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『ライドカメンズ』はサービス終了後も推し続けたい神作品。仮面ライダーエッセンス濃厚なストーリーは初心者にもおすすめ【メモリの無駄づかい】

文:詩舞澤沙衣

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 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームで遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は、2024年5月30日にサービス開始し、2025年10月31日にサービスが終了した『ライドカメンズ』について語ります


 なお、カドスト内エビテンでは、キャラクターごとに『ライドカメンズ オフィシャルメモリアルブック ebtenDXパック』の予約受付中(2026年3月18日発売予定)。BIGクッションやスマホスタンド、描き下ろしメッセージがセットになったお得な商品です。

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完全オリジナルな仮面ライダーソシャゲ、それが『ライドカメンズ』!


 『仮面ライダー』シリーズや『スーパー戦隊』シリーズ といったニチアサ(日曜朝放送)の特撮番組は、SNSで実況している人も多く、トレンドによく挙がる。けれど、「なかなか丸々一年かけて番組を追うのはしんどい……」と思う方もいるだろう。私もよく「つらいなあ」と思ってしまい、何度もリアルタイム視聴に失敗してきた。(朝起きるのがまず苦手なのだ。)

 『仮面ライダー』シリーズに興味はあるけど、「なかなか新しくハマるのは無理かな……」とか、「『仮面ライダー電王』とか『仮面ライダーW』は見たことあるけれど、新しいのはなあ」といったことを考えてしまうような人にこそ、『ライドカメンズ』をおすすめしたい。(2025年10月末でサービスは終了しているが、オフライン版および、『ライドカメンズ ストーリーズ』でストーリーを読むことができる。)

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▲現在も『ライドカメンズ』のストーリーを読むことができる、『ライドカメンズ ストーリーズ』

 『ライドカメンズ』は、仮面ライダーのソーシャルゲームでは初となる、完全オリジナル作品だ。 今まで、戦隊や仮面ライダーが登場するソーシャルゲームはいろいろ(コラボも含めて)存在したけれど、どれもテレビや配信サービスで出されている映像作品が原作になっているゲームだ。一方、『ライドカメンズ』は、今までの『仮面ライダー』作品のエッセンスを盛り込みながら、完全新作として開発されたゲームなのだ。

 世界観監修・プロデュースの武部直美氏は、長年東映で『仮面ライダー』シリーズのプロデューサーとしてかかわっているベテラン。世界観構築・シナリオは、『仮面ライダーエグゼイド』や現在放映中の『仮面ライダーゼッツ』でもメインシナリオライターを務めている、高橋悠也氏だ。つまり、実際に『仮面ライダー』を作ってきた人たちが、手ずから作った作品、というわけである。

 ちなみに、アクション・ポーズ制作協力には高岩成二氏の名前がある。彼は、『仮面ライダー』シリーズで長年“一号ライダー”を演じてきたスーツアクターの方である。そういう意味でも、『仮面ライダー』シリーズを作ってきた人たちが深くかかわっている作品だ。現在でも、変身アニメーションはYouTubeで全員分見ることができる。

【ライドカメンズ】魅上才悟(仮面ライダー才悟)変身アニメーション


 初めて『仮面ライダー』について触れようと思ったときに、『ライドカメンズ』という選択肢があるよ! ということを、ぜひお伝えしたい。

クラスの個性それぞれ! 仮面ライダーも敵幹部も豪華声優陣!


 メインキャラクターデザイン原案はアニメ『SK∞ エスケーエイト』などで知られる内海紘子氏を起用。ゲーム開発は、女性向けゲームを手掛けてきたリベル・エンタテインメントだ。『A3!』や『18TRIP』といったタイトルとゲーム画面の設計が近しく、女性向けソーシャルゲームに親しみがある方であればとっつきやすいだろう。

 仮面ライダーは、それぞれ“クラス”に所属しており、そのクラスごとに活動している。(メインストーリー第一部は、“ジャスティスライド”“マッドガイ”の結成を中心に描かれている。)

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▲主人公クラスの“ジャスティスライド”

 『仮面ライダー』というと“正義の味方”というイメージの方もいるかもしれない。しかし、実は“悪役”や“憎めないヤツ”といった立場の仮面ライダーも多く存在する。『ライドカメンズ』でも、ゲーム中毒な社会不適合者、常に女性を口説いて回るキザな男など、一筋縄ではいかないキャラクターたちが登場する。キャストも豪華声優陣で、 たとえば“ジャスティスライド”の伊織陽真は内田雄馬氏、“スラムデイズ”の海羽静流は阿座上洋平氏、“タワーエンブレム”の高塔雨竜は斉藤壮馬氏だ。

 さらにいうと、いわゆる“敵幹部”である“アルセブン”は、子安武人氏や朴璐美氏、小林ゆう氏などが起用されている。よく、「ミステリ作品で豪華なゲストがいたらそれが犯人」などと言われるが、まさにそういう意味では、間違いなく黒幕級が名をつらねている。

仮面ライダーエッセンス濃厚なストーリー

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 『ライドカメンズ』を遊び始めてまず驚いたのは、怒涛のテキスト量。メインストーリーが最初からボリューミーだったし、各キャラカードに付属するエピソードも大量だった。(オフライン版でも“キャラクターストーリー”として現在でもまとめて読むことができる。)キャラクターたちのたわいない日常が、より“素顔”の姿で迫ってくるような印象で、クラス内のキャラクターが仲良しなだけでなく、年齢も性格も違うキャラクターたちが意外なところで交流を深めているシーンなどは、まさに覗き見ているような感覚になる。

 少しでも『仮面ライダー』シリーズを知っていると、各キャラクターに“元ネタ”といえる『仮面ライダー』シリーズのキャラクターが存在していることに気づくだろう。仮面ライダーのスーツの造形の元ネタだったり、キャラクターの持つエピソードに“元ネタ”要素が見つかるかもしれない。(さきほど名前を挙げた、『仮面ライダー電王』『仮面ライダーW』もモチーフとして登場する)

 これは、「元ネタを知らないと困る!」というわけではなく、元ネタの設定を織り込みつつ、新たな『仮面ライダー』シリーズとして再構成しているところが実に巧みだ。メインシナリオライターの高橋悠也氏は元々舞台脚本を手掛けていた方で、そう考えると“シェイクスピア劇の翻案作品”のような趣きがある。

 『ライドカメンズ』のキャラクターに興味を持つと、「このキャラクターは、どういう特撮仮面ライダーがもとになっているだろう?」と気になり、自然と特撮番組を視聴するきっかけとなる。『ライドカメンズ』のファンになった方が、SNS上でも突然『仮面ライダーエグゼイド』や『仮面ライダー鎧武』を見始めて、感想を投稿する……という現象が多発した。つまり、『ライドカメンズ』を知ると、もっと『仮面ライダー』について知りたくなってしまう。(背景スチルですら、過去の『仮面ライダー』に元ネタを見いだせるのだから)

楽曲、2.5次元舞台、メモリアルブック……まだまだ楽しもう『ライドカメンズ』!


 現在、『ライドカメンズ ストーリーズ』として、ストーリーがすべて読めるアプリが配信中なので、ぜひ『ライドカメンズ』の世界に触れてほしい。また、『ライドカメンズ』には、ゲーム全体の主題歌だけでなく、各クラスの楽曲が存在し、サブスクリプションの楽曲配信サービスなどで聴くことが可能だ。

 オフィシャルメモリアルブックが発売を控えているし、2.5次元舞台『ライドカメンズ The STAGE』もDVDで視聴可能だ。『ライドカメンズ The STAGE』は、『ライドカメンズ』本編の前日譚にあたるエピソードで、演出は毛利亘宏氏が手掛けている。毛利亘宏氏自身が『仮面ライダー』シリーズの脚本を書く脚本家であり、過去の『仮面ライダー』シリーズの2.5次元舞台化(舞台舞台『仮面ライダー斬月』-鎧武外伝-、『風都探偵 The STAGE』)にかかわってきたため、演出がとても良い。

 ちょっとでも気になったら、まずストーリーや変身アニメーションだけでも見ていってほしい。

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