電撃オンライン

『都市伝説解体センター』奇怪で魅力的なキャラクターと、ミステリーのおもしろさが凝縮された物語に酔いしれろ【電撃の激押し神ゲー2025】

文:まり蔵

公開日時:

 電撃オンライン編集部スタッフが実際に遊んだうえでオススメ作品をプッシュする特集企画"電撃の激押し神ゲー2025"。この記事では『都市伝説解体センター』の魅力について語ります。

[IMAGE]※本記事内には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。

『都市伝説解体センター』がおもしろすぎて2月の時点で2025年No.1ゲームが確定してしまった


 集英社ゲームズから2025年2月に発売されたPS5/Switch/PC(Steam)用ソフト『都市伝説解体センター』は、さまざまな都市伝説にまつわる事件を追うミステリーアドベンチャーゲームです。

 本作を開発する“墓場文庫”が手がけた推理ADV『和階堂真の事件簿』シリーズが大好きだった筆者は、発売前から『都市伝説解体センター』も絶対おもしろいだろうなという謎の確信がありました。

 その確信は、東京ゲームショウ2024で本作の体験版をプレイしてより確実なものとなります。体験版では、チュートリアルから第1章の途中までプレイできたのですが、これがおもしろすぎた!

[IMAGE]

 「こんな気になるところで終わっちゃうの? 早く続きをプレイさせてくれー!!」という強烈な焦燥感を抱きながら、それからしばらく待たされることになります。そして、4カ月後の2025年2月にようやく続きをプレイした筆者の感想は、やっぱりおもしろすぎた! もう2月の時点で、2025年No.1ゲームが確定してしまいましたよ……。

[IMAGE]

 本作を傑作だと思ったのは筆者だけではなかったようで、『都市伝説解体センター』は発売直後からSNSで絶賛の嵐。日本ゲーム大賞 2025 優秀賞やPLAYSTATION INDIES AWARD 2025を受賞し、電撃インディー大賞2025でも1位を獲得するなど多くの人から高い評価を得ています。

 そんな2025年アドベンチャーゲーム界隈を席巻したと言っても過言ではない『都市伝説解体センター』の魅力を、改めて紹介したいと思います!

ストーリー、ビジュアル、音楽……すべてにおいてスタイリッシュ!【都市伝説解体センター】


 本作の物語は、主人公の福来あざみが怪異・呪物・異界などの調査や解体を行う“都市伝説解体センター”を訪ねるところから始まります。

[IMAGE][IMAGE]

 生まれつき幽霊のようなモノが視えてしまうあざみは、視えなくしてもらうために“都市伝説解体センター”を訪れ、そこでセンター長の廻屋 渉と出会います。そこから巻き込まれ体質なあざみの受難(?)が始まるわけですが……。

 うっかり莫大な借金を背負ってしまったあざみは、センターの調査員として働くことに。相棒の“ジャスミン”こと止木休美とともに“都市伝説”に関係した事件の調査に乗り出します。

 事件の舞台は、女子大生のマンションの一室だったり、上野の公園や使われていない駅だったり、因習村を彷彿とさせる田舎だったりと多種多様。そこで起こる事件を丁寧に調査して解決に導いていくことになります。

 ゲームに限らず都市伝説を扱ったミステリーでよくありがちなのが、事件を解決してもちょっと不思議な点が残るところ。筆者は事件解決にあたって余韻とか情緒とかをあまり重視するタイプではないので、科学では解明できないオカルティックな要素についモヤモヤしてしまったりします。

 しかし『都市伝説解体センター』は、ほぼ科学的に事件を解決していくので非常に気持ちよくストーリーを楽しむことができました。各エピソードに細かくちりばめられた謎も秀逸で、終盤に進むにつれて数々の伏線が回収されていく過程がまた美しい。

 個人的にツボだったのが、あざみが推理をまとめる際に脳内センター長が現れて的確なアドバイス&ツッコミをかましていくところ。プレイ中は「あざみの脳内でもマイペースな言動のイマジナリーセンター長、おもしろすぎる」とのんきに笑っていたのですが、こういったところも伏線として回収されていく緻密な作りに感動しました。

 また、特徴的なサイケデリックなピクセルアートも本作で重要な役割を担っています。最初プレイしていたときは、ドット絵でこんなにオシャレなビジュアルすごいなーくらいにしか思っていなかったのですが、“ベッドの下の男”のビジュアルを見たときは震え上がりました。怖すぎる……! ドット絵だからこその怖さやおもしろさを体験できる点も、本作ならではでしょう。

[IMAGE]

 そして忘れていけないのが、PlayStation Game Music大賞 2025の第1位に輝いた素晴らしい音楽です。各章の最後に映像とともに流れる主題歌の「奇々解体」があまりにも名曲すぎるので、まだMVを見ていない人はぜひご覧になっていただきたいですね。

インターネットの闇に切り込んだSNS調査がおもしろい!【都市伝説解体センター】


 『都市伝説解体センター』のストーリーがおもしろいのはもちろんなのですが、個人的に特におもしろいと感じたのが“SNS調査”のシステム。簡単にいうと“噂の観察”ですね。SNS上の気になる投稿を追ったり、怪しいワードを見つけて検索したりすることで、都市伝説の輪郭をはっきりさせていきます。

 このちまちまとした検索が地味におもしろい。何気ない投稿からワードを拾い上げ、検索することで思いもよらなかった事実や過去が明らかになると……かなりテンションが上がります。

[IMAGE][IMAGE]

 現在のミステリーにおいて、SNSを使用した調査はかなり見逃せない要素だと思いますが、それにしても本作のSNSに対する解像度が高すぎる(笑)。

 リアルタイムの検索によって生々しいユーザーの声や新鮮な情報を得られるというプラスの面と、炎上や誹謗中傷、デマの拡散などのマイナス面の両方がきちんと濃密に描かれています。我々の生活に今やなくてはならないものとなったSNSとの付き合い方について、非常に考えさせられました。

 そして最後に触れたいのが、本作を彩るキャラクターたち。主要キャラクターである廻屋やあざみは少々浮き世離れしている感がありますが、事件の関係者たちはとにかく癖が強い!

 登場人物みんな怪しい! 警察関係者まで怪しい! そして言動がみんなおもしろい(笑)。ひたすら強烈で印象的なキャラクターばかりですので、ぜひ自分の推しキャラクターを見つけていただければと。

[IMAGE]

 個人的に、第3章に登場するミステリーツアーのガイドさんがめちゃくちゃ好きなんですよ。すごく重要なキャラクターに見えて、とてもスットコドッコイな感じが……愛おしい……。彼のグッズが販売されたら買い占めてしまうかも。

[IMAGE]

 という感じで、ストーリー、キャラクター、システム、ビジュアル、音楽……すべてにおいて隙のない『都市伝説解体センター』。

 探索パートやSNS調査など一見するとちょっと面倒な作業に見えがちなのですが、かなり遊びやすくシンプルな作りになっており、ストーリーを楽しむ妨げになっていないので、幅広いユーザーに勧められます。ミステリーは好きだけど、普段ゲームをあまりやらないという層には特に!

 極上の謎解きと、最上級の衝撃を、安価(パッケージ版が3,740円、ダウンロード版は1,980円、セール中はさらにお安く!)で体験できる名作ミステリーですので、まだ未プレイの方はぜひこの年末年始に遊んでみてください。絶対におもしろいと断言できますので!

『都市伝説解体センター』関連記事

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この記事を共有