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『テイルズ オブ ヴェスペリア』法律と正義の狭間で…ユーリとフレンの正義は、どちらも間違っていない【メモリの無駄づかい】

文:電撃オンライン

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 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は2008年に発売された『テイルズ オブ ヴェスペリア』を語ります。

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異なる正義を貫き通すキャラたち。どれが正しいかはわからないけど多くのことを考えさせられるストーリー【テイルズ オブ ヴェスペリア】


 個人的に『テイルズ オブ』のシリーズの中でもトップクラスにやりこんだ『テイルズ オブ ヴェスペリア』。2008年にXbox 360で発売されたのち、新規要素を追加したPS3版が2009年に発売されました。

 そして筆者がプレイしたのはPS3版です。当時はPS3だけではなく、Xbox 360やWiiといった家庭用ゲーム機がありましたが、学生だったので金銭的にそろえることできず。そういった経緯もあって、Xbox 360版ではなく、唯一持っていたPS3版で初めてプレイしました。

 『テイルズ オブ』シリーズといえば、大枠ではRPGですが、作品ごとに“○○なRPG”と異なるジャンル分けがされており、『テイルズ オブ ヴェスペリア』は“「正義」を貫き通すRPG”となります。

 登場するキャラの多くが自分なりの正義を持っていますが、中心として描かれるのは主人公のユーリと親友でライバルのフレンの正義だと思います。

 どちらも苦しんでいる人を放ってはおけないという部分は同じなのですが、ユーリは法を犯してでも目の前の人を助けるのに対し、フレンは法の改正、腐敗した国の是正を優先するといった違いがあります。

 この違いにより両者が対立することもしばしば。人を助けたけど法を犯したことを咎めたフレンに対し、ユーリは人々を苦しめている悪人を合法的に裁けるまで耐えろとでも言うのかと反論。それがたとえ死んでしまうことになったとしても。

 悪いのは人々を苦しめる悪人なのは間違いありません。ただ、その人々を助けるための手段が決定的に違います。ふだんはお互いのことをよく知る親友として、仲良くしているのですが、この部分は決定的に違います。

 どちらも自分のやろうとしていることが絶対の正解ではないとわかっている節もあり、だからこそ、見ていて余計に辛いものがあります。本当にいろいろと考えさせられました。

 ちなみにゲーム終盤ではそんな2人が直接対決をするシーンがあります。これは正義の対立から起きたものではないのですが、対立していた部分も含めてこれまでのストーリーを見ていれば、2人の関係がより理解が深まります。これまで紡いできたものの集大成とでもいうのでしょうか。とにかく尊いです。

 この戦いは勝っても負けてもストーリーが進むのですが、その後の会話が変わるのでどちらも見るのを推奨したいところ。ユーリよりフレンの方が強いという設定を反映して、1周目や高難度だと勝利するのは難しいですが、工夫や戦い方次第で勝てます。実際に数回やり直しましたが、1周目でも勝利できた記憶があります。

 『テイルズ オブ ヴェスペリア』以降のシリーズ作品もプレイしていますが、本作のストーリーがかなり印象に残っています。それだけ、ゲームとして楽しみつつ、いろいろと考えさせられたということでしょう。

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