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【ほぼ週刊電撃スタッフコラム:オッシー】『ラタタン』で試されるマルチタスク力。『サイレントヒルf』で一番たちが悪いのは間違いなく凛子。悪意の塊。映画『見える子ちゃん』原作の料理うますぎて原作民も満足

文:オッシー

公開日時:

 みなさんこんにちは。『ゴースト・オブ・ヨウテイ』が面白すぎる。ゲーム・オブ・ザ・イヤー待ったなし。クリアはしたけど、ボリュームが多すぎて書きれないので、次回に回す所存です。だってラストあれだぜ……。もう色々書きたいことありすぎて困る。刀以外は使わない宣言してたのに、操作ミスでラスボスを槍で倒しちゃったオッシーがスタッフコラム19回目をお送りします。

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 このコラムでは、狂ったようにプレイしている日々のゲーム体験や、ゲーム以外の趣味である映画鑑賞などで摂取したエンタメコンテンツを、短文レビュー形式でお送りしています。今回はゲーム編と映画編。超ネタバレ注意!

タイトル:『ラタタン』
プレイ状況:Steam版 第三ステージまでクリア

 みんなだいすき『パタポン』の精神的続編『ラタタン』がアーリーアクセスで登場。『パタポン』好きだったので期待して親子配信で実況プレイした。

 『パタポン』は4拍だけど、『ラタタン』は3拍なのよ。なので、ついつい4拍押しちゃうのよね、最初は。ただ、慣れてくると、3拍はシンプルでいい。拍の減少に伴って、手下への指示も少ないから、操作難易度が下がるのよ。『パタポン』は可愛い見た目に反してかなり難易度が高いので、こうやって間口を広げるのは大賛成。じゃあ簡単になっただけかというとそんなこともない。今回は、なんと手下への指示だけでなく、プレイヤーキャラがいるのだ。

 操作キャラ=ラタタン。ラタタンが手下に指示をするのはシリーズおなじみのリズムゲームなんだけど、なんと今回はラタタン自体も操作できる。ラタタンは2D横スクロールアクション操作。なので、ボタンでリズムゲームを刻みながら、スティックで移動させる必要がある。これが忙しくて難しい!

 ボスの攻撃は攻撃範囲が見えることが多くて、普通のアクションなら余裕でかわせるんだけど、本作では、まず手下をリズムゲームで攻撃範囲外に誘導しつつ(またはガードしつつ)、自キャラも範囲外に逃れなくてはならないのよ。もう頭こんがらがるよね。

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▲ボスの攻撃を交わしながらリズムを刻むのが難しいけど楽しい。

 かといって超絶難易度かというと、そんなこともない。何故かというと、ラタタンが死んだらミッション失敗だが、手下は死んでも一定時間経つと復活するのだ!

 なので、結果はお察しの通り、手下特攻ゾンビアタックゲーになる。手下を誘導するのは諦めて、敵の近くに誘導して攻撃リズム連打。自キャラは安全圏に逃げまくる。非道おぶ非道。まあそんなことしてても攻撃の手が足りなくなってジリ貧で負けるんだけどね。

 『ポタポン3』で進化したRPG要素もあり。ハクスラ要素や、育成要素もバッチリ入っていて楽しい。ゲーム自体はローグライクなので運も絡むが、一期一会のビルドを楽しめるのは新鮮でいいね。

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▲ローグライクおなじみの3枚から一つを選ぶのじゃの図。
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▲武器はドロップもあるしクラフトもできるぞい。

 まだアーリーアクセスだし、それでこの完成度は素晴らしい。相変わらず、音楽は中毒性高しなので、お外でラタラタ口ずさまないように注意!

■電撃インディー配信のアーカイブはこちら。

陸上部だったらヤーナムステップも余裕という風潮

タイトル:『サイレントヒルf』
プレイ状況:PS5版にてプレイ エンディング2種クリア

 みんなだいすき『サイレントヒル』最新作。TGSで忙しくてちょっと遅れてプレイ。

 まさかの和風『サイレントヒル』。それってつまり『SIREN』なのでは? 『SIREN』も外国人主人公になったりしたので、国際交流ってこと? 

 舞台は静岡……ではなく、岐阜県のとある町をモデルにしているそう。舞台設定も家父長制が色濃く残る1960年代。筆者も産まれてない時代。でも東北のド田舎生まれなので、なんとなく閉鎖的な村の感じとかは分かる。田舎は良いところもあるけど、閉鎖的で陰湿なところあるからね、やっぱり。

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▲ところどころに出てくる「信じるな」演出が大好き。有名な「洋子の話は信じるな」オマージュか。

 とにかく主人公の雛子ちゃんのキャラが立ちすぎている。性格的には見た目上は控えめで内気な少女って感じなんだけど、フィジカルが化物すぎる。凶器(鉄パイプ)を握ったあとは、怪物を躊躇なく殴り殺すわ、華麗にヤーナムステップで回避するわ、ヤベークスリをキメて回復するわのやりたい放題。鬱屈した思春期の苦悩がすべて暴力性として発散されてる感じ。

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▲クリーチャーにつかまれてぶっ刺されても割と平気な雛子ちゃん。つおい。

 ゲーム的には、シリーズの他作品より敵が多め&強めなので、スーパー雛子ちゃんでバランス取れてる説あるはある。敵がパリィしやすいようにか、攻撃前に一瞬モーション止めてくれるのがディレイになって逆にやりづらいとかもあった。でも後半は色々あってつよつよアームとか伝説の剣とか手に入るのでなんとかなる。

 ストーリー的には、雛子ちゃん視点なんだろうけど、とにかく周りの人物がクズ過ぎる。アホの幼馴染(男)に、依存激重裏切者連呼友達(女)、暴力父に服従母と枚挙に暇がない。

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 極めつけは女友達の凛子で、こいつは一切擁護できないレベルで性格が終わってる。自分を立てる為に雛子を利用するだけでなく、好きな幼馴染(男)を手に入れる為に明確に雛子に殺意を向けてくる。こいつだけは結婚関係なく葬らなければならない。

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▲凛子はん序盤から殺る気まんまんどすえ。

 あとはネットで女子に大人気の狐面の男も、ぶっちゃけ表面上は優しいけど、やってることはエグいから、これ実質的に殴った後に急に優しくなる典型的なDV男では……?

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▲狐面の男のDV男疑惑。

 とまあネタバレ薄めに語ると人物評くらいしかできないけど、言ってしまえば『火喰い鳥を、喰う』的な話なので、めちゃくちゃ大好物です。本当にありがとうございました。



 
次は映画編。超ネタバレ注意!


原作実写化でも大丈夫な良アレンジ


タイトル:映画『見える子ちゃん』

 前回に続き弊社IPの実写化レビュー。とはいえ、公開は昨年。単純に見逃していた映画がAmazonプライムビデオに入ったので早速視聴した。

 原作も一巻発売の頃から買ってるくらい好きな作品。クリーチャーデザインが良いのと、主人公の周辺のキャラが良い感じで好き。お気に入りのキャラは友人のハナちゃん。生きる力ってやっぱ食べることなんやなって。

 そんな原作ファンなのに実写映画を観に行かなかった理由は……ずばり不安だったんだよね。

 映画館は結構行く方なので、だいぶ前から予告編は見てたんだけど、予告で主演の原菜乃華ちゃんが悲鳴上げてるわけ。いやー、違うでしょ。原作のみこちゃんは「見える子ちゃん」なので、幽霊は見えるけど、気づかれないためにスルーする役どころなわけで、幽霊見てキャーじゃ解釈不一致もいいところ。それじゃただの若手女優使ったよくあるホラー映画やんけ、と思って劇場ではスルーしてた。

 とはいえ、アマプラに入ったのなら観てやるか……と謎の上から目線で観たら、これがまた良くできてんの。

 前述の幽霊見て悲鳴上げるのもあったけど、ちゃんと理由付けされてる。霊能Youtuberが「霊がいたら怒鳴りつければ勝てる」と嘯いているのを見て、実践したらヤベー霊に絡まれたので悲鳴上げて逃げるわけ。ちゃんと理由があっての自然な流れだから問題なし。

 みこちゃんのお父さんの話は原作でもあったので、知ってる身からするとニヤニヤしながら見ていたんだけど……そこで「オレは原作しってるぞドヤァ」してたら、原作にない仕掛けに最後騙されてびっくり。そっちが幽霊だったんかい! よく考えれば気づくところいっぱいあったのに、お父さんのエピソードがあったからそっちに気を取られてまんまと騙されたわ……悔しいけど楽しかった!

 善先生のエピソードは原作でも好きだったので、猫のくだりが無いのはちょっと残念だったけど、長くなっちゃうから省くのはしょうがない。関連してキャラ増えちゃうしね。とはいえ、今回のメインは善先生のお母さんのエピソードだったので、そこは良かった。

 原作のゴッドマザーとかロムとかの話まで広げると、とてもじゃないけど映画の尺じゃ収まらないもんね。

 映画の尺で、オリジナル要素を結構入れつつ、破綻せずうまくまとめた良作。この監督なら、実写化続編も作って頂いてよくてよ(上から目線)。

 次回作には、ぜひファミレスのアレを実写化してほしい! あの霊を食べる霊とそれに並ぶ行列が意味分からなすぎて好きなのよ。興味持った人はぜひ原作を読もう! 弊社(KADOKAWA)に貢献しよう!

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