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クラウドファンディングの狙いは“ユーザーと一緒に『カラテローグ』を作る”ため。ユニークなリターン品を生み出した輝井永澄さんインタビュー【電撃インディー#1274】

文:ハチミツ

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 Steamで体験版が配信され、2026年春に正式リリースを予定しているローグライク・格闘ダンジョンRPG『KARATE ROGUE』(以下、『カラテローグ』)。

 本作は、人気ライトノベル『空手バカ異世界』の作者・輝井永澄氏が立ち上げたインディーゲームとして、にわかに注目を集めています。

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 電撃オンラインでは、輝井永澄氏へのインタビューを実施し、輝井氏が『カラテローグ』にかける想いを全3回でお伝えします。

 第3回となる今回は、2月12日からスタートした『カラテローグ』クラウドファンディングの詳細について輝井氏からお話をうかがいました。

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輝井永澄作家として、小説「空手バカ異世界」、「名探偵は推理で殺す」(富士見ファンタジア文庫)などを手掛ける他、スクウェア・エニックス等のタイトルでシナリオも手掛ける。ゲームディレクター・プランナーとしても活動。 「KARATE ROGUE」では開発全般の他、様々な武術の技を繰り出すドットモーションも自ら担当している。


●『KARATE ROGUE』PV第二弾


 2025年7月には、小説家としての最新作『神と悪魔がデートをするなら、どちらが奢るべきか? ~恋は神魔最終戦争のあとで~』が発売されました。
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みんなで『カラテローグ』を盛り上げるためのクラウドファンディング【カラテローグ:輝井永澄インタビュー】


――体験版も好調で、本リリースの目処も立ったこのタイミングで、クラウドファンディングの実施を決断された理由は何でしょうか?

 プロモーションやデバッグをしっかりやろうとすると、想像以上にお金がかかるというのが正直なところです。

 今インディーゲームはすごく多いですから、多くのユーザーに知ってもらうにはしっかり広告を打たないといけません。また、商品として世に出す以上、バグが多いものを出すわけにもいかない。せっかくおもしろいものを作ったので、しっかり楽しんでもらいたいというのが大きな理由です。

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――資金面以外の理由はありますか?

 もう1つは、体験版の段階でたくさんの人が楽しんでくれていて、『カラテローグ』を好きになってくれた人たちと一緒にゲームを盛り上げていきたいというのがあります。

 『空手バカ異世界』も最初にWebで連載しているときに色々な人がコメントをくれて、そのコメントからアイデアを閃いて展開がちょっと変わったこともあったんですよ。そういう風にみんなでコミュニティを盛り上げて、ちゃんと作品として結実していくという体験が素晴らしかったので、今回の『カラテローグ』もそうできればいいなと思っています。

 クラウドファンディング開始に合わせてディスコードも開設して、『カラテローグ』のコミュニティを作る予定です。

『カラテローグ』ならではのリターン品を用意【カラテローグ:輝井永澄インタビュー】


――支援者へのリターン品はどんなものを考えていますか?

 まず、3000円以上のコースで「上段廻しアクリルスイング」がつきます。『カラテローグ』のグッズとして何がいいかなと思ったときに、アクリルスタンドよりは、キーホルダーとして持ち歩けたり身につけられたりできる物がいいなと思いました。上段回し蹴りを選んだのは、空手の技のなかで一番映えるかな、と。

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 「上段廻しアクリルスイング」を少しだけ作ってイベントに来た方に配布してみたら好評でした。「空手を習っている息子にあげたら大喜びして稽古に持って行っている」なんてありがたい声もいただきました。

 あとはサウンドトラックCDも力を入れて用意しています。『カラテローグ』はダンジョンのBGM、バトル中のBGM、ボス戦のBGMすべてをステージごとに用意しているので、それを全部収録します。ポケモンのコンポーザー・大賀智章さんがほとんどの曲を書いていますが、SEを書いてくれたA'ru'Moさんや、僕自身も曲を提供しています。大賀さんのファン向けには「サントラだけ」のコースもあるのでこちらもチェックしてみてください。

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――シナリオ&世界観設定ブックもあるそうですね。作家でもある輝井さんですし、どんなテキストか気になるところです。

 シナリオ&世界観ブックは、ゲームに収録した全テキストに加え、世界観の設定部分を書き下ろして追加します。あとはこの本にだけ収録される外伝シナリオなんかも考えていまして、『カラテローグ』をかなり掘り下げる詳しい内容になる予定です。

 多分100ページ近くになりそうで、これだけでもかなり読み応えのあるテキストになります。ネタバレ満載ですので、ぜひゲームクリア後にお読みください。

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MMAグローブに『カラテローグ』開発環境丸ごとプレゼント!? 変わり種のリターン品も【カラテローグ:輝井永澄インタビュー】


――本作ならではのユニークなリターン品もありますよね。特にMMAグローブ(オープンフィンガーグローブ)は、本当に『カラテローグ』らしい特典だと思いました。

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 『カラテローグ』を真っ先に遊んでくれる方って、8割方が空手経験者や格闘技経験者だったりするんです。やっぱり空手要素が経験者にフックとして引っかかっている印象で、そういう人たちに届けられるリターンを考えたら、オリジナルのグローブに行き着きました。シンプルに「KARATE ROGUE」って書いてあるグローブはかっこいいな、と。 

―60000円コースの「RPGツクーツMV用プロジェクトファイル一式」にも目を引かれました。つまり、『カラテローグ』の開発データを丸ごとユーザーにお渡しするってことですよね?

 権利的に問題のあるデータなどは抜いてのお渡しになりますので、開発者向けのサンプルデータの位置づけです。RPGツクールの界隈にはプラグインやノウハウ面でとてもお世話になったので、少しでもお返しできれば……というのもあります。

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 権利的に問題のあるプラグインやモンスタードットなどのアセットは抜いての提供になるんですが、それとは別に、主人公キャラのカラテモーションを収録したスプライトシートなんかを提供するコースもあります。こちらは商業利用も改変もOKとしています。クリエイター向けリターンがインディーゲーム業界を盛り上げる一環になれれば幸いです。

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▲「ダンジョン刑」の受刑という本作ならではの特典も。

ストレッチゴールでゲームをどんどん豪華にしていきたい【カラテローグ:輝井永澄インタビュー】


――目標額を突破したあとのストレッチゴールでは、どんな追加オプションを考えていますか?

 まずは主題歌を作ろうかなと思っています。サウンドの評価が高いので、サウンド的にもちゃんと盛り上げていけるようなものを追加したいんです。和風で荘厳なイメージの曲で構想を立てていて、コンポーザーの方に書いてもらう予定です。

――クラファンに参加してくれた人たちの声を収録して、合唱パートで歌える特典もおもしろそうですね。「押忍!」って掛け声が入るみたいな。

 それ面白そうですね(笑)。ちょっとバカっぽいノリのいい曲で。あーそれやろうかな(笑)。

――ほかにはいかがでしょうか?

 最初に選べるキャラクターの追加も考えています。「女性キャラいないの?」という話もユーザーからいただきましたし、とにかく色々なキャラクターを追加したいです。それにともなってさまざまな流派の技を入れたい気持ちもあります。あと、ペットも追加したいですね。

 それと、シナリオテキストへのユーザー参加も検討しています。これはゲーム中に拾う本のアイテムの中に登場していただいたり、武器の由来などのフレーバーテキストを支援者に考えてもらう特典です。

――『カラテローグ』作りにユーザー自身が関われるのは楽しそうな特典ですね。

 元々すごくシンプルなゲームですので、新しい要素をどんどん追加できる土台があるんです。ストレッチゴールを通して、みんなで要素をモリモリに盛って、一緒に『カラテローグ』を作っていく形にできれば最高です。

「武術は自分を自由にする」体験をしてほしい【カラテローグ:輝井永澄インタビュー】


――2026年春リリース予定とのことですが、現時点での完成度は全体の何パーセントぐらいでしょうか?

 現時点の完成度はまだ50%ぐらいですかね。基本のシステムはもうほぼ完成していますので、あとはデータをどんどん作っていくフェーズになっています。

――対応言語は日本語のほかに考えていますか?

 現状は英語だけですが、中国語版も出してみたいです。前に中国のパブリッシャーさんにイベントに来ていただいたとき、「ブルースリーみたいでカッコいいね」と言ってもらえたので、市場はあるんじゃないでしょうか。武術でモンスターと戦うのはむしろ中国が本場ですし、香港映画みたいに受け入れてもらえる気がします。

――武術で色々な敵と戦うフォーマットなら、コラボもやりやすそうですよね。例えば『ストリートファイター』とかで、コラボ限定の波動拳を出したり(笑)。

 うわ、めっちゃやりたい! カプコンさんのお声がけお待ちしてます(笑)。

――では最後に、『カラテローグ』を楽しみに待っているファンへ一言お願いします。

 今回の『カラテローグ』は、「武術は自分を自由にする」体験をしてもらうゲームです。私は、制限された状況や何者かと敵対する状況でも、自由に振る舞える技術が「武術」だと思います。『カラテローグ』をプレイした人も、ゲームの中では自由に振る舞える。その感覚を知ってもらうゲームを目指しています。

 そして、このゲームはもうみなさんの物だと思って作っています。クラウドファンディングも含めて、皆さんに参加いただいて、皆さんで盛り上げていけるゲームにしていきたいです。ぜひともご期待ください。

――ありがとうございました!

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 今回のインタビューは、全3回に分けて掲載されています。第1回は輝井さんの自己紹介やカラテローグの開発経緯、第2回は体験版のフィードバックについて詳しくお聞きしました。


■今回のインタビュー記事(全3回)

■2025年9月のインタビュー記事

『カラテローグ』のゲームの特徴


・タイトル名:KARATE ROGUE(カラテローグ)
・OS:Windows(Steam)
・ジャンル:ローグライク・格闘ダンジョンRPG
・発売日:未定(2026年春以降)
・価格:未定(1000~2000円程度を予定)

ターン制コンボバトル


 多彩な技を組み合わせ、魔物の群れを打ち破れ!

 戦闘はターン制で進行し、主人公は「ACT」を消費しながら技(ARTS)を繰り出します。

 敵の行動ターンにおいても、「構え」によって攻撃を捌き、有利な状況を作り出す攻防一体のバトルシステムが特徴です。

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▲「飛燕の構え」で敵の攻撃を捌き、カウンター攻撃
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▲守りながら攻める「構え」がピンチをチャンスに変える

 戦いを経ることで、主人公は新たな「ARTS」を身に着けていきます。様々なコンボを編み出し、自分だけのバトルスタイルを構築しながらダンジョンに挑むのが本ゲームの目的となります。

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▲高ダメージのARTS「後ろ廻し蹴り」はノックバック中の相手に追加ダメージ効果がある

アイテム収集とサバイバル


 ダンジョンの中では、武器や鎧、食糧などのアイテムを手に入れることができます。中には強力な魔法が込められたものもあり、主人公の大きな助けとなるはず。

 しかし――伝説の聖剣を手に持っていると、拳の技が使えません!

 プレイするたびに変化するダンジョンの中で、自分の格闘スタイルとの相性を考えながら、最適なアイテムを選んでいくことになります。

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▲ダンジョンに残された遺骸から様々なアイテムを入手
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▲敢えて武器を手にし、蹴りと組み合わせるのも強力

カラテ・マスターの足跡を辿れ


 主人公はある理由により「ダンジョン刑」を受け、身体ひとつで深淵に落とされました。身体ひとつでダンジョンを生き延びながら、協力者や魔物、未知の脅威と出会います。

 深淵の奥底に待ち受けるものは一体なにか――それを確かめられるのは、ただカラテを極めた者だけなのです。


電撃インディーのSteamキュレーターページが開設!


 電撃オンラインのインディーゲーム応援企画“電撃インディー”では、Steamのキュレーターページを公開しています。

 本ページでは、電撃インディーで紹介したインディーゲームを中心に、さまざまなゲームを紹介しています。

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