電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、White Owlsが開発し、CULT Gamesより発売中のアクションゲーム『HOTEL BARCELONA(ホテル・バルセロナ)』のレビューをお届けします。
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なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
過去の自分のプレイを再現した“スラッシャーファントム”との共闘が最大の特徴
『ホテル・バルセロナ』は、『ノーモア★ヒーローズ』の須田剛一氏と、『レッドシーズプロファイル』のSWERY氏という、共に尖ったゲームを作ることで知られる二人のクリエイターがタッグを組んで生み出された2Dスクロールアクションゲームです。
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プレイヤーは新米の連邦保安官・ジャスティーンとなり、結界が張られたシリアル・キラーが巣食うホテルから脱出するのが目的。
ジャスティーンは普段は気弱で大人しい性格ですが、その精神には凶悪な過去を持つ狂気の殺人鬼“Dr.カーニバル”が宿っており、戦闘時はガラリと姿が変わり、“Dr.カーニバル”が主導権を握った状態になります。
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アクションゲームとしての難易度は高め。イージー、ノーマル、ハード、スラッシャーの4種類の難易度が用意されていますが、イージーまで下げてもノーコンティニューでクリアするのは難しいくらいには歯ごたえがあります。
難易度的にもシステム的にも、何度も死にながらリトライしてプレイしていることが想定された“死にゲー”に分類されるタイトルと言えます。
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ステージにはいくつかの小さなエリアに分けられていて、最奥のボスを倒すことでステージクリアとなります。
ボス戦に至るまでにはいろいろなパターンのルートが用意されていて、各エリア内のどのゴール(扉)に入るかによって得られる効果が変化。
効果は攻撃速度を上げたり、HPを回復したりさまざまですが、ノーマル以上の難易度だと、HPの回復手段がこのエリアクリア時くらいしかないので、HPをじわじわと削られ、ボス戦にたどり着いたものの、すぐに倒されてしまう……という流れになりがちです。
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しかし、このゲームが面白くなるのは一度死んでから。
一度死んだ後にステージをリトライをすると、“スラッシャーファントム”(以下、ファントム)という前回の自分のプレイを再現した存在が現れます。レースゲームにおけるゴースト的な存在ではなく、ファントムが繰り出した攻撃はそのまま敵に当たります。
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ただ、あくまでファントムの動きは前回の自分のプレイを再現しているので、敵をしっかりと狙っているわけではありません。
敵の配置はそのプレイでの時間や天気によってランダムで変わるので、まったく意味のない動きをしていることも少なくないのですが、ある程度の配置の法則性はあるのでそれなりに攻撃は当たりますし、敵の狙いも引きつけてくれます。
ファントムなしの初回プレイと比べると2回、3回とプレイを重ねるごとに明確に楽になっていきます。
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こちらが行動を指示できるわけではなく、違うエリアを選ぶと消えてしまいます。近いのはオンラインで他の野良プレイヤーと一時共闘する時のような感覚でしょうか(中身は自分なわけですが)。セルフ共闘というのは、今までにない体験でした。
しかもこのファントム、1人だけではなく死ぬごとに2人、3人とどんどん増えていきます(今回プレイした範囲での最大数は+3人でした)。
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とくにこの恩恵が大きいのがステージ最後のボス戦で、1人で挑む時とファントムが複数人いる状態で挑む時では難易度が天と地ほど差があります。
ただ、あくまでも一緒にいるのは前回の自分のプレイまでなので、ボス戦がはじまってすぐ倒されていた場合、ファントムも同じタイミングで消えてしまいます。
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なので最初の頃はあまり役に立たないことも多いのですが、ボスに何度も挑んである程度戦えるように自分が成長していくと、自然とファントムも長く一緒に戦ってくれるようになります。
死にゲーをプレイする時って、もうあと一歩で倒せそうなところで死んでしまい、めちゃくちゃ悔しい想いをした経験って誰もが持っていると思うのですが、本作の場合その頑張りが無駄にならず、そのぶん次回のプレイが大幅に楽になるというのは、大きなプレイのモチベーションに繋がりました。
使い切れなかった素材は消えてしまう独特の成長システム
成長システムもなかなか特徴的。
主人公のジャスティーンにはレベルのようなパラメータはありませんが、敵を倒したり攻撃したりした際に手に入る“返り血”ゲージを消費した必殺技“カーニバル覚醒”や、ダッシュやパリィといったアクションを習得・強化できるスキルツリーを解放したり、新たな武器を購入したりすることでジャスティーン自身を成長させる要素もあります。
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このスキルツリーの解放には、ステージ内で獲得できる骨、耳、歯といった素材が必要なんですが、再びステージ攻略に挑戦する時に、前回までに得た素材はほぼ消えてしまいます。
死んだ時にすべてを失うのではないのが面白いポイントで、得たものは一度すべて拠点であるホテルに持ち帰れるのですが、余った分は無駄になってしまいます。なのでスキルツリーを解放する時は、「どの組み合わせで解放すれば一番素材を使い切れるのか」ということを自然と考えることになります。
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序盤でほとんど素材を集められずに死んでしまった場合は、次回挑戦時のファントムもすぐ消える上に、スキルツリーも何も解放できなかったという事態に陥りやすいので、一回一回のプレイには結構緊張感があります。
とはいえ、難易度イージーでは何度か死亡すると、HPが0になっても復活できるアイテムや、ボス戦から再挑戦するためのチケットが入手できたりもして、アクションゲームが苦手な人への救済措置はしっかりと用意されています。
ある程度歯ごたえのあるゲームはやりたいけど、難しすぎて心が折れるのは辛い……という方には、とくにオススメできるゲームになっています。
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