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体験版の反響は上々。ゲームとしての“気持ちよさ”にとことんこだわった『カラテローグ』輝井永澄さんインタビュー【電撃インディー#1263】

文:ハチミツ

公開日時:

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 Steamで体験版が配信され、2026年春に正式リリースを予定しているローグライク・格闘ダンジョンRPG『KARATE ROGUE』(以下、『カラテローグ』)。

 本作は、人気ライトノベル『空手バカ異世界』の作者・輝井永澄氏が立ち上げたインディーゲームとして、にわかに注目を集めています。

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 電撃オンラインでは、輝井永澄氏へのインタビューを実施し、輝井氏が『カラテローグ』にかける想いを全3回でお伝えします。

 今回は、好評を博した『カラテローグ』体験版の魅力や疑問を掘り下げていきます。

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輝井永澄作家として、小説「空手バカ異世界」、「名探偵は推理で殺す」(富士見ファンタジア文庫)などを手掛ける他、スクウェア・エニックス等のタイトルでシナリオも手掛ける。ゲームディレクター・プランナーとしても活動。 「KARATE ROGUE」では開発全般の他、様々な武術の技を繰り出すドットモーションも自ら担当している。


●『KARATE ROGUE』PV第二弾


 2025年7月には、小説家としての最新作『神と悪魔がデートをするなら、どちらが奢るべきか? ~恋は神魔最終戦争のあとで~』が発売されました。
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敵を倒した小学生に「うわっ! 気持ちいい!」と言ってもらえた【カラテローグ:輝井永澄インタビュー】


――体験版の反響が届いていると思いますが、ユーザーさんの反応はいかがですか?

 想像以上に評判が良くてありがたいです。特に「格闘ゲームっぽい操作感やテンポがいい」、「殴ったときの効果音がすごく気持ちいい」などの高い評価をいただいています。

 先日イベントに出展したときに、小学生の男の子が遊んでくれたんですけど、キャラが殴って敵をドーンと倒したら「うわっ! 気持ちいい!」と言ってくれました。

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――演出やSEが気持ちいいゲームですよね。

 やっぱりSEはゲームの体験のすごく大きなところだと思っているので、殴ったときのSEやコマンドを選択したときのSEなども含めて、サウンド制作チーム「AURA MIX」のAru’Mo’さんと丁寧にやりとりしながら制作しました。こだわった部分が狙い通りの効果を生んだのでうれしかったです。

――逆に「ここは直さないとなぁ」と感じるフィードバックはありましたか?

 ゲームバランスの部分は色々ご意見をいただいていて、現状ですと追撃系のパッシブと、カウンター系の技でアクト(行動のためのポイント)を稼ぐのが強すぎるという意見が多いです。

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 実は、ご指摘いただいている部分はほとんど意図的な設計ではあるんです。ですが、強すぎてビルドが追撃系やカウンター系ばかりに縛られてしまうのも良くないですし、かといって弱体化させるとつまらないので、色々考えています。今のところは、ほかのビルドの可能性を広げてバランスをとる形をめざしています。

――ゲームバランスは悩ましいところですね。

 ただ、僕はこのゲームのバランスはある程度大雑把でいいかな、と思っています。育てたキャラクターがモンスターをボコボコ殴る気持ちよさのほうを大事にしたいですね。

「主人公をプレイヤーの分身と思ってほしかった」没入感とゲームとしての“気持ちよさ”を優先【カラテローグ:輝井永澄インタビュー】


――ここからはライターが体験版を遊んで気になった部分を深掘りさせていただきます。まず、空手の技の優劣や特性はどのように考えているのでしょうか?

 自分で遊びながら「こんな技欲しいな」とか「こういう動きができると気持ちいいな」とか考えてから、『カラテローグ』に実装するためにどんな空手技を当てはめるべきかという順序で考えています。

 リアルにしすぎると、「この技のあとに、この技はつながらないよ」みたいなこともありますので、ゲームとしての気持ちよさ優先で作っていますね。

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 あと、スキルビルドの方向性によって「この流派っぽくなる」みたいなのを考えて作っていたりします。例えば追い突きは松涛館流(※)のスピーディなイメージがありますし、極真空手をイメージしたフルコンタクト系のスキルもあります。敵の攻撃を受けつつ破心掌底などの重い打撃を入れるのは剛柔流(※)など沖縄系かな、とか。

※松涛館流:しょうとうかんりゅう。空手の流派の1つ。
※剛柔流:ごうじゅうりゅう。空手の流派の1つ。

――すごい作り込みですね。

 ゲーム内でそういう属性があるわけじゃないですけど、わかる人は「あの流派っぽい動き」をビルドしてみたりとか、そういう楽しみ方もできるかもしれないです。

――本作は主人公の出自を書かないなど、あえてテキスト情報を減らしてプレイヤーの想像力を刺激されています。「書くこと」と「書かないこと」のバランス感覚はどう考えていますか?

 自分のキャラを妄想するロールプレイ感が強いものを目指しました。例えば、『スカイリム』の主人公もあまりセリフがないんですけど、プレイしている「自分」は心の中でしゃべっている。それぐらい自分自身がゲームの世界に没入できる形をめざしています。『カラテローグ』でもセリフテキストはそんなにないんですけども、世界観を感じさせるテキストは意識的に多く書いています。

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――実は体験版を遊んでいて「押忍!」とか「ありがとうございました!」みたいなボイスがあるとおもしろそうと思ったのですが、個々の没入感を考えると難しそうですね。

 ボイスを入れる予定は最初からありませんでしたね。主人公をプレイヤー自身の分身として考えてほしかったので、ボイスでキャラが立っちゃうとロールプレイを阻害しそうで。

 ただ、今は声があってもいいという気持ちも出てきまして……複数のボイスから選べるとかは、あってもいいかもしれないですね。ちょっと検討してみます(笑)。

「盾を持ってる空手家ってかっこいい」【カラテローグ:輝井永澄インタビュー】

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――体験版では、エルフやバーバリアンの存在が確認できます。彼らの流派も空手だと思われますが、亜人が空手を習得しているのは世界観と関係があったりしますか?

 あの世界では、いわゆる格闘技術を総称で「カラテ」と呼んでいるようなところがあります。クラシックや武道家アバターは明確に空手なんですけど、亜人は私たちの考える「空手」じゃないかも、というイメージです。エルフとかバーバリアンも、彼ら独自の格闘術があって戦っているんじゃないかと。

 空手があるということは、ほかの格闘技も武術もあるということですから、「あの世界には、それぞれの種族ごとの格闘術があるのかも?」というイメージです。

――聞くだけでワクワクする設定ですね!

 多分、エルフは魔法を併用する格闘技になるはずです。バーバリアンは硬くて、ガンガン前に出るとか、そういうのがあると楽しいですよね。

――体験版の範囲だけでも「どのスキルを取るか」「装備するか素手でいくか」などのビルドが無限に考えられて楽しかったです。輝井さんが好きなビルドがあれば教えてほしいです。

 個人的に好きなのは、盾を持って「シールドバッシュ」という技を使うビルドです。プレイヤーの皆さんはあまり使わないんですけど(笑)、結構強いんですよ!

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 アーツのコストは3なんですけど、相手にランダムで複数のデバフを与える効果があるので、シールドでダメージをカットしながら、シールドバッシュで攻める。それで相手が崩れたところに蹴りを入れるのはかっこいいスタイルだと思うんです。

――試したことなかったです(笑)。

 シールドを持っている空手家ってかっこいいと思うんです。マーベルの『キャプテン・アメリカ』スタイルをやりたかったのもあります(笑)。

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 あとはスキルが外れたときに発動する「旋風交差」というスキルがあるんですけど、あえて命中率が低い武器を振り回して、外れたら威力が高い「旋風交差」が発生するビルドもおもしろいと思います。

 武器を振り回した反動で回し蹴りを打つみたいな、漫画のキャラにもいそうですよね。「こういうキャラクター、バトルスタイルのキャラクターがいたらかっこいいよね」という妄想が捗るゲームになっています。

――空手なので素手のイメージが強かったのですが、武器もおもしろそうですね。

 武器も意外と強いんですよ。空手の技にはない効果もあるので、ひと味違う楽しみ方をぜひ追求してほしいです。

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 今回のインタビューは、全3回に分けて掲載予定。前回は輝井さんの自己紹介やカラテローグの開発経緯についてお聞きしましたが、次回は注目のクラウドファンディングについて詳しく語っていただきます!


■今回のインタビュー記事(全3回)

■2025年9月のインタビュー記事

『カラテローグ』のゲームの特徴


・タイトル名:KARATE ROGUE(カラテローグ)
・OS:Windows(Steam)
・ジャンル:ローグライク・格闘ダンジョンRPG
・発売日:未定(2026年春以降)
・価格:未定(1000~2000円程度を予定)

ターン制コンボバトル


 多彩な技を組み合わせ、魔物の群れを打ち破れ!

 戦闘はターン制で進行し、主人公は「ACT」を消費しながら技(ARTS)を繰り出します。

 敵の行動ターンにおいても、「構え」によって攻撃を捌き、有利な状況を作り出す攻防一体のバトルシステムが特徴です。

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▲「飛燕の構え」で敵の攻撃を捌き、カウンター攻撃
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▲守りながら攻める「構え」がピンチをチャンスに変える

 戦いを経ることで、主人公は新たな「ARTS」を身に着けていきます。様々なコンボを編み出し、自分だけのバトルスタイルを構築しながらダンジョンに挑むのが本ゲームの目的となります。

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▲高ダメージのARTS「後ろ廻し蹴り」はノックバック中の相手に追加ダメージ効果がある

アイテム収集とサバイバル


 ダンジョンの中では、武器や鎧、食糧などのアイテムを手に入れることができます。中には強力な魔法が込められたものもあり、主人公の大きな助けとなるはず。

 しかし――伝説の聖剣を手に持っていると、拳の技が使えません!

 プレイするたびに変化するダンジョンの中で、自分の格闘スタイルとの相性を考えながら、最適なアイテムを選んでいくことになります。

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▲ダンジョンに残された遺骸から様々なアイテムを入手
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▲敢えて武器を手にし、蹴りと組み合わせるのも強力

カラテ・マスターの足跡を辿れ


 主人公はある理由により「ダンジョン刑」を受け、身体ひとつで深淵に落とされました。身体ひとつでダンジョンを生き延びながら、協力者や魔物、未知の脅威と出会います。

 深淵の奥底に待ち受けるものは一体なにか――それを確かめられるのは、ただカラテを極めた者だけなのです。


電撃インディーのSteamキュレーターページが開設!


 電撃オンラインのインディーゲーム応援企画“電撃インディー”では、Steamのキュレーターページを公開しています。

 本ページでは、電撃インディーで紹介したインディーゲームを中心に、さまざまなゲームを紹介しています。

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