる人々を弾圧しているような作品が多いのですが、『水星の魔女』では経済的に豊かなスペーシアンが、貧しいアーシアンを差別するような構造になっています。

 作戦作品の中で『機動武闘伝Gガンダム』の世界である未来世紀も、地球が戦争によって疲弊して、すでに人類の多くがコロニーに移住した後なので、地球よりも宇宙の方が力関係が上という共通点があり、発表時に『水星の魔女』と並んで『Gガンダム』が参戦していたのは、かなり相性がよさそうな印象がありました(学園における決闘制度も『Gガンダム』の“ガンダム・ファイト”と非常に似ていますし)。


 一方で、『スパロボY』の参戦作品の内、『機動戦士Zガンダム』と『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』は、地球が優位の世界観になっていて、『水星の魔女』とは関係性が真逆なんですよね。

 『スパロボ』の世界って、宇宙世紀が世界観のベースになることが多いのもあって、複数の『ガンダム』の世界をどうやって1つの世界観にまとめるのかは注目したいポイントです(並行世界で2つにわけるなんて展開も可能性としてありそうですが)。

 また、『水星の魔女』は『ガンダム』シリーズには珍しい、学園を舞台にした作品となっており、基本は戦艦に乗って各地を転戦することになる『スパロボ』に組み込む難しさもあるなとります。

 ただ、今回のオリジナルメカである機動要塞都市“エーアデント”の存在が判明したことで、例えばアスティカシアの分校が“エーアデント”の中に設立してストーリーが展開していくといった、今までの『スパロボ』にあまりなかった物語のパターンが見られる可能性も考えられます。


 あとは、今回はシーズン1のみの参戦とのことなので、どこまでキャラクターが自軍加入するのかも気になっているポイント。

 スレッタとチュチュは間違いなく自軍入りするかと思いますが、グエル・ジェターク、エラン・ケレス、シャディク・ゼネリの御三家は仲間になってくれるのか。なかなか難しそうなところはありますが、完全な敵ではなく、スポット参戦や隠しユニットのような形でも使えたら嬉しいところ(とくにエランはどうなるのか……)。


 いわゆる強化人間に近い存在であるエランにアムロやカミーユ、シンといった『ガンダム』作品の主人公たちがどう反応を示すのかとか、シャディクが裏で様々な組織と繋がっていて暗躍しそうとか、クロスオーバーもいろいろと妄想が広がりますね。

 今後も、『スパロボY』の作品を引き続き紹介していく予定ですので、お楽しみに!

■『機動戦士ガンダム 水星の魔女』を見る


米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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