11月26日に10周年を迎えたボルテージのサスペンスアプリ『六本木サディスティックナイト』。六本木の裏社会を舞台にテーマにした異色の作品として、長くユーザーに愛されてきました。
10年という長い期間にわたって、ユーザーの心をつかみ続けている本作の魅力とは一体どこにあるのか。10年を超えても未来を見据え続ける本作の今後の展開を運営K氏に伺いました。
10年という長い期間にわたって、ユーザーの心をつかみ続けている本作の魅力とは一体どこにあるのか。10年を超えても未来を見据え続ける本作の今後の展開を運営K氏に伺いました。
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索引
閉じるサービス開始から10年経った今がいちばん盛り上がっている【六本木サディスティックナイト インタビュー】
――まずは『六本木サディスティックナイト』10周年、おめでとうございます。10周年を迎えた率直な感想はいかがでしょうか?
まずは本当に10年運営できたことに正直驚いています。開発から考えると11年ほど経ちますが、サービス開始時期は「5年もってくれたらうれしいところ」みたいなことをまわりと話していた記憶があります。
ただ、5周年を迎えられたころから「10年以上も楽しんでもらえるゲームにするために何をしていくか」という考えが、動き方の基本になっていました。
――いまもリアルイベントが多く、10年の中でも今がいちばん盛り上がってるようにも見えます。
去年の11月に9周年を迎えて、そのときからプレ10周年のような形で、少しずつ盛り上げていかなければいけないという思いがありました。今年行ったリアルイベントでは、2月のミニライブ(六本木に初潜入!田辺留依・石飛恵里花の帝王大付属高校潜入部!公開生放送&ミニライブSP)がありましたよね。
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7月と10月には“リアルNight Jewel ~新たな宝石たち~”を開催し、イベントではありませんが、5月と9月には潜入部ラジオ(田辺留依・石飛恵里花の帝王大付属高校 潜入部!)の生放送を2回行いました。2〜3カ月に1回は必ず何かを行い、10周年につなげようと考えていたんです。
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――10周年で一気に盛り上げるというよりは、出し惜しみせず、徐々に盛り上げていく形だったのかなと思います。それも、10年間運営を続けてきたからこそできたことですが、これだけの年月を続けてこられた要因はなんだと思いますか?
このゲームのキャラクターや世界観を好きでいてくれているユーザーがずっといるというのが大きく、昔からプレイしていただいているユーザーには感謝しなければいけないと思っています。ユーザーがいなければ、我々もがんばり続けることはできませんので、当然のことではありますが、いちばん感謝しています。
客観的に見ると、六本木の夜の街を舞台に女の子たちが戦っていて、魔法とかが出てこないリアルさが強みです。敵も基本的にはリアルな悪いヤツらですし、そういう夜の裏社会っぽい世界観と美少女を組み合わせた作品って、あまりないですよね。
このゲームのキャラクターや世界観を好きでいてくれているユーザーがずっといるというのが大きく、昔からプレイしていただいているユーザーには感謝しなければいけないと思っています。ユーザーがいなければ、我々もがんばり続けることはできませんので、当然のことではありますが、いちばん感謝しています。
客観的に見ると、六本木の夜の街を舞台に女の子たちが戦っていて、魔法とかが出てこないリアルさが強みです。敵も基本的にはリアルな悪いヤツらですし、そういう夜の裏社会っぽい世界観と美少女を組み合わせた作品って、あまりないですよね。
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メインキャラ8人を深掘りする形がユーザーに支持されている【六本木サディスティックナイト インタビュー】
――サブキャラクターは多いですが、メインキャラクターはそれほど多くなく、ひとりひとりを丁寧に深掘りしている印象があります。その点については、どのようにお考えでしょうか?
メインキャラクターは最初7人で始まり、途中で柊トウカが加わって8人になりましたが、8人になってからもう7年半が経っています。メインキャラクターをこれ以上増やそうとは考えておらず、サブキャラクターたちが8人をサポートしていく現在の形が、ユーザーに支持されているのだろうと思っています。ですので、その体制を変えるのは少し違う気がしています。掘り下げられていない部分も、まだまだたくさんありますから。
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――サブキャラクターといえば、アンケートなども実施されていますよね。
先日、サブキャラクターのアンケートを実施させていただきました。予想通り上位になると思っていたイラストが実際に上位に入っていた一方で、予想外の順位になったイラストもありました。
イラストの種類も多いため、どのようなイラストが好まれているのかも分かりました。アンケートを行ったことで新たな発見があり、まだまだキャラクターを掘り下げられると感じました。
基本は変わらないけれど、ちょっとずつ変えていく【六本木サディスティックナイト インタビュー】
――あらためて、『六本木サディスティックナイト』が目指してきたテーマやコンセプトについて教えてください。
前提として、現在の形が支持されていると思っているので、いきなり大きく変えることはありません。ただ、シーズンごとに少しずつ微調整は行ってきています。
シーズン1は本当にストレートなサスペンスで、シーズン2では少しSF要素が加わっています。シーズン3ではキャラクターの深掘りに立ち返り、シーズン4では逆にメインキャラクターのナツが不在の状態でスタートするなど、少しずつスパイスを加えながら展開しています。
11月30日にシーズン4の外伝が配信されますし、次のシーズン5の構想も始まっています。シーズン4ラストでは衝撃の展開がありました。その続きをシーズン5で描くことになります。そのため、また今までとは異なるストーリー展開になると思います。
基本の軸は変わらないものの、少しずつ変化していくイメージに近いかもしれません。
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――イベントストーリーなどでは、本編とは少し違った展開も見られますね。
イベントストーリーは、キャラの日常や心情の深掘りなど、本編ストーリーではなかなか描きづらい内容になることが多いです。また、3月月初のイベントスト-リーでは、日常ですらない、本格的な異世界転生のようなパラレルワールドを描いたのですが、それはそれでかなり好評でした。
運営Kが思う『六本木サディスティックナイト』十大事件とは【六本木サディスティックナイト インタビュー】
- タイトル変更
- シーズン1完結
- リアルイベント初開催
- 既読シナリオを読み返せるように改良
- スピンオフゲームの配信
- SNSの活用
- ボイスドラマ制作とボイス実装
- キャラクターソングプロジェクト
- コロナ渦でのイベント延期
- 本格的なコラボ展開
10大事件①:タイトル変更
――10周年にちなんで、この10年間での10大事件をお聞きしたいと思います。まずは、何が思い浮かびますか?
まずは、タイトルの変更ですね。リリース当初は『六本木サディスティック騎士』というタイトルでしたが、現在のタイトルへの変更に伴い、アプリのデザインも大幅に刷新しました。デザイナーが本当に大変そうだったのを、よく覚えています。
――タイトル変更はユーザーの要望などがあったのでしょうか?
そうですね。ただ、タイミングとしてはリリース直後でないとできないことでもありました。何かを変えようとすると、時間が経てば経つほど、その変化は難しくなっていくと思います。
当時はシステムの方にかかわっていて、伝え聞いた話なのですが、“騎士”を“ナイト”にして、“夜”を意味する“night”と掛けることで、意味を重ねる意図があったと聞きました。それに、「ダサいかダサくないか」といった議論もあったそうです。
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10大事件②:シーズン1完結
――ふたつめの事件は何でしょうか?
シーズン1の完結です。当初から、ゲームが売れるかどうかに関係なく、シーズン1は必ず完結させるつもりでいました。振り返ると、完結までに2年かかったんですね。
皆さんに楽しんでもらえた結果、ユーザー数が増えていったので、シーズン1をしっかり作っておいて良かったと思います。ただ、今の僕らからすると、伏線の入れ方にはまだ疎く、未熟な部分も多かったので手を入れたいな、という部分もありますが、それは長期シリーズではよくあることだと思います。今のものでも十分お楽しみ頂けますし。
――本編のボリュームが多いので、変更し始めるときりがなさそうです。
数年越しでようやく完結、という作品が多い中で、きちんと区切りをつけて完結できたのは、良いところだと思っています。そこは、弊社がキャラクターごとにルートがあるゲームを作ってきたノウハウがあったからこそ、うまく活用できたのではないでしょうか。
10大事件③:リアルイベント初開催
――ゲーム外のリアルイベントも徐々に増えてきましたよね。
初めて開催したのは、4周年のときの“リアルNightJewel”ですが、今でも思い出に残っています。
どんなイベントにするか検討していたとき、ターゲットが20〜40代で、主人公たちがいる場所が“Night Jewel”というガールズバーだったこともあり、「ガールズバーしかない」という結論になりました。コスプレイヤーさんやモデルさんにキャラクターになりきってもらい、その場でワイワイ楽しめたらおもしろいんじゃないかと思いましたし、少し欲望に忠実な発想でチャレンジしたのが、このイベントです。
リアルイベントだけでなく、グッズやLINEスタンプなど、ゲーム外での展開を始めたのもこのタイミングでしたね。
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――その後も何度かリアルイベントは開催されていますが、回を重ねる中で、より経験を積まれていったのでしょうか?
そうですね。前回を参考に「こうしたい」と思っていても、次の開催までにどうしても間が空いてしまうのが課題でした。ただ、今年は7月と10月という短いスパンで開催し、7月のイベントがおもしろかったことで、10月にも来てくださった方がいました。ユーザーとしても、もう少し短いスパンのほうが参加しやすいのだと学びました。この経験を生かして、また開催したいですね。
10大事件④:既読シナリオを読み返せるように改良
――4周年では既に読んだシナリオをフリーで読み返せるようになりました。
それも4周年のときでしたね。ストーリーをおもしろいと思っていただけることが多かったので、本を読むように、いつでもすぐに読み返せるようにしたいと考えていました。私自身、本を読む人間なので、既読のものを読み返すときにお金を払うことに違和感があり、そういった仕様は除いたほうがよいと思ったんです。そのほうが、アプリを長くプレイしていただけるとも考えましたしね。
10大事件⑤:スピンオフゲームの配信
――スピンオフゲームの配信についてはいかがでしょうか?
スピンオフゲームをやってみたいという気持ちと、少しのリソースや資金があったことから、ボリュームは少ないながらも制作しました。開発チームも賛成してくれましたし、ユーザーのニーズを測るという意味合いもありました。個人的には、またチャレンジしてもいいと思っています。
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――ジャンルなど何か考えていることはあるのでしょうか?
とくに提案しているわけではありませんが、カジノのようなゲームや、ガールズバーの経営ゲームなんていうのも、おもしろいかもしれませんね。
10大事件⑥:SNSの活用
――2021年ごろから増えてきたSNSの活用については、いかがでしょうか?
ボイスドラマは2021年の秋ごろから始まり、その1年前から準備を始めた段階で、YouTubeを強化していかなければいけないと感じました。潜入部をやる予定もありましたからね。ただ、ゲームを知っている方だけでなく、バラエティ要素を取り入れて、それ自体でしっかり楽しめるように意識しました。
また、X(当時はTwittre)の投稿内容も強化したいと考えていました。お知らせを出すだけでなく、しっかり楽しめるコンテンツにしたいと考え、4コママンガを始めました。
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徐々にリアルイベントなども開催していましたが、アプリの外でさまざまな展開をしていくことを明確に決めたのが、この5周年のタイミングでした。
10大事件⑦:ボイスドラマ制作とボイス実装
――ボイスドラマの展開や本編ボイスの実装も、サービスの途中で行われたことですよね?
5周年のタイミングで、「10年続けるには何をやるべきか」をかなりいろいろ考えまして、その結果として「本編にボイスを入れたほうがよいのではないか」という結論に達し、今に至っています。
ただ、ボイスがないまま5年間続いていたコンテンツに、いきなりボイスが実装されると混乱もあるだろうと予想していたため、いきなり本編に実装するのではなく、まずはボイスドラマという形を取りました。結果的には「キャラクターに合っている」というお声を多数いただき、本編に入れても問題ないだろうと最終的に判断しました。
そういった目的もありましたし、YouTubeで配信する目玉コンテンツとして作りたかったという理由もあります。
――本編のボリュームが多いため、ボイスの実装はたいへんな作業だったのではないでしょうか?
すべてにボイスをつけたかったのですが、難しかったため、ハイライトシーンや名シーンのみに実装することになりました。その際、すでに遊んでいる方だけでなく、新しくプレイする方にもボイスを聞いてもらい、同じように楽しんでもらいたいという思いから、シーズン1まで遡って実装しました。特に、シーズン1のプロローグには、すべてボイスが入っています。
10大事件⑧:キャラクターソングプロジェクト
――ボイスに近いものとして、キャラクターソングプロジェクトも立ち上げられ、ライブも開催されました。
これも、やるならボイスを入れたタイミングしかないと考えていました。ノリと勢いもありましたが、「今の状況であれば、やっても大丈夫だろう」と思っていたんです。そこで思い切ってアルバムを制作し、声優さんにライブで歌って頂きました。また、ストーリーの強みを生かすため、20名以上の声優さんに出演して頂いた朗読劇も行うことができました。このイベントは個人的に非常に感慨深いものがありました。
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10大事件⑨:コロナ渦でのイベント延期
――コロナ禍で一気に世間の風潮が変わりましたが、開発体制などにはどのような影響がありましたか?
第1回の“リアルNightJewel”は2020年2月に開催したんですけど、その数週間後に緊急事態宣言が出ました。リアルイベントができなくなって、次のリアルナイトジュエルはオンライン開催になりました。他にもいくつかやりたいイベントはあったんですけど、出演者様に何かあってもいけないですし、何よりお客様も不安を抱いてしまいますので、結果、次の“リアルNightJewel”開催までに3年も空いてしまいました。
ただ、その分、ゲーム内でできることをしっかりと行っていて、そのタイミングでボイスの実装を決めたわけです。2020年にボイスをやると決めて、オーディションとボイス収録以外はほぼオンラインで進めていましたが、振り返ってみると、よくほぼオンラインだけでああいった進行ができたなと思います。
10大事件⑩:本格的なコラボ展開
――10年目にして一気に本格化したコラボ展開について教えてください。
過去にイラストレーターさんとのコラボはありましたが、他社様のIPをお借りして行うのは、これが本当に初めてです。他社のゲームで実施されているコラボを見て、「何かしらコラボができたらいいな」となんとなく思ってはいたのですが、なかなかタイミングがありませんでした。
しかし、10周年という節目ですので、「やってみよう」という話になりまして、今回ようやく実現することとなりました。許諾頂き本当にありがたいです。
※10周年記念3大コラボはこちら!
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――10周年でも新しいことに挑戦するといった意気込みを感じます。
おっしゃる通りでして、新しいことはこれからもどんどんやっていきます。まずユーザーの皆様にお伝えしたいのは「サービス終了の話は一切出てきていない」ということです。今言葉で伝えるのは簡単なんですが、ゲームの運営を通じてユーザーの皆様にそれを伝える手段としては、「今後やることがちゃんと決まっている」ことかと思っています。
ゲーム運営や新企画で、しっかりゲーム内を盛り上げていきたいです。
――他に、10周年記念での取り組みがあれば教えてください。
10周年のキービジュアルはもちろん制作したのですが、それ以外にも記念イラストとして、四人一組での“描き下ろし カルテットイラスト”を制作しています。
第1弾はすでに公開され、カード化もされたのですが、“ナイトジュエル店内で10周年の飾りつけをするナツ、ユウキ、トウカ、キリカ”というイラストです。
この4人は“帝王大付属高校関係者”(生徒3人、教師1人)という繋がりがあり、ナツもユウキもいますので、10周年合わせの第1弾としてはぴったりだと思います。
今後も四人一組で、第2弾、第3弾……と続いていきますので、ご期待頂ければと思います。
15年、20年と1日でも長く運営していく【六本木サディスティックナイト インタビュー】
――今後の展開を含めて、ファンへのメッセージをお願いします。
10周年を迎えられたのは、これまでプレイしていただいた皆様のおかげだと思っております。心より感謝申し上げます。
昔からプレイしてくださっている方、最近プレイを始められた方もいらっしゃると思いますが、たくさんのゲームがある中で『六本木サディスティックナイト』を選んでプレイしていただけていることが本当に嬉しく、大きな励みになっています。これからも、ずっと続けていただけたら嬉しいです。
幸いなことに、10年もの間運営を続けることができましたが、今後も15年、20年と、できる限り1日でも長く運営を続けていきたいと考えています。現在、コラボをはじめ、シーズン5やその他の今後の展開に向けて、すでに動き出しています。
来年の展開にも少し期待を寄せながら、引き続きゲームを楽しんでいただければ幸いです。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。