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【ほぼ週刊電撃スタッフコラム:オッシー】『ヨウテイ』クリア後感想。篤っちゃんは紛うことなきバーサーカー政子殿の後継者。『タイでのときめき』でタイの治安への不安が一抹どころじゃない

文:オッシー

公開日時:

 みなさんこんにちは。ついにきたぜ『ゴースト・オブ・ヨウテイ』回。でも記事をチェックするカミさん(未クリア)からネタバレを避けるように言われたぜ。ネタバレに言及しないということすらネタバレになる時代。ネタバレってなんなんだぜ?(哲学)。そんな苦悩するオッシーがスタッフコラム20回目をお送りします。記念すべき20回めだぜ!

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 このコラムでは、狂ったようにプレイしている日々のゲーム体験や、ゲーム以外の趣味である映画鑑賞などで摂取したエンタメコンテンツを、短文レビュー形式でお送りしています。今回はゲーム編だけ。スーパーウルトラネタバレ注意に注意(哲学)。

タイトル:『タイでのときめき』
プレイ状況:Steam版 シェンマンルートクリア

 『ゴースト・オブ・ヨウテイ』じゃないんかい、という声が聞こえてきそうだが、そんなの関係ねえ! 『ヨウテイ』は紛うことなき神ゲーだけど、唯一の欠点は女の子が可愛くないんだよね。前作ヒロイン(?)の「ゆな」よりはマシなの多いけどさ。まずはFMVゲームで美女成分を補いたい所存。

 ということで、FMVゲーム配信でプレイした、その名も『タイでのときめき』。超トゥナイト宣伝部。

 すっかり自分の中では恒例化したFMVゲーム配信なんだけど、中国→中国→日本→韓国ときて、次はどこかな~と思ってたのよ。そしたら、タイトルにタイって入ってるタイトルがあるやんけ。タイがゲシュタルト崩壊。

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▲タイって秦国って書くのね。

 よーし次は微笑みの国タイランドや! つってプレイしたら、確かにロケ場所はタイなんだけどさぁ……中身は実質中国ゲーやんけ! タイのチャイナタウンがメインなんだよね。攻略対象もほぼ中国人。ということでタイの皮を被った中華美女ゲーだったんだけど、
中国美女は相変わらずレベルたけーから無問題。

 ストーリーは、求職中の主人公が親戚を頼ってタイに渡るというもの。FMVの主人公って無職多くない? 
何者でもないから何にでもなれるってこと? 案の定、無職なのにモテまくるしさ。なんやこの世界線。正直移住したい。

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▲中華美女勢揃い。

 ということでタイの空港に降り立ちし無職。従姉妹が迎えにくるとのことで待っていると早速美女に話しかけられる。これがFMV主人公パワーか。こんなエロ可愛い従姉妹がいる時点で勝ち組やな~とホイホイ付いて行ったら…なんか犯罪組織的のアジト的なところに到着。これテレビでみた東南アジアの特殊詐欺拠点のやつや! と思う間もなく、収監即KILL。え、電話かけなくていいの? っていうかすぐ殺すんなら連れてきた意味なくない?

 色々な疑問が浮かびつつも、最初の選択肢で即ゲームオーバーなタイの治安にビビりまくる海外旅行未経験(パスポート取ったことすらない)筆者なのであった。微笑みの国って笑いながら殺すって意味なん?

 気を取り直して攻略対象紹介行きまひょ。

優しい従妹・シャオシュイ


 みんな大好き妹ポジション。
しゃおしゅい。漢字で書くと「小水」。おいいきなり下ネタやめろし。

 そんなお小水ちゃんは、最初はちょっと幼すぎる容姿だな~と思ってたけど、作中で何度か着替えたり髪型変えたりすると結構カワイイ。ただ主人公の叔父にあたる小水パパがヤベーやつなので、小水もアレな可能性高し。

 主人公は小水パパの別荘に住むことになるんだけど、そこにプレゼントとかいってアダルトグッズとか明るい家族計画的なゴム製品とか入ってるの。完全に小水ちゃんとくっつけようとしてくる叔父。いいぞもっとやれ。でも無職の息子でいいのか?

 ただ、意外と出番が少ないのと、その他キャラのアクが強すぎて、いまいち目立たなかったかも。

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▲小水ちゃん着替えると印象変わるのよ。どっちもいい。

不思議な幽霊少女・ナナ


 叔父の別荘に居着いた幽霊。
4人しかいない攻略対象の一人が幽霊とか攻めてる。25%死んどる計算。

 最初は幽霊っぽく身体の周りにオーラ的なエフェクトが付いていたが、予算がかかるのか面倒だったのか、すぐに外れて生身の人間と同じ状態で出てくる。そこは最後まで頑張るか、出来ないなら最初からやめとけや。

 地縛霊なので基本的に別荘から出られない設定。なので暇すぎてエクササイズとかしてる。幽霊なのに健康志向。でもお菓子食べてるからプラマイゼロ。幽霊なのにお菓子食べてる。

 一応幽霊なので、結界の貼ってある部屋には入れなかったりする。ってか結界に弾かれるエフェクトでオーバーリアクションで床に転げるの見るまで幽霊だってこと忘れてた。

 ネタバレだけど、実は本体死んでないので(植物状態ではあるっぽいけど)、正しくは生霊。なので幽霊ルートのエンディングは知らんけど、多分生身でハッピーも可。意外とこの発想は珍しいかも? 

 最終的には霊能力ババア(敵)にやられそうになるけど、物理でなんとかする。幽霊とは(哲学)。

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▲スポーティー健康志向幽霊。

神秘的な芸能人・シャーリー


 芸能人っていうか場末のショーパブのセクシーダンスねーちゃん。ケツモチのマフィアとも関係が深い。

 攻略対象の四人の中では一番エキゾチックな顔立ち。つまりタイっぽい。セクシー担当ではあるが、ちょっと男顔系統なので、タイということもあり性別が不安にならなくもない。

 四人の中でも戦闘力は高め。それもそのはず、実は女スパイ(というか潜入捜査官)だったのだ!

 ピッチピチのライダースーツみたいなのに身を包むその姿は大人のビデオでお馴染みのそれ。
現代風くっころ。セクシー担当ってそういうことか。

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▲大人のビデオでよく見るやつ。

冷徹な美しき未亡人・シェンマン


 最後は筆者が攻略したマフィアのボスの未亡人。一番べっぴんさんだと思う。

 死んだ彼女の夫に主人公がそっくり設定。でもマフィアで抗争中だからボスが死んだことを悟らせたくない彼女に、ボスのフリを頼まれるというありがち展開。

 
死んだ夫の遺影が出てくるのだが、その姿が完全に映画泥棒で笑う。これはFMVゲームの革命やで!

 どういうことか説明すると、FMVゲームの主人公は基本的に画面に映らない。プレイヤー=主人公だからね。すべて主人公の主観視点なのよ。つまり、主人公の顔であろう場所が常にカメラなわけ。その概念を逆手に取って、主人公=顔がカメラの映画泥棒で表現したのだ! これはマジで感動すら覚えた。世の中には天才っているんだな。

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▲映画泥棒にしか見えない死んだ夫にそっくりと言われる主人公の心境やいかに。

 話が逸れたが、そんな映画泥棒の嫁ことシェンマン。超有能で、夫の生存時から、実質的な組織の舵取りは彼女がやっていたらしい。なので、お飾りでもいいのでと主人公にボスになるように言うわけ。

 美人で有能でマフィアの姐さんで未亡人。属性多すぎなのに、さらに進めていくと驚愕の事実が判明。なんとまだ誰のものでもないヴァージン設定。
さすがに無理がある。清楚系AV女優くらい無理がある。

 でも元夫の映画泥棒とは、父娘みたいな関係だったそう。なにその聖人。さすがに全国の映画館でヒーロー着地を見せ続ける映画泥棒さんやで!(死んでるけど)

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▲エロカワイイ姐さん。属性盛りすぎ。

■電撃インディー配信のアーカイブはこちら

武勇伝武勇伝! 篤っちゃんカッコいいー

タイトル:『ゴースト・オブ・ヨーテイ』
プレイ状況:PS5にてプレイ クリア済み

 ついに発売したAAA超大作『ゴースト・オブ・ヨーテイ』。前作の『ゴースト・オブ・ツシマ』も最高だったけど、今作も前評判に違わぬ出来栄え。北海道に行きたくなる率NO.1ゲーム。

 グラフィックもストーリーもアクションもボリュームもユーザビリティもすべてが正統進化。

グラフィック

 まずグラフィックは北海道の雄大な自然がぎゅっと詰まっていて息を呑む美しさ。

 PS5Proだと「レイトレーシングプロ」設定が選べるんだけど、これがかなり頑張って最適化されているのか、フレームレートを保ちつつ、光の映り込みが本当に美しい。

 夜にボワッと光るホタルの灯りや、日の出・日の入りはあまりの美しさにため息が出る。一方、焼き討ちされた家や火矢で燃え上がる草木は熱さえ感じるほどの恐ろしさが真に迫っている。

 PS5Pro持っていて良かった!

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▲北海道の美しさ。どっちを向いてもこのレベル。

ストーリー

 これはネタバレしないように説明するのが難しいが、『ツシマ』と同様、今回も復讐譚。

 篤という女の子が、斎藤という父親と因縁がある敵に襲われて家族が殺されるという導入。童ですら容赦なく殺す斎藤とその仲間の羊蹄六人衆が、なんとか生き延びた篤の仇となる。

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 今回は身近な家族を奪われた怒りがシンプルで分かりやすい。度々回想で家族の死がフラッシュバックするのが辛すぎる。さいてょ許すまじ。

 動機がシンプルだから、各地で敵(羊蹄六人衆)をぬっ殺しまくるだけかと思いきや、それはそうなんだけど、かなり起伏に飛んだエピソードがたくさんあって全然飽きさせない。

 カミさんもクリアしている範囲なのでネタバレするけど、生き別れの弟との再開や、仇の一人との共闘など、毎回違った驚きを与えてくれる。

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▲姉弟共闘は熱すぎる。

 今回の主人公の篤っちゃんは孤高の復讐鬼かと思ったら、意外と情に厚かったり童に優しかったり、不器用なだけで人間味があって良い。別に前作主人公の仁くんがサイコパスと言っているわけではない。

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▲この印は! 仁くん北海道にきたんか?

 なので、仲間が多いのよ。前作にも各師匠をはじめ仲間はいたけど、今作の方が仲間感が強くて良かった。そもそもステータス画面に“仲間”タブがあるしね! まあ狼とか人外も入っているけど。

 前作は師匠がヤベーやつばっかりで話題だったけど、今回は常識人が多め。それはそうだよな。人にモノを教える立場の人は人格者じゃないと。
石川先生、あんたに言っとるんやで。
 ただ、今回も変なオッサンはいる。鎖鎌師匠。雪山行軍から寒中水泳、果ては極寒風呂に師匠の眼の前で素っ裸で入らされる。どんなプレイやねん。

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▲見ているこっちを心胆寒からしめる野外露出プレイ。

 槍師匠とか晩飯の魚を槍で突くだけなんやで。師匠によって難易度違いすぎない? 他にも槍師匠は柿の木をついて身を落とさせたりと、なんか楽な修行ばっかり。
あれ、槍師匠、食い物取る修行ばっかりじゃん……。

 他にも、師匠大好き師匠マンの大太刀先生とか、爆殺大好き爆弾レディーとか、よく考えたら今作の師匠連中も別ベクトルでヤバかったわ。

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▲蝦夷のボンバーウーマンの所業。

 謹んで訂正致します。

アクション

 今回は武器種がたくさんあって戦略の幅が広がった。

 基本の刀に二刀、大太刀に鎖鎌、槍が近接武器。遠距離武器は半弓に長弓、火縄銃に爆弾とバラエティ豊富。さらには近距離サブ武器も豊富にある。

 仁くんと違って、篤っちゃんはお侍じゃないから、誉れなんてナニソレ美味しいの状態。卑怯だろうが姑息だろうが、勝てば良かろうなのだ。

 ぶっちゃけ、刀でのチャンバラが見どころのゲームではあるけど、真面目に切り合うより、遠距離武器が強い。中でも長弓に必中の護符が最強すぎる。あと敵の落とした得物(武器)を投げるのも強い。最後の方は短銃で容赦なく撃ち殺す。
誉れは浜で捨てました。

 あとは連続して敵を倒すと溜まっていくゲージで覚醒モードに入れるのだが、これの上位版が最後の方で解放されて、それが強すぎる。画面が真っ赤になって二刀で恐れおののく敵を皆殺しにしていく。まさに悪鬼。

 でも両手で次々切り捨てていくのが踊っているようにみえるので、なんか「ワッショイワッショイ」感が強くてちょっとおもしろい。


ボリューム

 このゲームは、さいてょを筆頭に仇である”羊蹄六人衆”(蛇・鬼・狐・龍・蜘蛛・斎藤)を倒す話なのよ。ただ、なんとチュートリアルで早速その中の一人、蛇を倒しちゃう。
なので、最初は「あれ、これすぐ終わっちゃうんじゃ…?」と思わなくもなかった。

 ところがどっこい、蛇は完全な噛ませ犬で、蛇倒してから二人目(狐か鬼で攻略順は選べる)打倒までは軽く10時間くらいかかる。ちゃんと探索していると20時間くらいかかるかも。

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▲最初、狐いったけど二転三転あって良かったわー。

 とにかくボリュームは前作以上というか、遥かに越えている。やはり北海道はでっかいどう。まあエリア間の移動は時速300キロメートルで走るお馬さんが瞬時に運んでくれるんだけどね。馬でルマン耐久レース出られるレベル。

ユーザビリティ

 前作からそうだったけど、目的地への誘導がお見事。

 前作同様、十万石まんじゅうばりに風が知らせてくれるのも健在だし、鳥や狐も狼もみんなこぞって目的地に運んでくれる。あとは蛍も重要で、収集要素であるアイヌの品があるところでポワポワ光ってくれたりする。クエストによっては雪虫も誘導してくれる。

 篤っちゃん動物に愛され女子旅。

 あとは、十万石風も進化していて、三味線の唄を習得すると、なんと対応した 目的地に誘導してくれるのだ。「気力の唄」なら未発見の稽古場に連れて行ってくれたりね。痒いところに手が届きまくりんぐ。

 色々と語りたい事がありすぎるが、ネタバレになるので自重。ラストの展開は……語りたすぎるけど苦渋の自重。

 
とにかく素晴らしいゲームだった。今年のゲーム・オブ・ザ・イヤー待ったなし。『GoY GotYエディション』心待ちにしておりんす。

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▲細部まで拘った和風な世界での唐突な”デラックス版の馬”。

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