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『カラテローグ』輝井永澄インタビュー。なぜゲーム開発者、作家、空手の道へ?【電撃インディー#1105】

文:しゃれこうべ村田

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 人気ライトノベル『空手バカ異世界』の作者・輝井永澄氏が開発を手掛けるローグライク・格闘ダンジョンRPG『KARATE ROGUE』(以下、『カラテローグ』)。2026年春のリリースを予定している本作は、2025年9月25日から開催される東京ゲームショウ 2025にも出展が予定されています。

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 電撃オンラインでは、『カラテローグ』のプロデューサーを務める輝井永澄氏にインタビューを実施。輝井氏の生い立ちや空手との出会い、本作にこめたこだわりなどをうかがいました。
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輝井永澄作家として、小説「空手バカ異世界」、「名探偵は推理で殺す」(富士見ファンタジア文庫)などを手掛ける他、スクウェア・エニックス等のタイトルでシナリオも手掛ける。ゲームディレクター・プランナーとしても活動。 「KARATE ROGUE」では開発全般の他、様々な武術の技を繰り出すドットモーションも自ら担当している。


●『KARATE ROGUE』PV第二弾


 なお、2025年7月には小説家としての最新作『神と悪魔がデートをするなら、どちらが奢るべきか? ~恋は神魔最終戦争のあとで~』が発売されました。
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初めて買ってもらったゲーム機はMSX2【カラテローグ:輝井永澄インタビュー】


――まずは輝井さんの自己紹介と、『カラテローグ』における役割を教えてください。

 輝井永澄です。作家としてのデビュー作であり僕の代表作でもある『空手バカ異世界』のコンセプトを引き継いだオリジナルゲーム『カラテローグ』を立ち上げました。立場としてはプロデューサーになりますが、モンスターのグラフィックとサウンド以外はすべて僕ひとりで作っています。

――パーソナルな部分についてもお伺いできればと思うのですが、少年時代はどんな子どもでしたか?

 僕は1979年生まれで、いわゆるファミコン第一世代なんです。ただ、ファミコンは買ってもらえなかったんですよ。親にファミコンが欲しいと言ったら、パソコンならゲームで遊ぶだけじゃなくてゲームを作ることもできますよ、っていう電気屋さんの言葉に騙された親がMSX2(※)を買ってきたんです(笑)。

※MSX2:1985年に発売されたホビー向けパソコン。ゲームを遊べるだけでなくプログラミングを学ぶこともできた。

 当然プログラムなんかやらずにゲームばっかり遊んでいました。でもマイコンBASICマガジンとかMSX・FANとか、プログラミング雑誌を買って、プログラムを打ち込んでゲームを遊んだり、自作のゲームを投稿したりしたこともあります。

――当時は図書室にもそういった雑誌が置いてありましたよね。輝井さんと言えばやはり空手、というイメージがありますが、こちらも小学生や中学生のころに始められたのですか?

 小学生のころは人並みにサッカーをやっていて、中学校でもサッカー部に入ったんですけど、あまりなじめなくて1年で辞めてしまいました。多分、チームプレイが苦手だったんですよね(笑)。そのときに、整骨院の先生に誘われて柔道を始めたんです。

 当時は『ストリートファイター2』が出始めたころで、UFCやK-1なんかも話題になり始めていて、格闘技への興味もあったんですよ。高校でも柔道は続ける傍ら、格闘技好きの友達を集めて格闘技の同好会を勝手に立ち上げていました。空手を始めたのは大学に入ってからですね。大学では空手と総合格闘技をやって、卒業後はアクションチームに入って殺陣のアクターをやっていました。

――武道をやられる方は早くから始めるイメージでしたが、意外と空手は大学時代からなんですね。

 そうなんですよね。わりと遅かった方だと思います。ですが、その分というか、意外と大人になっても続けています。

――MSX2を買ってもらったというお話でしたが、どんなゲームを遊んでいましたか?

 MSX2といっしょに買ってもらったのが、『夢大陸アドベンチャー』でした。小島監督が一時期企画サポートで参加されていた作品で、『メタルギアソリッド4』にもチラッと出ているやつですね。

 すごく難しいゲームなんですけど、シナリオや世界観がかなり作り込まれていて、ステージが進むごとに様々な展開が起こるアトラクション感みたいなものがすごかったですね。それ以降もPCゲームをよく遊んでいました。

――当時のPCゲームですと、日本ファルコムさんの作品も遊ばれていましたか?

 『イース』シリーズはすごくハマって、中学の時には文集に「日本ファルコムに入る」って書いた覚えがあります(笑)。RPGは特に好きで、他にはPC98の『ルナティックドーン』がすごく好きでした。

――『ルナティックドーン』はコンシューマーゲームとは全然違う流れを持ったゲームで、シナリオ生成システムのようなものもあって自由度が高い作品ですよね。『夢大陸アドベンチャー』もシナリオや世界観がよかったとのことですが、子どものころからそういった部分に惹かれていたのですか?

 そうですね。当時は『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』の影響もあって、ファンタジー小説のブームがあったんですよ。あのころはまだSFとファンタジーの境目がなくて、海外のファンタジー小説がハヤカワのSFレーベルから出ていたりして、学校の図書館でそういうのを読み漁っていました。『銀河英雄伝説』や『ゲド戦記』、『魔法の国ザンス』なんかが好きでしたね。

 中学生のころなんかは休み時間に図書館で海外ファンタジーやSF小説を読んでいました。『銀河英雄伝説』や『ゲド戦記』なども好きでしたね。

 一方で、『ファイナルファンタジー5』や『ファイナルファンタジー6』のころになると、ゲームのキャラクター性がすごく強くなっていったじゃないですか。でも海外ファンタジーや『ウィザードリィ』、『ルナティックドーン』の世界って、そういうのと違ってキャラに寄り添わない感じがして、それがすごく格好よく思えて、そういう部分に惹かれるようになりました。

――ちなみに、当時は対戦格闘ゲームのブームもあったかと思いますが、そちらはプレイされましたか?

 もちろんやっていました。ただ、格ゲーはすごく下手なんですよ(笑)。当時だからゲームセンターに行くんですけど、対戦するとすぐ負けちゃうし、そんなに使えるお金もなかったので、ちょっと遊んではすぐ負けてという感じでした。でも必殺技とかが出せるだけで楽しくて、当時出た格ゲーははほとんど触っていましたね。

――とくに印象に残った作品は何ですか?

 最初にハマったのが、『餓狼伝説2』でした。テリー・ボガードがジャンパーにジーンズ、帽子を被った姿でそのまま戦って、しかも背景にはアメリカントラックっていう、あのビジュアルがすごく格好よかったですね。より大人っぽく見えたというか。

 冷静に考えると、マーシャルアーツ使いのアメリカ人が地面を叩いてエネルギーの柱を出す、って全然意味が分からないじゃないですか(笑)。でも、そういう外連味みたいなものは、今の自分の作品作りにも繋がっていると思います。

ゲーム開発の頓挫から小説の執筆へ【カラテローグ:輝井永澄インタビュー】


――当時読まれていた小説についても伺っていきたいのですが、ご自身の作品のあとがきでポプラ文庫の『怪盗ルパン』は原体験になっている、と書かれていましたね。そういったものは小学生のころから読まれていたのですか?

 いろいろと読んでいました。当時はミステリーや探偵小説の流行りもあったので、それこそ宮部みゆきさんの作品とか。全体的に、活劇小説っぽいものを好んで読んでいたと思います。

――ご自身で小説を書き始めたのはいつごろだったのでしょうか。

 昔から興味はあって、子どものころにも遊び程度で、オタク仲間といっしょに同人誌を作るようなことをしていました。でも初めてちゃんと書いたのは、大学卒業後に入ったアクションチームの脚本です。チームでやる舞台のシナリオが必要になったときに、自分自身脚本にも興味があったので、「やらせてくれ」と。その時書いたものはけっこう手応えもあったんですが、それは一旦、それっきりで。

 その後ゲーム業界に入りまして、いわゆるディベロッパーで、プランナーやディレクターとして受託案件を中心にやっていたんです。いくつか大きな仕事もして、会社でオリジナルゲームを作ろうという話が出てきたとき、お前に全部任せるってなったんですよ。

――大抜擢ですね。

 ところが、企画を作ってチームも作って、さあやるぞという段階になったとき、会社都合で全部取りやめになってしまったんです。しかもその後は受注の仕事もあまりなくて、社内ニートみたいになってしまった。それですごくガッカリしましたし、キャリア的にも行き詰まりを感じていたんです。

 ただ、その時に自分の反省として、自分のやりたいものを作るのに、会社のお金でやらせてもらうのは間違いだなと思ったんです。そのころに、周りからシナリオやったら? って薦められていたこともありまして、じゃあ自分でやろう、と思って、まずは自分ひとりで完結できるコンテンツとして、小説を本格的に書き始めたんです。

――本腰を入れて小説を書き始めたのはけっこう後からだったんですね。

 そうなんです。実はゲームの方が先でして。小説で文学賞のひとつでも取れば、今度は好きなゲームが作れるかなと思ったのもあります(笑)。それで、ゲームやシナリオの仕事をしながら小説の投稿を初めて、『空手バカ異世界』が賞をとってデビューして、という感じですね。

 その後も変わらずゲームの現場にいるんですけど、『空手バカ異世界』をリリースしたことで、それ以降はシナリオのお声がけが増えましたね。シナリオの執筆だけでなく、シナリオディレクションなども含めて、いまはシナリオが中心になっています。

――『空手バカ異世界』がヒットした後、どういった流れでご自身のゲームを立ち上げていったのですか?

 会社のオリジナルゲームがポシャったことをきっかけに小説を書き始めたんですけど、やっぱり自分のゲームを作りたいという気持ちはあったんです。個人でやっている仕事がある程度軌道に乗って、法人化して事務所も立ち上げたんですけど、せっかく事務所を立ち上げたなら今度こそは自分で勝手にゲームを作りたいな、と思って。

――小説を執筆されている方がゲームを作る、となるとノベルゲームなどが真っ先に浮かびますが、そうはしなかったんですね。

 よく言われます(笑)。やっぱりテキストを見せるものとか、キャッチーなキャラクターの立ち絵があって、みたいなものをイメージされるんですよね。ただ、例えば『ダークソウル』や『エルデンリング』はテキストでストーリーを語るゲームではないですけど、その奥に壮大で深淵な物語や世界、歴史を感じますよね。本来、テキスト量が少ないゲームこそ、シナリオが活きるんです。

 先ほどあげた『夢大陸アドベンチャー』や『ルナティックドーン』なんかもそうですが、ビジュアルやアクションの奥にその世界の歴史を感じるような作品って、フレーバーテキストや、文字では表されないシナリオにしっかり中身があるからこそ厚みを感じられると思うんです。僕はそういうゲームを作りたいと思っています。


――そういう意味で言うと、『カラテローグ』は“ダンジョン刑”といったワードの面白さもありますし、イベントでストーリーを見せるタイプの作品ではありませんが、プレイしていて世界観を感じられる作品になっていますね。ゲームのシステムを考える部分については、ゲーム業界にいただけあってとくに問題もなく?

 元々、ゲームシステムを考えるのはすごく好きなんです。あと、小説を書き始めてから思ったんですが、実は小説って意外とゲームに近いんじゃないかなと思っています。漫画やドラマの場合は流れてくるものを受け止めるだけですけど、小説の場合は文章を読んで読解するっていう、ユーザーの体験が入るんですよね。

 ゲームのシステムはその読解をどうさせるか、というもので、僕のなかではシステムもシナリオの一部だと考えています。

新たな看板作品として立ち上げられた『カラテローグ』【カラテローグ:輝井永澄インタビュー】


――『カラテローグ』の場合は強力な奥義を、みたいなことではなく基礎の技をどう派生させるか、となっているのが武術っぽいゲームシステムで面白いですよね。

 ありがとうございます。格闘ゲームで空手が出てくるのはよくありますけど、RPGとして空手をゲームにしたらどんなシステムになるだろうか、と考えた結果です。ひとつひとつの技や構えを、組み合わせることでモンスターにも立ち向かえるぞ、と。

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――『カラテローグ』を開発することになった経緯についても聞かせてください。輝井さんなので空手を選ばれたのはある意味自然なことかな、とは思いますが。

 独立した後にオリジナルゲームを作ると決め手、最初は別のゲームを作っていたんです。プレスリリースも出して、東京ゲームショウにプレイアブル出展もしたんですけど、いろいろな事情があって計画が頓挫してしまいました。そこでまず大赤字を出してしまって(笑)。

 さらに、そのタイミングで『空手バカ異世界』のコミカライズ版も6巻が最終巻になると決まって、いつまでも『空手バカ異世界』の人です、とは言えないなとなってきたんですね。

 そういうわけで、ある程度低コストで作れて、かつ自分のブランドを最大化して維持できるようなものを作る必要があるな、というのが『カラテローグ』を作り始めたんです。わりと必要に迫られてというか(笑)。

――空手というテーマだけでなく、いまあるシステムやダンジョン刑といったキーワードも含めて、コンセプトは初期の段階からスムーズに決まっていったのでしょうか。

 最初はプロトタイプを作りながら試行錯誤していましたが、やりたいこと自体は決まっていました。ターン制にしたのは僕がアクションゲームが苦手だからなんですけど、ターン制バトルのRPGって、どうしても攻撃をくり返す消化試合になりがちじゃないですか。それをもっと面白くできるんじゃないかとは思っていたんです。

 とくに、武術をモチーフにするのであれば、攻撃をして、攻撃を食らってというくり返しではなくて、攻撃と防御が一体になっているようなものにできると思いました。それこそ、『空手バカ異世界』のなかにも「武術の技は攻撃も防御も、身体の重心移動も、すべてはひとつの呼吸のなかにある」というフレーズがあって、そういうシステムを作りたかったんです。

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――実際にタイトルを発表したり、イベントで試遊してもらったときの反響はいかがでしたか?

 おかげさまで、いくつかのメディアに取り上げていただけましたし、けっこう好意的に書いていただけたと思います。『空手バカ異世界』もそうだったんですけど、特定の層に刺さるだろうな、というのはじつは確信を持っていました。

 先日開催された、海外の方が主催されている東京ゲームブリッジというインディーゲームイベントで、『カラテローグ』を出展したんですよ。そのときに主催者の方がすごく気に入ってくれたようで。主来場した方も海外の方が中心でしたが、みんな一生懸命にコンボを考えて遊んでくれて、「すごく面白いよ」、「リリース待ってるね」といった言葉をいただきました。

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 あと面白かったのは、発表した後に海外でLinux(※)のコミュニティを運営している方からメールをいただきまして。「お前のゲームのビッグファンだ。Linuxでリリースする予定はないのか」と(笑)。ローグライクの元祖である『ローグ』はLinuxで登場したので、その流れかなとは思いますけどね。

※Linux:オープンソースのオペレーティングシステム(OS)。柔軟なカスタマイズ性や低スペックのPCでも動作する軽さが特徴。

――もしかしたらLinux版が登場するかもしれない?

 「検討したいけど、ゲームエンジンが対応できるかな」みたいに返信したら、技術情報まで教えてくれたんです。検討はしなくちゃなあ、と(笑)。そういうのも含めて、刺さるところには深く刺さっているのかな、という実感があります。

30年遊び続けているローグライクへの思い入れ【カラテローグ:輝井永澄インタビュー】


――モチーフとして空手が選ばれたのはある意味当然とも言えますが、ローグライクというジャンルを選ばれたのはなぜですか?

 僕自身ローグライクがすごく好きで、それこそ30年くらい遊んでいるんですよ。とくに、当時で言うローグヴァリアント(派生作品)の『ネットハック』(※)というゲームが大好きで、いまだに遊んでいます。

※『ネットハック』:1987年にリリースされたローグライクゲーム。基本的なシステムは『ローグ』をベースとしつつ、登場するアイテムやモンスターに『ダンジョンズ&ドラゴンズ』や『指輪物語』の影響がみられる。

 最近のインディゲームでもローグライクってすごい盛り上がってますよね。『デッドセルズ』や『ハデス』、『カースオブザデッドゴッズ』なども面白かったですし、デッキ構築ローグライクの『スレイザスパイア』もやり込みました。

 ただ、最近のローグライク作品で物足りない部分があって、キャラクターメイキングがないんですよね。『ネットハック』だとクラス(職業)がいくつか選べて、どういうスタイルで戦うかもけっこう重要なんです。『スカイリム』や『エルデンリング』なんかもキャラメイクを楽しむゲーム性があって、それがすごく好きなんですが、最近のローグライクだとそれができないのが物足りなくて。


――それを今回『カラテローグ』でできるようにしたと。ベースは空手家でありながら、そのなかにいろいろな派生があって、どういうスタイルで戦うかを細かく選べるのは楽しいですよね。

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 あとは、その場その場で出てきたものをどう活かしていくか、という体験ですね。デッキ構築型のゲームはそれに近いんですけど、よりロールプレイを楽しめるようなかたちにしたいと思っています。

 たとえば『ネットハック』だと、呪われた巻物を拾った場合でも、工夫次第ではそれを役に立てることができるんです。今置かれたこの状況を、このキャラならどう切り抜けるだろう、みたいなロールプレイができるんですよね。だから『カラテローグ』でも、武器を持つとパンチができなくなる、みたいな要素を入れています。


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――武器を持つことがそのまま強化につながるわけではない、というのは衝撃でした。

 あれはあれで、ナイフを振り回しながら蹴りで戦う、みたいなバトルスタイルにもできますからね。そういう部分で思い入れを持てるような作品にしたかったんです。

――現状は空手家というベースは変わらずにアバターを変えていくようなスタイルですが、将来的には能力的にも異なるキャラクターが増えていくような予定はありますか?

 アバター選択機能を入れたのは、僕がキャラクターメイキングが好きだからなんですけど、空手家以外の流派があってもいいと思います。『スレイザスパイア』でもキャラクターによって戦いかたが大きく変わるので、たとえばムエタイとかプロレスで戦えるようにしても面白そうですよね。ドットを作るのは僕なのですごく大変そうですけど(笑)。

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――せっかく剣が登場するので、剣に特化した流派などがあってもよさそうです。

 中国拳法であれば剣を使う動きもあるので、剣でも素手でも戦える、みたいな感じで格好いいかもしれないですね。

――あと、個人的な要望としては、女性キャラが欲しいな、と……(笑)。

 やっぱり入れたほうがいいですかね(笑)。確かにいまのところ、ハーピーくらいしか女性はいませんからね。女性アバターはそのうち用意してもいいかなと思ってはいますが、でも今のキャラが男性だとはどこにも書いてないんですよ?(笑) トラックスーツを着てるのはユマ・サーマンかもしれないし……(笑)。

――たしかに性別も含めて、プレイヤーのイマジネーション次第の部分がありそうです。さておき、いまのところ死んだら完全にゼロからやり直すかたちですが、いわゆる育成要素を入れる予定はありますか?

 そこは迷っています。試遊してくれた方にも、死んだ後にポイントを使ってアップグレードすることはできないのかと言われていて、悩ましいところです。

――時代的には何度か遊ぶことで難易度が緩和できるようになるのが一般的になっているので、そういった要素の需要は高そうです。個人的には、ターンを終了する際の確認がないのがとても印象的でした。うっかりターン終了ボタンを押すと一発即死もあり得て、絶対にやってはいけないと思いつつ、やってしまったときのトラウマ感もゲーム体験として強烈じゃないですか。

 そこもどうしようかなと思っている部分ですね。僕自身、テストプレイをくり返しやっていると押し間違えることがあるんですよ。実際、死にゲーではあるので、ターンを終了しますかの確認を入れてテンポを落とすよりは、失敗してもいいから挑戦しよう、っていうバランスでもいいかなと思っています。

 不親切と捉える人もいるかもしれませんが、ファミコンの『カラテカ』で礼をしてから構えを取らないと一撃でやられてしまうような、わかっているのにやってしまう悔しさは強く印象に残りますよね。ゲーム内で「絶対にやるなよ!」と警告したうえであれば、あれはあれで面白いなと思います。

 いま思いついたんですけど、たとえば敵が幻を見せる魔法を使ってきて、ターン終了ボタンの見た目が変わっちゃう、とかも面白そうですよね。うっかりミスを誘発する、プレイヤーに対する幻惑魔法みたいな(笑)。

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 近日掲載予定のインタビュー後編では、『カラテローグ』のさらなる魅力についてお聞きします!

『カラテローグ』のゲームの特徴


・タイトル名:KARATE ROGUE(カラテローグ)
・OS:Windows(Steam)
・ジャンル:ローグライク・格闘ダンジョンRPG
・発売日:未定(2025年秋以降)
・価格:未定(1000~2000円程度を予定)

ターン制コンボバトル


 多彩な技を組み合わせ、魔物の群れを打ち破れ!

 戦闘はターン制で進行し、主人公は「ACT」を消費しながら技(ARTS)を繰り出します。

 敵の行動ターンにおいても、「構え」によって攻撃を捌き、有利な状況を作り出す攻防一体のバトルシステムが特徴です。

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▲「飛燕の構え」で敵の攻撃を捌き、カウンター攻撃
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▲守りながら攻める「構え」がピンチをチャンスに変える

 戦いを経ることで、主人公は新たな「ARTS」を身に着けていきます。様々なコンボを編み出し、自分だけのバトルスタイルを構築しながらダンジョンに挑むのが本ゲームの目的となります。

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▲高ダメージのARTS「後ろ廻し蹴り」はノックバック中の相手に追加ダメージ効果がある

アイテム収集とサバイバル


 ダンジョンの中では、武器や鎧、食糧などのアイテムを手に入れることができます。中には強力な魔法が込められたものもあり、主人公の大きな助けとなるはず。

 しかし――伝説の聖剣を手に持っていると、拳の技が使えません!

 プレイするたびに変化するダンジョンの中で、自分の格闘スタイルとの相性を考えながら、最適なアイテムを選んでいくことになります。

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▲ダンジョンに残された遺骸から様々なアイテムを入手
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▲敢えて武器を手にし、蹴りと組み合わせるのも強力

カラテ・マスターの足跡を辿れ


 主人公はある理由により「ダンジョン刑」を受け、身体ひとつで深淵に落とされました。身体ひとつでダンジョンを生き延びながら、協力者や魔物、未知の脅威と出会います。

 深淵の奥底に待ち受けるものは一体なにか――それを確かめられるのは、ただカラテを極めた者だけなのです。



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