『キングダム』第6シリーズ4話感想。電光石火の進撃！いよいよ始まる秦と趙の戦いで機先を制したのは……

公開日時：2025年10月30日(木) 21:15

　TVアニメ『キングダム』第6シリーズ4話“趙の国門”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『キングダム』第6シリーズ4話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。

趙との全面戦争、その火ぶたが切って落とされた！【キングダム】

　趙征伐への道のり、その最後の分岐点である金安（きんあん）に到着した秦の軍勢。ここからは進路を趙の王都圏にある“鄴（ぎょう）”に変更し、李牧（りぼく）に策を見抜かれて防衛策を固められる前に攻め入る必要があります。求められるのは電光石火！

　文字にするだけで緊迫感のある内容のはずですが。我らが主人公の信はそんな事情もお構いなし。軍議にしっかり遅刻してドヤされるという、もはや風物詩的なお約束が展開されました。そりゃ殴られるわ……（苦笑）。

　こんなにデカい戦いを前にしてこのクソ度胸。ちょっとのことでは動じないあたりには将としての才能を感じさせます。自分が同じ状況に立たされたら震えあがりますけどね（笑）。OP前のアバンからして信の成長と器のデカさが感じられ、ますますここからの戦いが楽しみになりました。

▲TVアニメ『キングダム』公式サイトより。

　今回の鄴攻めにあたるのは王翦（おうせん）、桓騎（かんき）、楊端和（ようたんわ）という6大将軍の連合軍。総大将こそ王翦ですが、桓騎や楊端和にも独自の考えで軍を動かす権利が与えられているのが見ものです。

　そもそも桓騎も楊端和も、王翦の指揮下で統制のとれた戦いをするタイプじゃないですからね。よくも悪くも自分の戦い方を貫くタイプの武将……つまりは唯我独尊系の将軍。よりによってこの大作戦にとんでもないクセモノたちが集まったものですよ。

　これだけの大軍勢で舵を取る人間が複数いるなんて、指揮系統に混乱が出ないものなのか？　開戦前はそんな不安もあったものの、フタを開けてみればそんなものは杞憂でしたね。王翦軍に足止めを仕掛けてきた趙軍に桓騎が絶妙のタイミングで横槍を入れて、主力の進撃速度を担保するシーンには大興奮。王翦と桓騎、互いの思考が高いレベルで噛み合っていて面白かったです。

▲TVアニメ『キングダム』公式サイトより。

　それぞれに底知れぬ闇があるというか、何を考えているのかわかりづらい王翦と桓騎。会話が弾むことなんて絶対にありえない組み合わせですが、この連携は互いの力量に一定の信頼を寄せているからこそ生まれたもの。まさに阿吽の呼吸であり、見ていて痛快でした。

　李牧が過去イチで焦っていそうなところも、僕のなかのワクワク感を後押ししてくれている理由のひとつ。前話で東から趙に攻め込んできた燕（えん）の将軍・オルドに対抗するため、秦の軍勢が迫る西側ばかりを見ていられなくなっている李牧の姿には、同情どころか溜飲が下がりますよ。

　なんといっても李牧は、あの王騎（おうき）将軍や麃公（ひょうこう）将軍を討ったカタキですからね。早いところ誰かにその鼻をあかしてもらいたい気持ちでいっぱいです。できればその役割は王賁（おうほん）や蒙恬（もうてん）ではなく、信に担ってもらいたいですが。

▲TVアニメ『キングダム』公式サイトより。

　そんな李牧が一目置いているのが、趙東部の一都市・青歌（せいか）を収める将軍・司馬尚（しばしょう）という男。彼がオルド討伐に動いたと聞いた瞬間、李牧が瞬時に頭を切り替え、秦との戦いに集中しだした描写には、背中がスッと冷えませんでしたか？

　あの李牧ですら一目置いている司馬尚という将軍……絶対に覚えておくべき名前になる予感がします。いったいどんな猛者なのか気になりますね。

　4話終盤では、秦軍が趙王都への入り口にあたる列尾（れつび）に到着。国境に位置するこの城は、いわば趙にとっての国門であり、秦でいうところの函谷関（かんこくかん）にあたる場所とのことで。

　函谷関の名を聞いただけで、この列尾がどれだけ重要な拠点であるかが伝わってきますよね。思えば合従軍編で、その函谷関に向けて攻めてきたのが李牧率いる連合軍であり、国門の陥落というピンチをあわやのタイミングで救ったのが王翦でした。守功が逆転した今回、はたしてどちらの知略が勝利するのかが見ものとなりそうです！

▲TVアニメ『キングダム』公式サイトより。

　なお、そんな王翦よりこの要所を攻略する命令をくだされたのは、まさかの楊端和の山の民軍、そして飛信隊でした。はたしてこの2軍がどんなシナジーを見せてくれるのか……期待感しかないです。いよいよ来週からは軍勢同士の本格的な戦いが始まるようですし、否が応でもテンションが高まりますよ！

　信には大活躍してもらって一気に将軍の地位まで駆け上がってほしいものですが、いったいどうやることやら。次回を楽しみにしつつ、それでは今回はこのへんで！

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