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『軌跡』ファンが遊んだ『英雄伝説ガガーブトリロジー』先行プレイ感想。ファルコムらしい優しいキャラ&物語と、1人でじっくり遊べる今風のシステムを高評価。伏線回収もすごい!

文:キック一郎

公開日時:

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 HUNT Games Company Limitedが2025年12月に日本サービスを開始するiOS/Android/PC用RPG『英雄伝説ガガーブトリロジー』の先行プレイ感想をお届けします。

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 日本ファルコム公認・監修による本作には、日本ファルコムが1994年から1999年にかけて発売した『英雄伝説III 白き魔女』『英雄伝説IV 朱紅い雫(あかいしずく)』『英雄伝説V 海の檻歌(うみのおりうた)』(以下、白き魔女、朱紅い雫、海の檻歌)のキャラクターが登場し、3作品のシナリオを追体験できます。
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 『軌跡』シリーズが好きなファルコムファンの間でも話題になることがありながら、昔のゲームであり、プレイ環境も限られることから残念ながらプレイできなかった方も多いのでは?(筆者もその1人)

 そんな神ゲーがスマホなどで復活するわけで……その出来や、遊んだ感想を、『軌跡』や『イース』シリーズが好きなライターがレポートします!

※本記事はHUNT Games Company Limitedの提供でお送りします。

そもそも『ガガーブ』シリーズとは? 『軌跡』シリーズのルーツともいえる神ゲー【『英雄伝説ガガーブトリロジー』レビュー】


 本作に収録された『白き魔女』『朱紅い雫』『海の檻歌』の3作は、大地の割れ目“ガガーブ”と“大蛇の背骨”という山脈によって、人間の往来が分断された世界を舞台にしていることから、“ガガーブトリロジー”というシリーズ名が冠されています。
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 古いファンの間では『ガガーブ』3部作とも呼ばれるようですが、トリロジー=3部作という意味なので、同じことですね。

 なお『英雄伝説V 海の檻歌』の次作は『英雄伝説VI 空の軌跡』で、今なお続く『軌跡』シリーズが展開していくことに。
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 実は『ガガーブトリロジー』は『軌跡』シリーズと同じ“英雄伝説”であり、だからこそ日本ファルコムらしい面白さが詰まった作品というわけですね。

 ちなみに余談ですが、『軌跡』シリーズのシナリオを担当する日本ファルコムの近藤社長は、そもそも『英雄伝説III 白き魔女』が大好きでファンサイトを運営していたというのは有名なお話。入社後には『海の檻歌』の開発にも携わり、『空の軌跡』からはシナリオを担当していったということで、そういう意味でも『ガガーブトリロジー』は『軌跡』シリーズのルーツの1つと言えるでしょう。
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ビジュアルは刷新されながらもバトルシステムのベースは原作準拠【『英雄伝説ガガーブトリロジー』レビュー】


 さて、ここからは実際にゲームを遊んだ感想をお届け増します。本作には、原作のRPGマップのおおよその形や雰囲気を再現した“冒険マップ”が登場。基本的に、この冒険マップを進むことが、本作のおもな目的となります。

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 冒険マップでは、10個以上の敵シンボルが順番に出現。敵シンボルに触れて、ボタンをタップすると戦闘に入り、勝利するたび、1-1、1-2、1-3……1-10といったように、次の敵シンボルと戦えるようになります。

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▲パーティ人数はゲーム進行で増えていき、最大6人編成が可能。序盤は主に5人パーティで戦うことになります。

 ちなみに、1箇所の敵シンボルに勝った時点で状況は保存され、いつでも次の地点の敵シンボルと戦えるようになる親切設計。そのうえ序盤を越えると、負けるまで次の敵シンボルへの移動すら完全オートになる“連続”というコマンドが選択可能に。

 敵に負けても何度でも再チャレンジできますが、1度も倒したことがない敵と戦うときには時間経過で回復するスタミナを消費するので、リトライなしで撃破するのが理想だと言えるでしょう。

 本作の戦闘は、キャラクターが自動で移動と攻撃を繰り返し、スキルの発動タイミングはプレイヤーが任意で選べる形式。もちろん、スキル発動も自動でこなしてくれる完全オートモードも完備されています。

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 ちなみにオリジナル版は、あらかじめ設定した行動パターンに応じて各キャラクターが自動戦闘するシステム。シリーズやリメイクを重ねるごとに、細かい指定ができるようにもなりましたが、事前選択がバトルシステムの肝でした。

 一方の本作では、事前の行動パターン設定がなくなった反面、原作よりスピーディなバトルを味わえます。

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▲グラフィックこそ大きく変わっていますが、敵と味方が入り乱れる形式は、かなり原作寄り。
 元々『ガガーブトリロジー』シリーズには、“物語るRPG”というコンセプトがあり、過度に複雑で難しい戦闘システムとならないように作られていたのも特徴のひとつ。

 その設計がスマホ向けRPGのカジュアルな仕様やオートプレイとマッチしたようで、本作は非常に快適な遊び心地となっていました。

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▲パーティ編成に、コスト制限のような煩わしい要素はなし。各プレイヤーが好きなキャラクターで、本当に自由に編制できます。

『朱紅い雫(IV)』『海の檻歌(V)』『白き魔女(III)』の順で1000年の伝説を追う【『英雄伝説ガガーブトリロジー』レビュー】


 本作のスタート時には、まず『朱紅い雫』の主人公であるアヴィンと相棒のマイルが登場し、それぞれ所持キャラクターに加入。

 そこから、おもにふたりを中心としたチュートリアルやシナリオが始まり、『朱紅い雫』の冒険マップ内で、本格的にゲームが始まります。

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 なお、『朱紅い雫』をクリアすると『海の檻歌』、『海の檻歌』をクリアすると『白き魔女』の冒険マップが解放されます。

 なぜこの順番なのかと言うと、ゲーム内の時系列に沿った演出になっているからです。ちょっとネタバレになりますが、『白き魔女』『朱紅い雫』『海の檻歌』の3つの世界はそれぞれ別の場所のように見えて、実はガガーブと呼ばれる大地の裂け目によって分断された1つの世界の壮大な物語となっています。
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 ある作品に出てきたキャラのその後が別の作品で描かれたり、とあるアイテムが別作品でも意味を持ってきたり……ファルコムRPGで、そういった伏線回収による物語のカタルシスを味わえるのは『軌跡』シリーズのファンにはおなじみだと思いますが、この『ガガーブトリロジー』でもしっかりとそういう衝撃や感動を体験できるのでご安心ください!


 話を戻して、冒険マップは原作シナリオの流れに沿った名称のエリアが順番に登場。フィールドはもちろん、物語の要となるような街も、冒険マップの進行度に応じて解放されていきます。

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▲街のような要所は、冒険マップ内で敵シンボルの中間地点などに配置されています。
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▲街や村の中は、外観が大幅にリニューアル。しかし道や建物などの位置関係そのものは、かなり原作に忠実でした。
 そして各シリーズ作のメインクエストと冒険マップは、別個の存在として扱われます。

 メインクエストは章立てで進み、任意のタイミングで自由に進めることができます。

 とはいっても、メインクエストの舞台となるエリアが、冒険マップ上に解放されていない場合は、その章をプレイできません。

 冒険マップで再現された当時を想い起こさせるフィールドを順繰りに解放し、それに合わせてじっくりとメインクエストの物語を堪能できます。

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▲『軌跡』シリーズファンにはおなじみ、本集めの要素も。本作では本を集めると強化バフを得られます。街を自由に歩いてNPCと会話したり、隠し宝箱を探したりする楽しさなんかも味わえますよ!
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▲建物の裏に隠し宝箱があることも!

 ネタバレになるので、この記事ではあまり物語についてはふれませんが、そこは“ファルコムのRPG”なのでご安心を。世界各地を巡る旅行や冒険の楽しさが詰まっていて、少年少女による優しい話が展開し、もちろん物語後半になるにつれてシリアスでシビアで熱い物語が楽しめます!


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▲『朱紅い雫』は序盤からシリアス要素が強く、いい意味での王道バトルファンタジーを堪能できます。
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▲遊んでいて優しい気持ちになれるようなエピソードが多いことも特徴です。

今風で遊びやすい直感的な強化システム【『英雄伝説ガガーブトリロジー』レビュー】


 本作のキャラクター育成要素は、スマホ向けRPGとして非常にオーソドックス。

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  • レベル:基本的なステータスが上昇
  • スキルレベル:スキルの効果値が上昇
  • 突破ランク:ステータスとは別のバフ効果を獲得
  • 潜在力ランク:追加ステータスを獲得
  • 装備スロット:スロットの強化段階による追加値が、武器や防具などのステータスに上乗せ

 キャラクターのレベルアップに必要な経験値は、冒険マップをはじめとした各戦闘に勝利したときに獲得。経験値アイテムとゴールドを使ったレベル上げも可能です。

 冒険マップで得られる経験値はそこまで多くなく、メインになるのは後者。UI上から選べばすぐ入れるバトルコンテンツがあり、そこで大量の経験値アイテムやゴールドを稼げるため、冒険マップ以外のコンテンツから素材を手に入れてキャラクターのレベルを上げるのが、本作の基本的な流れになりそうです。

 PvEやPvPなども用意されており、ストーリー重視の1人用RPGとして楽しめるだけでなく、やり込み派のゲーマーにとっても楽しめる作品となっているのもポイントですね。

【主なバトルコンテンツ】
・PvEモード(試練の間/探検の書)
・PvPモード(英雄殿堂)
・ローグライクモード(時空の裂け目)
・塔型ダンジョン(無限の深淵)
・ボス戦(証明の回廊/ギルドレイドなど)
※ギルドレイドは個人スコアとギルドスコアに応じてランキング報酬を獲得可能


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▲体力が高い代わりに、1戦闘につき1体だけ出現するモンスターを撃破すればクリアできる“ベールの黄金島”。大量のゴールドを獲得できます。
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▲ウェーブ形式で大量の雑魚敵が押し寄せる“水辺の聖所”。クリア時には、一気に多くの経験値素材が手に入ります。
 スキルレベルは、専用素材とゴールドの消費によって上昇。突破ランクは獲得キャラクターが重複したときに変換される素材を使って伸ばすことができます。

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 潜在力ランクは、専用素材を使うことで上昇。素材は、おもに“試練の間”という強力なドラゴン1体と戦うコンテンツから獲得できます。

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 本作の武器や防具などは、おもに街や村の装備屋で購入できます。冒険マップの進行が後半になればなるほど、強い武器や防具を扱う装備屋のある街や村が登場するので、その都度買い換えていくことになるでしょう。

 その一方で、キャラクターの装備スロットは、ゴールドと引き換えに育成することができます。強化段階の上限はかなり高く、何度も強化して上乗せ値を伸ばせますが、強化するほど低くなる確率に応じて、成功か失敗が発生します。

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 なおキャラクター自体は、おもに課金アイテムを介したガチャから手に入ります。その一方で、毎日1回の無料ガチャや配布の無償課金アイテムなどもあり、入手の機会は豊富なので、序盤の所持キャラクターは安定して増やせます。

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▲一部のガチャは自分でキャラをピックアップ可能。100回で確定となるので、お目当てのキャラをお迎えしやすくなっています。
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▲高レアのキャラはセリフとともに登場!

 ちなみにガチャだけでなく、物語を進めていくことでも仲間は増えていきます。高レアのミューズも比較的序盤で仲間にできるので、序盤はかなり遊びやすいバランスになっていると感じました!

まとめ:ファルコムRPG好きにおすすめで、事前登録特典も豪華!【『英雄伝説ガガーブトリロジー』レビュー】


 自分はこれまでセガサターン版『白き魔女』くらいしか遊べていませんでしたが、今回の『英雄伝説ガガーブトリロジー』のおかげで『朱紅い雫』や『海の檻歌』の物語やキャラクターにも出会うことができました。

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 ドラマパートでのキャラクターの演出・演技も非常に細かくて(特に表情が豊か!)、単なるテキスト表示ではなく、ゲーム体験としての物語を楽しめたところはとても高く評価しています。しかも、多くの部分でボイス演出も入ってますからね!

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▲筆者いちおしのシャノンちゃん。抱きつかれたマイルの表情とか、いいですよね。
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▲イラストの表情パターンも豊富。照れ顔がまたキュート!

 ゲームシステムとしても、バトルが楽しいのはもちろんのこと、街やダンジョンをきちんと移動できるパートがあることがうれしかったです。ストーリー進行と関係がないところでも寄り道って、『軌跡』シリーズでも意外と楽しいところですからね。人によっては、いろいろな村人との会話が楽しくて、本編が先に進まないなんてこともありますし(笑)。

 隠し通路を探して隠し宝箱を探す楽しさもありますし、一部のダンジョンでは見張りに見つからないように進む必要があるとか、ちゃんと“移動”にもゲーム性があるところもポイントですね。
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▲何もないように見えるけど……。
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▲木の後ろに隠し宝箱が! これはかなり簡単なほう。
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▲洞窟には隠しエリア&隠し魔獣が存在。こういう強敵を見つけ出して戦うのも楽しいです!
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▲取れそうで取れない宝箱だけど……。とある隠しルートを見つけ出せば、ちゃんとゲットできます。



 そんなわけで、ある意味で『軌跡』シリーズのルーツの1つともいえる『白き魔女』『朱紅い雫』『海の檻歌』を今のゲーム性で楽しめる『英雄伝説ガガーブトリロジー』は、ファルコムRPGが好きな方にはもちろん、多くのRPGファンにおすすめできるので、ぜひ遊んでみてください!

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▲言わずもがなですが、音楽も神曲ぞろい。本作ならではのアレンジがまた熱いので、ファルコム音楽好きの方はぜひ。ゲーム内にはサウンドプレイヤーもあるので、じっくりと音楽を楽しめます!

 なお、豪華な事前登録特典が用意されているほか、事前登録を行うとルティスの日本限定スキン“花咲く恋衣”を無料でもれるほか、公式Xをフォローすることで14人の星2英雄から好きな英雄を選べる宝箱をもらえます。詳しくは、
事前登録特設サイトをご確認ください!

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【事前登録特典】
・事前登録10万人達成:英雄召喚チケット×2
・事前登録30万人達成:キュアーの小瓶×5、レッシュの小瓶×5
・事前登録50万人達成:英雄召喚チケット×3
・事前登録80万人達成:中級武器召喚チケット×1、中級鎧召喚チケット×1
・事前登録100万人達成:白き魔女の宝箱(英雄召喚チケット×5)

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▲14人の星2英雄から好きな英雄を選べる宝箱。

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